雨樋の修理方法は?自分でできる?業者に依頼する?費用相場・工事内容を解説 | 株式会社新東亜工業  

    コラム    

雨樋の修理方法は?自分でできる?業者に依頼する?費用相場・工事内容を解説

雨樋は、雨水を適切に排水するために欠かせない設備です。

しかし、劣化や自然災害などさまざまな原因によって壊れてしまうことも少なくありません。

雨樋に不具合が生じて、「雨樋の修理は自分でできる?」「業者に依頼する費用はどれくらいかかるの?」と悩んでいませんか?

今回は、雨樋の修理方法や費用相場、劣化の原因など雨樋に関する情報を詳しく紹介していきます。

雨樋の修理を検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

雨樋とは?

雨樋とは、屋根に降った雨水を集めて地上に誘導し、適切に排水するための設備です。

屋根上の雨水は、軒先に水平に設けられた軒樋を通り、外壁に沿って設置された縦樋へと流れて地上で排水されます。

雨樋によって誘導された雨水は、敷地内の地中に染み込ませるか、雨水用の下水管に接続することで排水されていきます。

雨樋がなければ、屋根に降った雨が直接地面に落下して基礎を傷めてしまったり、大量の雨水が外壁を伝うことで外壁の汚れや劣化につながったりとさまざまな悪影響を与えてしまうでしょう。

このような被害を予防するためにも、雨樋を通して適切に排水することが重要です。

雨樋が劣化する原因は?

雨樋の劣化は、主に以下の4つが原因となって生じます。

  • 落ち葉やゴミのつまり
  • 経年劣化
  • 台風などの自然災害
  • 施工不良

それぞれの原因について、詳しく紹介していきます。

落ち葉やゴミのつまり

雨樋は屋根に降った雨水を集めて排水する役割がありますが、どうしても落ち葉や泥などのゴミが雨水と同時に雨樋に流れ込んできてしまうことがあります。

このようなゴミが雨樋の中に蓄積すると、つまりが生じて雨水の流れが妨げられてしまうでしょう。

雨樋につまりが生じると、雨樋の中に水が溜まったり雨水があふれてしまったりと、正常な排水が行われなくなってしまいます。

最初のうちは軽いトラブルだったとしても、放置していると雨樋の内部が腐食したりヘドロが溜まったりしてさらなる不具合を引き起こします。

とくに建物の近くに公園があったり落葉樹あったりと飛来物が多いことが予想される場合は、雨樋がつまりやすいので注意が必要です。

経年劣化

雨樋は、自然災害などの特別な異常がなくても経年劣化していってしまうものです。

屋外に設置されている雨樋は雨風や紫外線の影響を強く受けるため、経年劣化しやすい設備でもあります。

サビや腐食が起きやすかったり、ひび割れや変形が生じたりと、経年劣化はさまざまなトラブルの原因となります。

また、経年劣化によって強度が下がった雨樋は、自然災害による被害を受けた際の破損リスクが高いため注意が必要です。

台風などの自然災害

台風やゲリラ豪雨などの自然災害は、雨樋に強いダメージを与えます。

自然災害による激しい雨風の影響を受けると、雨樋に大きな負担がかかってしまうため、不具合が生じたり破損したりすることも少なくありません。

台風や強い雨風にさらされた場合は、天気が回復してから雨樋に破損がないかどうか確認しておくと安心です。

自然災害によって雨樋が外れるケースもあるため、強い雨風の後には一度目視で確認する習慣をつけておくといいでしょう。

また、雨樋は積雪の重みで破損することも多いので、降雪量の多い地域では特に注意が必要です。

屋根に雪止めを設置するなど、あらかじめ対策しておくこともおすすめです。

施工不良

雨樋の施行時に不備があった場合は、施工後早い段階で雨樋に不具合が生じることがあります。

新築や雨樋の施工から1〜3年程度しか経っていないにもかかわらず、自然災害などの心当たりもなく雨樋に不調がある場合は、施工不良の可能性も考えられます。

以下のような3つのケースは、施工不良の雨樋の特徴です。

  • 十分な傾斜がない
  • 金具の固定があまい
  • 継ぎ手部分に隙間が生じている

外部からの衝撃や経年劣化の影響ではなく雨樋に不調が生じている場合は、施工不良を疑ってみてもいいでしょう。

雨樋の劣化症状別の修理方法

雨樋の修理方法に興味がある方も多いのではないでしょうか。

ここでは、主な雨樋の劣化症状に対する修理方法を、それぞれ詳しく紹介します。

雨樋の水溢れ

雨樋から水があふれてしまう状態は、よくみられる雨樋の劣化症状のひとつです。

雨樋の中に落ち葉や泥などが溜まってつまりが生じている場合、雨水の流れが妨げられて雨樋から水があふれてしまうことがあります。

この場合は、雨樋の中のゴミを掃除してつまりを解消することで水があふれなくなるでしょう。

つまりが生じている部分が低所で安全にゴミを取り除ける場合は、自分で清掃することも可能です。

ただし、高所での作業や安定しづらい場所で脚立を使うなどの行為は危険が伴うので、そのような場合は無理せず業者に依頼するようにしてくださいね。

雨樋から水が出てこない

雨水の出口となる地上側の雨樋から水が出てこない場合も、雨樋につまりが生じていることが予想されます。

屋根側の雨樋から水があふれていないのであれば、縦樋のどこかでつまりが生じている可能性が高いです。

この場合では、縦樋の中に棒や工具を入れてつまっている箇所を探ります。

この際、雨樋を傷つけないように慎重に作業し、棒や工具が届く範囲で探ることがポイントです。

それでもつまりが解消しなければ、さらに高所でつまりが生じていると考えられます。

縦樋の高所部分につまりが生じている場合は、業者に依頼してつまりを解消してもらう必要があります。

雨樋の穴あき

経年劣化した雨樋には、穴があくことがあります。

雨樋の強度が下がり機能性も低下しているため、業者に依頼して雨樋の修理や交換を行ってもらう必要があります。

雨樋の交換ではなく接着剤などを使用して補修することもできますが、経年劣化が原因で強度が下がっている場合では、修理してもすぐに穴があいてしまうケースも多いです。

そのため、交換を行うほうが長い目で見て工事費用を節約できたり、手間がかからなかったりなどのメリットを得られる場合が多いでしょう。

雨樋の経年劣化は全体的に進行していることが予想されるため、穴あき部分を含めて全体を点検してもらうと安心です。

雨樋の割れ

雨樋の割れは経年劣化でも生じることがありますが、台風や大雪などの自然災害の影響で生じるケースも多いです。

自然災害の後に雨樋を確認して割れを発見した場合は、飛来物や積雪の重みが原因となって破損した可能性が高いといえます。

雨樋が割れた場合は交換や補修が必要となるので、早急に業者に依頼しましょう。

自然災害によって被害を受けた場合には、雨樋の修理や交換にかかった費用の支払いに火災保険を使用できる場合が多いです。

自然災害の影響が疑われる場合は、保険会社に問い合わせてみることをおすすめします。

雨樋の傾き・歪み

雨樋に傾きや歪みが生じている場合は、以下のような2つの原因が考えられます。

  • 自然災害の影響
  • 金具の緩みや歪み

自然災害の直後に雨樋の傾きや歪みを発見した場合は、強風や雪の重みなどが原因で傾いたり歪んだりしてしまった可能性があります。

また、経年劣化によって雨樋を支えている金具に緩みや歪みが生じると、雨樋の傾きや歪みとして現れる場合があります。

自然災害が原因である場合は雨樋の交換や補修、金具の不具合が原因である場合は金具の交換やねじ締めが必要となるでしょう。

雨樋の外れ

雨樋が外れていたり、外れかけていたりする場合は、雨樋を支えている金具に不具合が生じている可能性が高いです。

経年劣化によって雨樋が外れている場合は、金具と雨樋の両方の交換や修理が必要になるでしょう。

雨樋が高所から落下すると危険なので、外れかけている場合には早急に業者に依頼し修理してもらってください。

もちろん、すでに雨樋が外れている場合も排水機能が失われているため、すぐに対応する必要があります。

雨樋の修理費用の相場

雨樋の修理を検討している方にとって、費用がどれくらいかかるのかが気になるポイントですよね。

下記の表には、雨樋の修理にかかる費用の相場を作業内容ごとにまとめました。

作業内容単価相場
雨樋の撤去500円/m
雨樋(軒樋)の取り替え2,200〜5,000円/m
雨樋(縦樋)の取り替え1,800〜4,300円/m
集水器の取り替え3,500〜11,000円/個
雨樋の金具交換2,000〜3,000/個
雨樋の塗装700〜1,000/㎡

雨樋の取り替えにかかる費用は、使用する雨樋の素材によって大きく異なります。

一般家庭で主流な塩化ビニール製の雨樋は費用を抑えやすいですが、素材によって機能性やメリット・デメリットが異なるため、費用と合わせて特徴も確認しながら決めることがおすすめです。

自分で修理できる雨樋の劣化症状とやり方

雨樋の修理は、劣化症状によっては自分で対応できるものもあります。

自分で修理を行うと費用の節約になる場合も多いので、ぜひチェックしてみてください。

雨樋は屋根近くの高所から雨水の出口となる地上近くまで設置されていますが、高所での作業は思わぬ事故につながるリスクがあり危険です。

雨樋の中でも低い位置に生じた不具合を修理したい場合のみ、安全を確保して行うようにしてくださいね。

軽度なひび割れはコーキングで補修

軽度なひび割れであれば、コーキング材を充填することで補修可能です。

必要な材料はマスキングテープとコーキング材で、以下のような手順で行います。

  1. 軽度なひび割れが生じている部分をマスキングテープで囲う
  2. ひび割れにコーキングを充填する
  3. ヘラを使用してコーキングをならす
  4. コーキングが乾いたらマスキングテープを剥がす

コーキングを充填する際は、コーキングガンと呼ばれる道具を使用するときれいに仕上がるのでおすすめです。

コーキングを厚塗りしてしまうと、雨樋の中にコーキングが入り水の流れを妨げる可能性があるので、注意が必要です。

穴はアルミテープで塞ぐ

コーキングで埋められない穴があいてしまっている場合は、アルミテープを使用して塞ぐことができます。

必要な材料はアルミテープと雑巾・タオルで、以下のような手順で行います。

  1. 雑巾やタオルを使用して雨樋表面の汚れを取り除く
  2. 穴の部分にアルミテープを貼る

雨樋に汚れが付着しているとアルミテープの接着性を弱めてしまうため、事前に表面をきれいな状態にすることがポイントです。

穴の部分がしっかりと隠れるようにアルミテープを貼りましょう。

雨樋に巻きつけるようにしてテープを貼る場合は、下から上に巻いていくことで水漏れを防ぐ効果が期待できます。

破損部分は取り替える

先ほど紹介した2つよりも難易度の高い方法ですが、破損した一部分だけ雨樋を取り替える補修も可能です。

必要な材料は新しい雨樋・伸縮式継ぎ手・雨樋用接着剤・ノコギリで、以下のような手順で行います。

  1. 雨樋を固定している金具を外し、継ぎ手部分から抜き取る
  2. 新しい雨樋を既存のサイズに合わせてノコギリで切断する
  3. 既存の継ぎ手部分に新しい雨樋をはめ込む
  4. はめ込んだ雨樋を雨樋用接着剤で接着する
  5. 新しい雨樋と既存の縦樋を伸縮用継ぎ手でつなぐ

新しい雨樋は、既存の雨樋に合わせたサイズや色のものを選びましょう。

新しい雨樋をノコギリで切断する際には、抜き取った既存の雨樋よりも少し短く切ることがポイントです。

少し難しい作業になりますが、普段からDIYを行っている方やDIYが好きな方は、チャレンジしてみてくださいね。

業者に修理依頼をしたほうがいいケースとは?

雨樋の修理の中には自分で行えるものもありますが、以下のようなケースでは業者に依頼するようにしましょう。

  • 高所の作業が必要になる場合
  • 広範囲にわたる修理・交換が必要になる場合

それぞれのケースについて詳しく紹介します。

高所の作業が必要になる場合

雨樋は屋根近くの高所から設置されているため、屋根に近い部分の雨樋に不具合が生じて修理を行う場合は高所での作業が必要になります。

高所での作業は、作業中の落下事故のリスクはもちろん、工具を落とすなどして家や第三者を傷つけてしまうリスクも伴います。

雨樋の修理は簡単な作業に思えるかもしれませんが、高所で作業を行うと思わぬ大きな事故につながる危険性が高いため、おすすめできません。

雨樋の中でも高所で不具合が生じている場合は、無理に自分で修理しようとせずに業者に依頼するようにしましょう。

広範囲にわたる修理・交換が必要になる場合

雨樋の修理は、劣化状態によっては広範囲で必要だったり修理では対応できず交換が必要になったりする場合があります。

雨樋はそれほど重量もないので交換作業も自分でできるのでは?と考える方もいますが、やはり慣れない作業を行うと、作業中に家を傷つけたり雨樋修理の完成度が十分ではなかったりする可能性が高いです。

雨樋の修理は、危険を伴う難しい作業であるにもかかわらず、業者に依頼するのに比べて大幅には費用が下がらない場合が多いです。

そのため、広範囲に劣化が広がっている場合や劣化が進行していて交換が必要になる場合は、自分で修理せずに業者に依頼することをおすすめします。

雨樋の修理費用を抑える方法

雨樋の修理にかかる費用は、できるだけ抑えたいものです。

ここでは、修理費用を抑える方法を4つのポイントから紹介します。

修理費用を節約したい方や業者選びに悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。

雨樋の破損や劣化を発見したら早めに修理する

雨樋の劣化が重症化していたり広範囲に広がっていたりすると、それだけ工事にかかる費用は高額になります。

劣化が軽症であれば補修も軽いもので済む場合が多く、費用も比較的安く抑えることができるでしょう。

そのため、雨樋の破損や劣化を発見したら放置せず、できるだけ早く修理を行うことが重要です。

劣化を早期発見して軽症のうちに修理することが、結果的に工事費用の節約につながります。

専門業者に依頼する

雨樋に劣化を発見したものの、どこに修理を依頼していいかわからず住宅を購入したときのハウスメーカーなどに相談しようと考えている方も多いのではないでしょうか。

この場合、ハウスメーカーは施工できる業者を探して紹介してくれますが、中間マージンと呼ばれる紹介手数料を取られるため費用が高額になることが多いです。

直接専門業者に依頼することで、この中間マージンを節約することができます。

複数の業者に見積もり依頼をする

雨樋の修理にかかる費用は、同じ内容だったとしても業者によって異なります。

そのため、複数の業者に見積もりを依頼して費用を比べることがおすすめです。

この際、すべての業者に同じ内容で見積もりを依頼することで、費用の比較がしやすくなります。

業者によって想像以上に費用の差が出ることも少なくないので、一社で決めずに相見積もりをとるといいでしょう。

火災保険を活用する

自然災害が原因で被害を受けた場合には、雨樋の修理に火災保険を活用することができます。

すべての雨樋の修理に火災保険が活用できるわけではありませんが、自然災害の被害を受けた場合は活用できるケースが多いので、保険会社に確認してみるといいでしょう。

火災保険が活用できれば、雨樋の修理にかかった費用の全額を保険で賄えることもあります。

まとめ

今回は、雨樋の修理方法や費用相場などについて詳しく紹介しました。

  • 雨樋の中でも低所に不具合が生じた場合は、自分で補修することもできる
  • 雨樋の取り替えにかかる費用は、主に使用する雨樋の素材によって大きく異なる
  • 高所の作業が必要な場合・修理が広範囲な場合・雨樋の交換が必要な場合は業者に依頼しよう
  • 雨樋の劣化や破損に気づいたら、できるだけ早く修理を依頼することが重要

雨樋は、雨水を適切に排水して建物を守る役割のある大切な設備です。

劣化や破損が生じると排水機能が低下してしまうため、できるだけ早く修理を行うようにしましょう。

今回の記事が、雨樋の修理を検討している方の参考となれば幸いです。

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