伸縮目地がある屋上の防水工事の注意点は?役割や必要性・処理方法を解説 | 株式会社新東亜工業  

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伸縮目地がある屋上の防水工事の注意点は?役割や必要性・処理方法を解説

屋上防水工事には様々な工法があり、現況に適したもの、適さないものがあります。

例えば、伸縮目地がある場合は、当然それに適した防水工事を選択しなければなりません。

誤った工法を選択してしまうと、すぐに防水層が不具合を起こしてしまうため注意が必要です。

そこで今回は、伸縮目地がある屋上の防水工事について、注意点や処理方法、目地の役割まで詳しく解説します。

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屋上防水工事の伸縮目地とは

伸縮目地とは、保護モルタルの膨張、収縮によるひび割れを防ぐ目地です。

伸縮目地の下にはスポンジが入っており、屋上の防水工事ではこれらをすべて撤去します。

ここでは、伸縮目地の種類や、目地の必要性を解説します。

伸縮目地の種類

伸縮目地には、エラスタイト、エキスパンタイの2つがあります。

エキスパンタイはコンクリート床用の目地であり、コンクリートの伸縮を吸収します。

曲げに強い補強材が入っており、シンプルな仕上がりが特徴です。

エラスタイトは、アスファルト混合物で作られています。

主に、外構や土木工事で使用されており、板状のためカットできる点が特徴で、エキスパンタイが施工できない場所に使われることが多いです。

ほかにも、レンガ、玉砂利、カラー砂利、など、見た目にこだわりたい方におすすめの目地材も多数あります。

伸縮目地の必要性

伸縮目地の役割は主に2つあります。

コンクリートのひび割れを防ぐ

コンクリートは一見頑丈そうに見えますが、温度変化が原因で伸縮します。

結果、ひび割れが生じることがあります。

特に屋上のような広さがあるコンクリートの場合、ひび割れが大きくなる可能性が高いです。

伸縮目地はコンクリートを分離し、ひび割れの発生を防ぎます。

伸縮目地そのものに発泡材を利用することで、伸縮を繰り返すコンクリートの動きを吸収するため、ひび割れや劣化を防ぐことが可能です。

防水や止水

伸縮目地には、地下水や雨水が入らないようにするための防水材や止水材を使用できます。

建物内部に水が入り込むと、カビやの腐食などの問題になるため、伸縮目地で防水や止水をすることが大切です。

目地処理の方法

伸縮目地がある屋上では、どのように目地を処理し、防水工事を行うのでしょうか。

ここでは、目地の処理方法の大まかな流れを紹介します。

既存目地の撤去

既存の目地材や発泡スチロールは全て撤去します。

下地の段差が大きい場合は、サンダーで研磨するか、ポリマーセメントで平滑にします。

目地の調整・清掃

目地材をしっかりと乾燥させます。

結露のリスクがある際や、雨・雪・霜などの天候が悪い場合は施工を中止します。

また、目地に汚れや異物がある場合、接着不良を起こすため汚れを取り除かなければなりません。

油分がある場合はシンナーで除去し、溶剤を十分に蒸発させます。

バックアップ材の挿入

バックアップ材は目地の深さを調整するために使用するもので、発泡ポリエチレン製の密閉型で丸棒または角棒のような形をしています。

なお、丸棒の場合は目地幅より20〜30%程度広くします。

角棒の場合は、少し大きめのものをねじらずに挿入します。

プライマー塗布

塗る場所に適したプライマーを刷毛で塗ります。

ムラや塗り残しがないよう、均一に塗布することが大切です。

フローンシーリング材の充填

ナイフを使い目地の大きさに合わせてノズルを斜めにカットし、ノズル奥の防湿膜は針金などで破り、コーキングガンに装填します。

目地の底までフローンシーリングが届くようにします。

また、気泡が入らないように圧力をかけながら、一定のスピードで充填することがポイントです。

補強クロスの貼り付け

フローンシーリングを充填した後、目地クロスを貼り付けます。

貼り付けの際は、浮き上がりやシワにならないようにすることが大切です。

目地クロスの端末の重なる部分は5cm以上とし、2枚重ねで貼り付けます。

押さえ仕上げ

目地クロスを貼り付けた直後は、ゴムベラ等でメッシュが隠れるまで塗り広げます。

フローンシーリングを塗り、表面を平滑にします。

養生・硬化

押え金終了後、完全に固まるまで手を触れずに養生します。

なお、目地交差部に脱気筒を設置するところには、脱気孔(Φ50mm)を開けます。

伸縮目地がある屋上に適した工法

伸縮目地のある屋上では、ウレタン防水工事の通気緩衝工法とシート防水工事の機械固定工法が有効です。

それぞれの防水工事の内容を簡単に解説します。

ウレタン防水通気緩衝工法

ウレタン防水通気緩衝工法とは、通気緩衝シートと呼ばれる特殊なシートと脱気筒という筒を使用したウレタン防水の工法の一種です。主に既存下地がコンクリートでできた建物に使用されます。

ウレタン防水通気緩衝工法の特徴は、他の防水工事に比べ、膨れやひび割れが起こりづらいことです。

膨れやひび割れが起こりづらい理由は以下のとおりです。

  • 下地のコンクリートから蒸発した水分を脱気筒で逃がしているから
  • 通気緩衝シートが下地のコンクリートに起こる亀裂の発生を抑制しているから

​​伸縮目地のある屋上の場合、ウレタン防水通気緩衝工法は下地と防水層の間に通気緩衝シートを挟むので、伸縮目地の働きを阻害しません。

そのため、伸縮目地のある屋上をウレタン防水で施工する際は通気緩衝工法を選ぶようにしましょう。

塩ビシート防水機械固定工法

塩ビシート防水機械固定工法は、塩ビシートを円盤やビスなどで機械的に固定する防水工法です。

塩ビシートは他の防水工事と比較して軽量で防水性・耐久性に優れ、雨水の浸入を防ぎます。

機械的固定で施工であれば、施工は比較的容易でコストを抑えられることもメリットです。

また、様々な色柄の塩ビシートから選ぶことができるため、建物の見た目を変えたい方にもおすすめです。

伸縮目地がある屋上にやってはいけない防水工事

伸縮目地がある屋上でやってはいけない防水工法は「密着工法」です。

密着工法とは、下地と防水層を密着させる工法です。

密着工法で施工する防水工事には、

  • ウレタン防水
  • 塩ビシート防水
  • FRP防水

があります。

伸縮目地の役割の一つは、コンクリートの動きを吸収することです。

伸縮目地の上に密着工法で防水層を形成してしまうと、伸縮目地の働きが防水層によって阻害されるため、新しい防水層にひび割れが生じます。また、下地のコンクリートが割れたりすることもあります。

したがって、密着工法による防水工事は避け、ウレタン防水の場合は通気緩衝工法、シート防水の場合は機械固定工法で防水工事を行いましょう。

FRP防水の工法は密着工法のみなので、伸縮目地がある屋上はFRP防水以外の防水工事を選びましょう。

防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】

大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。

そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。

防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。

以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。

  • 補助金申請できる地域に住んでいる
  • 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
  • 税金を滞納していない
  • 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること

詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。

防水工事に関してのよくある質問を紹介

ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。

Q

防水工事前に何か準備は必要ですか?

A

防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。

Q

防水工事を行う周期はどのくらいですか?

A

一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。

Q

雨天時も防水工事は行いますか?

A

防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。

Q

防水工事中に臭いがすることはありますか?

A

防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。

伸縮目地がある屋上の防水工事まとめ

伸縮目地がある屋上の防水工事について解説してきました。

まとめると、

  • 伸縮目地とは建物の動きを吸収する
  • 伸縮目地のある屋上に適した防水工事がある
  • ウレタン防水通気緩衝工法と塩ビシート防水機械固定工法が有効

伸縮目地のある屋上を防水する場合、伸縮目地の動きに追従できる工法を選ぶことが大切です。

伸縮目地のある屋上防水を検討している方は、施工実績があり、丁寧な点検のうえ施工を提案してくれる業者に相談をしましょう。

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