中古マンションの大規模修繕に必要な費用や工程を解説 | 株式会社新東亜工業  

    コラム    

中古マンションの大規模修繕に必要な費用や工程を解説

中古マンションは新築マンションに比べて取得費用が抑えられる点が魅力ですが、購入後に大規模修繕が必要となるケースがあります。
大規模修繕とはマンションの経年劣化を防ぎ、居住者の安全と快適な暮らしや資産価値を維持するために重要な工事です。

今回の記事では、中古マンションの大規模修繕に向けた準備や費用・工程などについて詳しく解説します。

中古マンションの大規模修繕とは?

マンションを含むすべての建物は、時間の経過とともに外壁の色あせ・ひび割れやタイルの剥落・防水機能の低下・設備の老朽化などが進みます。
これらを放置すると雨漏りや構造部分の劣化により、居住者の安全にリスクが生じる可能性があります。

大規模修繕とはこのような経年劣化を修復し、建物の寿命を延ばすために行う工事です。
一般的には、外壁の補修や塗装・防水工事・屋上やバルコニーの防水処理・給排水管の交換などが実施されます。

中古マンションの大規模修繕に向けた準備が重要

大規模修繕は、マンションの長期的な価値を維持するために欠かせない取り組みです。
その成功には、十分な準備が必要です。
大規模修繕は通常、築12~15年の周期で実施されるため、その3~5年前から準備を始めると良いでしょう。

また区分所有者の中から修繕委員を選出し、専門家の助言を受けながら計画を進めることが大切です。
専門家による建物診断で必要な修繕箇所を特定し、修繕積立金の見直しや必要に応じ借入や一時金徴収を行うかの検討も重要です。

もちろん区分所有者間で、工事の必要性や内容・費用について十分な理解と合意を得ることも不可欠です。

準備段階での丁寧な対応が、スムーズな大規模修繕の実施につながります。

中古マンションの大規模修繕の実施時期

一般的には、築12~15年を目安に修繕工事が行われます。
この時期に実施することで外壁や設備の老朽化を適切に修復し、建物全体の寿命を延ばすことができます。

かつては12年周期で修繕が行われることが一般的でしたが、近年では建材の耐久性が向上しているため、18年程度に延長されるケースもあります。

ただしこれはあくまでも目安であり、建物の状況によって修繕のタイミングは異なります。
地域の気候条件や使用されている材料・建物のメンテナンス状況によって劣化度合いは異なるため、定期的な建物診断が必要です。

中古マンションの大規模修繕にかかる費用

大規模修繕の費用は、一般的に1戸あたり約75万~125万円が相場といわれています。
ただし、マンションの規模・築年数・工事内容により変動します。
主な内訳は以下の通りです。

大規模修繕費用の内訳

費用区分主な内容
工事費用足場設置・外壁補修・塗装・防水工事・共用部分の改修など
コンサルティング費用建物の調査や診断・設計・施工会社選定のサポート・工事監理など
その他費用工事期間中の仮住まい費用・引っ越し費用など

大規模修繕にかかる費用は、通常修繕積立金から支出されますが、不足する時は一時金の徴収や借入を検討する必要があります。
費用の抑制には複数業者からの見積もり取得や工事の優先順位付けが効果的ですが、質を落とさない配慮が必要です。
適切な修繕積立金の設定と長期計画が、中古マンションの資産価値維持につながります。

中古マンションの大規模修繕の流れ

大規模修繕は、一般的に以下の流れで進められます。

中古マンションの大規模修繕の流れ1. 建物診断

大規模修繕の第一歩は、建物の現状を正確に把握することです。
建物診断を実施し、外壁のひび割れやタイルの剥がれ・給排水管の老朽化など、修繕が必要な箇所を調査します。
この診断結果をもとに、修繕の計画が立てられます。

中古マンションの大規模修繕の流れ2. 修繕計画の立案

建物診断の結果を受け、修繕の範囲や優先順位を決定します。
修繕計画には、外壁補修・防水工事・屋上やバルコニーの防水処理・設備の更新など、必要な工事内容が含まれます。
さらに修繕にかかる費用や工期の見積もりも行い、マンションの管理組合と協議して修繕計画を確定します。

中古マンションの大規模修繕の流れ3. 施工業者の選定

修繕計画が決まったら、施工を担当する業者を選定します。
複数の業者に見積もりを依頼し、工事内容や費用・実績を比較して最適な業者を選びます。
選定の際には、業者の信頼性や過去の施工実績を確認することが大切です。

中古マンションの大規模修繕の流れ4. 住民への説明会・合意形成

大規模修繕はマンション全体に影響を及ぼすため、住民への説明が不可欠です。
修繕内容や工期・生活への影響について説明会を開き、住民の理解と協力を得ます。
またマンションの管理規約に従って、修繕の実施に関する住民の合意を形成する必要があります。

中古マンションの大規模修繕の流れ5. 修繕工事の実施

住民の合意を得た後、修繕工事が開始されます。一般的には以下のような工事が行われます。

外壁補修・塗装

外壁の補修・塗装は、建物の美観と耐久性を高める重要な工事です。ひび割れやタイルの剥落を丁寧に補修し、全体を塗装することで見た目を改善して雨水や紫外線から保護します。塗料は防水性や耐候性に優れ、建物の寿命延長に寄与します。

防水工事

防水工事は、屋上やバルコニーなど雨風の影響を受けやすい部分で行います。既存の防水層が劣化している場合、新しい層を設置して雨漏りを防ぎます。耐久性の高いアスファルトシートやウレタン樹脂が使用され、長期間の防水効果が期待されます。

設備の更新

内部設備は老朽化するため、定期的な更新が必要です。給排水管や電気設備の劣化は水漏れや漏電を引き起こし、建物全体に影響を与える可能性があります。 省エネ効果の高い設備への更新も推奨され、生活の質向上と環境配慮が期待されます。

中古マンションの大規模修繕の流れ6. 工事完了・検査

工事が完了したら、施工箇所を確認するための検査が行われます。
管理組合や専門家が立ち会い、修繕が適切に行われたかを確認します。
万が一、不備や問題が見つかった場合は速やかに補修工事が行われます。

中古マンションの大規模修繕の流れ7. 保証とアフターケア

大規模修繕には一定期間の保証が付きます。
工事後、もし不具合や不具合が発生した場合は保証期間内であれば施工業者が対応します。
また定期的な点検やメンテナンスを行うことで、修繕効果を長持ちさせることができます。

中古マンションの大規模修繕における注意点

中古マンションの大規模修繕は建物の寿命を延ばし、居住環境を向上させるための重要なプロセスです。
しかし、計画通りに進めるためにさまざまなトラブルに対処する必要があります。
以下に、よくあるトラブルとその対策について詳しく紹介します。

予算オーバー

想定外の劣化や追加工事により、当初の見積もり額から実際の金額が超過してしまうリスクがあります。
適切な予備費の確保と、段階的な予算管理が重要です。

工事の遅延

天候不良や資材調達の問題・予期せぬ建物の状態により、工期が延びる可能性があります。
柔軟なスケジュール管理と、居住者への適切な情報提供が求められます。

住民との合意形成の困難

工事の必要性や費用負担に関して、住民間で意見の相違が生じることがあります。
透明性の高い情報共有と、迅速な説明会の開催が合意形成には不可欠です。

これらの課題へあらかじめ備えておくことで、大規模修繕をより円滑に進められます。

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社名株式会社新東亜工業
役員代表取締役社長 高井 強
所在地〒131-0033 東京都墨田区向島3-22-12 栗原ビル2F
TEL03-6658-5364
FAX03-6658-5365
創業平成21年5月
設立平成24年1月
資本金8,000万円
建設業許可東京都都知事許可
(般-4)第142885号
一級建築士事務所一級 東京都知事登録 第65008号
取引金融機関朝日信用金庫(向島支店)
事業内容総合建設業
顧問税理士上杉敏主税理士事務所

東京都内の対応エリア

千代田区墨田区渋谷区板橋区
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まとめ

中古マンションの大規模修繕は、建物の経年劣化を修復し寿命を延ばすための重要な工事です。
一般的に築12~15年で実施され、主に外壁補修・防水工事・設備更新などが行われます。
費用は、1戸あたり約75~125万円が相場ですが、工事の内容や規模・使用する資材やスケジュールなどにより異なるため、住民説明会を通じ正確な情報を確認しておくことが大切です。

費用は通常、住民が毎月積み立てる「修繕積立金」から支払われますが、建物の劣化が想定以上であったり、共用設備の大幅な更新が必要であったりなどの理由から、一時金の徴収や金融機関への借り入れが行われる場合もあります。

大規模修繕工事は建物診断から始まり、修繕計画の立案・施工業者の選定・住民への説明と合意形成・工事の実施・完了検査の流れで行われ、保証期間中の定期点検やアフターケアまで実施される場合がほとんどです。

適切な準備と実施により、マンションの資産価値維持と居住環境の向上が期待できます。

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