【賃貸経営】賃貸マンションの空室は「建物」が原因かも?修繕と設備改善で入居率を高める方法を
2026/02/10
目次
新東亜工業が解説
賃貸マンションやアパートの空室がなかなか埋まらず、「これ以上は家賃を下げるしかないのか」と悩んでいるオーナー様は少なくありません。
しかし実務では、募集条件よりも先に「建物の見た目」「共用部の雰囲気」「設備の古さ」が原因になっているケースも多く、家賃を下げても反応が弱い物件ほど、建物側の見直しに改善の余地があることが少なくありません。
株式会社新東亜工業(東京都墨田区)は、創業16年で5,000件以上の大規模修繕工事・外壁塗装・防水工事を手がける中で、「空室改善」を目的としたご相談も数多くいただいてきました。
本記事では、賃貸マンションの空室対策として有効な修繕・設備改善の考え方や、実際に効果が出た事例、セルフチェックのポイントを、新東亜工業の視点からわかりやすく解説します。
はじめに:空室が増えるとき、オーナーは何に悩むか
空室が増え始めると、真っ先に気になるのが「家賃は相場より高いのか」「礼金や更新料が敬遠されているのか」といった募集条件の妥当性です。
ポータルサイトで同じエリア・同じ間取りの物件を比較し、「やはり少し高いから、下げた方がいいのでは」と考えるオーナー様も多いでしょう。
一方で、営業現場の声を聞くと、「条件を周辺に合わせても、そもそも内見の問い合わせが少ない」「内見はあるが、他の物件に負けてしまう」といった悩みもよく挙がります。
こうしたケースでは、家賃水準だけでは説明できない要因、つまり「建物そのものの印象」や「設備の見劣り」が影響している可能性が高くなります。
本記事では、家賃や募集条件の見直しだけに頼るのではなく、「建物・共用部・設備」というハード面から空室対策を考える視点を整理していきます。
空室の原因は「家賃」だけではない
空室の原因を考えるとき、多くのオーナー様は「家賃が高いのでは」「初期費用が重いのでは」といった金額面を気にします。
しかし、入居希望者の行動を追っていくと、「条件は他と大きく変わらないのに、選ばれない物件」が一定数存在していることがわかります。
入居者はポータルサイトで物件を探す際、まずは家賃・間取り・駅距離などの条件で絞り込みますが、その次の段階では「物件写真」や「建物の雰囲気」で候補をさらに絞り込んでいます。
ここで外観や共用部の印象が悪いと、家賃が相場並みでも、「わざわざ見に行くほどではない」と判断され、内見候補から外されてしまうことがあります。
また、内見に至った場合でも、「建物が古くて暗い」「管理が行き届いていない印象がある」と感じられると、室内が悪くなくても他物件に負けてしまうことが少なくありません。
つまり、空室の原因は「家賃」と「建物の印象」がセットになっていることが多く、後者を改善することで前者をむやみに下げずに済む可能性があるのです。
入居希望者がチェックしている「建物の印象」
入居希望者が物件を見る際、室内の設備や間取りだけでなく、「建物全体の雰囲気」も細かくチェックしています。
具体的には、次のようなポイントです。
- 外壁の汚れ・ひび割れ・色あせの有無
- エントランス周りの清潔感や明るさ、館名板の古さ
- 共用廊下や階段の床の傷み、汚れ、暗さ
- 手すりや鉄部のサビ・塗装のはがれ
- ゴミ置場の管理状況(散らかっていないか、臭いはどうか)
- 夜間の照明・防犯カメラの有無など、防犯面の安心感
こうした要素は、「この建物はきちんと管理されているのか」「安全で安心して暮らせそうか」といった心理的な評価につながります。
外観や共用部にマイナス印象が多いと、「ここに長く住むのは不安だ」と感じられ、室内が悪くなくても候補から外れてしまうことがあります。
逆に言えば、築年数が古くても、外観や共用部がきちんと手入れされている物件は、「大切に管理されている建物」という印象を与え、内見時の安心感や好感度につながります。
空室対策として有効な修繕・改善①:外観・共用部の第一印象
空室対策の観点から見たとき、最初に優先したいのが「外観と共用部の第一印象」を整えることです。
ここを改善することで、ポータルサイトの写真映えが良くなり、内見の段階でも「古いけれどきちんと手入れされている物件」というプラスの印象を与えやすくなります。
代表的な改善ポイントとして、次のようなものが挙げられます。
- 外壁塗装やタイル洗浄で、色あせ・汚れをリセットする
- エントランスの壁面・天井の塗装や美装で、明るさと清潔感を出す
- 共用廊下・階段の長尺シート張り替えで、足元の安全性と見た目を向上させる
- 手すり・鉄部の塗装で、サビ・劣化の印象をなくす
こうした工事は、大規模修繕のタイミングと合わせて検討されることも多いですが、「空室が増えてきたタイミング」で先行して行うケースもあります。
特に、内見時に必ず目に入る「エントランス」「共用廊下」「階段」は、費用対効果の高い改善ポイントです。
空室対策として有効な修繕・改善②:設備レベルの底上げ
もう一つの重要な視点が、「設備レベルを周辺物件の平均以上にする」という考え方です。
近年の入居者は、室内の設備だけでなく、共用設備やインターネット環境、防犯面の充実度も重視する傾向が強くなっています。
たとえば、次のような設備は、エリアやターゲットにもよりますが、「あると安心」「ないと候補から外す」ラインになりつつあります。
- インターネット無料またはWi-Fi完備
- 宅配ボックス
- オートロック・防犯カメラなどの防犯設備
- 共用部のLED照明(明るく、省エネ)
全てを一度に導入する必要はありませんが、近隣の競合物件と比べて明らかに見劣りする設備がある場合は、優先順位の高いものから導入を検討する価値があります。
特に単身者向け物件では、「ネット無料」「宅配ボックス」「防犯カメラ」は、決め手になりやすい設備です。
設備の追加は初期投資を伴いますが、家賃の維持・微増や空室期間の短縮につながれば、中期的に十分回収できるケースも多くあります。
「空室対策×修繕」で考える投資回収の基本
空室対策として修繕や設備投資を行う際に重要なのが、「家賃値下げ」との比較です。
例えば、30戸のマンションで1戸あたり月1,000円の家賃を下げると、年間で約36万円の収入減になります。
一方、同程度の金額を共用部の美装や照明改善に投じることで、空室期間が短縮され、家賃を維持できるのであれば、「値下げ」よりも「投資」で解決する方が中長期的にはプラスになりやすいと言えます。
大切なのは、「今どれくらい空室があり、どの程度改善できれば投資額を回収できるのか」を大まかにシミュレーションしておくことです。
また、投資回収を考える際には、「見た目を良くするだけの工事」ではなく、住みやすさや安全性も向上させる工事を組み合わせると、退去抑制にもつながりやすくなります。
入居が決まりやすくなり、なおかつ長く住んでもらえるような改善を行うことが、トータルの収益性を高めるポイントです。
新東亜工業が見てきた「空室改善につながった修繕」の事例
ここからは、新東亜工業が現場で見てきた「空室改善に効果があった修繕」の代表的なパターンを紹介します。
事例1:共用廊下美装+照明改善で成約率が上がったケース
築25年・30戸規模の賃貸マンションでは、共用廊下の床シートの汚れやはがれ、暗い照明が目立ち、内見時に「古い」「暗い」という印象を持たれていました。
室内リフォームは行っていたものの、ポータルの写真で見ると、廊下の暗さや汚れがどうしても印象に残り、内見からの成約が伸び悩んでいた状況です。
この物件では、共用廊下・階段の長尺シート張り替えと、共用部の照明をLEDに交換し、色温度も少し高めで明るく見えるものに変更しました。
エントランスの天井・壁も部分的に塗装と美装を行った結果、「古いけれどきれいな物件」という印象に変わり、工事後半年ほどでほぼ満室になったケースがあります。
事例2:外観リニューアルと館名板更新で問い合わせが増えたケース
別の築20年以上の物件では、外壁の色あせや汚れが目立ち、「築年数以上に古く見える」ことが課題でした。
そこで、外壁塗装とタイル洗浄を行い、あわせてエントランスの館名板を新しいデザインに変更。
ポータルサイトに掲載する写真を撮り直したところ、「前よりも問い合わせが増えた」「ネットの写真を見て決めた」という入居者が増えたとオーナー様から声をいただきました。
築年数は変えられませんが、「古く見えるか」「きちんと手入れされているように見えるか」で、反応は大きく変わることが分かる事例です。
※実際に掲載する際は、御社の実案件のエリア・戸数・工事内容・費用感・効果などを入れて、より具体的なストーリーにすると説得力が増します。
空室に悩むオーナー向けセルフチェックリスト
ここまでの内容を踏まえ、空室対策として修繕・設備改善を検討すべきかどうかを判断するための、簡単なセルフチェックをまとめます。
【建物・共用部の状態】
- 外壁に汚れ・ひび割れ・色あせが目立つ
- 共用廊下や階段の床が、暗い・古い・滑りやすそうに見える
- 手すりや鉄部にサビや塗装はがれが多い
- エントランス周りが雑然としており、古びた印象が強い
- ゴミ置場の雰囲気が悪く、管理されていないように見える
【設備・暮らしやすさ】
- 近隣の競合物件と比べて、宅配ボックスや防犯カメラが見劣りする
- インターネット無料やWi-Fi対応などの訴求ポイントがない
- 夜間の共用部が暗く、防犯の面で不安がある
- 入居者から、設備や共用部に関する不満の声が出ている
これらの項目に複数当てはまる場合は、「家賃や条件の見直し」だけでなく、「建物の印象や設備レベル」を見直すことで、空室改善の余地がある可能性が高いと言えます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 予算が限られている場合、どこから手をつけるべきですか?
予算が限られている場合は、まず「入居者の目に入りやすい場所」から優先するのがおすすめです。
具体的には、エントランス周り・共用廊下・階段などの美装や照明改善は、比較的少ない費用で印象を大きく変えやすいポイントです。
Q2. 空室対策のための修繕費は、どのくらいで回収できるイメージですか?
物件の規模や家賃水準にもよりますが、「空室期間の短縮」と「家賃の維持・微増」の組み合わせによって、数年単位で回収できるケースが多い印象です。
事前に「工事費」と「見込まれる家賃収入の変化」をおおまかに試算しておくと、投資判断がしやすくなります。
Q3. まずは相談だけでも大丈夫ですか?
現状の空室状況や建物の状態を伺ったうえで、「どこに改善の余地がありそうか」「どの程度の予算感で考えるべきか」といった方向性からお話しすることも可能です。
具体的な工事内容や見積もりのご提案は、そのうえでご希望を伺いながら進めていく形となります。
まとめ|条件だけでなく「建物」も見直すことで、空室リスクを下げる
空室が続くと、どうしても家賃や募集条件の見直しに意識が向きがちですが、「建物の印象」や「設備レベル」が原因になっているケースも少なくありません。
外観・共用部の美装や設備改善は、初期費用こそ必要なものの、内見数の増加・家賃の維持・退去抑制といった形で、中長期的に賃貸経営の安定につながりやすい投資です。
新東亜工業では、賃貸マンション・アパートオーナー様向けに、大規模修繕工事や外壁塗装・防水工事に加え、「空室対策の一環としての修繕・改善」のご相談も承っています。
「条件をいじっても空室が埋まりにくい」と感じているオーナー様は、建物の見直しも含めて、一度ご相談いただければと思います。