マンション大規模修繕中の快適な過ごし方を解説|騒音や臭い・生活制限を乗り切るポイントとストレス軽減策
2025/03/03
マンションの大規模修繕は、建物の老朽化を防ぎ、快適な住環境を維持するために必要な工事です。しかし、工事期間中は騒音や振動、ベランダの使用制限など、日常生活に影響が出ることも多く、どのように過ごせばよいか悩む方も少なくありません。
本記事では、大規模修繕中の生活の変化や快適に過ごすための対策、在宅ワークや子ども・ペットへの影響などを詳しく解説します。工事期間をストレスなく乗り切るために、ぜひ参考にしてください。
目次
マンションの大規模修繕とは?工事の流れと影響を解説
マンションの大規模修繕とは、建物の老朽化を防ぎ、資産価値を維持するために行う大規模な改修工事です。一般的には12〜15年ごとに実施され、外壁の補修や防水工事、鉄部の塗装など、建物全体の修繕が含まれます。適切なタイミングで修繕を行うことで、建物の劣化を防ぎ、安全性と快適性を維持することができます。
大規模修繕工事の主な流れ
大規模修繕は、計画段階から完了までに約半年〜1年の期間を要することが一般的です。以下のような流れで進行します。
- 長期修繕計画の策定
- 管理組合が専門業者と協議し、工事内容や資金計画を決定 - 施工業者の選定と契約
- 住民説明会を開催し、工事のスケジュールや注意点を共有 - 工事準備と足場設置
- 屋上や外壁の点検を行い、仮設足場を設置 - 外壁補修・塗装・防水工事の実施
- ひび割れ補修、シーリング工事、屋上防水、鉄部塗装などを実施 - 最終点検と引き渡し
- 施工業者と管理組合が仕上がりを確認し、問題がなければ工事完了
大規模修繕による生活への影響
工事期間中は、騒音・振動・塗料の臭い・ベランダの使用制限など、日常生活に影響を及ぼす要素が多くなります。特に在宅時間が長い方や小さなお子さんがいる家庭では、事前に対策を検討することが大切です。次の章では、具体的にどのような生活の変化が起こるのかを解説します。
マンションの大規模修繕中に発生する生活の変化とは?
大規模修繕工事が始まると、マンション住民の生活にはさまざまな影響が出ます。騒音や振動、ベランダの使用制限など、日常生活に支障をきたすケースもあるため、事前に把握しておくことが重要です。
騒音・振動の発生
外壁補修や防水工事の際、ドリルやハンマーを使用した作業が行われるため、日中の騒音や振動が発生します。特に足場の設置や外壁の剥離作業中は、大きな音が続くことが予想されます。
- 工事時間帯(8:00~18:00)を確認し、騒音が少ない時間を把握する
- ノイズキャンセリングイヤホンや耳栓を活用する
- 在宅ワークの場合は、静かな作業場所を確保する
ベランダや窓の使用制限
修繕工事では、外壁塗装や防水工事の際に足場が組まれるため、ベランダの使用が制限されることがあります。
- 洗濯物を外に干せないため、室内干しや浴室乾燥機を活用する
- 窓が開けられない期間があるため、空気清浄機や換気扇を活用する
エレベーターや共用設備の利用制限
外壁や配管工事の影響で、エレベーターの使用制限や共用部分の立ち入り制限が発生する場合があるため、事前に確認が必要です。
- 工事期間中のエレベーターの運行スケジュールをチェックする
- 必要に応じて階段を利用できるよう準備する
塗料や防水材の臭いによる影響
塗装工事や防水工事の際には、塗料やシンナーの臭いが発生することがあるため、換気対策が必要です。
- 換気扇や空気清浄機を活用し、室内の空気を循環させる
- 塗装作業の日程を確認し、臭いが強い日は外出を検討する
大規模修繕はマンションの維持に必要な工事ですが、住民の生活に一定の影響を与えます。次の章では、工事期間中にできる対策について詳しく解説します。
実録!7階建てマンションの大規模修繕工事の流れと費用・施工事例
東京都墨田区にある7階建てマンションにて、ワンオーナー物件の大規模修繕工事を新東亜工業が対応しました。外壁の塗装やシーリングの補修、防水工事の必要性、見積比較の不安など、オーナー様の悩みに対しどのような提案と判断を行ったのか——その一連の流れを、実際の会話を交えながらご紹介します。
お問い合わせ〜現地調査|過去施工の確認と細部の劣化診断
工事のきっかけは「前回の色選びに失敗した」「屋上防水は5年前に済ませたが今回も必要か不安」といったメール相談でした。
お客様とのやり取り
お客様:「屋上の防水は5年前にやってるんですけど、それでもやるべきですか?」
新東亜工業:「一度状態を拝見してから判断しましょう。無理にやる必要がなければ省く判断もできます」
現地では図面をもとにバルコニーや外壁、庇などを細かく確認。シーリングの劣化が目立ったため、全撤去と打ち替えの提案を行いました。

お客様とのやり取り
新東亜工業:「ここのシーリング、かなりひび割れてます。全て打ち替えですね」
お客様:「これ全部やるとなると…かなりの距離ですよね?」
新東亜工業:「ざっと見ても1000mは超えてきます」
見積り提示|屋上防水の有無で2プラン提案+実数精算の説明
調査後は「屋上防水あり・なし」2パターンの見積を作成。各項目の違いと予算の幅をわかりやすく提示しました。
お客様とのやり取り
新東亜工業:「下地補修は“実数精算”になります。今見えてない部分も足場を組んでから補修範囲を確定します」
お客様:「100万円とか一気に増えることもありますか?」
新東亜工業:「状態は悪くないので10〜20万円程度の上下です。むしろ減る可能性もありますよ」
他社と比較されることも想定し、工事項目の説明や「新規打設」のリスクも正直に伝えました。
契約成立|「新規打設」との違いを丁寧に解説し信頼獲得
価格では他社より若干高めだったものの、工法や保証内容の丁寧な説明でご納得いただきました。
お客様とのやり取り
お客様:「他社には“新規打設”って書いてあります」
新東亜工業:「それは既存シールを撤去せず上からかぶせる方法で、密着不良やひび割れの原因になります。当社では必ず撤去・打ち替えを行います」
結果、「屋上防水なしプラン(852万円)」でご契約いただきました。
着工前の打ち合わせ|色決め・足場・近隣への配慮も徹底
工事前の打ち合わせでは、オーナー様が特に重視されたのが「色の選定」。過去2回の失敗を経て、今回は慎重に。
お客様とのやり取り
新東亜工業:「今回は色のイメージをどうされたいですか?」
お客様:「前の2回、どちらもイメージと違って…。今回は絶対に失敗したくない!」
色見本板を用意し、納得のいく色を選定。中学校敷地への足場越境や1階テナントのバイク駐輪スペース確保など、周辺環境への配慮も抜かりなく実施しました。
工事中の対応|トラブルの早期発見と柔軟な対応で信頼感
施工中には、前回業者が「増し打ち」を行っていた痕跡を確認。
お客様とのやり取り
新東亜工業:「やはり前回は増し打ちでしたね。しっかり撤去してから打ち換えますのでご安心ください」
お客様:「やっぱり!最初に“それはダメ”って言ってもらえて良かったです」
さらにバルコニー防水ではガス配管の位置により仕上げ調整を行うなど、現場での判断力も発揮。仕上がりにはご満足いただけました。
お客様とのやり取り
お客様:「本当にイメージ通りの外壁色で嬉しいです。母も喜んでました!」
引き渡しと今後の対応|最終確認と事務手続きまで丁寧に対応


完工後は外回りも含めた最終チェックを実施。仕上がりの満足度は非常に高く、保証書や請求書もスムーズに手配されました。
お客様とのやり取り
新東亜工業:「この庇も塗装・防水完了済みです」
お客様:「本当にきれいになってよかった。ありがとうございました!」
工事概要まとめ
- 契約金額:852万円(屋上防水なしプラン)
- 施工期間:約50日間
本事例を通じて、オーナー様の不安や悩みに寄り添いながら、適切な判断と施工を提供することの重要性が見えてきます。
「前回の修繕に不満がある」「見積内容が適正か判断できない」とお感じの方は、ぜひ一度ご相談ください。
大規模修繕中の過ごし方|マンションの住民ができる工夫とは?
マンションの大規模修繕工事は、建物の資産価値を維持するために欠かせないものですが、工事期間中は騒音や振動、ベランダの使用制限など、生活にさまざまな影響が及びます。マンション大規模修繕中のストレスを最小限に抑え、快適に過ごすための対策を紹介します。
騒音対策をしっかり行う
大規模修繕では、足場の設置や外壁補修、塗装作業などによる騒音が発生します。特に、日中に在宅する方や在宅ワークをしている方は、対策が必要です。
- ノイズキャンセリングイヤホンや耳栓を活用する
- 工事のスケジュールを確認し、騒音が少ない時間帯を見つける
- 一時的にカフェやコワーキングスペースを利用する
換気やニオイ対策を考える
外壁塗装や防水工事の際、塗料やシンナーのニオイが室内に入ることがあります。窓が開けられない状況が続くため、換気の工夫が必要です。
- 空気清浄機を活用し、室内の空気を循環させる
- 扉の開閉時に短時間で換気を行う
- 塗装作業のスケジュールを確認し、ニオイが強い日には外出を検討する
ベランダや洗濯物の工夫
大規模修繕期間中は、ベランダの使用が制限されることが多く、洗濯物を外に干せないケースがあるため、対策が必要です。
- 室内干し用のグッズ(除湿機・サーキュレーター)を活用する
- 浴室乾燥機がある場合は積極的に利用する
- コインランドリーの活用も検討する
スケジュールを事前に把握し、計画的に対応する
工事の進行状況によって、生活への影響が変わるため、事前にスケジュールを把握し、計画的に対応することが重要です。
- 管理組合や施工業者からの案内を確認し、工事のスケジュールを把握する
- 影響が大きい日(塗装・騒音が激しい日)には外出を計画する
- 必要に応じて、家族や知人の家に一時的に避難することも検討する
マンションの大規模修繕中は、不便なことが多いですが、適切な対策を取ることでストレスを軽減し、快適に過ごすことが可能です。次の章では、小さなお子さんやペットがいる家庭が工事期間中に気をつけるべきポイントについて解説します。
小さなお子さんやペットがいる家庭での過ごし方
マンションの大規模修繕工事は、騒音や振動、塗料の臭い、ベランダの使用制限などが発生し、小さなお子さんやペットがいる家庭にとっては特にストレスのかかる期間になります。安全で快適に過ごすための対策を講じることが重要です。
騒音・振動対策
工事の際には、足場の組み立てや外壁補修の作業音が発生し、日中の生活に影響を与えます。特にお昼寝の時間帯が重なる場合は対策が必要です。
- 騒音が少ない時間帯を管理組合や施工業者に確認し、スケジュールを調整する
- ホワイトノイズ(扇風機の音やアプリ)を利用し、周囲の音を軽減する
- 日中は外出を増やし、公園や児童館、カフェなどで過ごす時間を確保する
ベランダの使用制限への対応
ベランダが使えないことで、子どもが遊ぶスペースが限られる、洗濯物を外に干せないといった影響が出るため、代替案を用意することが大切です。
- 室内で遊べるスペースを確保する(プレイマットを敷くなど)
- 洗濯物は浴室乾燥機や除湿機、サーキュレーターを活用し室内干しを行う
ペットのストレス軽減対策
ペットは環境の変化に敏感なため、大規模修繕中の騒音や臭い、作業員の出入りがストレスの原因になります。
- ペット用の音楽やホワイトノイズを流して騒音を軽減する
- 日中は散歩の時間を増やし、ストレス発散の機会を作る
- ケージやキャリーを使い、安全な場所に移動させる
- 塗料やシンナーの臭いが強い場合は、一時的にペットホテルの利用を検討する
特に、小型犬や猫は騒音や作業員の姿に敏感に反応することが多いため、事前に環境を整えることが大切です。
マンションの大規模修繕は在宅ワークに影響がある?
大規模修繕工事中は、日中の騒音や振動が発生し、在宅ワークの業務に影響を及ぼす可能性が高いです。集中して作業を行うための対策を講じることで、工事期間中も快適に仕事を進められます。
騒音による業務の影響を軽減する方法
- ノイズキャンセリングイヤホンや耳栓を活用する
- 工事スケジュールを確認し、騒音が少ない時間帯に会議や業務を調整する
- 集中力を高めるため、環境音(ホワイトノイズ・カフェの音)を流す
作業環境を整える
工事中は窓を開けられない場合があるため、換気対策をしながら作業スペースを確保することが重要です。
- 空気清浄機を活用し、室内の空気環境を整える
- デスクや作業スペースを静かな部屋に移動する
- 屋内で快適に作業できる環境を整えるため、照明やデスク環境を見直す
外部の作業スペースを活用する
工事の騒音が激しい期間は、カフェやコワーキングスペースを活用し、作業環境を変えるのも有効です。
- 近隣のカフェやコワーキングスペースをリサーチし、必要に応じて利用する
- 業務に支障が出そうな日は、図書館やレンタルオフィスの利用を検討する
- 長期間の工事で影響が大きい場合は、一時的なテレワーク用スペースの契約を検討する
大規模修繕工事は、数か月にわたることが多いため、在宅ワークの業務に影響が出る可能性が高いです。適切な対策を取りながら、快適に仕事ができる環境を確保することが重要になります。
マンションの大規模修繕をスムーズに乗り切るための心構え
マンションの大規模修繕工事は、数か月にわたる長期の工事となるため、住民の生活に少なからず影響を与えます。しかし、事前に準備を整え、適切な対応を取ることで、ストレスを最小限に抑えながら工事期間を乗り切ることが可能です。ここでは、大規模修繕をスムーズに進めるための心構えについて解説します。
工事の目的を理解し、前向きに捉える
大規模修繕は、建物の耐久性や安全性を向上させ、資産価値を維持するために必要な工事です。工事期間中は騒音や制限があり、不便を感じることもありますが、修繕後の快適な生活を思い描き、前向きに捉えることが大切です。
管理組合や施工業者との情報共有を意識する
工事の進捗状況や生活への影響を把握するために、管理組合や施工業者からの案内をしっかり確認し、不明点があれば早めに問い合わせることが重要です。
- 工事のスケジュールを確認し、特に影響の大きい工事の時期を把握する
- 管理組合の掲示板や公式LINEなどを活用し、最新情報をチェックする
- 疑問点があれば管理組合や施工業者に相談し、事前に解決する
住民同士で協力し、トラブルを避ける
大規模修繕中は、騒音や振動、塗料の臭いなどが発生し、住民間のストレスが高まりやすい時期でもあります。工事による不満や不便を、住民同士で共有しつつ協力することで、無用なトラブルを防ぐことができます。
- 工事中のストレスを理解し、お互いに配慮する
- 管理組合を通じて、住民の意見を適切に伝える
- 不満を抱え込まず、冷静に相談や対策を検討する
ライフスタイルを調整し、工事期間を乗り切る
工事期間中は生活の一部が制限されることが多いため、ライフスタイルを柔軟に調整することで、負担を軽減できます。
- 騒音が気になる場合は、日中の外出を増やす
- 換気が難しい時期には空気清浄機や消臭対策を活用する
- 工事期間中にできること(整理整頓や模様替え)を考え、前向きに過ごす
工事終了後の快適な生活をイメージする
大規模修繕が終わると、外壁や屋上の防水性能が向上し、マンション全体の美観や住環境が改善されることが期待されます。工事期間中の不便さにばかり意識を向けるのではなく、リニューアル後のマンションの姿を思い描くことも大切です。
マンションの大規模修繕工事は、住民の協力と理解が不可欠です。適切な情報収集と事前準備を行い、前向きな姿勢で工事期間を乗り切ることで、スムーズな修繕と快適な生活の維持につながります。
マンション大規模修繕中の過ごし方を工夫して影響を抑える|まとめ
マンションの大規模修繕は、建物の安全性や資産価値を維持するために必要な工事ですが、工事期間中は騒音や振動、ベランダの使用制限など、生活に影響が出ることが避けられません。快適に過ごすためには、騒音対策や換気の工夫、スケジュールの把握が重要です。
特に小さな子どもやペットがいる家庭、在宅ワークをする方は、事前に対策を準備することで負担を軽減できます。修繕後の快適な住環境を思い描きながら、適切な対応を心がけましょう。
