外壁塗装の欠損部を放置するリスクは?補修費用と施工業者の選び方 | 株式会社新東亜工業  

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外壁塗装の欠損部を放置するリスクは?補修費用と施工業者の選び方

築10年以上の建物になると、外壁塗装の汚れや下地のひび割れ、タイルのゆるみやひび割れなど、経年劣化が目立ちます。

なかでも、外壁塗装の欠損は、雨漏りや建物の耐久性に影響を及ぼすため危険です。

そこで、外壁塗装の欠損部修理の費用相場、補修・修繕を依頼する業者の選び方を解説します。

外壁塗装の欠損部とは?

外壁塗装の欠損部とは、物理的な欠けやひび割れを指します。

つまり、竣工後に外壁塗装の一部が欠損した場合、大小にかかわらず「欠損部」といえるでしょう。

しかし、構造物の耐久性に影響しない小さなものであれば、急いで補修する必要はありません。

外壁塗装の欠損の原因

外壁塗装の欠損が発生する原因は様々です。

例えば、地震の揺れや物体の衝突など、物理的な衝撃によって外壁材に欠損が発生することがあります。

また、乾燥収縮や経年劣化により、外壁塗装の表面にひび割れが生じるケースも珍しくありません。

寒冷地では、ひび割れなどの隙間から水が入ると凍りますが、水が凍ると膨張して圧力がかかります。

凍結融解を繰り返すとひび割れが大きくなり、やがて欠損に発展するでしょう。

ほかにも、アルカリシリカ反応と呼ばれる状況が挙げられます。

アルカリシリカ反応とは、外壁材であるコンクリート内部で骨材から溶け出したシリカ(SiO2)と、コンクリート中に含まれるアルカリ金属との間で起こる化学反応のことです。

アルカリとシリカの反応によってシリカゲルと呼ばれる物質が生成されますが、シリカゲルは水を吸うと膨張する性質を持っています。

水を吸うと膨張し、外壁塗装の内部にひび割れが発生し、欠損につながることもあるでしょう。

外壁塗装の欠損は「爆裂」と異なる

外壁塗装の爆裂とは、鉄筋コンクリートのサビで膨張し、表面にあるコンクリートを押し出している状態です。

爆裂が発生した場合、構造物の耐久性に大きな影響を及ぼす可能性があるため非常に危険で、早急に補修する必要があります。

爆発の主な原因は、コンクリートの中性化です。

コンクリート内部は通常強アルカリ性で、鉄筋を保護し耐久性を高めています。

しかし、表面のひび割れから空気中の水分や炭酸ガスが侵入し、化学反応を起こして中性化することが特徴です。

炭酸化が進行して鉄筋に達すると、アルカリ性で保護されていた鉄筋が錆びて膨張します。

内側から圧力をかけた結果、コンクリートを押し出して破壊することを爆裂と呼び、外壁塗装の欠損とは原因が異なります。

外壁塗装の欠損のリスク

横方向のひび割れは、雨漏りの原因になるので要注意です。

髪の毛ほどの太さのひび割れであれば、すぐに対処する必要はありません。

しかし、大きく太いひび割れであれば、すぐに専門業者に相談しましょう。

ひび割れから雨水が浸入し、外壁材そのものを腐食させたり、傷めたりする恐れがあります。

外壁塗装の欠損を補修する方法

外壁塗装の欠損部を補修する場合、まず調査を行わなければなりません。

目視とハンマー打診により、欠損のある場所や欠損になる恐れのある弱い部分を特定します。

補修後に、弱い部分が剥がれないように除去することが重要です。

除去後の下地がもろいと樹脂モルタルの密着が悪くなるため、浸透性強化プライマーを塗布します。

外壁塗装の欠損以外で見る劣化のサイン

外壁塗装の劣化は、建物そのものの劣化につながるため放置すると危険です。

そこで、欠損以外の劣化の兆候を紹介します。

天気の良い日には、定期的に外壁の状態を確認しましょう。

汚れやカビ

外壁塗料は、基本的に汚れ、カビ、コケに強いです。

しかし、5年以上経過すると塗膜の機能が低下し始め、汚れ・カビ・コケが付着しやすくなります。

色あせや変色

色あせは、塗料に含まれる樹脂が劣化することで起こります。

防水性が失われるとカビやコケが生えやすくなり、アレルギーの原因になることもあるため注意が必要です。

家の日当たりの良い場所や北側を見て、変色をチェックしましょう。

チョーキング現象

チョーキングとは、樹脂の劣化によって塗膜の表面に顔料が浮き出てくることです。

チョーキング現象が見られたら、耐久性が低下しているため、外壁塗装を検討しましょう。

剥がれ

剝がれとは、塗膜の密着力が低下した状態のことで、一度発生すると急速に外壁全体に広がります。

外壁材だけではなく建物全体の劣化につながる症状であり、早急に外壁塗装を行わなければなりません。

ただし、施工不良の可能性もあるため、塗装を行った業者に相談する方法が有効です。

外壁塗装のメンテナンスは10年に1度程度

外壁の修繕・補修の目安は、約10年です。

外壁材にはサイディングやモルタル、コンクリートなど様々なものがありますが、いずれも素材自体に防水機能はありません。

外壁材に塗料を塗って膜を作ることで、風雨や紫外線による傷みから建物を守っているのです。

しかし、外壁は常に自然環境にさらされているため、どれほど耐久性の高い塗料を使っても10年程度で劣化の兆候が現れます。

塗料の種類や環境、工法の種類によりますが5~8年で劣化するケースも珍しくありません。

そのため、10年に1度程度塗り替えることで、耐久性を保つことができます。

また、一見きれいに見える外壁でも、細かい点検で欠損や傷が見つかる場合が多いです。

多少の不具合であっても、放置しておくと外壁材や建物内部に深刻なダメージを与え、大規模な工事が必要になります。

外壁塗装の欠損部の補修にかかる費用相場

施工費用は、欠損部の大きさや外壁材で異なりますが、1箇所につき1~6万円が平均的です。

ただし、欠損が広範囲に及んでいたり、下地が傷んでいたりする場合は、外壁の張り替えが必要になることもあります。

部分的な外壁の張り替えの場合、20~60万円程度が目安です。

外壁塗装の欠損部補修を依頼する業者の選び方

外壁塗装の欠損部補修では、補修や修繕をした部分の上から塗料を塗るため、補修直後は見た目がきれいです。

そのため、手抜き工事に気づかず、数年後に問題が発覚するケースも少なくありません。

外壁塗装業者によって仕上がりの良し悪しが変わるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

ここでは、業者選びのポイントを紹介します。

トラブルが起こらないよう、優良業者に依頼しましょう。

外壁塗装の欠損部の補修実績がある

ホームページに掲載されている、ビフォーアフターの施工写真やお客様の声などを確認しましょう。

基本的に業者はホームページを持っているため、インターネットで検索すれば公式ホームページが見つかります。

近隣への配慮をしている

クレームが発生した場合は、業者が謝罪し、今後の工事期間や時間帯を明確に近隣の方に説明してもらうことが重要です。

また、外壁塗装や長尺シート、防水シートの施工時には、想定以上に臭いが広範囲に広がります。

特に人口密集地では、3軒先まで挨拶するとよいでしょう。

施工時の臭いを完全に防ぐことは難しいですが、塗料を選ぶ際に臭いが強くないタイプや、よい香りがする塗料を選ぶと対策ができます。

なお、クレームが発生した際は、依頼主も謝罪に同行した方が印象はよいでしょう。

アフターフォロー体制が万全

外壁塗装の欠損部の修繕・補修を依頼するときは、定期点検を含めたアフターフォローが万全な業者に依頼しましょう。

建物の不具合を早期に発見できれば、補修費の削減や建物の長寿命化にもつながります。

また、契約時には必ず保証範囲を確認し、保証書を発行してもらうことも大切です。

保証の対象となるもの(症状、部位、免責事項)、保証期間、無料か有料かなどを確認しましょう。

保証内容は、書面にしておくとトラブルを避けられます。

多くの場合、自社保証は3~5年、長くても10年程度です。

15年保証や20年保証など、長すぎる保証期間を提示している業者は、詐欺業者であり工事自体が行われない可能性もあります。

建設業許可を取得している業者

建設業許可を取得するためには、経営状況や専任技術者の雇用などの要件をクリアする必要があります。

簡単に許可されるものではないため、取得している場合は信頼できる外壁塗装業者だといえるでしょう。

建設業許可の有無は、国土交通省のホームページで確認できます。

外壁塗装の欠損が見られる際は点検を依頼しよう

外壁塗装の欠損や劣化症状は、放置すると建物自体の劣化を招きます。

また、小さな不具合でも時間が経つと大きくなることがあるため、経過を見守ることが大切です。

適切なメンテナンスを行うことでリスクを回避し、建物の価値を維持することにもつながります。

手抜き工事やクレームの発生などのトラブルを防ぐためにも、点検や補修は優良業者に依頼することが重要です。

外壁塗装の欠損がある、そのほか劣化症状が気になる場合は、見積もりや現地調査、点検を依頼しましょう。

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