コラム    

屋根の修理と防水対策ガイド|費用・工法・業者選びを解説

家の屋根は日々の風雨や紫外線にさらされ、少しずつ劣化が進んでいます。屋根の防水性が失われると、雨漏りや建物内部の腐食、カビの発生といった深刻なトラブルに発展することもあります。とくに近年は異常気象による豪雨の頻度も増しており、防水対策の重要性がいっそう高まっています。

この記事では、屋根の修理や防水工事が必要な理由から、代表的な工法の違いや費用相場、信頼できる業者の選び方まで、はじめての方にもわかりやすく丁寧に解説します。自宅の屋根の状態に不安がある方や、雨漏りに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

屋根修理と防水はなぜ必要?放置リスクとは

屋根の劣化はゆっくりと進行するため、日常生活の中で気づきにくいのが特徴です。表面上は無傷に見えても、内部では防水層が破れて水分が侵入しているケースも少なくありません。以下のような症状が現れたら、早急な修理・防水工事を検討しましょう。

  • 屋根材のひび割れ・ズレ
  • 雨染みや天井のシミ
  • 雨天時の水漏れ
  • 錆びや腐食、コケの発生
  • 屋根裏からの湿気や異臭

こうした症状を放置すると、断熱材や構造材にまでダメージが及び、内装の腐食やカビの繁殖につながります。また、耐震性や断熱性の低下にもつながるため、居住環境そのものの安全性が損なわれてしまうおそれがあります。

屋根の防水工事の種類と特徴

屋根の構造や状態によって最適な防水工法は異なります。下地の素材、傾斜の角度、過去の施工歴などを考慮したうえで、適切な方法を選ぶことが重要です。代表的な防水工法は以下のとおりです。

ウレタン防水

液体状のウレタン樹脂を塗布し、継ぎ目のない防水層を形成します。複雑な形状の屋根にも対応可能で、リフォーム現場などでもよく採用されます。塗り重ねによる再施工も比較的容易です。

シート防水(塩ビ・ゴム)

防水シートを専用接着剤で接着する工法で、施工が早く、比較的コストパフォーマンスに優れています。屋根面が平らで広い場合に適しています。部分的な交換も可能です。

アスファルト防水

加熱したアスファルトと防水シートを交互に積層して施工する方法で、非常に高い耐久性が特徴です。大型建築物の屋上などにも使われる本格的な工法です。

FRP防水

ガラス繊維で強化されたプラスチック樹脂を用いる方法で、軽量で高強度。ベランダやバルコニー、小規模な屋根に適しています。硬化が早く、短期間で工事を終えられる点も魅力です。

工法名耐用年数特徴
ウレタン防水約10年柔軟性あり、複雑な形状でも対応可能
シート防水約10〜15年工期が短く、部分補修がしやすい
アスファルト防水約15〜20年耐久性に優れ、公共施設などでも多用される
FRP防水約10年高強度で軽量、小面積に向いている

屋根修理・防水工事にかかる費用相場

防水工事の費用は、選択する工法や施工面積、下地の状態、地域ごとの人件費などによって変動します。以下はあくまで目安ですが、予算の参考にしてください。

工法単価(1㎡あたり)20㎡の費用50㎡の費用100㎡の費用
ウレタン防水4,500〜6,500円9万〜13万円22.5万〜32.5万円45万〜65万円
シート防水5,000〜7,500円10万〜15万円25万〜37.5万円50万〜75万円
アスファルト防水7,000〜10,000円14万〜20万円35万〜50万円70万〜100万円
FRP防水6,000〜9,000円12万〜18万円30万〜45万円60万〜90万円

※上記金額には足場代・諸経費・既存防水層の撤去費用は含まれていない場合があります。必ず事前に確認しましょう。

DIYで屋根防水はできる?応急処置と注意点

突然の雨漏りに見舞われた場合、応急処置としてDIYを試みる方もいます。市販の防水テープ、防水スプレー、コーキング剤などを使って一時的な対応は可能です。ただし、DIYには限界があります。

  • 高所作業は転落の危険がある
  • 防水層の下地状況までは確認できない
  • 本質的な原因に対処できず再発する可能性が高い

とくに屋根全体の劣化が進行している場合や、防水層が完全に機能していない場合は、専門業者による調査と本格的な修繕が不可欠です。DIYはあくまで緊急時の一時対応と考えましょう。

大規模修繕施工事例とお客様のお問い合わせから引き渡しまでを公開!

ここでは新東亜工業に大規模修繕や防水工事などをご依頼頂いたお客様とのやりとりをいくつか紹介します。

施工事例のページにおいてさらに詳細をご確認できます。

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マンション大規模修繕や防水工事など様々なやり取りをリアルな流れで紹介

マンション大規模修繕の施工事例です。

昨年に実施予定でしたが、ウクライナやコロナ、円安などの影響で、工事予算が跳ね上がり、修繕積立金予算をオーバーしてしており管理組合で融資を受けることは極力避けて、例えば、足場を組んでいっぺんにできる修繕だけに絞るなどして、早めに実施したいといったご要望でした。

東京都のマンション屋上防水工事の施工事例です。2棟のうち1棟は過去に別の業者さんで防水工事をしたものの雨漏りが止まらない状態でもう1棟は20年以上何も手入れしていない状態でした。

屋根修理・防水工事の流れと日数の目安

屋根の修理・防水工事の流れは、以下のステップで進みます。

  1. 現地調査・劣化診断(屋根の状態や劣化箇所の確認)
  2. 見積もりと工法・使用資材の説明
  3. 契約締結とスケジュール調整
  4. 足場の設置・近隣への挨拶まわり
  5. 下地補修・高圧洗浄・防水層の施工
  6. 仕上げ・点検・片付け
  7. 完了報告・保証書の発行

小規模な防水補修であれば1〜3日程度、大規模修繕や下地補修が必要な場合は5〜10日以上かかることもあります。天候による影響も考慮して、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

信頼できる業者選びのポイント

屋根の防水工事は専門性が高く、業者の技術や誠実さが仕上がりに直結します。信頼できる業者を見極めるためには、以下のポイントを確認しましょう。

  • 施工実績や事例が豊富で、具体的に確認できる
  • 有資格者が在籍している(防水施工技能士など)
  • 保証期間やアフターサービスが明記されている
  • 担当者が現場を確認して丁寧に説明してくれる
  • 曖昧な見積もりや強引な営業がない

また、相見積もり(3社以上)をとることで、価格やサービス内容を客観的に比較できます。価格が極端に安い業者には注意が必要です。

よくある質問(FAQ)

Q

雨漏りがある場合、すぐに修理したほうがいい?

A

雨漏りは放置すると構造材の腐食や断熱材のカビ発生などにつながり、修繕範囲が広がってしまいます。早急に対応しましょう。

Q

防水工事と屋根塗装の違いは?

A

防水工事は水の侵入を防ぐことを目的とした工事で、防水層を形成します。一方で屋根塗装は美観と表面保護が目的であり、防水性は限定的です。役割が異なるため、必要に応じて併用するケースもあります。

Q

工事中に雨が降ったらどうなる?

A

基本的に工事は中断し、防水シートなどで養生を行います。施工内容によっては乾燥期間が必要な場合もあるため、天候によって工期が延長されることがあります。

まとめ|屋根の修理と防水工事は早めの対応がカギ

屋根の修理や防水工事は、家を長持ちさせるために欠かせないメンテナンスです。雨漏りやひび割れなどのサインを見逃さず、適切なタイミングで対処することが大切です。費用や工法に不安がある方も、信頼できる業者に相談することで、納得のいく施工が実現できます。

定期的な点検と予防的な防水対策を心がけて、家族が安心して暮らせる住環境を維持していきましょう。

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