2024.03.12
マンションの大規模修繕のベランダ工事の必要性!注意点や費用についても紹介
大規模修繕や防水工事のご相談は実績豊富な新東亜工業へ
ベランダの劣化と修繕の必要性
ベランダが劣化しやすい理由
ベランダは日常的に使用されるスペースでありながら、直接的な日光や雨風にさらされるため、他の部分よりも劣化しやすいと言えます。
特に紫外線は塗装の退色や材料の劣化を早め、雨水は防水層の損傷を引き起こす原因となります。
直射日光・雨風・温度変化
紫外線は塗装の退色や材料の劣化を早めます。
また、雨水は防水層の損傷を引き起こし、風は物理的なダメージを与える可能性があります。
日中と夜間の温度差による繰り返しの膨張と収縮は、材料にストレスを与え、劣化を促進します。
防水層の寿命や排水溝のつまりなど
防水層は時間とともに劣化し、10年から15年程度でメンテナンスが必要になることが多いです。
ゴミや枯葉が詰まると水が流れず、水溜まりができたり、雨漏りの原因になることもあります。
塩害
塩害は、コンクリート構造物にとって重大な問題の一つです。
海岸地域や冬季に道路に散布される融雪剤など、塩分を含む環境にさらされたコンクリートは、塩害のリスクが高まります。
これらの要因により、ベランダは劣化しやすく、定期的なメンテナンスが必要です。
劣化を放置すると、建物全体の損傷や漏水につながる可能性があるため、早めの対策が重要です。
また、ベランダの床や手すりなどの部位も劣化すると雨漏りに直結する恐れがあるため、これらの部位の状態も定期的にチェックすることが推奨されています。
ベランダの劣化によるトラブル
ひび割れや鉄筋の酸化や腐食
マンションのベランダは、直射日光や雨風に常に晒されるため、時間と共に劣化が進行します。
劣化が進むと、建物の美観が損なわれ、資産価値が低下する恐れがあります。
また、気温や湿度の変化によってガラスやコンクリートにヒビが入ったり、コンクリートの中性化が進み、内部の鉄筋が酸化することもあります。
防水機能の低下と雨漏り
大規模修繕では、ベランダの防水工事や外壁塗装工事などが行われます。
防水工事は、建物内部への水の浸入を防ぐために必要であり、劣化した防水層を修復することで、雨漏りなどのトラブルを防ぎます。
また、外壁塗装は、紫外線や雨風による色あせや変色を修正し、建物の見た目を改善すると同時に、塗装のひび割れや剥がれから雨水が浸入するのを防ぐ役割もあります。
修繕時はベランダに入ることができない
ベランダ工事の際には、居住者が私物を片付ける必要があります。
これは、工事の妨げにならないようにするためであり、私物の撤去や廃棄にかかる費用は居住者の自己負担となります。
また、工事期間中はベランダに入ることができなくなり、窓も開けられないため、生活に一時的な不便が生じることがあります。
ベランダ大規模修繕の内容と費用
防水工事の内容について
ベランダの床部分に防水層を施し、雨水の浸入を防ぎます。防水層は時間と共に劣化するため、定期的な補修が必要です。
防水工事には、FRP防水やウレタン防水、シート防水などの方法があり、それぞれ耐久性やコストが異なります。
ベランダ大規模修繕の費用について
費用については、ベランダの大規模修繕には様々な要素が影響します。
例えば、使用する材料の種類、工事の規模、マンションの立地条件などによって変動します。
一般的な目安としては、マンション1戸あたり75万円から125万円程度が必要とされていますが、これはあくまで平均的な数値であり、実際の費用は個々のマンションの状況によって異なります。
また、足場の設置費用や、防水工事の単価、外壁塗装の費用なども合計に含まれます。
足場の設置費用は、設置面積と単価によって決まり、防水工事の単価は施工方法によって異なります。
例えば、FRP防水は1平方メートルあたり約7,000円、ウレタン防水は約5,000円が相場です。
タイルや外壁の補修の内容と費用
ヒビ割れや剥がれが生じたタイルの補修や交換、外壁の塗装なども行われます。
これにより、ベランダの見た目を改善し、建物の寿命を延ばすことができます。
項目 | 内容 | 費用相場 |
---|---|---|
タイル補修 | 浮きや剥がれがあるタイルの再接着または交換。打診チェックによる劣化箇所の特定。 | 1㎡あたり700~1,100円 |
外壁タイル補修 | ひび割れや空洞に樹脂を注入するインジェクション工法、新しいタイルを既存のタイルの上に貼るオーバーレイ工法。 | 1㎡あたり1,000円前後 |
目地の再充填 | タイル間の目地の補修。 | 補修範囲によるが、一般的には1㎡当たり1万円から数5万円 |
床・壁・天井の補修の内容と費用
床の補修では、傷やへこみがある場合は、それらを埋める作業が行われます。また、フローリングの張り替えやワックスがけも含まれることがあります。
壁の補修には、クラックや穴の修復、塗装の更新、壁紙の張り替えなどがあります。これにより、見た目の美しさだけでなく、断熱性や防音性の向上も期待できます。
天井の補修は、水漏れによるシミやカビの除去、塗装の更新、照明設備のメンテナンスなどが含まれます。これにより、室内の明るさや清潔感が保たれます。
費用の目安は下記となります。
項目 | 単位 | 単価 | 備考 |
---|---|---|---|
フローリング張り替え | ㎡ | ¥3,000 | 材料費込み |
壁塗装 | ㎡ | ¥1,500 | 塗料費込み |
天井塗装 | ㎡ | ¥1,500 | 塗料費込み |
壁紙張り替え | ㎡ | ¥2,000 | 材料費込み |
照明設備メンテナンス | 点 | ¥5,000 | 電球交換含む |
手すりの交換
手すりの交換作業には、既存の手すりを取り外し、新しい手すりを設置する作業が含まれます。
このプロセスには、適切な測定と手すりの固定方法の選定が必要です。
また、材質の選択も重要で、耐久性とメンテナンスの容易さを考慮する必要があります。
- 材料費
- 工事費
- その他の費用
などが費用の内訳となりますので、依頼時に確認してみましょう。
排水管の清掃・交換の内容と費用
マンションの大規模修繕では、経年劣化や損傷を修繕するために、配管(給水管・排水管)の補修や交換が行われます。
一般的には、12年周期で行われる大規模修繕の2回目(24年目)以降に、配管の劣化状況に応じて補修または交換が必要になります。
給水管の耐用年数は一般的に15年とされており、亜鉛メッキ鋼管は10年~20年、硬質塩ビライニング鋼管は15年~20年、硬質塩化ビニル管は20年~30年、ステンレス鋼管は30年~35年が修繕目安です。
排水管も同様に、硬質塩化ビニル管は20年~30年、硬質塩化ビニルライニング鋼管は20年~25年が目安です。
排水管の清掃は、特に台所や浴室・洗面所といった油分を含んだ水を排水する雑排水管で頻繁に必要とされます。
詰まりやすい状態になるため、定期的な清掃が重要です。
また、排水管の劣化症状としては、水漏れ・排水不良・排水の逆流などがあり、これらが多発する場合は交換のタイミングと考えられます。
項目 | 費用相場 |
---|---|
専有部の排水管(戸当たり) | 40~70万円 |
共用部の排水管(戸当たり) | 40~70万円 |
給排水管全体の交換 | 30万円~50万円 |
大規模修繕工事中の注意点
私物の撤去を行う必要がある
ベランダに置かれた私物は、工事の妨げにならないよう事前に撤去する必要があります。
特に大きな物や移動が難しいものは、避難経路としての機能を考慮し、基本的に置かないことが望ましいです。
工事期間中の利用制限
防水工事や塗装工事などが行われる間は、ベランダを利用できなくなります。
工事が完了しても、乾燥や硬化を待つ必要があるため、数日間は入れないことがあります。
網戸の取り外しが必要
工事中に網戸が破損しないよう、取り外しと保管を行う必要があります。
これは居住者の責任で行うべき作業です。
工事の告知とスケジュール調整
施工業者は工事前にアンケート調査を行い、工事日程の調整を行います。
工事予定日までに私物を室内に移動するなどして、スムーズに工事ができるような状態にしなければなりません。
費用の自己負担
私物の撤去や廃棄にかかる費用は、居住者の自己負担となります。
管理組合や施工業者に費用を請求することはできません。
安全への配慮
ベランダは避難経路としての役割も持っているため、常に安全を確保できる状態を保つことが重要です。
大規模修繕時には、この点を特に考慮する必要があります。