防水工事の工期はどのくらい?種類別の工期と期間を短縮するコツ | 株式会社新東亜工業  

    コラム    

防水工事の工期はどのくらい?種類別の工期と期間を短縮するコツ

忙しいなかで防止工事を依頼する場合、「工期が短い方法が良い」、「工期を短縮したい」と考える方も多いのではないでしょうか。

防水工事にはいくつかの工法があり、工期が異なります。

そこで、代表的な防水工事の種類と、それぞれの工期について解説します。

工期を短縮するコツも紹介するため、防水工事を検討している方は参考にしてみてください。

防水工事の種類

工事ごとの特徴を知ることで、建物に適した方法を選択できます。

最初に、主な防水工事の種類を確認しておきましょう。

ウレタン防水

ウレタン防水とは、下地に液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する防水工事です。

液状の防水材を塗布する工事なので、室外機などの設置物が多い屋上や、施工範囲が狭い場所にも施工することができます。

ウレタン防水の工法には通気緩衝工法と密着工法があります。

屋上防水の場合、天候により十分に乾燥させることが困難なため、通気性が高い「通気緩衝工法」を採用することが多いです。

密着工法は防水層の主材でウレタン樹脂と下地をプライマーと呼ばれる接着剤で密着させる工法なので凹凸のある場所や複雑な形状の屋根にも施工できます。

いずれも低コストで施工可能ですが、気温によって硬化速度が変化すること、紫外線に弱いことからトップコートによる保護塗装が必要です。

トップコートは5年に1回の頻度で塗り替えを行わなければならないので、定期的なメンテナンス工事も必要です。

これらの点に注意しましょう。

シート防水

シート防水とは、塩ビシートやゴムシートといったシート上の防水材を専用の接着剤で屋上の下地に貼り付ける防水工事です。

シート防水の工法には、下地に接着剤を塗って防水シートを貼る「接着工法」と、下地にクッション材を敷き、金具やビスで固定する「機械固定工法」があります。

シート防水の特徴は、既存の防水層の上に防水シートを被せて施工ができることです。そのため、工期が短くなる可能性があり、廃材費も削減できます。

ただし、既存の防水層の状態によっては施工できない場合があります。その場合は既存の防水層を撤去します。

一般の方は防水層の状態を見極めるのは難しいため、施工方法はプロの業者と相談して決めるのがよいでしょう。

シート防水はウレタン防水と並んで高い技術が求められる防水工事です。

施工実績が豊富で信頼できる業者を選ぶことが大切です。

なお、素材によっては歩行に適していないものもあるため、施工場所の用途に応じて素材を選びましょう。

FRP防水

FRP防水のFRPは「Fiberglass Reinforced Plastics」の略で、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維と、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などを組み合わせて強度を高めた強化プラスチックのことです。

FRP防水はポリエステルやビニルエステルなどの液状樹脂を下地に塗布し、ガラス繊維で強化した樹脂を貼り付ける防水工事です。

FRP防水で作られた防水層は非常に強度が高く、耐久性・耐荷重性に優れており、バスタブやロケットに使われるほど、防水性が高いため、屋上駐車場や住宅のバルコニー・ベランダで主に使われています。

軽量で建物への負担が少ないこともメリットの一つです。

FRP防水のデメリットは頑丈な防水層であるゆえに、伸縮性が低く、ひび割れが起こりやすいことです。

そのため、木造で施工面積が10㎡以上の場所にはFRP防水は向いていません。

また費用も高めです。

予算と施工場所の用途、建物の材質を踏まえて、FRP防水で施工するか否かを判断するのが大切です。

アスファルト防水

下地にアスファルトを含浸させた防水シートを貼り、上からコンクリートで固定します。

防水層の厚みと、アスファルトの防水性や接着性の高さを生かした方法です。

防水性能が高い、耐用年数が他の工法の倍、施工不良が少ないなどのメリットがあります。

しかし、重量があるため、建物の構造に制約があり、工期が長い、コストが高いなどがデメリットです。

【種類別】防水工事の工期

防水工事の種類別の工期は次のとおりです。

防水工事FRP防水ウレタン防水シート防水アスファルト防水
工期1~2日程度3~10日程度1~3日程度7~10日程度

最も工期が短いのは、FRP防水工事です。他の防水工事と比較すると工期に大きな差があり、早く工事を完了させたい方におすすめです。

防水工事ごとの費用と耐用年数

防水工事の工期は短く、スケジュールを調整しやすくても、予算に合わない可能性があります。

そこで、防水工事ごとの費用と耐用年数も確認しておきましょう。

防水工事FRP防水ウレタン防水シート防水アスファルト防水
耐用年数10~15年程度(6~7年毎にメンテナンスが必要)ウレタン防水通気緩衝工法:13~15年程度(5~10年毎にメンテナンスが必要 )

ウレタン防水密着工法:2~5年程度(5~8年毎にメンテナンスが必要) 
塩ビシート防水機械固定法:15年~20年程度(15年以上 メンテナンスフリー )
 
塩ビシート防水密着工法:10年~15年程度(10年以上 メンテナンスフリー )
15年~20年程度
(5~8年毎にメンテナンスが必要)
費用相場4,000円~7,500円/㎡3,000円~7,000円/㎡2,500円~7,500円/㎡5,500円~8,000円/㎡

工期だけではなく、耐用年数と費用を考慮して、コストパフォーマンスがよい方法、工事をする場所に適した方法を選ぶことが大切です。

防水工事を行う時期

屋上防水工事のやり直しや補修が必要な時期を見極め、雨漏りなどのトラブルが起こる前に対処することが大切です。

ここでは、耐用年数や、起こりうる劣化症状など、防水工事を行うタイミングを紹介します。

耐用年数が近づいたとき

防水工事の耐用年数は工法によっても異なりますが、10~20年とされています。

施工後、10年を目安にメンテナンスを実施しましょう。

メンテナンスをしないと、建物自体に水が浸入し、建物内部に雨漏りが発生したり、構造躯体が濡れたりするなど、深刻な被害を引き起こす可能性があります。

大きな問題が起こる前に、適切な時期にメンテナンスを行うようにしましょう。

劣化症状が現れたとき

劣化症状が現れたら、早めに専門業者に点検やメンテナンスを依頼しましょう。

詳しい劣化症状については、次項で解説します。

防水工事をすべき劣化症状

屋根の防水塗膜が剥がれてきた、劣化してきたと感じると、工事の依頼をするケースが多いです。

しかし、特に見た目に変化がなくても、ある程度の年数が経過している建物であれば劣化が進んでいると考えましょう。

15年経過していれば確実に劣化しているため、いつ工事が必要になっても不思議ではありません。

ここでは、経年劣化を前提に、工事が必要な劣化症状を解説します。

ひび割れ

屋上防水がひび割れる原因は複数あります。

ひとつは、アスファルト防水の押さえコンクリートの劣化です。

押さえコンクリートとは、防水層を保護し、劣化を防ぐために防水層の上に打つコンクリートのことです。

なお、ひび割れを起こしても、押さえコンクリートの下に防水層があるため、防水機能は維持できます。

また、ウレタン防水がひび割れをするケースも多いです。

ウレタン防水のひび割れは、紫外線や雨水の影響で防水が劣化して起こります。

また、施工時に乾燥が不十分なため発生することがあります。

さらに、シート防水が劣化してひび割れを起こすケースも少なくありません。

水溜りがある

屋根に水が溜まる原因はいくつかありますが、排水部分に泥やゴミ、落ち葉が溜まっている場合は、取り除き排水を良くすることで改善されます。

水はけに問題がなくても水たまりができる場合は、施工時のミスによる可能性が高いです。

長期間水が溜まると防水シートやトップコート、防水層の劣化につながるため、早めの対策をしましょう。

剥がれや浮き

FRP防水やウレタン防水などの建材が紫外線や雨風が原因で劣化し、剥離する症状です。

シート防水の場合は防水シートの防水性が低下し、シートの収縮が原因で剥がれることがあります。

ほかにも、落下物や外的要因で防水シートが破損して剥がれるケースや施工不良も考えられます。

施工後2~3年で剥離する場合は、施工不良の可能性が高いです。

施工不良の原因は以下のことが挙げられます。

  • 防水材の乾燥が不十分
  • 下塗り材(プライマー)が塗布されていない
  • 雨天時の施工

これらが原因で密着性が悪くなり、剥がれや浮きが起こります。

塗膜やシートが剥がれたり、浮いた場合は、劣化した部分から漏水する危険性があるため、早急にメンテナンスが必要です。

雑草やコケが生えている

屋上の排水には、栄養分や汚れが含まれています。

風に乗って種子が運ばれると、何も手入れをしなければすぐに雑草が生えるでしょう。

植物の根は非常に強く、コンクリート壁や道路から芽を出し、防水層を破ってしまうこともあります。

根が表面に溜まった土の中だけに広がっており、軽い力で引き抜けるようであれば、引き抜いて掃除すれば問題はありませんが、無理に引き抜こうとすると、防水層に根が届いているため、防水層に穴を開けてしまう危険性があります。

この場合はプロの業者に対処してもらいましょう。

雨漏りしている

すでに防水層が破れ、建物内部に水が流れている場合は、雨漏りとして建物内部に漏水します。

雨漏りが発生すると、建物の構造材はすでに水没しているため、防水工事だけではなく、断熱材や構造材の工事が必要になります。

雨漏りの原因になった水の流れを特定することは困難です。

多くの場合、大規模な点検や補修工事を行います。

防水工事に適した季節とは

防水工事を行うには、次のような条件が揃ったときが最適です。

  • 雨風がない
  • 暑すぎず寒すぎない
  • 塗料が乾燥しやすい

上記の条件を踏まえると、春と秋が最適だと言えるでしょう。

夏の場合、集中豪雨や梅雨など突然雨が降る季節なので雨漏りが起こりやすく、工事件数の増加するため、予約が取りづらいです。

また、下地に水分が残っている状態で工事を行うと、施工不良が起こる可能性が高いので、雨天後すぐに工事を実施することはできません。屋上や屋根が熱くなりすぎて触れられない場合も同様です。

冬は乾燥に時間を要し、凍結や結露の可能性があるため、場所によっては工事の延期をせざるを得ない場合があります。

ただ、気候条件が揃っていれば、夏でも冬でも、防水工事を実施することはできます。

業者とスケジュールをすり合わせて防水工事を実施しましょう。

防水工事の工期を短縮するコツ

防水工事の工期を大幅に短縮することは困難ですが、数日、数時間であれば短縮できる可能性があります。

そこで、防水工事を少しでも早く終わらせるための、工期短縮のコツを紹介します。

防水工事専門業者を選ぶ

防水工事といっても、業者によって得意不得意があります。

例えば、ウレタン防水工事が得意な会社と、シート防水工事が得意な会社がある場合、それぞれの得意な工法を依頼することでコストダウンを期待できるでしょう。

価格を抑えられる理由は、専門業者は毎年多くの工事を行っており、メーカーからの仕入れも比較的安価なため、見積もり価格が安くなるためです。

そのため、工法や材料が同じでも価格に差が出てしまいます。

同じ工事をするのであれば、より安くできる専門業者に依頼をしましょう。

相見積りを取る

防水工事は高額ですが、相場や見積もり内容がわかりにくいため、不当な費用を支払ってしまう方が多いのが現実です。

相見積もりを取ると、適切な工法や相場を把握できます。

また、現地調査時にできるだけ多くの質問をしておきましょう。

丁寧に話を聞き、分かりやすく回答してくれる担当者がおり、見積もり内容についても解説してくれると、より安心です。

劣化が進む前に依頼する

防水工事の耐用年数は10年〜20年とされています。

そのため、施工後10年を目安にメンテナンスを行うのがおすすめです。

メンテナンスをしないと、建物自体に水が浸入し、建物内部に雨漏りが発生したり、構造躯体が濡れてしまったりなど、深刻な被害が発生します。

防水層が劣化する前に表面にあるトップコートを塗り直すと、防水層を工事するよりコストを抑えて屋上防水の寿命を延ばせる可能性があります。

メーカーによって異なりますが、トップコートは5年以内に塗り替えが必要な場合が多いです。

防水工事の工期まとめ

防水工事の工期について解説しました。

まとめると、

  • 工期が短い防水工事はFRP防水
  • 工期が長い防水工事はアスファルト防水
  • 耐用年数や費用を考慮することが大切

防水工事専門業者であれば、防水工事の工期を短縮できる可能性が高いです。

劣化が進む前に、予算、スケジュールを決めたうえで防水工事を依頼しましょう。

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