2024.03.07
マンションの大規模修繕工事は不要?修繕しない際のリスクも紹介
マンションを購入したら、大規模修繕は不要だと思っていませんか?
実は、マンションの大規模修繕は、住まいの安全性や資産価値を保つために必要なものです。
この記事では、マンションの大規模修繕が必要な理由と、大規模修繕をしない場合のリスクやトラブルについて解説します。
また、マンションの大規模修繕の周期の目安もご紹介します。
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マンションの大規模修繕は不要?工事が必要な理由
マンションの大規模修繕工事は、約10年周期で行われます。この大規模修繕ですが費用も大きく、工期も長くかかります。
ではなぜこの修繕工事が必要になるのかを解説します。
安全性が保護できる
マンションの大規模修繕の一つの目的は、住まいの安全性を保護することです。
マンションは、長年にわたって自然災害や経年劣化にさらされています。
そのため、建物の構造や設備に不具合や劣化が生じる可能性があります。
例えば、以下のような問題が発生することがあります。
- 防水層の劣化による雨漏りや浸水
- 外壁やバルコニーのひび割れや剥離
- 配管や給排水設備の錆びや漏水
- 電気設備のショートや火災
- 防火設備や非常用設備の故障
これらの問題は、住民の生活や健康に影響を及ぼすだけでなく、重大な事故や災害につながる危険性もあります。
マンションの大規模修繕では、これらの問題を発見し、修理や補強を行うことで、住まいの安全性を高めることができます。
資産価値が維持できる
マンションの大規模修繕のもう一つの目的は、住まいの資産価値を維持することです。
マンションは、一般的に建築後から年々価値が下がっていきます。
しかし、大規模修繕を行うことで、価値の下落を抑えることができます。
なぜなら、大規模修繕では、以下のようなメリットが得られるからです。
- 建物の寿命が延びる
- 建物の外観や機能が向上する
- 建物の耐震性や省エネ性が向上する
- 建物の管理や運営が改善される
これらのメリットは、住民の満足度や信頼感を高めるだけでなく、将来の売却や賃貸にも有利になります。
マンションの大規模修繕では、住まいの資産価値を守ることができます。
地震や台風からマンションなどの減災・防災を考えるためにも大規模修繕工事を
大規模修繕工事ではタイルの修繕や、階段や屋上の防水など様々な部分に関わる工事を行います。予知保全や予防保全という観点でも地震や台風、大雨からの被害から守ることにつながります。
様々な災害が起きてからの修繕は困難なことが多いため、大規模修繕工事は計画を立ててしっかり行うことが重要です。
マンションの大規模修繕をしない場合のリスクやトラブル
マンションの大規模修繕は、住まいの安全性や資産価値を保つために必要なものですが、それでも大規模修繕をしないという選択肢もあります。
しかし、大規模修繕をしない場合には、以下のようなリスクやトラブルに直面する可能性があります。
マンションの大規模修繕をしない場合のリスク|雨漏り・浸水のトラブル
マンションの屋上や外壁には、防水層が施されています。
しかし、防水層は、紫外線や温度変化などによって劣化していきます。
そのため、防水層の劣化によって雨漏りや浸水が発生することがあります。
雨漏りや浸水は、住民の生活に不快感や不便をもたらすだけでなく、建物の構造や設備にも悪影響を与えます。
例えば、以下のような問題が発生することがあります。
- 壁や天井のカビやシミ
- 床や家具の腐食や変形
- 電気設備のショートや火災
- 配管や給排水設備の錆びや漏水
これらの問題は、住民の健康や安全に危険を及ぼすだけでなく、修理や交換に多額の費用がかかることもあります。
マンションの大規模修繕では、防水層の補修や更新を行うことで、雨漏りや浸水のトラブルを防ぐことができます。
マンションの大規模修繕をしない場合のリスク|外壁の崩壊などのリスク
マンションの外壁は、建物の見た目や強度に影響する重要な部分です。
しかし、外壁は、風雨や地震などによってひび割れや剥離などの損傷を受けることがあります。
そのため、外壁の損傷によって外壁の崩壊や落下などの事故が発生することがあります。
外壁の崩壊や落下は、住民や通行人に重傷や死亡の危険を及ぼすだけでなく、建物の構造や耐震性にも悪影響を与えます。
例えば、以下のような問題が発生することがあります。
- 建物の傾きやずれ
- 建物の強度や安定性の低下
- 建物の断熱性や遮音性の低下
- 建物の外観やイメージの悪化
これらの問題は、住民の快適性や満足度を低下させるだけでなく、建物の寿命を短くすることもあります。
マンションの大規模修繕では、外壁の補修や塗装を行うことで、外壁の崩壊や落下などのリスクを減らすことができます。
マンションの大規模修繕の周期の目安
マンションの大規模修繕は、住まいの安全性や資産価値を保つために必要なものですが、いつどのくらいの頻度で行うべきなのでしょうか?
一般的に、マンションの大規模修繕の周期の目安は、10年から15年とされています。
しかし、この周期は、建物の設計や品質、環境や管理状況などによって変わることがあります。
そのため、マンションの大規模修繕のタイミングは、以下のような方法で判断することができます。
- 建物の点検や診断を行う
- 建物の劣化状況や修繕ニーズを把握する
- 建物の修繕計画や予算を立てる
- 建物の修繕工事を実施する
これらの方法は、マンションの管理組合や管理会社、修繕委員会などが主体となって行うことが多いです。
しかし、住民としても、建物の状況や修繕計画に関心を持ち、積極的に参加することが大切です。
マンションの大規模修繕は、住民の意見や合意が必要なものですから、自分の住まいに責任を持つことが求められます。
マンション大規模修繕での補助金や助成金の種類と条件を紹介
マンションの大規模修繕には多額の費用がかかりますが、国や地方自治体からの補助金を利用することで、経済的負担を軽減することができます。ここでは、主要な補助金の種類とそれぞれの条件について詳しく解説します。
以下の表にまず簡単にまとめました。
補助金の種類 | 条件 | 対象工事例 |
---|---|---|
省エネ改修補助金 | 断熱材の追加や省エネルギー設備の導入を行うこと 一定のエネルギー効率改善が見込まれること | 断熱材の追加、高効率給湯器の設置 LED照明への交換 |
耐震改修補助金 | 建物の耐震性を向上させる工事を行うこと 耐震診断の結果に基づいた改修であること | 耐震補強工事、柱や梁の補強 |
バリアフリー改修補助金 | 高齢者や障害者のためのバリアフリー化を行うこと 公共性が認められること | スロープの設置、エレベーターの設置 手すりの設置 |
それぞれの内容を詳しく解説します。
省エネ改修補助金
まず、省エネ改修補助金についてです。この補助金は、建物の断熱性能を向上させたり、省エネルギー設備を導入したりする場合に支給されます。具体的には、断熱材の追加や高効率給湯器の設置、LED照明への交換などが対象となります。この補助金を受けるための条件として、断熱材の追加や省エネルギー設備の導入を行うことが求められ、さらに一定のエネルギー効率改善が見込まれることが必要です。
※参考資料:国土交通省マンションの省エネ改修事例・支援制度
耐震改修補助金
次に、耐震改修補助金があります。この補助金は、建物の耐震性を向上させるための工事に対して支給されます。対象となる工事には、耐震補強工事や柱や梁の補強などがあります。補助金を受けるためには、耐震診断の結果に基づいた改修であることが条件となります。これは、建物の耐震性を確保し、住民の安全を守るために非常に重要です。
バリアフリー改修補助金
最後に、バリアフリー改修補助金です。この補助金は、高齢者や障害者のためにバリアフリー化を行う場合に支給されます。対象となる工事には、スロープの設置、エレベーターの設置、手すりの設置などが含まれます。この補助金を受けるための条件としては、高齢者や障害者のためのバリアフリー化を行うこと、そして公共性が認められることが必要です。バリアフリー化は、高齢者や障害者が安全に快適に暮らせる環境を整えるために重要です。
以上のように、マンション大規模修繕に対する補助金にはさまざまな種類があり、それぞれに特有の条件があります。適切な補助金を選び、条件に合った工事を行うことで、補助金を有効に活用することができます。
大規模修善工事でのよくある質問
ここでは大規模修繕工事でよくある質問を紹介します。工事費用や施行中の疑問をまとめました。
Q
大規模修繕で10戸のマンションではどのくらいが費用目安?
A
A: 10戸のマンションの大規模修繕の費用は、規模や建物の状態、修繕内容によって異なりますが、一般的には1000万円から1,500万円程度が目安とされています。具体的な費用は、外壁や共用部分の修繕内容、使用する材料の種類によって変動するため、詳細な見積もりを施工業者で確認しましょう
Q
マンション大規模修繕時にエアコンは使用できる?室外機はどうする?
A
大規模修繕中でも基本的にはエアコンの使用は可能ですが、外壁塗装や防水工事の際には一時的に使用を控える必要がある場合があります。室外機は、作業に支障がない限りそのまま設置された状態で保たれることが一般的です。ただし、工事の進捗によっては室外機を一時的に移動させる場合もあるため、管理組合や施工業者からの指示に従ってください。
Q
マンション大規模修繕の際のベランダの荷物やアンテナはどうすればいい?
A
大規模修繕の際には、ベランダの荷物は一時的に室内に移動させる必要があります。特に、外壁塗装や防水工事の影響を受けやすいものは、工事開始前に片付けてください。また、テレビアンテナや物干し竿も取り外しが必要になる場合がありますので、事前に管理組合や施工業者の指示に従い、適切に対応してください。
Q
大規模修繕の際に洗濯物は外に干せる?
A
大規模修繕期間中は、外壁工事や塗装の影響でベランダに洗濯物を干すことが制限されることがあります。工事用のネットやシートが張られるため、日光が遮られたり、塗料やホコリが付着する可能性があります。管理組合や施工業者からの案内に従い、洗濯物は室内で乾かすか、コインランドリーの利用を検討してください。
Q
大規模修繕の際に立ち会いや在宅が必要なことはある?
A
大規模修繕では、住戸内に立ち入る必要のある作業が発生する場合があります。例えば、配管の点検やベランダ側のサッシ工事などが該当します。その際には、居住者の立ち会いや在宅を求められることがあるため、事前に管理組合や施工業者からの連絡を確認し、予定を調整してください。それ以外の工事については基本的に在宅の必要はありませんが、作業内容によって異なるため、詳細は管理組合の案内を確認することが重要です。
この他、大規模修繕のよくある質問について知りたい方は以下の記事をご覧ください
マンションの大規模修繕は不要ではない工事!
マンションの大規模修繕は、住まいの安全性や資産価値を保つために必要なものです。
しかし、大規模修繕をしない場合には、雨漏りや浸水、外壁の崩壊などのリスクやトラブルに直面する可能性があります。
そのため、マンションの大規模修繕の周期の目安は、10年から15年と覚えておきましょう。
また、マンションの大規模修繕のタイミングは、建物の点検や診断、修繕計画や予算、修繕工事などの方法で判断することができます。
マンションの大規模修繕は、住民の意見や合意が必要なものですから、自分の住まいに責任を持つことが大切です。
マンションの大規模修繕を適切に行うことで、快適で安全な住まいを長く維持することができます。