2023.11.21
築50年の木造住宅は外壁塗装について!リフォームとメンテナンスや外壁の種類や費用相場を解説
「耐用年数が過ぎたらもう住めないの?」「メンテナンスはどうすれば良い?」など、築年数が長くなってくるときになることも出てくるでしょう。
木造住宅の法定耐用年数は22年とされているので、その倍以上の50年がたってしまったならなおさらです。しかし、法定耐用年数は住宅の寿命ではありません。
築50年の木造住宅では、外壁塗装だけでなく、劣化状況に応じたリフォームやメンテナンスが重要です。古い木造住宅では、外壁のひび割れや腐食が進行している場合が多く、適切な補修が必要となります。
モルタルやサイディング、木材など、外壁の種類によって費用や施工内容が異なる点も注意が必要です。
本記事では、築50年の木造住宅に適した外壁リフォームの方法や費用相場、外壁材ごとの特徴について詳しく解説します。長寿命化と快適な住環境を目指す方におすすめです。
マンション・ビルの外壁塗装の重要性
マンションやビルの外壁塗装とは、建物の美観を保つだけでなく、構造の劣化を防ぐために非常に重要です。外壁は日々、紫外線や雨風、排気ガスなど過酷な環境にさらされています。塗装が劣化すると、ひび割れや剥がれが起き、そこから雨水が侵入して建物内部にダメージを与える可能性もあります。適切な時期に外壁塗装を行うことで、防水性や耐久性を保ち、建物の資産価値を維持することができます。また、住民や利用者にとっても快適で安心な環境づくりに繋がります。
築50年の住宅は外壁塗装で寿命が延びる?
築50年の住宅は、リフォームするべきか建て替えをするべきか悩む、という人も少なくないでしょう。実際のところ、今後何十年も住み続けるなら、建て替えたほうが良いこともあります。
しかし、外壁塗装をするだけでも、住宅の寿命を延ばすことはできるため、おすすめです。家族構成や今後のライフプラン、予算に応じて建て替えるのか外壁塗装をするのかを選ぶと良いでしょう。
築50年の住宅の外壁は劣化していることが多い
外壁は、紫外線や年数によって劣化していきます。とくに築50年の住宅なら、なおさらでしょう。外壁が劣化する原因としては、以下のようなものが考えられます。
- 太陽の紫外線や熱
- 雨や風
- 経年劣化
外壁には、塗装がしてありますが、塗膜が常に太陽の熱や紫外線にさらされているため、分解されて劣化してきてしまいます。とくに太陽が当たりやすい位置にある部分は、劣化が早い場合があるので注意しておかなくてはなりません。
また、外壁は常に雨や風にさらされているため、そういった面でも劣化してきてしまいます。その他、経年による劣化があります。いわゆる耐用年数というもので、年数がたってくるにしたがって、外壁にひび割れやチョーキングと呼ばれる現象が起こります。
木造住宅の場合は耐用年数が22年とされているため、築50年であれば外壁は張り替えをしたほうが良い場合もあります。
ただし、必ずしも張替えが必異様とは限りません。外壁塗装の前に業者に相談して、塗装だけにするのか、カバー工法で重ね張りにするのか、いっそ張り替えてしまうのか選ぶようにしましょう。
使用している塗料によっても耐用年数は異なるため、耐用年数に関しては以下の表を参考にしてみてください。
種類 | 耐用年数 |
---|---|
アクリル | 5~7年 |
ウレタン | 8~10年 |
シリコン | 10~15年 |
フッ素 | 12~15年 |
遮熱系 | 14~20年 |
無機塗料 | 20年~ |
ただ単に耐用年数が長ければよいというものではないため、塗装をするときには業者とよく相談をして、どの塗料にするかを決めると良いでしょう。
築50年の住宅外壁塗装は予算で見ると外壁リフォームがおすすめ
「今後何十年も住み続けるかわからない」「緊急でとりあえず住めるようにしたい」といった場合には、外壁塗装がおすすめです。
どのような工事を行うかにもよりますが、外壁塗装・屋根塗装なら60万~400万円程度かかりますが、建て替えとなると1500~2000万円はかかるでしょう。
建て替えるほどの予算がない場合は、ひとまず外壁塗装をするだけでも住宅の寿命を延ばすことができるからです。
外壁材の種類を紹介
マンションや住宅の外壁には、いくつかの種類があります。代表的なものを以下に紹介します
サイディングボード
軽量で耐久性があり、デザインのバリエーションも豊富です。メンテナンスがしやすいのが特徴です。
モルタル外壁
セメントに砂や水を混ぜて塗りつける工法で、手作業で仕上げるため、独特の風合いがあります。
タイル外壁
セメントに砂や水を混ぜて塗りつける工法で、手作業で仕上げるため、独特の風合いがあります。
ALC(軽量気泡コンクリート)
軽量で断熱性や防火性に優れており、主にマンションで使用されます。
外壁塗装の工法の種類と費用相場|築50年の木造住宅は塗り替えできない場合も
外壁塗装といっても、ただ単に壁の塗り替えを行うだけというわけにはいきません。築50年ともなれば、外壁自体を取り換えなくてはならない可能性もあるからです。外壁塗装には、以下のような種類が考えられます。
外壁塗装の種類 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
塗り替え | 80~120万円 | ・既存の壁を壊す必要がない・塗料によってさまざまな効果が得られる |
カバー工法(重ね張り) | 120~180万円 | ・既存の壁を壊す必要がない・壁を重ねることで強度を増すことができる |
張り替え | 150~200万円 | ・既存の壁を撤去する・新しい壁を作る |
外壁塗装の坪・床面積別費用相場を紹介
ここでは、外壁塗装の費用を左右する要素ごとに外壁塗装の費用相場をまとめています。ただし、これは一般的な目安です。
実際に外壁塗装を行う際には、見積もりを複数取り、具体的な条件や要望を伝えることで、より正確な費用を把握することが重要です。
外壁塗装の費用相場・坪数別
坪数(延べ床面積) | 費用相場 |
20坪(66㎡) | 40万〜90万円 |
30坪(99㎡) | 60万〜100万円 |
40坪(132㎡) | 80万〜130万円 |
50坪(165㎡) | 90万〜160万円 |
外壁塗装の費用相場・居住形態別
居住形態 | 費用相場 |
戸建て住宅 | 約100万〜300万円程度 |
マンション | 約300万〜800万円程度 |
賃貸アパート | 約200万〜500万円程度 |
外壁塗装の費用相場・塗料の種類別
塗料の種類 | 耐用年数 | 費用相場 |
アクリル塗料 | 5年〜10年 | 1,000〜1,800円/㎡ |
ウレタン塗料 | 10年〜15年 | 1,500〜2,500円/㎡ |
シリコン塗料 | 15年〜20年 | 1,800〜3,500円/㎡ |
フッ素塗料 | 20年以上 | 3,000〜5,000円/㎡ |
ラジカル塗料 | 20年以上 | 2,000〜4,000円/㎡ |
外壁の劣化のサイン|築50年の木造住宅は劣化が大きい
築年数がたっているからといって、必ずしも外壁が劣化しているとは限りません。定期的にメンテナンスをしている場合は、築50年以上たっていても塗り直しが必要ないこともあります。ここでは、外壁が劣化しているときのサインについてみていきましょう。
コーキングの割れ・はがれ
建物の壁と壁のすき間には、ゴムのような物が詰められているのを見たことがないでしょうか。これはコーキングと呼ばれるもので、壁のすき間から雨水が侵入しないようにしてあるものです。このコーキングは、経年劣化などによって割れたり剥がれたりしてしまいます。
藻やコケが発生している
壁は年数がたつと、藻やコケが繁殖してしまうことがあります。とくに日当たりが悪い壁や皮が近くにある場合、湿度が高い地域などは発生しやすいといえるでしょう。藻やコケが生えてきているのも、壁が経年劣化してきているサインといえます。
塗膜の浮き・剥がれ
外壁の塗料には耐久年数があり、長い間メンテナンスをせずに放置しておくと経年劣化で塗膜納期や剥がれが起こる場合があります。塗膜の浮きや剥がれがあった場合には、外壁の劣化のサインであるため、早めに塗り替えをおこないましょう。
築50年の木造住宅における外壁塗装の手順を解説
築年数が経過すると、どうしても外壁に劣化症状が出てしまうものです。ここでは、築50年の家の外壁塗装を行うときの手順に関して解説します。
1.コーキングの打ち替え
コーキングは劣化しているため、既存のコーキングはすべて撤去する必要があります。コーキングをそのまま残して増し打ちするケースもありますが、そもそもコーキングは劣化しているため、劣化しているものをそのまま残して重ね塗りしても、耐久性などに問題が出てきてしまいます。
とくに築50年もたっている住宅ならなおさら、既存のコーキングは全て撤去して新しくした方が良いでしょう。
2.高圧洗浄
外壁にはコケやカビ、そのほかにもさまざまな汚れがついています。そのため、外壁を塗りなおす場合は、先に高圧洗浄を行って全体をきれいにする必要があります。高圧洗浄は、水を特殊な機械で打ち出すことによって外壁の汚れをきれいに洗い流すことです。
また、あまりにも汚れがひどすぎるという場合には、バイオ洗浄を行うこともあります。バイオ洗浄液を使用することによって、水だけでは落としきれない汚れも落とすことができますよ。
3.塗料を選ぶ
前述したとおり、塗料にはさまざまな種類があります。塗料の中でもおすすめはシリコンやフッ素などの耐久力に優れた塗料です。
また、外壁の劣化原因となる紫外線が気になる場合には、耐久力だけでなく、紫外線への耐候性が高いフッ素塗料などがおすすめです。
その他、塗料の種類によって弾性も違ってくるため、外壁がモルタルなどであれば弾性のある塗料がおすすめです。ただし、壁の材質によっては弾性のある塗料が合わない場合もあるため、業者とよく相談をするようにしましょう。
また、塗料の中には断熱性のあるものもあるため、塗料の特徴をしっかり把握して、外壁にあう塗料を選ぶことが大切です。
4.塗り替え
塗料を選んだら、塗り替えを行います。もし建物診断などをおこなって建物の壁そのものを撤去した方が良いのであれば、できるだけ早く建物の壁の張替え工事を行いましょう。
マンションやビルの外壁塗装の重要性
マンションやビルの外壁塗装とは、建物の美観を保つだけでなく、耐久性や機能性を維持するために欠かせない重要な作業です。
外壁は常に外部の環境に晒されており、風雨や紫外線、温度変化などの影響を受けやすい部分です。外壁塗装を定期的に行うことで、これらの外的要因から建物を守り、長期間にわたって良好な状態を保つことができます。
建物の保護
外壁塗装は、建物を雨水や湿気から保護する重要な役割を果たします。塗膜が傷んでしまうと、外壁材が水分を吸収し、内部の構造材が腐食したり、カビや藻が発生する原因になります。適切な外壁塗装を施すことで、これらの問題を防ぎ、建物の耐久性を高めることができます。
美観の維持
外壁塗装は、建物の外観を美しく保つためにも重要です。特に、マンションやビルなどの商業施設では、外観が非常に重要な要素となります。塗装が剥がれて色あせてしまうと、建物全体が古く見え、価値が下がることになります。定期的に外壁塗装を行うことで、建物の魅力を維持し、外観を新鮮に保つことができます。
エネルギー効率の向上
外壁塗装は、建物の断熱性能にも関わることがあります。遮熱性の高い塗料を使用することで、外気の影響を受けにくくし、室内の温度を安定させることができます。これにより、冷暖房効率が向上し、エネルギーの消費を削減することができます。特に暑い地域では、遮熱塗料の使用が効果的です。
防火性能の向上
塗料には、防火性能を高めるタイプのものもあります。外壁塗装を行うことで、火災が発生した場合の延焼リスクを低減することができ、安全性を向上させる効果があります。防火塗料は、火災時に燃えにくく、煙や熱を抑える効果があります。
資産価値の維持
定期的に外壁塗装を行うことで、建物の資産価値を保つことができます。特にマンションや商業ビルは、外観が重要な評価ポイントとなります。塗装を行うことで、建物の寿命を延ばすと同時に、価値を維持することができ、将来的な売却や賃貸の際にも有利になります。
マンションやビルの外壁塗装は、建物を外的要因から保護し、美観を保つだけでなく、エネルギー効率や防火性能の向上、資産価値の維持にも寄与します。定期的に外壁塗装を行うことで、長期的に建物を良好な状態に保ち、住環境や使用者の安全を守ることができます。
築50年の木造住宅の外壁塗装についてのまとめ
築50年の家も、きちんと手入れをすることで、長持ちさせることが可能です。とくに、建物の外壁や屋根に関しては、定期的にチェックをして、必要であれば塗装のし直しや張り替えを行わなくてはなりません。
とはいえ、何をしていいかわからないという人がほとんどのため、まずは一度プロの業者に依頼しましょう。
壁や屋根の劣化具合を見てもらい、必要であれば塗装工事や張替えを行います。外壁や屋根のメンテナンスを定期的に行うことで、築50年の住宅でも快適に暮らしていくことができるでしょう。
大規模修繕工事・防水工事・外壁塗装・外壁補修参引用、参考サイト
国土交通省
特定非営利活動法人集合住宅管理組合センター
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会
一般社団協会マンション管理業協会
一般社団法人日本防水協会
日本ペイント
独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)
一般社団法人 マンション大規模修繕協議会
日本ウレタン建材工業会
FRP防水材工業会
株式会社ダイフレックス(シーカ・ジャパン株式会社)