外壁塗装においてペンキが向かない理由とは?ペンキと塗料の違いも解説 | 株式会社新東亜工業  

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外壁塗装においてペンキが向かない理由とは?ペンキと塗料の違いも解説

みなさんは「ペンキ」という単語について、どのようなイメージを持っているでしょうか。

丸い缶に入った、ハケで塗るタイプの塗料が想像されるかもしれません。

しかし、実際には「ペンキ」と「塗料」は別物です。

さらに、外壁塗装で主に使われているのは「ペンキ」ではなく、大半が「塗料」です。

この記事では、ペンキとは何か、また「ペンキ」と「塗料」の違いなどについて解説していきます。

ペンキと塗料の違い

ペンキと塗料の違いは、塗料の成分や用途によって異なります。

ペンキと塗料、それぞれの違いについて詳しく解説していきます。

ペンキと塗料の材料や成分の違い

ペンキと塗料は、両方とも塗装用の液体ですが、材料や成分に違いがあります。

一般的に、ペンキは油性塗料の一種で、植物油が希釈に使われており、顔料や溶剤が混ぜられています。

一方、塗料には油性塗料以外にも、水性塗料や溶剤塗料など種類が豊富です。

水性塗料は、水が主成分であり、溶剤塗料は、有機溶剤が主成分の塗料です。

また、ペンキや塗料には、顔料や添加剤などが含まれています。

顔料は、色をつけるための成分であり、色の種類や濃さによって異なります。

さらに、添加剤には乾燥促進剤や防カビ剤などがあり、主に塗料の特性を調整するために使用されるものです。

ペンキと塗料の特徴や用途の違い

ペンキと塗料は、特徴や用途にも違いがあります。

ペンキの特徴としては、色を付ける機能に特化しているという点が挙げられます。

そのため、金属部品や木材などの着色に使用されることが多いです。

しかし、乾燥が遅く、臭いが強いというデメリットもあります。

一方、塗料は、油性塗料以外にも、水性塗料や溶剤塗料などがあり、水性塗料は水を主成分とした塗料で、環境にやさしいという特徴があります。

耐候性や耐熱性に優れており、屋外環境でも変色や剥がれに強いことが特徴です。

また、乾燥が早く、臭いも少ないため、外壁をはじめ色んな場所に使用されることが多いです。

溶剤塗料は、有機溶剤を主成分とした塗料で、油性塗料よりも乾燥が早く、臭いも少ないという特徴があります。

日本では、昭和中期まで塗りやすさの観点から外壁塗装に「ペンキ」が使用されていましたが、現在ではほとんど使用されなくなりました。

その理由は、ペンキは耐候性が低く、変色や剥がれが出やすいことが判明したからです。

代わりに、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素塗料など、機能性の高い塗料が開発され、外壁塗装にも使用されるようになりました。

これらの塗料は、ペンキよりも耐久性が高く、外壁の劣化を防止する効果が高いです。

ペンキとは

ペンキは、植物油をベースにした合成樹脂塗料の一種です。

主に、木材や金属などの表面に塗装し、防食用および美観用として使われています。

また、ペンキの語源は、オランダ語の”pek”に由来すると言われています。

ペンキの種類と特徴

ペンキの種類は、主に次の4つに分類されます。

  • 水性ペンキ
  • 油性ペンキ
  • アクリルペンキ
  • エナメルペンキ

それぞれの特徴や、用途について表にまとめました。

ペンキの種類特徴用途
水性ペンキ・水を主成分とした塗料で 環境にやさしい

・乾きが早く、塗りやすい
・色落ちしやすいため、屋外での使用には向かない

・家具の塗装
・床の塗装
・ガレージの床の塗装
油性ペンキ・油を主成分とした塗料で 耐久性が高い

・乾きが遅く、塗りにくい
・屋外での使用に向く

・鉄部品の塗装
・船舶の塗装
アクリルペンキ・アクリル樹脂を主成分とした塗料で、耐久性が高

く、色落ちしにくい
・乾きが早く、塗りやすい
・水性ペンキよりも耐久性が高いため、屋外での使用に向く

・木材の塗装
・金属の塗装
エナメルペンキ・油性ペンキの一種で、艶があるため美観性が高い

・耐久性が高く、傷や汚れに強い

・乾きが遅く、塗りにくい

・自動車やバイクなどの外

 

・木製家具
・模型の塗装

この4種類のペンキは、それぞれの特徴や用途に合わせて選ぶことが重要です。

ペンキの選び方

ペンキを選ぶ際に考慮すべきポイントは、次の5つです。

  • 使用目的に合った種類を選ぶ
  • ペンキの特性を確認する
  • 塗装面の下地処理に合わせたペンキを選ぶ
  • 購入前に試し塗りをする
  • ペンキの量や価格を比較する

ペンキは、主にホームセンターや、塗料専門のオンラインショップなどで購入できます。

上のポイントをしっかり押さえて、目的に合ったペンキを購入しましょう。

ペンキが外壁塗装に向かない理由

ペンキは一般的に外壁塗装に向かないとされています。

外壁塗装には専用の塗料があり、塗料と比較すると、あまりペンキの使用は推奨されていません。

外壁塗装には耐久性や防水性、耐候性が求められており、外壁塗装用の塗料は、これらの要求を満たすために開発されているため、適切に外壁を保護することが可能だからです。

ペンキが外壁塗装に向かない理由および問題点は、以下のような点が挙げられます。

  • 耐久性の問題
  • 防水性の問題
  • 乾燥時間と臭いの問題
  • 色の選択範囲が限られている

それぞれの理由や問題点について、詳しく解説していきます。

耐久性の問題

ペンキは耐久性が高いとされていますが、外壁塗装にはより長期間の耐久性が求められます。

外部の気候条件や紫外線などの要素にさらされるため、ペンキだけでは十分な耐久性を提供することが難しいのです。

耐久性の低いペンキでは、外壁を保護するどころか、逆に劣化を早める原因にもなりかねません。

防水性の問題

外壁塗装は、建物を雨水や湿気から守る役割も持っています。

ペンキにも防水効果があるものがありますが、専用の外壁塗装用塗料の方がより優れた防水性能を持っています。

防水性はもちろん、他の機能を多く保有している塗料の方が外壁塗装に適しているのは明らかでしょう。

乾燥時間と臭いの問題

ペンキは乾燥に時間がかかり、臭いも強いという特徴があります。

外壁塗装は広範囲に行われるため、乾燥時間や臭いの問題が大きくなる可能性があります。

乾燥時間が長いと工期にも影響が出ますし、臭いの問題は健康被害や近隣トラブルの元です。

色の選択範囲が限られている

外壁塗装では、建物の外観やデザインに合わせた色の選択が重要です。

外壁塗装用の塗料は、豊富な色のバリエーションを提供していますが、ペンキの色選択範囲は限定されている場合があります。

外壁塗装で使用できるペンキはある?

ここまで、ペンキは外壁塗装に向かないと解説してきましたが、まったく使用できないわけではありません。

外壁塗装に使用できるペンキは次の2つです。

  • オイルペイント
  • 合成樹脂調合ペイント

それぞれのペンキの特徴について、下記で解説します。

オイルペイント

オイルペイントは、木材や金属などの内外部の塗装に使用される油性塗料です。

古くより「ペンキ」といえばオイルペイントのことを指しており、見積書にも「OP塗料」と記載されているため、ポピュラーな塗料といえるでしょう。

オイルペイントは、顔料と油(ボイル油または乾性油)を混ぜ合わせて作られており、その組み合わせによって様々な色や質感を実現しています。

油性の特性により乾燥に時間がかかるため、塗装後はしっかりと乾燥させることが必要です。

合成樹脂調合ペイント

合成樹脂調合ペイント(SOP)は、建築物や鉄鋼構造物の中塗りや上塗りに使用される塗料の一種です。

アルキド樹脂(フタル酸樹脂)と油成分を混ぜ合わせたワニスに着色顔料を混ぜ合わせて作られています。

合成樹脂調合ペイントは、耐用年数が短く、2~3年に1度の塗り替えが必要とされていますが、塗装しやすくDIYショップなどでよく使われる塗料の一つです。

まとめ

ここまで、外壁塗装におけるペンキと塗料について次の事柄を解説してきました。

  • ペンキとは何か
  • ペンキと塗料の違い
  • ペンキが外壁塗装に向かない理由
  • 外壁塗装で使用できるペンキ

ここで記したように、ペンキは外壁塗装にはあまり向かないようです。

主な理由は、乾燥時間が長く、臭いがきついということです。

外壁塗装では、専用の塗料が数多く開発されているので、外壁専用塗料を使用することをおすすめします。

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