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マンションが老朽化すると起こる問題は?注意点などもチェック

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マンションが老朽化すると起こる問題点

マンションが老朽化すると、さまざまな問題が発生します。

建物自体の問題に加え、居住者の生活環境や資産価値への影響が懸念されます。

どんな問題が想定されるのか?について見ていきましょう

時代のニーズにマッチしなくなる

マンションの老朽化は、設備の陳腐化を意味します。

国土交通省によると、築25年を超えるマンションの比率は2018年で41.5%に上ります。

最新の設備が求められる現代では、居住性が低下し競争力を失ってしまいます。

単身世帯が増加する中で広めのワンルームが人気ですが、老朽化したマンションは主に3LDK仕様で、ニーズとのミスマッチが生じます。

インターネット通信環境の整備も遅れがちで、テレワークにも不向きです。

居住者の生活に影響する

建物が経年で劣化すると、設備トラブルが多発します。

居住者の快適性が損なわれ、管理組合も修繕費の負担が重くのしかかります。

マンション管理組合の調査(2021年)では、修繕積立金の平均額は673万円と巨額です。

排水管の詰まり、給排水設備の漏水、エレベーターの故障など、日常生活に支障をきたすトラブルが頻発します。

騒音や臭気の問題も起こりがちで、居住環境が著しく低下します。

居住者の安全性について

建物の老朽化は、居住者の生命や身体の安全を脅かす恐れがあります。

大規模修繕を行わない限り、建物の安全性を保てません。

国交省のデータによれば、昭和56年以前の旧耐震基準のマンションは273万戸あり、このうち90万戸は耐震性が不足しています。

阪神淡路大震災では、旧耐震基準のマンションが多数倒壊し、多くの人命が失われました。

東日本大震災でも、老朽化したマンションの一部が倒壊するなどの被害がありました。

売却時に買い手がつかない

老朽化が進むと資産価値が下がり、売却が困難になります。

2022年の民間調査では、築年数10年を境に売却価格が大きく下落することが分かっています。

20年を超えると8割以上の価格下落となります。

リフォームを施さずに売却する場合、希望価格の7割程度での販売となり、損失が大きくなります。

老朽化が著しいと、入居者確保も難しくなり、賃貸経営も成り立たなくなります。

以上のように、マンションの老朽化は深刻な問題につながります。

居住者・オーナー双方がリスクを認識し、適切な対策を講じることが不可欠です。

建物状況に応じて柔軟に判断し、事態の改善に努める必要があります。

マンションが老朽化してしまったら

マンションが老朽化してしまったらどういった対応をしていけばよいのか?について解説していきます。

資金を集めて修繕を行う

老朽化したマンションでは、居住者全員で資金を出し合い、大規模修繕を行うことが最も一般的な対応策となります。

マンション建物は区分所有となっているため、修繕の際には全員の合意が必要です。

国土交通省の調査によると、2021年のマンション修繕費の平均額は4,400万円と推計されています。

修繕積立金だけでは足りないため、ローンを組むケースが多くなっています。

築40年を超えるマンションでは、給排水管の更新やエレベーター改修、外壁補修などの大規模工事が必要となります。

東京都内の事例では、修繕費総額が7億円にのぼり、戸当たり平均1,000万円以上の個人負担が発生しました。

資金調達のため、居住者に修繕ローンを組んでもらう必要がありました。

建て替え

大規模修繕に要する費用が高額過ぎる場合や、耐震性が著しく低下している場合は、建て替えを選択肢に入れる必要があります。

マンション建物の法定耐用年数は35年から47年程度とされています。

しかし、耐震基準の遵守状況などにより、実質的な建物寿命は異なってきます。

建て替えのほうが費用対効果が高ければ、その選択に合理性があります。

首都圏の耐震強度偽装問題を受け、2006年に建て替えが決定したマンションがあります。

当初は大規模修繕で対応する予定でしたが、耐震性が著しく低いことが分かり、費用面からも建て替えに転じました。

事例によっては、建て替え工事で収益アップを図ることもできます。

敷地を売却

マンション建物の老朽化が著しく進行し、修繕や建て替えの採算が取れない場合、敷地売却を選択せざるを得ないケースもあります。

建物があまりに老朽化していると、修繕や建て替えに多額の費用を要する一方で、建物の資産価値は限りなく低下します。

そのような状況では、敷地自体の価値を生かした売却が合理的な選択肢になります。

特に都心部の敷地は高値で取引されるケースが多いです。

築50年を超える木造アパートでは、建て替え費用が20億円を優に超える見込みでした。

一方、敷地の売却価格は建て替え費用の2倍以上と試算されたため、結局は敷地売却に踏み切ることになりました。

老朽化したマンションへの対応は、建物の状態や費用対効果など、さまざまな要素を総合的に判断する必要があります。

居住者間での十分な協議を重ね、最善の方針を立てることが重要となります。

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