オフィスビルなどの大規模修繕工事の周期や費用目安は?修繕計画から工事の完了の流れも解説 | 株式会社新東亜工業  

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オフィスビルなどの大規模修繕工事の周期や費用目安は?修繕計画から工事の完了の流れも解説

大規模修繕や防水工事のご相談は実績豊富な新東亜工業へ

オフィスビルを長持ちさせるためには、定期的な大規模修繕工事が必要です。しかし、いつ、どのくらいの費用をかけて行えばいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、大規模修繕工事の基本知識から、工事のポイント、具体的な内容、進行手順まで解説します。さらに、工事前に対策すべきポイントやトラブル発生時の対処法についてもご紹介します。

オフィスビルの維持管理にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

オフィスビルの大規模修繕の特徴は?

ビルの建物は、建設後一定期間が経過すると、大規模な修繕工事が必要になります。

これは、建物の老朽化に伴い、建物の安全性や機能性を維持するためです。

結論から述べますと、ビルの大規模修繕は、建物の長期的な資産価値を守り、居住環境を良好に保つために欠かせない工事です。

ビルの大規模修繕では、建物の構造体や設備などの主要な部分を一斉に改修します。

そのため、工事期間が長期に渡り、多額の費用がかかるのが一般的です。

しかし、建物の寿命を延ばし、資産価値の下落を防ぐメリットがあります。

具体的な大規模修繕の内容としては、基礎や柱、梁などの構造体の補強、外壁や屋根の改修、給排水設備や電気設備の更新などが挙げられます。

老朽化した設備を最新のものに交換することで、建物の性能や快適性が向上します。

修繕と改修の違いについて解説

一般的に、建物の修繕とは損傷した部分や経年劣化によって発生した不具合を修復し、元の状態に戻すことを指します。一方、改修は建物の機能や性能を向上させるために、元の状態から変更を加えることを意味します。

具体的な例としては、修繕にはひび割れた壁の補修、漏水の修繕、塗装の塗り替えなどが含まれます。一方、改修には間取りの変更、設備の更新、耐震補強などが含まれます。

大規模修繕工事においては、修繕と改修の両方が含まれる場合が多くあります。例えば、外壁のひび割れを補修するだけではなく、外壁材を新しいものに変更する場合は修繕と改修の両方に該当します。

大規模修繕工事を行う際には、修繕と改修のどちらに該当するかを明確にする必要があります。なぜなら、修繕と改修では工事内容や費用、工期が異なるためです。また、修繕と改修のどちらに該当するのかによって、必要な手続きや許認可も異なります。

修繕と改修の違いを理解することで、適切な工事計画を立てることが可能になります。

大規模修繕工事を行う周期と工事回数について

大規模修繕工事は、建物の老朽化に伴い、定期的に実施する必要があります。その周期は、一般的に12~15年程度と言われています。しかし、これはあくまでも目安であり、建物の状態や使用状況によって異なります。

例えば、高層ビルや商業施設など、人が多く利用する建物は、より頻繁に大規模修繕工事が必要になる場合があります。逆に、戸数が少なく、使用頻度の低い住宅の場合は、周期が長くなることもあります。

大規模修繕工事は、建物の寿命を延ばし、資産価値を維持するために必要不可欠です。適切な時期に計画的に実施することで、建物の安全性と快適性を確保することができます。

また、大規模修繕工事は、1回で完了するのではなく、複数回に分けて実施されることが一般的です。これは、工事規模や予算の関係もあります。例えば、外壁塗装と防水工事は同時に行うことが可能ですが、屋上防水工事は別途行う必要があります。

大規模修繕工事の回数は、建物の状態や使用状況によって異なります。しかし、一般的には、2~3回程度実施されることが多いと言われています。

建物の種類周期回数
戸建て住宅20~30年1~2回
マンション12~15年2~3回
高層ビル8~10年3~4回
商業施設5~7年4~5回
※あくまで目安であり、建物の状態や使用状況によって異なります。

オフィスビルの大規模修繕の費用相場や目安は?

オフィスビルの大規模修繕にかかる費用は、建物の規模や工事の内容によって大きく変わりますが、おおよその目安としては以下のようになります。

結論から述べますと、一般の分譲マンションの場合、専有面積1平方メートル当たり20万円から50万円程度の修繕費用がかかると言われています。

国土交通省が公表している統計データによると、マンションの大規模修繕工事費用は専有面積1平方メートル当たり平均21万円となっています。

一方、民間調査会社の調査では、25万円から35万円の範囲に収まるケースが多いようです。

このように幅があるのは、建物の構造や規模、工事内容によって費用が変わるためです。

例えば、鉄筋コンクリート造やホテルなどの大規模案件では、1平方メートル当たり50万円を超える金額がかかる可能性もあります。

さらに、立地環境によっても費用は変動します。

都心部では、資材の搬入経路の確保や作業スペースの確保が難しいため、工事単価が割高になる傾向にあります。

このように、費用の全体像を把握するには、実際に専門家に見積もりを依頼する必要があります。

しかし、おおよその目安は事前に把握しておくと良いでしょう。

大規模修繕工事の具体的な修繕内容を紹介

大規模修繕工事には、仮設工事、下地補修工事、タイル補修工事、シーリング工事、外壁塗装工事、鉄部塗装工事、防水工事などの工事が含まれます。これらの工事は、建物の状態や劣化具合によって必要な箇所が異なります。また、その他にもエレベーターや空調設備などの更新工事や、共用部分のリニューアル工事などが付随して行われる場合もあります。

仮設工事

大規模修繕工事では、工事期間中、作業員や資材を配置するための仮設工事が施されます。仮設工事には、足場、仮囲い、仮設トイレなどがあります。仮設工事は、作業の安全性を確保し、周辺環境に悪影響を及ぼさないようにするためのものです。

例えば、足場は、作業員が安全に作業を行うための足場を提供し、仮囲いは、工事現場と周辺環境を区画して、粉塵や騒音などの影響を軽減します。仮設工事は、大規模修繕工事の初期段階で行われます。工事の規模や作業内容に応じて、必要な仮設工事が決定されます。仮設工事にかかる費用は、工事全体の費用に含まれています。

下地補修工事

経年劣化によって発生したひび割れや剥離、錆などを補修することで、外壁の防水性や耐久性を向上させ、建物の寿命を延ばします。

下地補修工事は、主に調査・診断、高圧洗浄、下地調整、補修・防水処理、仕上げの5つの工程で進めます。

代表的な工法には、モルタル補修、樹脂系補修、シート防水、塗装仕上げがあります。

費用は、劣化状況や工法によって異なります。一般的には、㎡単価で算出され、1㎡あたり3,000円~10,000円程度が相場です。

下地補修工事は、建物の耐久性や美観を維持するために重要な工事です。適切なタイミングで適切な工法を選択することで、建物の寿命を延ばし、快適な環境を維持することができます。

タイル補修工事

経年劣化によって、タイルのひび割れ、欠損、浮きなどが発生することがあります。これらの症状を放置すると、雨漏りや構造躯体の劣化につながる恐れがあります。タイル補修工事では、これらの症状を適切に補修することで、建物の防水性と美観を回復させます。

主なタイル補修工事の内容は以下の通りです。

  • ひび割れ補修: ひび割れ部分に専用樹脂を注入して補修します。
  • 欠損補修: 欠損部分に同等サイズのタイルを張り付けて補修します。
  • 浮き補修: 浮き上がったタイルを接着剤で貼り直します。
  • 目地補修: 目地に発生したひび割れや欠損を補修します。

タイル補修工事は、専門業者に依頼する必要があります。業者選びの際には、実績や技術力、アフターサービスなどを確認することが重要です。

シーリング工事

シーリング工事とは、外壁と外壁、サッシと外壁などの隙間を埋める工事のことです。シーリング材は経年劣化によりひび割れや剥がれが発生し、雨漏れの原因となるため、大規模修繕工事では重要な工事となります。

シーリング工事の方法は、既存のシーリング材を撤去した後、新しいシーリング材を充填する方法と、既存のシーリング材の上に新しいシーリング材を重ねる方法があります。シーリング材の種類は、シリコン系、ウレタン系、ポリサルファイド系などがあり、建物の素材や目地の状況に合わせて最適なものを選択します。

シーリング工事は専門の技術が必要なため、経験豊富な業者に依頼することが大切です。

外壁塗装工事

外壁塗装工事は、オフィスビルの大規模修繕工事において重要な項目です。経年劣化によって外壁は汚れや色褪せが生じ、美観を損ねるだけでなく、建物の防水性や耐久性の低下にもつながります。そのため、定期的な外壁塗装工事が必要となります。

外壁塗装工事の周期は、一般的に10~15年程度と言われています。ただし、建物の立地条件や使用されている塗料の種類などによって、最適な周期は異なります。例えば、沿岸部にある建物や、紫外線に弱い塗料を使用している場合は、より短い周期で塗り替えが必要となる場合があります。

外壁塗装工事にかかる費用は、建物の規模や使用する塗料の種類によって異なりますが、一般的には1平方メートルあたり3,000~10,000円程度かかるとされています。例えば、延床面積が1,000平方メートルのオフィスビルの場合、外壁塗装工事の費用は約300万~1,000万円程度になると見込まれます。

外壁塗装工事は、足場を組んだり、塗料を乾燥させたりする必要があるため、ある程度の工期が必要となります。一般的なオフィスビルの場合、外壁塗装工事の工期は約1~2ヶ月程度かかるとされています。

外壁塗装工事のメリットは、美観の向上、防水性の向上、耐久性の向上、省エネルギー効果などがあります。デメリットは、費用がかかる、工期がかかる、近隣住民への迷惑などがあります。注意点としては、塗料の種類、色、工事日程、騒音対策などがあります。

オフィスビルの大規模修繕工事において、外壁塗装工事は重要な項目の一つです。外壁塗装工事を行うことで、建物の美観や防水性、耐久性を向上させることができます。ただし、外壁塗装工事は費用がかかり、工期も必要となるため、事前にしっかり計画を立てることが重要です。

鉄部塗装工事

鉄部塗装工事は、経年劣化により錆びついてしまった鉄骨や鉄製建具などを塗装し直す工事です。大規模修繕工事の中では必須項目であり、建物の美観を保つだけでなく、鉄部の腐食を防ぎ建物の耐久性を向上させる役割があります。

鉄部塗装工事は、下地処理、塗装、仕上げの3つの工程に分けて行われます。下地処理では、古い塗膜や錆を完全に除去し、塗装の密着性を高めます。次に、下地処理が完了した鉄部に錆止め塗料を塗り、最後に仕上げ塗料を塗って完成です。

鉄部塗装工事の費用は、使用する塗料の種類や塗装面積によって異なりますが、一般的には1平方メートルあたり2,000円~4,000円程度が目安となります。大規模修繕工事の中では比較的費用がかかる工事ですが、鉄部の腐食を防ぐことで建物の寿命を延ばすことができるため、重要な工事と言えます。

防水工事

オフィスビルの防水工事は、雨漏りを防ぎ、建物の寿命を延ばすために重要な工事です。 一般的には10〜15年ごとに実施することが推奨されていますが、建物の状態や環境によっては、5年程度で防水性能が低下することもあります。

オフィスビルでよく用いられる防水工法は、ウレタン防水とシート防水の2つです。 ウレタン防水は耐久性が高く、下地の状態に合わせて施工できるのが特徴です。 シート防水は施工が早く、比較的安価なのが特徴です。

防水工事の費用は、工法や面積によって異なりますが、一般的には1平方メートルあたり5,000円〜10,000円程度が目安となります。 定期的に防水層の劣化状況を確認し、必要に応じて防水工事を実施することで、建物を長持ちさせることができます。

その他の付随工事について

大規模修繕工事では、外壁や屋根だけでなく、建物内の設備や共用部分の修繕も必要になる場合があります。これらの付随工事を含めると、工事費はさらに上昇します。主な付随工事としては、以下のものが挙げられます。

  • 設備更新: 給水管や排水管、電気設備などの老朽化に伴う更新。
  • 内装修繕: エントランスホールや廊下、エレベーターホールなどの内装補修。
  • 共用部分修繕: エレベーターや駐車場、駐輪場などの修繕。
  • 防災対策: 防火設備や避難経路の整備など。

付随工事の内容は建物によって異なりますが、事前に調査を行い、必要に応じて修繕計画に含める必要があります。また、付随工事によって工事期間が延長される場合もありますので、計画段階で十分に検討する必要があります。

建物の劣化状況に合わせて、優先順位を付けながら効率的に工事を進めていく必要があります。

大規模修繕工事の工事期間について

大規模修繕工事の工事期間は、建物の規模や劣化状況、施工内容などによって大きく異なりますが、一般的には数ヶ月から1年程度がかかるとされています。

主な工事内容とそれぞれの期間の目安は以下のとおりです。

  • 仮設工事: 1週間程度
  • 下地補修工事: 2週間程度
  • タイル補修工事: 2週間程度
  • シーリング工事: 2週間程度
  • 外壁塗装工事: 1ヶ月程度
  • 鉄部塗装工事: 2週間程度
  • 防水工事: 2週間程度

これらの工事がすべて完了するまでに約3ヶ月から半年程度かかることが多く、さらに足場設置や仮設トイレの設置などの準備期間や、検査や清掃などの完了後の作業も必要となるため、全体としては数ヶ月から1年程度かかる可能性があります。

ただし、あくまでもこれはあくまで目安であり、実際の工事期間は様々な要因によって変動する可能性があります。具体的な工事期間については、専門業者に相談して確認することが大切です。

ビルの大規模修繕工事の進め方

ビルの大規模修繕は、建物の状況を詳細に調査し、適切な工事計画を立てることから始まります。

主な進め方は以下の通りです。

  1. 事前調査
    建物の現状を専門家に診断してもらい、修繕箇所を特定する
    必要な修繕工事の内容と概算費用を把握
  2. 修繕計画の作成
    工事内容と優先順位を決定
    必要な資金計画を立案
    工事の実施時期とスケジュールを設定
  3. 資金計画の実行
    修繕積立金の活用
    必要に応じて融資の手配
  4. 工事業者の選定
    複数の業者から見積もりを徴収実績や価格などから最適な業者を選定
  5. 工事の実施
    入居者への事前説明と準備
    安全対策を徹底した上で工事を進行管理
  6. 工事の完了
    完了検査の実施
    維持管理計画の策定

このように大規模修繕には、綿密な事前準備と適切な進行管理が欠かせません。

入居者への影響にも十分配慮し、スムーズに工事を進める必要があります。

マンション大規模修繕での補助金や助成金の種類と条件を紹介

マンションの大規模修繕には多額の費用がかかりますが、国や地方自治体からの補助金を利用することで、経済的負担を軽減することができます。ここでは、主要な補助金の種類とそれぞれの条件について詳しく解説します。

以下の表にまず簡単にまとめました。

補助金の種類条件対象工事例
省エネ改修補助金断熱材の追加や省エネルギー設備の導入を行うこと
一定のエネルギー効率改善が見込まれること
断熱材の追加、高効率給湯器の設置
LED照明への交換
耐震改修補助金建物の耐震性を向上させる工事を行うこと
耐震診断の結果に基づいた改修であること
耐震補強工事、柱や梁の補強
バリアフリー改修補助金高齢者や障害者のためのバリアフリー化を行うこと
公共性が認められること
スロープの設置、エレベーターの設置
手すりの設置
条件、対象工事例は一般的な内容となります。自治体によって条件が変わることがあるため詳しくは各自治体へお問い合わせください

それぞれの内容を詳しく解説します。

省エネ改修補助金

まず、省エネ改修補助金についてです。この補助金は、建物の断熱性能を向上させたり、省エネルギー設備を導入したりする場合に支給されます。具体的には、断熱材の追加や高効率給湯器の設置、LED照明への交換などが対象となります。この補助金を受けるための条件として、断熱材の追加や省エネルギー設備の導入を行うことが求められ、さらに一定のエネルギー効率改善が見込まれることが必要です。

耐震改修補助金

次に、耐震改修補助金があります。この補助金は、建物の耐震性を向上させるための工事に対して支給されます。対象となる工事には、耐震補強工事や柱や梁の補強などがあります。補助金を受けるためには、耐震診断の結果に基づいた改修であることが条件となります。これは、建物の耐震性を確保し、住民の安全を守るために非常に重要です。

バリアフリー改修補助金

最後に、バリアフリー改修補助金です。この補助金は、高齢者や障害者のためにバリアフリー化を行う場合に支給されます。対象となる工事には、スロープの設置、エレベーターの設置、手すりの設置などが含まれます。この補助金を受けるための条件としては、高齢者や障害者のためのバリアフリー化を行うこと、そして公共性が認められることが必要です。バリアフリー化は、高齢者や障害者が安全に快適に暮らせる環境を整えるために重要です。

以上のように、マンション大規模修繕に対する補助金にはさまざまな種類があり、それぞれに特有の条件があります。適切な補助金を選び、条件に合った工事を行うことで、補助金を有効に活用することができます。

オフィスビルの大規模修繕工事のまとめ

大規模修繕工事は、建物の老朽化に伴う劣化を補修し、建物の性能を回復させるための工事です。一般的には、築20年から30年を経過した頃に初めて実施することが多く、その後は10~15年おきに定期的に行うことが望ましいとされています。

工事費用は、建物の規模や築年数、施工内容などによって異なりますが、一般的に平方メートルあたり5,000~10,000円程度が目安となります。例えば、300平方メートルのマンションであれば、1,500万円~3,000万円程度のコストがかかるとされます。

大規模修繕工事は、計画から完了までには多くの工程があります。まず、劣化診断や工事内容の検討を行い、修繕計画を作成します。その後、施工業者を選定し、工事契約を締結します。工事期間中は、仮設工事、下地補修、外壁塗装、防水工事など様々な工事が行われます。工事が完了したら、検査を行い、問題がなければ完了となります。

大規模修繕工事は、建物の寿命を延ばし、快適な生活環境を維持するために必要な工事です。計画的に進め、適切な業者を選定することで、費用を適正化し、満足のいく結果を得られるでしょう。

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