マンションの大規模修繕工事とは?費用目安・工事内容・期間などを解説 | 株式会社新東亜工業  

    コラム    

マンションの大規模修繕工事とは?費用目安・工事内容・期間などを解説

マンションの大規模修繕の費用相場や目安・マンション大規模改修工事における平均単価は?
大規模改修工事におけるマンション管理組合の役割や内容は?大規模修繕工事計画からの流れを知りたい。

新築マンションでも、建物や設備は経年劣化します。

しかし、大規模修繕は高額な費用がかかるため、必要性を詳しく知りたい方も多いでしょう。

そこで、大規模修繕の費用や工程など、マンションを適切に運営するために知っておきたい基本情報を紹介します。

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マンション大規模修繕とは?

マンションの大規模修繕とは、マンション全体の老朽化や劣化を防ぎ、快適な居住環境を維持するために、定期的に行われる修繕工事のことを指します。以下に、大規模修繕の概要と主な内容を説明します。

大規模修繕の目的
  • 老朽化の防止: 建物や設備の劣化を防ぎ、安全で快適な居住環境を維持する。
  • 美観の向上: 外観を整え、住民の満足度やマンションの資産価値を高める。
  • 性能の維持・向上: 建物の防水性や耐震性などの性能を維持・向上させる。
主な修繕内容
  • 外壁補修: 外壁のひび割れや剥離部分の補修、再塗装。
  • 防水工事: 屋上やバルコニーの防水層の改修。
  • 設備の更新: 給排水管や電気設備の点検・交換。
  • 共用部分の改修: エントランスや廊下、階段などの共用部分の改修。
  • 外構工事: 駐車場や庭の整備。

  • 長期修繕計画の作成: マンションの管理組合が中心となり、専門家と協力して長期修繕計画を作成します。修繕積立金の管理: 長期修繕計画に基づき、修繕積立金を適切に管理し、必要な資金を確保します。工事の実施: 修繕工事は通常、10〜15年ごとに行われ、管理組合が工事業者を選定し、実施します。
  • 大規模修繕のメリット

    • 建物の寿命延長: 定期的な修繕により、建物の寿命を延ばし、安全性を確保します。
    • 資産価値の維持・向上: 美観や機能を保つことで、マンションの資産価値を維持・向上させます。
    • 快適な居住環境の維持: 修繕により、居住環境が改善され、住民の満足度が向上します。

    大規模修繕は、マンションの維持管理において非常に重要な役割を果たしており、住民全員の協力が不可欠です。適切な計画と実施により、快適で安全な住環境を長期間にわたり維持することが可能となります。

    マンション大規模修繕の定義

    マンション大規模修繕とは、どのような工事を指すのでしょうか。

    ここでは、国土交通省と建築基準法における大規模修繕の定義を簡単に解説します。

    国土交通省の定義

    国土交通省の「長期修繕計画ガイドライン」における「大規模修繕工事」の定義は以下の通りです。

    大規模修繕工事~建物の全体又は複数の部位について行う大規模な計画修繕工事(全面的な外壁塗装等を伴う工事)

    国土交通省「長期修繕計画標準様式 長期修繕計画作成ガイドライン 長期修繕計画作成ガイドラインコメント 第2編 第1章 4項」

    さらに、「マンションの改修及び建替え等」において、「大規模修繕工事」は次のように定義されています。

    大規模修繕工事~マンションの快適な居住環境を確保し、資産価値を維持するために行う修繕工事や、必要に応じて建物及び設備の性能向上を図るために行う改修工事のうち、工事内容が大規模、工事費が高額、工事期間が長期間にわたるもの等

    国土交通省「マンションの改修・建替え等について」

    なお、国土交通省の定義では、大規模修繕工事の内容や工事箇所、目的まで細かく網羅されています。

    建築基準法での定義

    建築基準法では「大規模修繕」を次のように定義しています。

    大規模の修繕~建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕

    建築基準法「第1章第2条用語の定義」

    主要構造部に限定している点が特徴です。

    主要構造部とは、柱や梁など建物の構造のなかで重要な部分を指します。

    大規模修繕は、防水工事や外壁塗装が主で、柱の本数を変更することはほとんどありません。

    国土交通省の「大規模修繕工事」と建築基準法の「大規模修繕」は、言葉は似ているものの意味が異なることを理解しておきましょう。

    改修や修繕との違い

    修繕と似たような言葉に「改修」や「改良」があります。

    大規模修繕を理解するために、違いを見てみましょう。

    国土交通省の「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル」では、次のように説明されています。

    補修工事:老朽化した建物や部品の性能や機能を、実質的に支障のない状態に回復させること

    改良工事:建物の性能や機能を向上させる工事

    改修工事:補修工事や改良工事を通じて、建物全体の性能を向上させること

    各用語は、使ったり目にしたりする用語ですが、実際には意味が異なります。

    見積もりの内訳では、用語の使い方が異なる場合があるため注意しましょう。

    マンション大規模修繕工事は必要?

    マンション大規模修繕は工事費用が高額であり、工事内容も多岐にわたるため、必要性を理解したうえで検討しましょう。

    ここでは、マンション大規模修繕をすべき理由、必要性を解説します。

    建物・設備は経年劣化するため

    大規模修繕を実施する主な理由は、経年劣化による損傷箇所を補修し、新築時の性能を回復させることで住み心地を回復させることです。

    また、外壁タイルの剥離から居住者や地域住民を守ること、安全性を確保することでもあります。

    日常的に行われる小規模な修繕だけでは、経年劣化や雨風などによるマンション全体の劣化には対応できません。

    コンクリートに3mm程度のひび割れがあっても、内部の鉄筋まで雨水や空気が浸入すれば錆が発生し、十分な耐久性が得られないこともあります。

    さらに、外壁のタイルが剥落した場合、近隣住民に被害が及び、管理組合に賠償責任が生じるリスクも高いです。

    資産価値を守るため

    劣化が進み、住み心地が悪くなったマンションは資産価値が低下します。

    資産価値が下がれば売りたくても売れない部屋が発生し、マンションの高齢化・過疎化、マンション経営の難しさといった負の連鎖が続くでしょう。

    深刻な問題が発生する前に大規模修繕を適切に行うことで、経年劣化したマンションの機能を回復させ、快適で安全な状態を維持することが可能です。

    マンション(区分)所有者にとっては、生活の不便さや修繕工事期間中の費用負担などはかかります。

    しかし、建物の安全性や資産価値を維持するためには必要不可欠です。

    マンション大規模修繕の内容

    マンション大規模修繕では、最初に建物診断を行い、状態を確認します。

    そして、結果をもとに工期や工事範囲を決定し、工事内容や材料、工法などを選定する工事仕様書を検討し、総会での決議を経て工事を行います。

    ここでは、外壁塗装、タイル補修、防水工事など、大規模修繕工事の内容を詳しく見ていきましょう。

    仮設工事

    仮設工事には、直接仮設工事と共通仮設工事の2つが挙げられます。

    直接仮設工事は、大規模修繕工事に必要な足場を設置する工事です。

    建物の周囲に足場を組み、メッシュシートで覆います。

    理由は、工事中の塗料の飛散や資材の外部への落下を防ぐためです。

    また、工事中の安全な通行を確保するため、出入り口や通路の上部に防護棚を設置し、不審者の侵入を防ぐカメラやセンサーライトを設置します。

    そのほか、実際の工事が始まる前には、住民や建物周辺の人々の安全を守るため、さまざまな安全・防犯対策を講じることが重要です。

    共通仮設工事では、主に事務所、作業員休憩所、資材置き場、仮設トイレなどの仮設施設を設置します。

    仮設設備に必要な電気・水道などのインフラ、インターネット環境、事務所に必要な電話やパソコン、コピー機などの設備を設置する工事も含まれます。

    下地・タイル補修

    基礎補修とは、コンクリート躯体に発生したひび割れなどの劣化部分を補修する工事です。

    最初に、建物の天井や壁を目視と打診で点検し、状態をチェックします。

    例えば、同じひび割れでも、感想や温度、湿度の変化によるものなのか、躯体に起因するものなのかで補修方法が異なります。

    代表的な補修は、エポキシ樹脂やポリマーセメントペーストをひび割れに充填する方法です。

    状況によっては、クラックに沿って溝を作り、シーリング材を充填する工法もあります。

    内部の鉄筋までサビが達している場合は、周囲のコンクリートも弱っているため、サビを落として埋め戻すという大掛かりなひび割れの補修が必要です。

    ほかの劣化の兆候を補修する場合、下地の良し悪しもマンションの仕上がりや寿命に影響します。

    そのため、補修の際には、症状を正確に判断し、適した補修方法を選択すること、施工する経験と知識が必要です。

    シーリング工事

    シーリング工事は、タイルの目地やサッシなどに使われているシーリング材を打ち替える工事です。

    ゴム状のシーリング材は劣化すると硬くなり、徐々に気密性や防水性が低下します。

    シーリング材が劣化して隙間ができると、雨水などが建物内に侵入し、雨漏りの原因になったり、建物自体の劣化が進んだりします。

    目地の素材に合わせてシーリング材の種類を選ぶことが大切です。

    シーリング材は、外壁やサッシまわり、手すり受けなど、さまざまな場所に使用されるため、施工時にはそれぞれの場所に適した材料を使用します。

    10~15年経てばシーリングの打ち替え時期になりますが、工事には足場が必要なため、大規模修繕工事と同時に施工した方が出費を抑えられるでしょう。

    外壁塗装工事

    塗装工事には、大きく分けて鉄部塗装と外壁塗装があります。

    いずれも外観の美観を維持するだけではなく、塗装することでコンクリートや鉄骨を風雨や汚れから守る効果も高いです。

    塗装の前には、汚れや錆を落とし、目的に合った塗料で仕上げます。

    外壁塗装工事では、まず下地と塗膜の密着性を検査し、塗装面の状態確認が必要です。

    密着強度が一定以上であれば上から塗料を塗りますが、密着強度が弱い場合は塗装前に塗膜を除去し、既存塗膜の剥離を防ぐ補修をします。

    また、塗料にはシリコン塗料やフッ素塗料が使われますが、適量を均一に塗ることも効果を得るための施工上の重要なポイントです。

    鉄部塗装工事

    鉄部の塗装では、錆や腐食といった鉄の性質に対応するために錆止め塗装を行います。

    鉄扉や階段、メーターボックスの扉などが対象です。

    ポイントは、サンドペーパーなどで丁寧に錆を落とすこと。

    丁寧に行うことで錆の再発を防ぎ、塗料との密着度を高めることが可能です。

    下地処理を施した鉄部には、錆止め、中塗り、上塗りを施し、保護効果を高めます。

    防水工事

    建物の劣化を進行させないためには、雨などの水分がコンクリート内部に浸透するのを防ぐことが重要です。

    防水工事では、屋上や外階段、バルコニーなど風雨にさらされる床面をメインに工事を実施します。

    また、ルーフバルコニーや屋上は劣化が進むと室内への漏水につながりやすくなるため、居住者の生活を守るためにも工事を行わなければなりません。

    屋上防水工事では、アスファルトシート、ウレタンシート、塩化ビニル樹脂シートなどの防水材を使用します。

    種類によって特徴がありますが、補修の際には劣化状況や現在使用している防水層との相性を考慮して、材料や工法を選ぶことが大切です。

    その他の工事

    その他、必要に応じて工事を行う場合もあります。

    例えば、玄関ドアやサッシの交換、エントランスの改修工事、給排水管の更新や改修工事などです。

    エントランスの改修工事では、自動ドアやオートロックの設置のほか、近年では段差の解消や手すりの設置によるバリアフリー化も人気があります。

    マンション大規模修繕工事の費用目安

    国土交通省が2017年に実施した調査結果によると、マンションの大規模修繕にかかる1戸あたりの費用は以下の通りです。

    最も多かったのは「75万円~100万円」(全体の30.6%)、次いで「100万円~125万円」(24.7%)、「50万円~75万円」(13.8%)でした。

    調査結果から、マンションの大規模修繕には1戸あたり100万円程度かかるケースが多いことがわかります。

    総戸数100戸のマンションで考えると、大規模修繕費用は約1億円となり、非常に大きな金額が必要です。

    マンションの修繕積立金の平均金額

    マンションの大規模修繕には多額の費用がかかるため、区分所有者は毎月一定額の「修繕積立金」を積み立てています。

    2018年の国土交通省「マンション総合調査」によると、修繕積立金の平均額は11,243円でした。

    マンション大規模修繕の工事期間

    マンションの大規模修繕工事に要する期間は、「計画から着工まで」と「着工から竣工まで」の2つに大別されます。

    大規模修繕は主に共用部分の工事であり、居住者に影響を与えるため、住民の同意がなければ計画が円滑に進みません。

    住民の同意を得るためには、工事計画を立て、説明会を開き、強力をしてもらう必要があります。

    事前に工事の目的や内容について住民の共通認識があれば早いかもしれませんが、一般的には計画から着工まで1~2年程度かかるでしょう。

    また、工事が始まると建物の周囲に足場が組まれ、作業員や車両の出入りが頻繁に行われます。

    洗濯物を干さない、窓を閉めたままにする、バルコニー使用不可など制限されるかもしれません。

    工事に携わる専門家や施工業者と良好なコミュニケーションを保ち、日常生活へのストレスを最小限に抑える工夫が必要です。

    着工から竣工までの平均的な期間は、50戸以下の小規模マンションで約3~4ヶ月、50戸以上の大規模マンションで4ヶ月以上かかります。

    マンション大規模修繕工事の周期と回数

    大規模修繕工事の実施時期や、回数は決まっていません。

    基本的には各管理組合が主体となり、マンションの劣化状況に応じて実施するか否かを判断します。

    ただし、目安となるサイクルが一切ないわけではありません。

    一般的には、12~15年周期といわれています。

    理由のひとつは、国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」に記載されているためです。

    また、新築時に使用される建材の保証期間が10年程度に設定されていることが多いことも挙げられます。

    さらに、近年は材料も進化しています。

    例えば、大規模修繕工事の際に耐久性が高い材料を使用することで、次の修繕までのサイクルを15年、18年と延ばし、修繕費を抑える方法を検討するマンションが増えています。

    実際に修繕に着手するかどうかは、建物の状況に応じて総合的に判断しなければなりません。

    前回の修繕から10年が経過した時点で、大規模修繕の実施を検討し始めるマンションが多いです。

    マンション大規模修繕工事のフロー

    大規模修繕はどのような手順で行うのかを把握しておくと、トラブルを防ぎスムーズに工事を開始できるでしょう。

    ここでは、マンション大規模修繕のフローを紹介します。

    修繕委員会を立ち上げる

    最初に、委員会のメンバーを公募し、修繕委員会を立ち上げます。

    なお、透明性と客観性を持たせるために、設計事務所など外部の専門家を活用する方法も有効です。

    加えて、資金計画も重要です。

    大規模修繕を行ってから見直すケースもあるものの、基本的には資金計画を先に立てる方法が有効だといえるでしょう。

    現状確認と建物劣化診断

    大規模修繕工事を行う場合、マンションの劣化状況を調査し、工事範囲や工法を選定します。

    管理会社が有償もしくは無償で建物診断を行うケースも多いです。

    詳しい診断には費用がかかるため、修繕積立金の残高や、どのような修繕を希望するのか、すぐに工事を行うべきかを検討する必要があります。

    予算や工事計画の検討

    総会で大規模修繕工事を決議するために、概算予算を検討します。

    また、設計監理方式で行うのか、責任施工方式で行うのかや、工事の進め方についても検討しましょう。

    見積もりを依頼する

    予算や計画に合う業者に相見積もりを依頼します。

    提示された見積もりについては、以下の内容を確認しましょう。

    金額は妥当か

    不当に高額な項目はないか

    不要不急の修繕項目が含まれていないか

    同時に、将来の不足が懸念される場合には、今後どのように見直していくかを検討する必要があります。

    施工業者を選ぶ

    現状を確認し、予算と工事計画を検討した後は、施工業者の選定に移ります。

    施工業者を決める際には、複数の会社から見積もりを取り、比較検討するのが一般的です。

    施工業者を検討する際には、コストだけではなく、施工実績、経験、財務状況、見積もりなど総合的な判断が必要です。

    当然ながら、施工業者の選定は工事の完成度に大きく影響します。

    適切な修繕を行わなければ、再劣化が起こり、余計なコストと手間がかかることになりかねません。

    安心して任せられる施工業者かどうか、様々な角度から慎重に検討しましょう。

    工事説明会の実施

    工事概要が決まれば、総会を開き決議します。

    共用部分の変更がなければ、多数決で工事の発注しましょう。

    ただし、納得のいく説明をするのは当然の義務です。

    事前に組合員の意見を聞き、ニュースレターを作ったり、総会前に説明会を開くなど、組合員との信頼関係を築いておきましょう。

    総会で決議され、工事が正式に施工業者に発注されると、組合員や住民を対象にした工事説明会を開催します。

    工事説明会は、着工の約1ヶ月前に行われることが多いです。

    改めて工事の概要や注意点、詳細なスケジュールなどを説明します。

    特に、騒音や洗濯物の取り扱いなど、日常生活に支障をきたすような工事については、工事が始まる前に「聞いていない」とクレームを言われないよう、必ず詳しく説明しましょう。

    契約

    総会決議後、施工業者と工事請負契約及び工事監理契約を締結します。

    着工後も追加費用が発生する可能性がありますが、金額や工法の妥当性を管理組合で判断しなければなりません。

    また、工事が仕様書通りに正確に行われているかをチェックするのも良いでしょう。

    大規模修繕開始

    準備が完了したら、実際に工事が始まります。

    大規模修繕工事を検討してから約1年~1年半と長期にわたる工事となります。

    マンションの品質を維持するための工事であり、修繕委員会のメンバー、居住者が協力して事を進めましょう。

    竣工後チェック

    竣工後に施工不良が発覚したり、施工業者がアフターフォローに真摯に対応してくれないなど、竣工後に問題が発生することもあります。

    そのため、竣工後は以下のポイントをチェックしましょう。

    • 工事は契約書通りに完了しているか
    • 手抜き工事やずさんな工事はないか

    また、将来の大規模修繕工事を考慮し、長期修繕計画の見直しを余儀なくされる場合もあるため注意が必要です。

    マンション大規模修繕工事の注意点

    大規模修繕工事は、工期が長く、住民の負担が大きいため、特に配慮が必要です。

    また、工事関係者などの部外者の出入りが増えるなど、イレギュラーなことも起こります。

    トラブルを未然に防ぐためにも、大規模修繕工事を行う際には、十分な注意を払うようにしましょう。

    しかし、事前の対処で、住民とのトラブルや事件を防ぐことは可能です。

    ここでは、事前に注意しておくべきことを紹介します。

    修繕委員会立ち上げについて

    修繕委員会を立ち上げる場合は、必ず総会の承認を得ることが大切です。

    承認を得ずに活動を開始し、トラブルに発展したケースもあります。

    例えば、管理組合内で候補者を募り、修繕委員会を立ち上げた場合です。

    修繕計画を実行するにあたり、経費は年間予算の臨時費から拠出しても「総会の承認を得ていない修繕委員会への拠出は規約違反だ」と批判が起きます。

    円滑に計画を進めるためには、総会の承認を得て修繕委員会を設置しましょう。

    マンション居住者への説明不足

    大規模修繕工事中は住民の日常生活が制限されることが多く、工事に協力しない住民がいるかもしれません。

    私有地での工事もありますが、立ち入り許可を得る際に問題が生じます。

    住民とのトラブルを避けるためにも、工事内容や予定、工事の必要性などを事前に明確に伝えるようにしましょう。

    また、工事に対する住民の不安や悩みに耳を傾け、状況に合わせて対応することも重要です。

    修繕費用が不足する

    場合によっては、修繕費が予定より高くなり、トラブルに発展することもあります。

    大規模修繕工事の場合、高層階の外壁など足場を組むまで目視で確認できない部分が多いため、概算で見積もりをすることが一般的です。

    工事が始まり足場が組まれたときに、見積もり以上の問題が発覚すれば、工事費が大幅に増えて予算が足りなくなることもあります。

    また、万が一の場合、費用を補填するために一時金を徴収することもあるでしょう。

    そのため、長期修繕計画をよく検討し、不測の事態を想定した資金計画を作成することが重要です。

    業者との連携トラブル

    マンションの大規模修繕に不慣れな施工業者に依頼すると、工事の遅れや施工ミスなどのトラブルにつながることがあります。

    業者を選ぶ際には、管理組合が一定の審査基準を設けているか、どのような実績があるか、信頼できる業者かどうかなどを確認しましょう。

    コンサルタントを雇う場合は、コンサルティング会社の選定も大切なポイントです。

    なかには、施工業者と手を組み、安請け合いで高額な工事費を搾取する悪徳業者も存在します。

    見積もりだけで判断するのではなく、コンサルタントや施工業者に実際に会って質問し、担当者の人柄も見極めましょう。

    空き巣被害

    大規模修繕工事では、多くの工事関係者がマンションに出入りします。

    機材の搬入やエントランス付近の工事では、オートロックが開けたままになっていることがあります。

    足場を利用して窓からの侵入も可能で、空き巣にとっては都合の良い状況です。

    工事関係者には共通のベストを着用してもらう、窓は必ず施錠するなど、普段以上に防犯を意識しましょう。

    マンション大規模修繕中の生活

    大規模修繕工事中は、マンション居住者の日常生活に大きな影響を与えます。

    例えば、大規模修繕工事では、建物全体に足場が組まれ、外壁やバルコニーなどの工事が行われます。

    そのため、自宅のバルコニーには作業のために人が出入りし、足場には養生シートが張られているため、洗濯物を外に干すことができません。

    さらに、作業時間中は、臭いやホコリが室内に入るのを防ぐために窓を開けられないこともあります。

    また、以下のことを居住者にお願いする場合があります。

    • ベランダにあるものを全て屋内に入れる(ウッドデッキ、植木等の撤去)
    • 網戸を取り外し、屋内に一時保管する
    • BSアンテナ、CSアンテナを取り外し保管する
    • エアコンの室外機の移動
    • 駐車場の車の移動
    • 廊下や階段の工事中は建物内を迂回

    一定期間、ストレスや不便を感じることは否定できません。

    しかし、工事をスムーズに進めるためには居住者の理解と協力が必要です。

    ただし、作業日程や立会いが必要な場合の一時的な荷物の持ち出しなど、協力が難しい場合は、大規模修繕委員会や管理組合が対応できるようにしましょう。

    マンションの大規模修繕を成功させるためのポイント

    マンション大規模修繕を滞りなく進めるためには、事前の告知、近隣への挨拶も重要です。

    ここでは、大規模修繕を成功させる方法を紹介します。

    居住者へ事前告知をする

    事前に住民に知らせる方法はいくつかありますが、主に次の2つの方法が有効です。

    • エントランスに設置したボードに状況をリアルタイムで告知する
    • 各住戸の郵便受けに工事予定表を入れる

    エントランスに設置された掲示板は、大規模工事に興味のない住民でも目に入りやすいため、情報が伝わりやすく、トラブル防止に役立つでしょう。

    簡単に書き換えることができるため、リアルタイムでの変更告知にも有効です。

    また、各戸への郵送も忘れずに行いましょう。

    書面でしっかり保管することで、情報の食い違いを防ぎます。

    住民への事前通知は施工業者が行いますが、住民任せにするのではなく、協力して住民に知らせるのが良いでしょう。

    近隣住民への挨拶

    工事着工前に、近隣住民への挨拶と告知を必ず行います。

    工事の日程や内容、騒音や悪臭などの不都合については、時間をかけて丁寧に説明しましょう。

    工事に関する意見・質問の連絡先を伝えることも、トラブル防止に効果的です。

    工事開始の挨拶は誠実に行い、好印象を持ってもらいましょう。

    また、工事車両の無断駐車もトラブルの原因になります。

    近隣道路への無断駐車は、たとえ短時間であっても厳禁です。

    すでに大型工事車両が出入りしており、歩行者や車両の通行の妨げになっています。

    アパート内には、工事車両を駐車できるスペースを確保しましょう。

    優良業者に依頼する

    大規模修繕工事のトラブルを避けるには、信頼できる業者に工事を依頼しましょう。

    良い業者を見つけるには3つのポイントがあります。

    内容を理解し、工事業者を選ぶ際の判断基準にしてみてください。

    瑕疵保険に加入している

    業者が瑕疵保険に加入しているかどうかを確認し、加入していない場合は加入を依頼します。

    瑕疵保険とは、施主が安心して大規模修繕工事を行えるよう、検査と保証をセットにした保険です。

    第三者である建築士が施工前と施工後にチェックを行うため、施工業者の手抜きを防ぐことができます。

    瑕疵が発見された場合は、保険金が施工業者に振り込まれ、瑕疵が補修されます。

    施工業者が倒産した場合、保険金は直接施主に振り込まれますが、施主は新しい施工業者を探さなければなりません。

    保証は、施主との間で締結された工事請負契約に基づいて請負業者が行う修補工事を対象とします。

    主なものは、次の7つです。

    1. 構造耐力上主要な部分(耐震補強工事、柱、壁など)
    2. 天井や外壁など雨水の浸入を防ぐ部分
    3. 配水管・配水設備
    4. ガス設備
    5. 電気設備
    6. 防錆処理が施された手すり等の鉄部
    7. 外壁タイル(特約)

    保証期間は一般的に竣工から5年間ですが、鉄部は2年です。

    保険法人に登録している施工業者を探す場合は、住宅瑕疵担保責任保険協会のホームページを確認しましょう。

    大規模修繕工事の実績がある

    大規模修繕工事の実績が豊富な業者なら、安心して任せられます。

    マンションの大規模修繕工事は、入居者が住んでいるなかで行わなければなりません。

    工事がスムーズに進み、入居者との接し方にも慣れていれば、トラブルが発生するリスクは大幅に軽減されるでしょう。

    また、ホームページで類似マンションの修繕経験があるか確認するのも有効な方法です。

    担当者の対応が良い

    施工業者選びのプレゼンテーションでは、担当者や現場監督の対応が良いかどうかを確認しましょう。

    特に現場監督の人柄、コミュニケーションスキルは大切であり、工事の質に大きく影響します。

    マンションの大規模修繕には、居住者の協力が不可欠です。

    現場監督と居住者が円滑にコミュニケーションをとることができれば、クレームも発生しにくくなり、工事もスムーズに進みます。

    親身になって相談に乗ってくれるか、マンション住民への配慮はあるか、必ずチェックしましょう。

    マンション大規模修繕での補助金や助成金の種類と条件を紹介

    マンションの大規模修繕には多額の費用がかかりますが、国や地方自治体からの補助金を利用することで、経済的負担を軽減することができます。ここでは、主要な補助金の種類とそれぞれの条件について詳しく解説します。

    以下の表にまず簡単にまとめました。

    補助金の種類条件対象工事例
    省エネ改修補助金断熱材の追加や省エネルギー設備の導入を行うこと
    一定のエネルギー効率改善が見込まれること
    断熱材の追加、高効率給湯器の設置
    LED照明への交換
    耐震改修補助金建物の耐震性を向上させる工事を行うこと
    耐震診断の結果に基づいた改修であること
    耐震補強工事、柱や梁の補強
    バリアフリー改修補助金高齢者や障害者のためのバリアフリー化を行うこと
    公共性が認められること
    スロープの設置、エレベーターの設置
    手すりの設置
    条件、対象工事例は一般的な内容となります。自治体によって条件が変わることがあるため詳しくは各自治体へお問い合わせください

    それぞれの内容を詳しく解説します。

    省エネ改修補助金

    まず、省エネ改修補助金についてです。この補助金は、建物の断熱性能を向上させたり、省エネルギー設備を導入したりする場合に支給されます。具体的には、断熱材の追加や高効率給湯器の設置、LED照明への交換などが対象となります。この補助金を受けるための条件として、断熱材の追加や省エネルギー設備の導入を行うことが求められ、さらに一定のエネルギー効率改善が見込まれることが必要です。

    耐震改修補助金

    次に、耐震改修補助金があります。この補助金は、建物の耐震性を向上させるための工事に対して支給されます。対象となる工事には、耐震補強工事や柱や梁の補強などがあります。補助金を受けるためには、耐震診断の結果に基づいた改修であることが条件となります。これは、建物の耐震性を確保し、住民の安全を守るために非常に重要です。

    バリアフリー改修補助金

    最後に、バリアフリー改修補助金です。この補助金は、高齢者や障害者のためにバリアフリー化を行う場合に支給されます。対象となる工事には、スロープの設置、エレベーターの設置、手すりの設置などが含まれます。この補助金を受けるための条件としては、高齢者や障害者のためのバリアフリー化を行うこと、そして公共性が認められることが必要です。バリアフリー化は、高齢者や障害者が安全に快適に暮らせる環境を整えるために重要です。

    以上のように、マンション大規模修繕に対する補助金にはさまざまな種類があり、それぞれに特有の条件があります。適切な補助金を選び、条件に合った工事を行うことで、補助金を有効に活用することができます。

    マンション大規模修繕まとめ|成功のポイントを抑えて工事を実施

    大規模修繕は13~16年に1回行われることが多いですが、同じマンションに30~50年住んでいれば約3回は経験することになります。

    新築マンションは当面大規模修繕を必要としませんが、修繕積立金が少なすぎると大規模修繕に必要な金額が足りなくなる可能性があるでしょう。

    大規模修繕計画案とあわせて確認しておくことが大切です。

    また、マンションの次の大規模修繕工事の予定がいつなのか、大規模修繕のために積み立てられている修繕積立金の額は十分なのかなどを知っておきましょう。

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