2024.03.13
屋上テラスの防水工事|ベランダ・バルコニーの違いや種類・費用相場を解説
屋上テラスやベランダの防水工事は、建物の長寿命化と快適な居住環境の維持に不可欠です。
しかし、防水工事にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や費用相場が異なります。
本記事では、ウレタン防水、FRP防水、シート防水など、主要な防水工法の特徴や適用範囲、そしてそれぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
また、ベランダ防水工事やバルコニーのリフォームを検討されている方に向けて、各工法の費用相場や選択のポイントをお伝えします。
防水と同時に行う塗装工事についても触れ、総合的な改修計画の立て方をご紹介します。
防水工事の種類や費用について理解を深めることで、建物の状況に最適な防水方法を選択し、長期的な視点で効果的なメンテナンスを行うことができます。
屋上テラスやベランダの防水について、専門的な知識をわかりやすくお届けします。
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屋上テラスについて|特徴とベランダ・バルコニーとの違い
屋上テラスとは、屋上に作るテラスのことです。
ベランダやバルコニーは建物の壁面から突き出す形で設置されますが、屋上テラスは、ベランダやバルコニーとは異なり、床面積が広く、様々な用途に利用することができます。
例えば、バーベキューやパーティー、日光浴、家庭菜園など、様々な用途に利用することができます。
デメリットは、メンテナンスが必要なことが挙げられます。
屋根からの転落防止措置や防水機能の維持など、メンテナンスに気を配らなければなりません。
特に、屋上テラスのような平らで勾配のない屋根は、通常の勾配がある屋根に比べて雨水が溜まりやすいです。
そのため、床を防水層でコーティングして雨漏りを防ぐ必要があります。
屋上テラスには防水工事が欠かせない|劣化症状を解説
屋上テラスは、屋上に設置された開放的な空間で、緑化やアウトドアリビングとして活用できる魅力的な場所です。しかし、屋上テラスは雨風にさらされるため、防水対策が重要です。
屋上テラスの防水層が劣化すると、目視で確認できる症状が現れます。
劣化症状の出現は、屋上テラスにメンテナンス工事が必要なサインです。
そこで、防水層が劣化した際に見られる主な症状と対処法を紹介します。
防水層の劣化を放置すると雨漏りや水漏れが起こるので、早めに対処しましょう。
ひび割れ
防水層の表面には、紫外線から防水層を保護するためにトップコートという塗料が塗られています。
このトップコートが劣化してくるとひび割れが起こります。
表面の塗膜がひび割れているのであれば、トップコートの塗り替えで対処することが可能です。
ただし、下記の場合は防水層を作り直す必要があります。
- 塗り替え工事を行なってもすぐにひび割れが起こる場合
- ひび割れではなく亀裂がある場合
これらが起こる原因は防水層の劣化が考えられます。あるいは傾きなど建物自体に問題がある可能性もあります。
そのため、ひび割れを発見した際はプロの業者に原因を調査してもらうのが賢明です。調査してもらうことで再工事の手間が省けます。
または、今までと同じ工法で施工するのではなく、ひび割れに強い施工で防水層を作り直すのも一つの手です。
剝がれ
剥がれのパターンは2つです。
- トップコートの剥がれ
- 防水シートの剥がれ
表面のトップコートのみが剥がれている場合は、トップコートの塗り替えで対処が可能です。
防水シートが剥がれ、下地が露出している場合は、防水層の再形成が必要です。
屋上テラスの防水層がシート防水でできている場合、10年~15年経過すると、経年劣化により防水シートの接着強度が低下してきます。
粘着力がなくなると防水シートは剥がれ、捲れた部分から雨水が建物内部に侵入します。
どれほど長持ちしても、接着強度の劣化は12年程度なため、一定期間に1度は防水工事を行う必要があります。
また、近年は災害が増えているため、台風による強風や雨水の浸入、建物の大きな揺れによるシートの剥がれなどのリスクも考慮しておきましょう。
膨れ
水ぶくれとも呼ばれる現象は下地と防水層の水が入り込むことで発生します。
太陽光などの熱によって内部の水分が蒸発し、湿気となって防水層内部で膨張するために起こる劣化です。
この場合は防水層を作り直しましょう。
水が溜まる
水が溜まっているということは、以下のような状態が考えられます。
- 防水効果が切れている
- 塗膜が剥がれて水が溜まっている
- 水が流れるように適切な勾配処理がされていない
水が溜まるような勾配では、上から防水工事をしてもすぐに水が溜まって劣化します。
防水工事だけではなく、モルタルなどで勾配をつける工事が必要になる場合もあります。
雨漏り
屋上テラスから下の階に水が垂れてきたり、家の内部に雨水がしみ込んできたりしたら、すぐに専門業者に依頼しましょう。
家の内部に水が入り込むと、内部からの劣化を引き起こす可能性があります。
屋上テラスの老朽化による雨漏りであれば、同じような原因がないか、建物全体をチェックしてみるとよいでしょう。
錆の発生
屋上テラスに鉄製の付帯部がある場合は、錆に注意しましょう。
錆の発生は防水性の低下を示しています。
錆を放置すると付帯部が脆くなるうえ、錆が広がると穴が開くこともあります。
雨水の侵入経路になるので、早めに手を打ちましょう。
錆の進行を防ぐには塗装工事が効果的です。場合によっては交換工事が必要になります。
屋上テラスやベランダ・バルコニーの防水工事の種類
屋上テラスの形状は平坦なので水が溜まりやすいです。
そのため、屋上テラスの床には雨漏り防止のための防水工事が必須です。
ここでは、一般的に屋上テラスで選択される防水工事を紹介します。
屋上テラスの防水工事の種類|ウレタン防水
ウレタン防水は、ウレタン樹脂と呼ばれる液状の防水材を塗布し、乾燥させることで防水層を形成する防水工事です。
ウレタン防水には「通気緩衝工法」と「密着工法」の2種類があります。
通気緩衝工法は、通気性シートの全面にウレタン防水材を塗布して防水層を形成する防水工法です。
膨れ発生の原因である下地水分の水蒸気は、通気緩衝シートの裏面の通気筒から排出される仕組みで、膨れが発生しにくくなります。
脱気筒は屋根の上に設置するため、テラスと干渉しないように注意しなければなりません。
密着工法は、下地に直接ウレタン防水を塗布して防水層を形成する防水工法を指し、狭い部分や複雑な形状の部分の防水に適しています。
安価な工法ですが、下地からの水蒸気があると膨れが発生しやすい点に注意が必要です。
屋上テラスの防水工事の種類|FRP防水
FRP防水は、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)と不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を混合した塗膜防水です。
FRP防水は固まるとプラスチックのようになり、FRPは耐食性・耐候性、耐摩耗性が高く、強度もあります。
また、軽量であり、建物に影響しにくいことから、屋上防水にもおすすめです。
FRP防水は、屋上の床面にFRPシートを敷き、上からポリエステル樹脂を塗って防水層を形成します。
シート防水とはことなり、防水層を1枚ずつ切り貼りして防水層を形成するわけではないため、継ぎ目のないきれいな防水層を形成できることが特徴です。
屋上テラスの防水工事の種類|シート防水
シート防水は、ゴム製のシートや塩化ビニル樹脂製のシートなど、1枚のシート状の防水材で防水層を形成する工法です。
設備が併設されていたり、施工場所の形状が複雑な場所での施工には向きません。
シート防水は、接着工法、機械的固定工法があります。
接着工法とは、下地に接着剤を塗布して防水シートを貼り付ける工法です。
一方、機械的固定工法は、固定ディスクと呼ばれる円盤状の部品を用いてターポリンシートを固定する工法です。
接着工法は機械固定工法に比べて安価で、工期も短縮できます。
機械的固定工法は下地材の影響を受けにくく、湿気を通気口から排出できるという特徴があります。
そのため、コンクリートに含まれる水蒸気が原因の膨れを予防できる工法です。
さらに、機械式定着工法には、UD工法(プレキャスト工法)とUS工法(ポストキャスト工法)の2種類があります。
金具を固定する際にドリルを使うため、下階や建物周辺に振動・騒音が発生します。
塩ビシート防水工事の際は、事前に近隣との打ち合わせが必要です。
屋上テラス防水工事の費用相場
防水工事の種類ごとに、費用相場は異なります。
一般的な広さの屋上(約100㎡)の防水工事にかかる費用は次のとおりです。
防水の種類 | 費用相場 |
ウレタン防水 | 6,000~8,000円/㎡ |
FRP防水 | 6,500~8,500円/㎡ |
シート防水 | 6,000~8,000円/㎡ |
工事の種類によって、費用に大きな差はありません。
各防水工事の特徴を確認し、屋上テラスや建物自体、使用目的に最適な方法を選びましょう。
屋上テラスの防水性を長持ちさせるコツ
屋上テラスの防水効果を長持ちさせるためには、日頃から自身で掃除をするほか、定期的なメンテナンスも大切です。
そこで、屋上テラスの防水性を長持ちさせ、工事費用の節約効果を得るコツを紹介します。
屋上テラスの排水溝を定期的に掃除する
防水効果を長期間維持するためには、ドレンを定期的に清掃し、排水機能を維持することが大切です。
排水口に土や落ち葉などのゴミが溜まると排水ができず、雨水があふれて防水層の劣化を早めます。
田畑や樹木など緑の多い場所にある建物は雑草が生え、防水層まで根を張ると雨漏りの原因になるでしょう。
そのため、防水面に生えた雑草を取り除くことが大切です。
排水溝の掃除は3ヶ月に1回、台風や大雨の前には排水溝の清掃をして浸水を予防しましょう。
5年に1回のトップコートの塗り替え
防水層を保護するために、定期的にトップコートを塗り直しましょう。
トップコートには、防水層を紫外線や雨風から守る役割がありますが、トップコートそのものに防水効果はありません。
防水層は水の浸入を防ぐ機能があり、塗り替えは防水層の硬化や紫外線によるひび割れを防ぐために必要なのです。
トップコートの塗り直しを怠ると防水層が劣化し、雨漏りや、雨漏りによる躯体の腐食などのダメージにつながるため、5年を目安に塗り直しましょう。
屋上テラスの防水層を敷物で保護する
屋上テラスの防水機能を維持するには、敷物の使用が効果的です。
敷物を使用することで、摩耗や衝突による防水層へのダメージを軽減でき、紫外線を遮断することによる劣化を抑えることができるため、長持ちさせることができます。
他にも、見た目がオシャレになる、滑りにくくなるなどメリットは多いです。
反面、敷物の下に汚れが入り込んで排水溝が詰まったり、敷物の下で雨水が乾きにくくなったりするなどのデメリットもあります。
家庭菜園を防水層で覆う場合、植物の根が防水層を侵食しないよう、厳重な対策が必要です。
また、バーベキューや花火などの火気を扱う場合は、屋上テラスの防水層を敷物などで保護し、火花で穴が開かないようにしましょう。
一度屋上テラスに置いてしまったものは撤去が難しいため、使用用途に合った敷物を選ぶことが重要です。
防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】
大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。
そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。
防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。
以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。
- 補助金申請できる地域に住んでいる
- 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
- 税金を滞納していない
- 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること
詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。
防水工事に関してのよくある質問を紹介
ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。
Q
防水工事前に何か準備は必要ですか?
A
防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。
Q
防水工事を行う周期はどのくらいですか?
A
一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。
Q
雨天時も防水工事は行いますか?
A
防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。
Q
防水工事中に臭いがすることはありますか?
A
防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。
屋上テラスの防水工事まとめ
屋上テラスの防水工事について解説しました。
まとめると、
- 屋上テラスは外から見えにくいためプライベートな遊び場として活用できる
- 屋上テラスは平らなため雨水が溜まりやすく防水工事が重要
- 床には敷物を敷くなど、防水機能を維持するための適切な対策が必要
防水工事にかかる費用、現在の劣化状況などを知るためにも、専門業者に点検とメンテナンスを依頼しましょう。