区分所有法の小規模修繕工事とは?注意点や決議方法について | 株式会社新東亜工業  

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区分所有法の小規模修繕工事とは?注意点や決議方法について

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区分所有法とは?

区分所有法は、マンションなどの集合住宅における所有権と管理運営のルールを定めた重要な法律です。

この法律により、専有部分(各戸室)と共用部分(エントランスや階段など)の区分が明確化され、適切な管理が義務付けられています。

専有部分は各所有者が個別に維持管理を行いますが、共用部分の維持管理については区分所有者全員が協力する必要があります。

管理の明確化
区分所有法により、専有部分と共用部分の区分が明確になり、適切な維持管理の責任が所有者に課せられます

紛争防止
区分所有者間でのトラブルを未然に防ぐため、権利義務関係が法的に規定されています。例えば、専有部分の模様替えに一定の制限が設けられているのはその一例です

  • 管理規約
    区分所有法に基づき、各マンションでは管理規約を定める必要があります。この規約で、具体的な管理運営のルールが決められます。
  • 修繕積立金
    大規模修繕を行う際の資金として、区分所有者全員から修繕積立金を徴収することが義務付けられています。

このように区分所有法は、マンション等の適切な維持管理と、区分所有者間の紛争防止を主な目的としています。

集合住宅の所有者にとって、区分所有法を理解しておくことは非常に重要だと言えます。

小規模修繕とは?

小規模修繕とは、建物の一部分の軽微な補修や改修工事のことを指します。

大規模な改修工事とは異なり、比較的小さな範囲での工事を指します。

建物の老朽化を防ぎ、快適な住環境を維持するために、小規模修繕工事は欠かせません。

小さな損傷や劣化に早期に対応することで、大きな損傷や故障を未然に防ぐことができます。

国土交通省の調査(2018年)によると、マンション管理組合のうち約8割が過去3年間に小規模修繕を実施しています。

小規模修繕の重要性が裏付けられます。

また小規模な工事は大規模工事に比べて費用も安価なため、管理費の上映を抑えられます。

一般的に壁のクラック補修は1か所5,000円程度、サッシの交換は1か所2万円から5万円程度の費用が見込まれます(リフォーム情報サイトの平均値)。

壁のクラック補修、サッシ交換、共用部の一部塗装など、建物の一部の軽微な補修工事が小規模修繕に該当します。

小規模な修繕は、建物の資産価値と居住環境を維持する上で重要な役割を果たしています。

また、大規模修繕に比べてコストも抑えられるメリットもあります。

小規模修繕工事の決議方法

共用部分の小規模修繕工事を行うためには、区分所有者の合意が必要不可欠です。

区分所有法では、以下の2つの方法で決議することができます。

適切な決議を経ることで、円滑に小規模修繕工事を実施できます。

集会での決議
出席者の4分の3以上の賛成で決議できます
※区分所有法第39条第1項

総会や臨時集会で工事内容を説明し、議決を経て賛否を確認し要件を満たせば工事実施が可能となります。

書面での決議
区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成で決議できます
※区分所有法第39条第2項

書面で工事計画と経費の概要を通知し、書面により各区分所有者の賛否を確認します。

このように、集会または書面の方法により、適切な手続きを踏めば小規模修繕工事の実施は可能です。

しかし、一定数の反対者がいる場合は調停の申立てによって工事が留保される可能性もあります。

小規模修繕工事を行う前の注意点

小規模修繕工事を円滑に進めるためには、事前の十分な準備が重要です。以下の4点に留意しましょう。

1.工事内容と費用の正確な見積もり
対象の修繕箇所や内容、使用資材など細かく検討し、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。

2.修繕積立金の確認
修繕積立金で工事費用を賄えるか確認し、不足する場合は一時金の徴収を検討しましょう。

管理組合アンケート調査(2019年/PM協会)によると、51%の組合で修繕積立金が不足していました。

修繕積立金の確認は、非常に重要です。

3.区分所有者への情報共有
工事概要はもちろん、必要性や経費負担についても丁寧に説明し、理解を得ることが大切です。

4.生活への配慮
作業時間や経路、騒音対策などを組むことで、入居者の生活への影響を最小限に抑えましょう。

入居者アンケート(2021年/不動産会社)では、76%が工事による生活の煩わしさを指摘しています。

このように事前の準備が不可欠で、特に経費負担については同意を得ることが欠かせません。

小規模修繕工事業者の選定方法

小規模修繕工事を円滑に進めるには、適切な業者選定も重要なポイントです。

選定の際は以下の点に留意しましょう。

1.実績と信頼性
工事実績や第三者評価など、業者の実績や信頼性を確認します。

リフォーム業者の選び方に関する調査(20年/団地管理組合連合会)では、77%が「実績」を重視していました。

2.費用対効果
見積金額の妥当性を複数業者で比較し、費用対効果を検討します。

3.対応力
現場対応力や連絡体制など、業者の作業態勢も重要なポイントです。

4.アフターフォローの体制
工事後の保証内容や点検体制など、アフターフォローの体制を確認します。


マンリフォ.com(リフォーム情報サイト)でも「保証・アフターフォロー」を重要ポイントとして挙げています

適切な業者選定は工事の成否を左右します。

複数の業者を比較検討し、管理組合として最適な業者を選ぶことが肝心です。

以上のように、小規模修繕工事を円滑に進めるには、様々な準備と適切な業者選定が不可欠です。

管理組合として丁寧な対応を心がけることが求められます。

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