2024.04.08
マンションの下地補修工事とは?工事の種類と費用
大規模修繕や防水工事のご相談は実績豊富な新東亜工業へ
マンションの下地補修工事とは?
マンションの下地補修工事とは、コンクリート構造物の劣化に伴う、ひび割れやコンクリートの剥離、鉄筋の錆びなどの不具合を補修する工事のことです。
マンションは長年の使用と環境の影響により、様々な劣化症状が現れます。
適切な補修を行わないと建物の耐久性や安全性が損なわれる恐れがあります。
国土交通省の調査によると、築30年以上の共同住宅の約6割で何らかの劣化が見られました。
マンション管理適正化推進機構によれば、築後25年を過ぎるとコンクリートの劣化が進行し、大規模修繕が必要になるとされています。
下地補修工事が必要な劣化症状例
下地補修工事が必要な劣化症状例について、解説していきます。
ひび割れ(クラック)
ひび割れは、コンクリート構造物の劣化症状の一つであり、放置すると深刻な事態につながる恐れがあるため、下地補修工事が必要となります。
ひび割れが発生する主な原因は、乾燥収縮、温度変化、地盤沈下などです。ひび割れが大きくなると、雨水の浸入や鉄筋の錆びを招きます。
根拠:国土交通省の調査では、ひび割れは共同住宅の主な劣化症状の一つとなっており、約4割の住宅でひび割れが確認されています。
ひび割れの状態によっては、以下のような深刻な事態が考えられます。
- ひび割れ幅0.3mm以上 – 雨水の浸入が懸念される
- ひび割れ幅0.5mm以上 – 鉄筋の錆びにつながる可能性が高い
- ひび割れが進行し、コンクリートが剥離する恐れ
ひび割れの状態を放置すると、建物の耐久性が低下するため、早期の対策として下地補修工事が求められます。
モルタルの浮き
モルタルの浮きは、下地コンクリートとの接着が劣化した結果発生し、放置すれば落下の危険があるため、下地補修工事が必要不可欠です。
モルタルの浮きが発生する主な原因は、コンクリートの乾燥収縮や、中性化による強度低下、打設不良などです。接着力が低下すると、モルタルが剥がれ落ちる恐れがあります。
マンション管理適正化推進機構の調査では、モルタル浮きは共同住宅の主な劣化症状の一つとされています。
モルタルの浮きが進行すると、以下のようなリスクがあります。
- 落下によるケガの危険
- 雨水の浸入により、鉄筋の錆びや内部劣化が促進
安全性を確保し、二次的な劣化を防ぐためにも、早期の下地補修工事が必須となります。
鉄筋の錆び
鉄筋の錆びは、構造物の耐久性を著しく低下させる深刻な劣化症状のため、下地補修工事を行う必要があります。
鉄筋が錆びると、その体積が約6倍に膨れ上がり、内部からコンクリートにひび割れを発生させます。
ひび割れが進行すると、鉄筋が露出し、さらに錆が進行する恐れがあります。
国土交通省によると、鉄筋の錆びは共同住宅の主な劣化症状の一つで、約2割の住宅で確認されています。
錆びた鉄筋が放置されると、以下のような事態に発展する可能性があります。
- ひび割れの進行によるコンクリートの剥離
- 鉄筋の断面欠損による構造耐力の低下
- さらなる錆の進行により、最悪の場合は崩壊の恐れ
鉄筋の錆びは、建物の安全性に重大な影響を及ぼすため、速やかに下地補修工事を行う必要があります。
コンクリートの欠損
コンクリートに欠損が生じた場合、構造体の耐力低下や、内部の鉄筋が露出する恐れがあるため、下地補修工事が不可欠です。
コンクリートの欠損は、ひび割れの進行、凍結や中性化による劣化、打設不良などが原因で発生します。
欠損部からは雨水が浸入し、内部の鉄筋が錆びる可能性があります。
国交省の調査では、コンクリートの剥離・剥落は共同住宅の主な劣化症状の一つとされています。
コンクリートの欠損が放置されると、以下のような事態が考えられます。
- 欠損部からの雨水浸入により、内部の鉄筋が錆びる
- 鉄筋の錆びの進行に伴い、コンクリートのひび割れや剥離が加速
- 最悪の場合、構造体の耐力低下による安全性の劣化
コンクリートに欠損が生じた場合、速やかに下地補修工事を行い、内部の鉄筋を保護し、構造体の安全性を維持する必要があります。
以上の通り、ひび割れ、モルタル浮き、鉄筋の錆び、コンクリートの欠損などの劣化症状が現れた場合は、速やかに専門家に相談し、適切な下地補修工事を実施することが重要です。
放置すれば、建物の安全性が著しく損なわれる恐れがあります。
下地修繕工事の種類
下地修繕工事には、ひび割れ補修工事、モルタル浮き補修工事、鉄筋錆補修工事、断面修復工事など、劣化症状に応じた様々な種類があります。
適切な工事を選ぶことが重要です。
マンションは建設から年数が経過するにつれ、コンクリートの劣化が進行します。
劣化の種類によっては構造体の安全性が損なわれる恐れがあるため、症状に合わせた適切な補修工事が求められます。
国土交通省によると、築30年を超えるマンションの約6割で何らかの劣化が確認されています。
適切な時期の修繕が欠かせません。
ひび割れ補修工事
ひび割れ箇所のコンクリートを除去し、補修材を注入して補強する工事です。ひび割れが雨水の浸入路になるのを防ぎます。
モルタル浮き補修工事
浮いたモルタル部分を除去し、新しいモルタルで覆う工事です。モルタルの落下を防止します。
鉄筋錆補修工事
錆びた鉄筋を除去または防錆処理を施し、新しいコンクリートで被覆する工事です。鉄筋の錆の進行を食い止めます。
断面修復工事
コンクリートが大きく剥がれ落ちた場合、その欠損部分を新しいコンクリートで打ち直す大がかりな工事です。
このように適切な下地修繕工事を選ぶことで、構造体の安全性を維持し、建物の長期的な資産価値を守ることができます。
下地修繕工事の種類別の費用・単価
工事の種類 | 単価(1㎡当たり) |
---|---|
ひび割れ補修工事 | 5,000円~15,000円 |
モルタル浮き補修工事 | 10,000円~20,000円 |
鉄筋錆補修工事 | 30,000円~50,000円 |
断面修復工事 | 50,000円~100,000円 |
※単価は工事の規模、難易度、地域などにより変動します。
工事の種類によって、1㎡当たりの単価が大きく異なります。
ひび割れ補修は比較的安価ですが、鉄筋錆補修や断面修復工事となると高額になります。
ひび割れの補修工事では、ひび割れ幅が広がるほど補修範囲が拡大し、費用がかさみます。
鉄筋錆補修は、鉄筋周りの劣化具合で作業量が変わるため、単価にバラつきがあります。
下地修繕工事には様々な種類があり、工事の内容によって費用が大きく変わるため、事前に専門家に相談し、建物の状況に合った適切な工事と費用を検討する必要があります。
以上のように、マンションの下地修繕工事は、劣化症状の種類に応じて、複数の工事の選択肢があります。
工事の内容と費用を事前に確認し、建物の状況に適した工事を実施することが重要です。
信頼できる施工業者に相談して、適切な下地修繕工事を検討しましょう。