アパートの小規模修繕の周期や費用の目安は? 賃貸経営に必要な予防保全のポイント | 株式会社新東亜工業  

    コラム    

アパートの小規模修繕の周期や費用の目安は? 賃貸経営に必要な予防保全のポイント

大規模修繕や防水工事のご相談は実績豊富な新東亜工業へ

アパートの小規模修繕の特徴は?

賃貸アパートの資産価値を維持し、入居者の満足度を高めるためには、適切な小規模修繕が欠かせません。

小規模修繕とは、建物の大掛かりな改修工事ではなく、日常的な部分補修や予防保全を指します。

小規模修繕の主な特徴は、次の3点です。

  • コストが比較的低額
  • 工期が短い
  • 大規模工事に比べ頻繁に発生する

つまり、大規模な資金投入はいりませんが、継続的に小規模修繕を行うことが重要になります。

結論として、小規模修繕は賃貸経営におけるランニングコストと位置付けられます。

アパートの小規模修繕の周期の目安は?

適切な小規模修繕の周期を守ることは、賃貸アパート経営において非常に重要です。

なぜなら、手遅れになると大規模な修繕が必要となり、多額のコストがかかってしまうからです。

一般的な小規模修繕の目安は以下の通りです。

  • 内装(クロス張替え、床張替え、建具調整など)…5~8年
  • 設備(給排水管、ガス管、空調設備など)…10~15年
  • 外装(外壁補修、屋根補修など)…10~20年

ただし、これらの目安は建物の構造や利用状況、立地環境などによって変動します。

実際に、2020年の住宅リフォーム産業協会による調査では、都心部の賃貸アパートでは外装の修繕周期が平均12年と比較的短くなっています。

つまり、一般的な目安を参考にしつつも、定期的な点検を行い、建物の状態に応じて適切な時期に修繕を実施することが不可欠なのです。

手を抜いて修繕のタイミングを逃せば、入居者の快適性が損なわれるだけでなく、最終的には経済的な損失を被ることにもなりかねません。

アパートの小規模修繕の費用の目安は?

小規模修繕にかかる費用の目安は、建物の規模や経年劣化の程度によって異なりますが、一般的には以下のようになります。

<20戸建ての場合>

  • 内装…年間80万円前後
  • 設備…年間50万円前後
  • 外装…年間20万円前後

つまり、年間150万円程度が適切な小規模修繕費用の目安だと言えます。

ただし、新築から10年以内の建物であれば年間80万円程度で済む一方、15年以上経過した老朽化した建物では年間200万円を超えることも珍しくありません(リフォーム産業新聞調べ)。

賃貸経営者としては、単に修繕費用を抑えるのではなく、将来の大規模修繕を見据えて、計画的かつ継続的に小規模修繕を行うことが賢明です。

入居者の入れ替わり時期などに合わせて大がかりな工事を行うなど、効率的な修繕計画を立てることをおすすめします。

アパートの小規模修繕の工事内容について

アパートの小規模修繕は、建物の一部を臨時的に修理する工事です。

具体的な工事内容は以下のようなものがあります。

内装工事

  • クロス・フローリングの張替え
  • 建具の調整・補修
  • 換気扇などの付帯設備の交換

設備工事

  • 給排水管や配管の補修・取替え
  • ユニットバス・キッチンの交換
  • 空調設備の修理・オーバーホール

外装工事

  • 外壁の塗装補修・タイル張替え
  • 屋根・雨樋の補修
  • ベランダ手摺の塗装補修

いずれの工事も、事前の点検を行い、優先度の高い箇所から着手することが大切です。

また、リフォーム業者の選定や工事プランの検討も重要になります。

アパートの小規模修繕のメリット

小規模修繕には以下のようなメリットがあります。

  • 防止修繕により、大規模修繕の回避が可能
  • 資産価値の維持につながる
  • 入居者満足度の向上が図れる
  • 計画的な修繕で突発的な費用発生を抑制できる

特に、外装や設備関係の小規模修繕は、「建物の寿命を延ばす」効果が期待できます。

建替えまでの期間を10年延ばせば、建物価値の減価控除でかなりの節税効果が生まれます。

アパートの小規模修繕の進め方

小規模修繕を効果的に進めるため、次のステップを踏むことをおすすめします。

  1. 定期点検による修繕箇所の洗い出し
  2. 優先順位と修繕計画の作成
  3. 業者の選定と見積り収集
  4. 修繕工事の実施
  5. 修繕記録の整備

特に、計画の立案と業者選定は重要です。

同業者の事例や専門家に相談し、無駄のない修繕計画を立てましょう。

アパートの小規模修繕の注意点

小規模修繕を適切に行うためには、以下の点に気をつける必要があります。

  • 入居者への事前説明と配慮 工事に伴う騒音や動線の変更など、入居者への影響を最小限に抑えるための対応が欠かせません。
  • 空室時期を活用した計画的な工事実施
    入居者への影響を避けるため、空室期間に合わせて工事を行うなど、タイミングを計画的に設定することが重要です。
  • 業者の選定と工事監理 安価な業者に頼りすぎると手抜き工事になる恐れがあります。複数の業者から見積りを取るなどして、適正な価格と品質を両立する業者を選定しましょう。工事中の監理も怠らないでください。
  • 将来を見据えたコスト設定 修繕費用を過度に抑えすぎると、将来的に大規模修繕が必要となり、かえってコストがかさむ可能性があります。適正な修繕サイクルとコスト設定が肝心です。

賃貸経営においては、小規模修繕への着実な投資が不可欠です。

費用対効果を意識しつつ、計画的かつ丁寧に小規模修繕を実施することで、アパートの資産価値を維持・向上させることができるのです。

関連記事
LINE TEL MAIL