コラム    

屋根の防水工事・屋上の防水工事を解説|費用や工事の内容・種類や防水のDIY方法も紹介

「最近、屋上や屋根の傷みが気になる…」「雨漏りしたらどうしよう…」 大切なお住まいや建物の屋上・屋根の防水について、このようなお悩みや疑問をお持ちではありませんか? 屋上や屋根の防水工事は、建物の寿命を延ばし、快適な生活空間を維持するために非常に重要です。しかし、専門的な知識が必要で、どの工法を選べば良いのか、費用はどれくらいかかるのか、自分でDIYできるのかなど、分からないことも多いですよね。

この記事では、そんな屋上・屋根の防水工事に関するあらゆる疑問にお答えします。防水工事の基本的な知識から、具体的な種類とそれぞれの特徴、気になる費用相場、DIYで挑戦する場合の手順と注意点、さらには信頼できる業者の選び方まで解説します。

防水層の劣化症状とサイン

屋根や屋上の防水層は、経年劣化や外的要因によって徐々に傷んでいきます。劣化のサインを見逃さず、早めに対処することが大切です。主な劣化症状には以下のようなものがあります。

  • ひび割れ(クラック):防水層や保護コンクリートに亀裂が入っている状態です。小さなひび割れでも、放置すると雨水が浸入する原因となります。
  • 膨れ:防水層の下に湿気が溜まり、太陽熱などで膨張して防水層が浮き上がっている状態です。破れると雨漏りに直結します。
  • 水たまり:雨が降った後、屋上や屋根の特定の部分に長時間水が溜まっている状態です。排水機能の低下や防水層の劣化が考えられます。
  • 色あせ・剥がれ:防水層の表面塗膜(トップコート)が劣化し、色があせたり剥がれたりしている状態です。防水機能自体が低下している可能性があります。
  • 雑草の発生:防水層の隙間や劣化した部分から土やホコリが入り込み、雑草が生えている状態です。根が防水層をさらに傷める可能性があります。
  • 雨漏り:天井や壁にシミができたり、実際に水滴が落ちてきたりする状態です。これは防水層が破断している可能性が高く、緊急の対応が必要です。

これらの症状に気づいたら、専門業者に点検を依頼することをおすすめします。

防水工事を怠るリスク

「まだ大丈夫だろう」と防水工事を先延ばしにすると、様々なリスクが生じます。

  • 雨漏りによる建物内部への被害 天井や壁のシミ、カビの発生、クロスや内装材の剥がれなど、見た目の問題だけでなく、健康被害にも繋がる可能性があります。
  • 構造躯体の腐食 雨水が建物の柱や梁などの構造部分にまで達すると、木材の腐食や鉄骨のサビを引き起こし、建物の強度を著しく低下させます。最悪の場合、大規模な修繕や建て替えが必要になることもあります。
  • シロアリの発生 湿った木材はシロアリの好物です。雨漏りによって木材が湿ることで、シロアリ被害のリスクが高まります。
  • 資産価値の低下 雨漏りが発生している建物や、防水機能が著しく低下している建物は、当然ながら資産価値が下がってしまいます。
  • 修繕費用の増大 劣化が進行してから工事を行うと、下地処理や内部の修繕など、余計な費用がかかることが多くなります。早期発見・早期対応が結果的にコストを抑えることに繋がります。

これらのリスクを避けるためにも、計画的な防水工事が不可欠です。

防水工事の適切な時期と耐用年数

防水工事には、適切な実施時期と、施工された防水層の一般的な耐用年数があります。

一般的に、多くの防水工法の耐用年数は10年~15年程度と言われています。ただし、これはあくまで目安であり、建物の立地条件、屋上・屋根の使用状況、施工品質、メンテナンスの頻度などによって大きく変動します。

防水工事を検討する適切な時期としては、以下のようなタイミングが挙げられます。

  • 前回の防水工事から10年以上経過したとき
  • 上記で挙げたような劣化症状が見られたとき
  • 大規模修繕計画の一環として(マンションなどの場合)
  • 中古物件購入時(防水層の状態を確認し、必要であれば)

また、工事を行う季節としては、気候が安定している春や秋がおすすめです。梅雨時期や台風シーズン、積雪のある冬場は、工事が中断しやすく工期が延びる可能性があるため、避けるのが一般的です。

屋根・屋上防水工事の種類と比較

屋根・屋上防水工事にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や費用、耐用年数が異なります。建物の状況や予算に合わせて最適な工法を選ぶことが重要です。ここでは代表的な防水工法を比較しながら解説します。

ウレタン防水の特徴・費用・耐用年数

  • ウレタン防水とは 液体状のウレタン樹脂を複数回塗り重ねて、つなぎ目のない防水層を形成する工法です。「塗膜防水」の一種で、国内の防水工事で最も多く採用されています。
  • メリット
    • 複雑な形状にも施工しやすい
    • 既存防水層の上に重ね塗り可能な場合が多い
    • 比較的安価でコスパが良い
  • デメリット
    • 職人の技術力により仕上がりが左右される
    • 乾燥に時間がかかり、天候に左右されやすい
    • 約5年ごとのトップコート塗り替えが必要
  • 費用相場:1㎡あたり約4,000円~7,500円
  • 耐用年数:約10年~13年

シート防水の特徴・費用・耐用年数

  • シート防水とは 塩化ビニル樹脂製や合成ゴム製のシートを、接着剤や固定金具で下地に貼り付けて防水層を形成する工法です。
  • メリット
    • 工場製造のシートで均一な品質を確保できる
    • 広範囲の施工に適し、工期が短め
    • 耐久性や耐候性に優れている
  • デメリット
    • シートの継ぎ目処理が重要で、施工不良による漏水リスクがある
    • 複雑な形状の屋根には不向き
    • 下地の平滑性が必要で、下地処理が重要
  • 費用相場:1㎡あたり約4,500円~8,500円
  • デメリット
  • 費用相場:1㎡あたり約5,500円~9,000円
  • 耐用年数:約15年~25年

FRP防水の特徴・費用・耐用年数

  • FRP防水とは FRPとは「Fiber Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)」の略称で、ガラス繊維などの補強材とポリエステル樹脂を組み合わせて作る強靭な防水層です。主にバルコニーやベランダに多く使用されますが、屋上にも対応可能です。
  • メリット
    • 非常に強度が高く、耐摩耗性・耐衝撃性に優れる
    • 軽量で建物に負荷をかけにくい
    • 硬化が速く、短工期で施工可能
    • 継ぎ目のないシームレスな仕上がり
  • デメリット
    • 伸縮性が低く、広い面積や動きの大きい下地には不向き
    • 施工時に特有の臭いが発生
    • 紫外線にやや弱いため、トップコートでの保護が必須
    • 他の工法より費用がやや高め
  • 費用相場:1㎡あたり約6,000円~9,500円
  • 耐用年数:約10年~13年

屋根形状・材質別おすすめ防水工法

屋根の形状や材質によって、適した防水工法は異なります。

  • 陸屋根(ろくやね)/フラットな屋上 勾配のない平らな屋根です。水はけが悪いため、防水性能が非常に重要です。
    • コンクリート下地の場合: ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水など、多くの工法が適用可能。面積や予算、耐久性に応じて選びます。
  • 勾配屋根(こうばいやね) 傾斜のある屋根。瓦やスレート、金属屋根材が一般的で、それぞれの下に防水シート(ルーフィング)が敷かれています。
    • 金属屋根の場合: 塗装防水(遮熱塗料など含む)、カバー工法などが有効
    • スレート屋根の場合: 塗装防水、カバー工法、葺き替えが選択肢
  • 木造住宅のバルコニー FRP防水やウレタン防水が多く採用されます。軽量で高防水性が求められるため。

どの工法が最適か迷った場合は、専門業者に現地調査を依頼し、建物の状態や要望を踏まえた提案を受けましょう。

屋根によく使用される素材について

屋根材の種類によって防水の必要性や相性の良い工法が異なります。以下に代表的な屋根材を紹介します。

  • スレート(化粧スレート・カラーベスト)
    • 一般的な戸建て住宅で広く使われている薄型の屋根材。軽量で施工しやすく、価格も手頃ですが、吸水性が高く定期的な塗装や防水対策が必要です。
  • 金属屋根(ガルバリウム鋼板・トタンなど)
    • 軽量かつ耐久性に優れ、最近では遮熱性や防錆性に優れたタイプも普及しています。塗装やシーリングによるメンテナンスが防水維持には欠かせません。
  • 瓦屋根(和瓦・洋瓦)
    • 防水機能は主に瓦の下に敷く防水シート(ルーフィング)に頼る構造です。瓦自体は非常に長寿命ですが、下地の防水層が劣化すると雨漏りの原因になります。
  • アスファルトシングル
    • 海外で多く使われる屋根材で、防水性が高くデザイン性も豊富。日本でも輸入住宅や意匠性重視の住宅で採用されることがあります。

これらの屋根材はそれぞれ特性が異なるため、防水処理や工法選びにも違いが出ます。既存の屋根材と状態に応じて、最適な防水対策を検討することが重要です。

屋根・屋上防水工事の費用相場

防水工事を検討する上で、最も気になるのが費用ではないでしょうか。ここでは、防水工事の費用相場や内訳、見積もり時の注意点などを解説します。

防水工事費用の内訳と単価目安

防水工事の費用は、主に以下の項目で構成されます。

  • 材料費:防水材、トップコート、プライマーなど
  • 施工費(人件費):職人の技術料や下地処理費
  • 足場代:高所作業や安全確保のために必要な費用
  • 撤去費:既存防水層の撤去が必要な場合の費用
  • 廃材処理費:工事中に出たゴミや廃材の処分費
  • 諸経費:現場管理費、保険料、運搬費など

工法別の1㎡あたりの単価目安は以下の通りです(※目安):

  • ウレタン防水:4,000円〜7,500円
  • シート防水:4,500円〜8,500円
  • アスファルト防水:5,500円〜9,000円
  • FRP防水:6,000円〜9,500円

実際の見積もりでは、これに加えて足場や諸経費が加算されます。

工法別・面積別の費用シミュレーション

以下は、戸建て住宅の屋上(50㎡)と、小規模なマンションの屋上(100㎡)を例にした工法別の費用概算です(※足場代・諸経費は別途)。

工法50㎡の費用目安100㎡の費用目安
ウレタン防水約20万円~38万円約40万円~75万円
シート防水約23万円~43万円約45万円~85万円
アスファルト防水約28万円~45万円約55万円~90万円
FRP防水約30万円~48万円約60万円~95万円

※実際の費用は、防水層の状態や下地処理の必要性、使用材料のグレード、業者の料金体系などにより変動します。必ず複数の業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。

見積もり取得時のチェックポイント

適正な価格で質の高い工事を実現するためには、見積もりの内容をしっかり確認することが大切です。以下のポイントを必ずチェックしましょう。

  • 工事範囲の明記 施工範囲が図面や説明文で明確に示されているか確認します。
  • 使用工法と材料の記載 採用する防水工法や防水材、トップコートのメーカーや製品名が明記されているか確認します。
  • 項目ごとの単価と数量の記載 「一式」など曖昧な表記ではなく、材料費・施工費・足場代などが細かく分けて記載されているか確認しましょう。
  • 下地処理の具体的な内容 高圧洗浄やひび割れ補修、ケレン作業などの処理内容が明確になっているか確認しましょう。
  • 保証内容と保証期間の有無 工事後の保証があるかどうか、期間と保証範囲が書面で示されているか確認します。
  • 追加費用の可能性と対応 工事中に追加工事が必要となった場合の対応方針や、費用の考え方についても事前に聞いておくと安心です。
  • 諸経費の内訳 諸経費が全体の何%か、また何に使われる費用なのか確認しましょう。

不明点は必ず業者に質問し、納得できるまで説明を受けましょう。

火災保険や助成金の活用について

「防水工事に火災保険が使えるの?」と思うかもしれませんが、条件次第では適用可能です。

  • 火災保険の活用例 台風や強風、豪雨、雪害などの自然災害により、屋根や防水層が破損し雨漏りが発生した場合は、火災保険の「風災・雹災・雪災補償」に該当する可能性があります。 ただし、経年劣化による雨漏りは対象外となるのが一般的です。保険の適用条件は加入内容によって異なるため、保険会社や代理店に確認しましょう。
  • 自治体の助成金制度 自治体によっては、住宅リフォームに関する助成金や補助金制度を設けている場合があります。防水工事が対象に含まれることもあるため、 お住まいの市区町村のホームページや窓口で事前に確認することをおすすめします。

火災保険や助成金の活用は、自己負担を減らす有効な手段となります。見積もりを取る際や業者に相談する際に、あわせて確認すると良いでしょう。

屋根・屋上防水工事のDIY手順

「費用を抑えるために、自分で防水工事をやってみたい」と考える方もいるかもしれません。ここではDIYで防水工事を行う際のメリット・デメリット、対応できる作業、手順や必要な道具について詳しく解説します。

DIYのメリット・デメリット

屋根・屋上防水工事のDIYのメリット・デメリットを以下にまとめました。

メリット

  • コストを大幅に抑えられる:業者に依頼する際の人件費や諸経費を削減でき、材料費だけで済む。
  • 自分のタイミングで作業できる:スケジュール調整の手間がなく、自分のペースで進められる。

デメリット

  • 専門知識と技術が必要:防水工事は施工不良が命取りとなるため、十分な知識と準備が必要。
  • 失敗のリスクが高い:施工ミスや材料選定ミスでかえって補修費用がかさむことも。
  • 安全対策が難しい:高所作業は常に落下などのリスクがある。
  • 保証がない:不具合が出てもすべて自己責任。
  • 予想以上に時間と手間がかかる:慣れない作業のため、思ったより工程が多くなることも。

DIYを行う場合は、これらの点を十分理解したうえで、無理をしない判断が重要です。

DIYで可能な防水工事内容と注意点

DIYで対応できるのは、あくまで軽微な補修やトップコートの塗り替えなど、比較的リスクの低い作業に限られます。

  • トップコートの塗り替え ウレタン防水やFRP防水では、表面保護のトップコートが5年ほどで劣化します。塗り替えは比較的DIYでも対応しやすい作業です。
  • 小さなひび割れの補修 表面の浅いクラックであれば、専用補修材を使って埋めることができます。ただし、構造的なひび割れや防水層内部の劣化が疑われる場合は専門業者の診断が必要です。

DIYを行う際の注意点

  • 無理はしない:難しさや危険を感じたら、すぐに作業を中止して専門家に相談しましょう。
  • 適切な材料選び:既存の防水層の種類に合った材料を選ばないと、密着不良や早期劣化の原因になります。
  • 丁寧な下地処理:洗浄・汚れ除去・ひび割れ補修などの前処理が不十分だと、防水性能が著しく低下します。
  • 安全対策を徹底する:高所作業時はヘルメットや安全帯の着用を必須とし、必ず2人以上で作業するなどの配慮が必要です。
  • 作業手順を守る:使用する塗料や材料の説明書を必ず読んで、指定された手順・配合比を厳守しましょう。

DIYはコスト削減につながりますが、失敗のリスクも高いため、判断には慎重を期すべきです。

屋上防水DIYのやり方と必要な道具

ここでは、ウレタン防水のトップコート塗り替えを例に、DIYで実施しやすい防水作業の手順と必要な道具を紹介します。

必要な道具・材料

  • 高圧洗浄機(またはデッキブラシ、ホース)
  • スクレーパー、皮スキ(古い塗膜や汚れの除去用)
  • ほうき、ちりとり、ウエス(雑巾)
  • マスキングテープ、養生シート
  • プライマー(下塗り材)
  • トップコート(ウレタン用)
  • ローラー(長毛・短毛)、ハケ、バケット
  • 攪拌棒またはかくはん機
  • はかり(塗料の配合用)
  • 保護メガネ、マスク、ゴム手袋、作業着

DIYの手順

  1. 清掃・洗浄:屋上のゴミ・汚れを取り除き、高圧洗浄で徹底的に洗います。
  2. 下地処理:浮いた塗膜や劣化箇所を除去し、ひび割れを補修します。
  3. 養生作業:排水口や壁際など、塗料が付着してはいけない部分をマスキングします。
  4. プライマー塗布:密着性を高めるために下塗り材を均一に塗布。乾燥時間を守ります。
  5. トップコート1回目:ローラーとハケを使い、トップコートを丁寧に塗布します。
  6. 乾燥:メーカー指定の時間をしっかり置いて乾かします。
  7. トップコート2回目:1回目と同様に塗布し、厚みと均一性を確保します。
  8. 養生撤去と片付け:完全乾燥後に養生を外し、作業道具を片付けて完了です。

※使用材料の説明書は必ず確認し、気温や湿度による条件も考慮して作業しましょう。

プロに依頼すべきケースの判断基準

DIYに挑戦するかどうか迷った際は、以下のような状況に当てはまるかどうかを一つの目安にしましょう。

  • すでに雨漏りが発生している場合 → 原因の特定や修繕には専門的な知識と技術が不可欠です。
  • 防水層の劣化が深刻な場合 → 広範囲のひび割れ、膨れや剥がれがある場合は、部分補修では対応できません。
  • 前回の工事から10年以上が経過している場合 → 防水層の寿命がきている可能性が高く、全体の改修が必要になることも。
  • 施工面積が広い・屋根の形状が複雑な場合 → 高度な施工技術が求められ、失敗すると補修費用が大きくなるリスクがあります。
  • 高所作業に不安がある場合 → 安全確保が最優先。無理な作業は事故につながりかねません。
  • アスファルト防水やシート防水など専門工法を希望する場合 → 施工には特別な機材や職人技が必要で、DIYには不向きです。

DIYのメリットは確かにありますが、失敗によるリスクと費用を考えると、プロへの依頼が結果的に最も安全でコストパフォーマンスが良い選択となる場合も多いです。

屋根・屋上用防水塗料の選び方

防水工事、特に塗膜防水やトップコートの塗り替えでは、使用する塗料の選択が仕上がりの品質と耐久性を大きく左右します。ここでは、防水塗料の種類や選び方のポイントを解説します。

防水塗料の種類と機能性比較

  • ウレタン系塗料:柔軟性と施工性に優れ、コストパフォーマンスも良好。DIYにも対応しやすい。
  • シリコン系塗料:耐久性や耐候性が高く、汚れにも強い。ウレタンより高価だが長持ち。
  • アクリル系塗料:安価で施工性も高いが、耐久性はやや低い。短期使用や仮設向け。
  • FRP系塗料(トップコート):硬質で耐摩耗性に優れ、FRP防水層の保護に使われる。
  • 遮熱・断熱塗料:太陽光の熱を反射し、室内温度上昇を抑制。省エネ効果も。

屋上・屋根の材質に適した塗料

塗料は下地材との相性が重要です。

  • コンクリート・モルタル下地:多くの塗料が使用可能。プライマーで密着性を確保することが大切。
  • 金属屋根(トタン・ガルバリウム鋼板など):サビ止め塗料を含む下塗り材が必要。上塗りはシリコン系や遮熱塗料が主流。
  • 既存防水層の上:ウレタンやFRPなど、素材に応じた専用トップコートを選ぶこと。

人気メーカーの防水塗料

代表的な塗料メーカーには以下のような企業があります。

  • 日本ペイント
  • 関西ペイント
  • エスケー化研
  • アサヒペン(DIY製品が豊富)
  • AGCポリマー建材(サラセーヌなど)
  • 田島ルーフィング(シート・アスファルト防水材)

防水塗料の価格帯と耐用年数

塗料種類耐用年数目安特徴
アクリル系3~5年安価だが短命
ウレタン系5~8年柔軟性と施工性に優れる
シリコン系7~12年高耐久でコストバランス良
フッ素系12~15年以上高価格だが最も耐久性あり

機能性(遮熱・低汚染性など)が追加された製品は、やや価格が高くなる傾向があります。

信頼できる防水工事業者の選び方

防水工事の成否は、業者の技術力や誠実さに大きく左右されます。ここでは後悔しないための業者選びのポイントを紹介します。

優良な防水工事業者を見極めるコツ

  • 建設業許可や資格の有無を確認 500万円以上の工事には建設業許可が必要です。また「防水施工技能士」などの国家資格を持つ職人がいるかも技術力の判断材料となります。
  • 施工実績を確認 類似の物件や形状の屋根・屋上での施工経験が豊富か、実例写真などを見せてもらいましょう。
  • 現地調査と説明が丁寧か 現場をきちんと見てから提案をしてくれる業者は信頼できます。専門用語ばかりでなく、わかりやすい言葉で説明してくれるかも大切なポイントです。
  • 見積書が詳細で明確か 工事内容、材料、数量、保証内容まで明記されているか確認しましょう。
  • 保証やアフターフォローが充実しているか 保証期間の長さだけでなく、その内容や点検サービスの有無もチェックしましょう。
  • 地元での評判が良いか 長年地域で営業している業者は、信頼と実績がある可能性が高いです。口コミサイトや知人の紹介も参考になります。

複数業者から見積もりを取る重要性

防水工事を成功させるためには、1社だけでなく複数の業者に見積もりを依頼し、内容を比較検討することが欠かせません。以下にその理由を解説します。

  • 適正な相場が把握できる 1社のみの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。複数社の見積もりを比較することで、相場観を持つことができます。
  • 提案内容を比較できる 業者ごとに提案される防水工法や使用材料、施工方法が異なることがあります。自分に合ったプランを選ぶための参考になります。
  • 悪質業者を避ける目安になる 極端に安すぎる、または高すぎる業者は注意が必要です。相場とかけ離れた見積もりを提示する業者は信頼性に欠ける可能性があります。
  • 価格交渉の材料になる 他社の見積もりをもとに、価格や条件の交渉をすることで、より良い条件を引き出せる場合があります。

手間はかかりますが、相見積もりは納得できる工事を実現するために非常に有効な手段です。

契約前に確認すべき事項と保証内容

業者選定が完了し、契約に進む前には、必ず以下のポイントを確認しておきましょう。

  • 契約書の内容 工事名、施工範囲、金額、支払い条件、工期、引き渡し日などが正確に記載されているかを確認します。
  • 使用材料・工法の明記 見積書と相違がないか、メーカー名・製品名が明記されているかを再確認しましょう。
  • 保証書の発行 保証の有無だけでなく、対象となる不具合、保証期間、免責事項などが明記された保証書を必ず受け取るようにしてください。
  • クーリング・オフ制度の説明 訪問販売などで契約した場合、一定期間内で契約を解除できる制度があります。該当する場合は説明がなされているか確認しましょう。
  • 追加・変更工事時の取り決め 工事中に仕様変更や追加工事が発生することがあります。その場合の連絡方法や費用の扱いを明確にしておくと安心です。

契約書は口約束ではなく、書面での取り交わしが基本です。不明点があれば必ず質問し、納得したうえで署名・押印しましょう。

防水工事のよくある質問(FAQ)

Q

防水工事の工期はどれくらいかかりますか?

A

一般的な住宅の屋上やベランダの防水工事では、2~5日程度が目安です。ただし、面積や天候、工法によって前後します。

Q

雨の日でも工事は進められますか?

A

基本的に雨天時の作業は中止されます。防水材がしっかり密着しない恐れがあるため、晴天が続くタイミングで工事を計画することが大切です。

Q

防水工事中に住み続けることはできますか?

A

ほとんどの場合で居住しながらの施工が可能です。ただし、騒音や振動が発生する工程もあるため、事前に施工会社とスケジュールを確認しておきましょう。

Q

防水工事に補助金は使えますか?

A

自治体によっては、住宅リフォームの一環として補助金制度を設けている場合があります。事前に市区町村の窓口や公式サイトで確認することをおすすめします。

Q

防水工事を依頼するベストな時期はいつですか?

A

梅雨や台風の影響を避けるため、春(3~5月)や秋(9~11月)の晴天が続きやすい時期がおすすめです。

まとめ

屋根・屋上の防水工事は、建物を雨水や紫外線から守るうえで欠かせない重要なメンテナンスです。適切なタイミングで施工を行い、正しい材料や工法を選ぶことで、防水性能を長期間維持することが可能になります。

また、工事の品質を左右するのは業者の選び方です。信頼できる業者に依頼するためには、見積もりの比較や契約前の確認事項を丁寧に行うことが大切です。

防水工事は一見地味に見えるかもしれませんが、その効果は建物の寿命や快適性に直結しています。本記事を参考に、ご自身の住まいに最適な防水対策をぜひ見つけてください。

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