2024.04.05
マンション大規模修繕の階段工事は確認申請が必要か?
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マンションの大規模修繕工事では、様々な部位の改修工事が行われます。
その中でも、共用部分である階段の修繕は、入居者の安全性や利便性に直結する重要な工事です。
しかし、この階段の修繕工事において、確認申請が必要かどうかは一般にあまり知られていません。
本記事では、確認申請の必要性について詳しく解説します。
マンション大規模修繕の階段工事は確認申請は不要
結論から言えば、マンション大規模修繕の階段工事において、確認申請は基本的に不要です。
その理由は、建築基準法上、「4号建築物」の大規模修繕では確認申請が義務付けられていないためです。
4号建築物とは、主に共同住宅や事務所ビルなどの「階数が3以上で、かつ延べ面積が500平方メートル以上」の建物を指します。
マンションはこの4号建築物に該当するため、大規模修繕時の確認申請は不要になるのです。
確認申請が必要な定義と条件
マンション大規模修繕工事において、階段の修繕工事で確認申請が必要かどうかは、その工事の内容によって判断されます。
建築基準法では、確認申請が義務付けられる工事の定義と条件が明確に規定されています。
確認申請の目的と建築基準法の定義
確認申請の目的は、建築物の安全性や防火性能などを確保するためです。
建築基準法では、以下の2つの条件を満たす場合に確認申請が義務付けられています。
- 新築、増築、改築などの「建築行為」に該当する工事である
- 主要構造部分に係る大がかりな工事が予定されている
つまり、主要構造部に手を加えない軽微な修繕工事であれば、確認申請は不要となります。
建築行為と主要構造部の定義
次に、「建築行為」と「主要構造部」の具体的な定義を見ていきましょう。
建築行為の定義
- 新築、増築、改築、移転
- 建築物の大規模な修繕や模様替え
- 建築物の用途変更
主要構造部の定義
- 基礎、柱、はり、壁
- 屋根、階段
- 外壁の一部
マンション大規模修繕の階段工事で確認申請が必要な場合
マンション大規模修繕の階段工事で確認申請が必要となるケースを具体的に挙げると、以下のようになります。
- 共用階段の増設や構造の変更を伴う大規模な改修工事
- 鉄骨階段の大規模な補強や全面交換工事
- 避難階段の新設工事
これらの工事は、主要構造部に手を加える大がかりな工事に該当するため、確認申請が義務付けられています。
一方で、通常の共用階段の修繕工事であれば、確認申請は不要です。具体的には以下のような工事が該当します。
- コンクリートのひび割れ補修
- 手すりの一部交換
- 床面の張り替え
- 滑り止め対策
マンション大規模修繕における階段工事で確認申請が必要かどうかは、その工事の内容によって決まります。
建築基準法上、「建築行為」に該当し、かつ「主要構造部」に係る大がかりな工事である場合に確認申請が義務付けられています。
適切に確認申請を行うことで、法令違反を避けられるだけでなく、入居者の安全性と居住環境を守ることにつながります。
大規模修繕計画の立案段階で、専門家に確認し、確実な判断を下すことが重要です。
4号建築物の大規模修繕では確認申請は不要
マンション大規模修繕の階段工事が確認申請不要と言えるのは、主に以下の2点が理由です。
- マンションは4号建築物に該当
- 階段の修繕は主要構造部に手を加えない
これらの条件を満たすため、階段の修繕工事では確認申請は義務付けられていないのです。
鉄骨階段の修繕工事
一方、階段の種類によっては確認申請が必要になる場合もあります。
たとえば、鉄骨造の階段の大がかりな修繕では、確認申請が求められる可能性があります。
その理由は、鉄骨階段は建物の主要構造部分に当たるため、大規模な補強や交換などの工事を行う場合、建築基準法上の「大規模の修繕」に該当するためです。
この場合は確認申請が必須となります。
共用階段の修繕工事
一方、マンションの共用階段は主要構造部分には該当しません。
そのため、コンクリートのひび割れ補修や手すりの交換、滑り止め対策などの一般的な修繕であれば、確認申請は不要です。
ただし、補強や増設など、階段の構造を変更する大がかりな工事を行う場合は、確認申請が求められる可能性がありますので注意が必要です。
【共用階段・鉄骨階段の修繕費】
最後に、共用階段や鉄骨階段の修繕にかかる費用の概算を見ていきましょう。
- 共用階段のコンクリート補修:20万円~50万円
- 共用階段の手すり交換:10万円~30万円
- 鉄骨階段の補強・塗装:50万円~100万円程度
- 鉄骨階段の交換:100万円以上
このように、鉄骨階段の工事費用は共用階段に比べて高額になる傾向があります。
大規模修繕計画を立案する際の重要な参考データとなるでしょう。
マンション大規模修繕の階段工事において、確認申請が必要かどうかは工事の内容によって異なります。
一般的な共用階段の修繕であれば不要ですが、鉄骨階段の工事や増設など構造に手を加える大がかりな工事の場合は要確認です。
適切な判断のもと、入居者の安全性と建物の長期的な価値を守る大規模修繕を心がけましょう。