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大規模修繕の防水工事とは?

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大規模修繕の防水工事とは?

建物の長寿命化を図るための重要な工事です。

経年劣化によって損傷した防水層を改修することで、建物の安全性と資産価値を維持します。

建物の骨組みや内装に深刻な損傷が及ぶリスクを未然に防ぐためにも、適切な防水工事が不可欠となります。

国土交通省の調査によると、建物の防水層が劣化すると、次のようなトラブルが起こる可能性があります。

  • 雨水の浸入による内部汚損
  • 結露による室内環境の悪化
  • 躯体の劣化や構造体の腐食
  • 断熱性能の低下による光熱費の増加

大阪市に所在するマンション(総戸数200戸)では、10年以上防水工事を行っていなかったことから、屋上や外壁の一部で雨漏りが発生。

その結果、共用廊下の天井が一部崩落するなど、建物に甚大な被害がでました。

このように、建物の重要部位に影響が及ぶ可能性があるため、定期的に計画的な防水工事を行うことが不可欠です。

大規模修繕の防水工事の種類と特徴

大規模修繕の防水工事の種類と特徴について、解説していきます。

ウレタン防水工事

ウレタン防水工事は、耐久性と施工性に優れた工法で、主に屋上防水に多く採用されています。

ウレタン防水材は、塗膜防水材の一種で、高い伸縮性と優れた接着性を持っているため、屋上の膨張・収縮による劣化に強く、長期的な防水性能が期待できます。

一般的に10年程度が大規模補修の目安ですが、定期的なメンテナンスで長期間の防水性を維持できます。

シート防水工事

シート防水工事は、防水シートを重ねて施工する工法で、比較的コストパフォーマンスが高いのが特徴です。

複数の防水シートを重ね合わせる「積層工法」を採用しておりこのため、材料費が抑えられるうえ、防水層の信頼性も高くなります。

工事単価は1,500円/㎡~3,000円/㎡程度と、他の工法に比べて安価です(リフォームするDisサイト参照)。

コストパフォーマンスに優れ、防水性能も高いシート防水工事は、マンションの大規模修繕によく採用される工法です。

10年前後が大規模補修の目安となっています。

アスファルト防水工事

アスファルト防水工事は伝統的な工法で価格が安価ですが、施工が難しい面があります。

加熱したアスファルトを塗布する工法で、材料費が安価なのが最大のメリットです。

しかし、高温のアスファルトを均一に塗布する必要があり、熟練を要する施工が求められます。

国土交通省の調査によると、防水工事の瑕疵の発生率は、アスファルト防水工事で15.2%と最も高くなっています。

価格が安価なアスファルト防水は魅力的ですが、施工精度によって耐久性に差が出ます。

経験豊富な専門業者に依頼し、5~10年程度を目安に大規模な補修工事を実施することが賢明です。

FRP防水工事

FRP防水工事は軽量で施工性に優れる防水工法ですが、比較的工事費用がかかります。

FRP(ガラス繊維強化プラスチック)防水は、ガラス繊維を樹脂でコーティングした軽量な素材を使用する工法です施工時の重量負担が少なく、工期も短縮できるメリットがあります。

工事単価は4,000円/㎡~6,000円/㎡程度と、比較的高額になります(リフォーム産業times+参照)。

高額ですがFRP防水は施工性と耐久性に優れ、15年前後の長期間にわたり防水性が持続します中長期的なコストパフォーマンスの面でもメリットがある工法です。

大規模修繕の防水工事の周期の目安は?

建物の防水層は、おおむね10年を超えると劣化が進行するため、一般的には5年~10年程度を目安に定期的な点検と補修工事を行うことが推奨されています。

国土交通省の調査によると、防水層の劣化は以下のような深刻な被害を及ぼす可能性があります。

  • 雨水の浸入による内部汚損
  • 結露による室内環境の悪化
  • 躯体の劣化や鉄筋の露出・腐食
  • 断熱性能の低下に伴う光熱費の増大

こうした被害を未然に防ぐためにも、適切な時期の防水工事が不可欠となります。

また、防水工法の種類によっても適切な補修周期は変わってきます。一般的な目安は以下の通りです。

【主な防水工法と補修工事の周期目安】

  • ウレタン防水工事: 10年程度
  • シート防水工事: 10年前後
  • アスファルト防水工事: 5~10年程度
  • FRP防水工事: 15年前後

例えばFRP防水では15年程度が補修工事の目安とされています。

防水層の劣化は外から見て分かりにくいため、専門家による定期的な点検が欠かせません。

物状況に合わせた適切な周期で大規模な補修工事を行うことが、建物の長寿命化と資産価値の維持につながります。

経年による防水層の劣化は避けられませんが、計画的な対策により、建物に重大な被害が及ぶリスクは最小限に抑えられます。

お住まいの大切な資産を将来にわたって守るため、着実な防水対策を心がけましょう。

大規模修繕の防水工事の費用目安は?

大規模な防水工事の費用は、面積や工法、施工場所によって大きく異なりますが、一般的な費用目安は以下の通りです。

【国土交通省「大規模修繕工事の手引き」による費用目安】
・戸建て住宅(平均100平米) 30万円~80万円程度
・マンション(1棟あたり) 500万円~3,000万円程度
・ビル(1,000平米) 500万円~1,500万円程度

防水工事の費用は以下の3つの要因によって変動します。

  1. 面積
    工事の対象面積が大きくなるほど、総工事費は高額になる傾向にあります
  2. 工法の種類
    シート防水は1,500円/㎡~3,000円/㎡程度と比較的安価ですが、FRP防水は4,000円/㎡~6,000円/㎡と高額になります(リフォーム産業times+調べ)。
  3. 施工場所
    高所作業が伴う場合は足場代がかさむなど、施工場所によってコストが変わります。

建物の状況や希望工法を事前にヒアリングし、複数の専門業者から見積もりを徴収して比較検討するのがベストな進め方です。

単に安価な見積もりを選ぶだけでなく、施工実績や対応力なども総合的に判断する必要があります。

ムダな出費を避け、確実な防水性を確保するためにも、事前の準備と綿密な見積り検討を欠かさないようにしましょう。

専門家に相談しながら、お住まいの建物に合わせた適切な予算計画を立てることが賢明です。

長期的視点に立った防水工事を行い、資産価値を守ることが何より大切です。

大規模修繕の防水工事のメリット

建物の防水層を計画的に補修・改修する大規模な防水工事を実施することで、以下の5つの大きなメリットが期待できます。

  1. 建物の安全性と資産価値の維持
  2. 水漏れトラブル発生のリスク低減
  3. 断熱性能の向上による光熱費の節約
  4. 建物寿命の延伸
  5. 快適な室内環境の維持

国土交通省によると、防水層の劣化が進行すると、雨水の浸入、結露の発生、躯体の劣化、断熱性能の低下など、建物に深刻な被害が及ぶリスクがあります。

こうした被害を未然に防ぐためにも、適切な時期の防水工事が不可欠となります。

実際に、神奈川県の調査では、築25年を経過したマンションで雨漏りなどのトラブルが発生した割合は、定期的に防水工事を行った物件で2%だったのに対し、防水工事を行っていない物件では35%と高くなっていました。

このように、大規模修繕での防水工事により、建物の重大な劣化リスクを防ぐことができ、安全性と資産価値を維持・向上させることができます。

お住まいの大切な資産を末永く守り、快適な生活環境を実現するためにも、適切な防水工事は必須と言えるでしょう。

大規模修繕の防水工事の進め方

大規模修繕の防水工事は、以下のステップを踏んで進めることをおすすめします。

  1. 定期点検と劣化状況の調査
  2. 補修工事の計画立案(工法の選定、概算費用の検討)
  3. 管理組合や区分所有者の合意形成
  4. 専門業者への発注と工事の実施
  5. 完了後の検査と引き渡し

工事の内容や時期を的確に見極めるためには、専門家による定期的な点検が欠かせません。

点検結果に基づいて、工法の選定や概算費用を検討し、関係者の合意を得ながら、工事計画を具体化していく必要があります。

大規模修繕は建物の重要な節目です。

早期の準備と入念な打ち合わせを行い、信頼できる専門業者に施工を任せることが何より大切です。

工事期間中の騒音・振動対策なども欠かせません。

適切なプロセスを踏んで防水工事を実施することで、確実な品質を確保できるはずです。

大規模修繕の防水工事の注意点

大規模修繕の防水工事の注意点は、以下の5点です。

  1. 早期から準備を進め、最適な補修時期を逸することなく工事できるようにする
  2. 専門業者の選定は、複数社から見積もりを取り、比較検討して経験と実績のある業者を選ぶ
  3. 施工時の騒音や振動に配慮し、居住者への影響を最小限に抑える
  4. 予算超過に備え、余裕を持った工事費用の計上が賢明
  5. 工事完了後も定期的な点検を欠かさず、次の補修工事に備える

防水層の劣化は目に見えにくいため、専門家による定期点検が欠かせません。

遅れて対応すれば被害が深刻化するリスクがあります。

また、施工業者の経験・実績を無視すれば、不具合が生じる可能性も高まります。

大規模な防水工事は、建物の命運を左右する重要な工事です。

事前の準備から施工、完了後のフォローまで、一連の対応に細心の注意を払う必要があります。

長期的視点に立ち、トータルコストを考えた上での的確な判断が求められます。

お住まいの大切な財産を守るため、適切な防水工事を心がけましょう。

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