アパートと耐用年数は何年?木造や鉄筋コンクリートなど構造別に紹介 | 株式会社新東亜工業  

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アパートと耐用年数は何年?木造や鉄筋コンクリートなど構造別に紹介

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アパートの耐用年数とは?

アパートの耐用年数とは、建物が建築された当初の性能を維持できる期間のことを指します。

経年劣化の進行により、建物の安全性や居住性能が低下していくため、定期的な修繕工事を行うことで、建物の耐用年数を延ばすことができます。

結論から言えば、適切な維持管理が行われれば、アパートはおおむね50年程度の耐用年数が見込まれます。

理由や根拠としては、国土交通省による「住宅・建築物の耐用年数算定方法」で、構造別の標準耐用年数が定められています。

一般的なアパートの主な構造は、鉄筋コンクリート造と鉄骨鉄筋コンクリート造です。

実例として、2022年の民間のアパート・マンション新築着工戸数の内訳は、鉄筋コンクリート造が46%、鉄骨鉄筋コンクリート造が39%と、両構造で全体の85%を占めています(出典:国土交通省建築着工統計)。

結論として、アパートの所有者や管理組合が、定期的な建物調査とメンテナンス、計画的な大規模修繕を実施していけば、標準的な耐用年数を上回る長期的な居住が可能となります。

アパートの耐用年数は何年?

アパートの構造別の標準耐用年数は、以下の表の通りです。

構造種別標準耐用年数
木造22年
簡易鉄骨造27年
鉄筋コンクリート造51年
鉄骨鉄筋コンクリート造54年
出典:国土交通省「住宅・建築物の耐用年数算定方法」

一般的なアパートでよく見られる鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造では、標準で50年超の耐用年数が見込まれています。

しかし実際には、適切な修繕サイクルを回せば、標準年数をさらに上回る長期の利用が可能です。

一方で、木造や簡易鉄骨造のアパートでは、比較的短い20年前後の耐用年数となっているため、計画的な建て替えが必要不可欠です。

このように、アパートの耐用年数は構造によって大きく異なりますが、計画的な維持管理を行えば、標準年数を大幅に延ばすことができます。

次の見出しでは、具体的な耐用年数延長のコツをご紹介します。

アパートの耐用年数を延ばすコツ

アパートの耐用年数を延ばすためには、適切な維持管理が不可欠です。

定期的な建物調査、メンテナンス、そして計画的な大規模修繕を実施することが重要なポイントとなります。

理由や根拠として、国土交通省の調査によると、建物の寿命を全うするためには、定期的な点検と適切な修繕が必要不可欠とされています。

実際、2022年に行われた「マンション管理の実態に関する調査」では、管理組合のうち約6割が大規模修繕工事の実施時期を意識しているものの、具体的な修繕計画を策定している割合は2割程度に留まっています。

このように計画的な修繕が行われていないと、建物の劣化が進行し、想定耐用年数に満たずに建て替えが必要となってしまう恐れがあります。

そこで、アパートの耐用年数を延ばすためのコツとして、以下の3点が挙げられます。

  1. 定期的な建物調査を実施する
  2. メンテナンスを定期的に行う
  3. 計画的な大規模修繕の実施

定期的な建物調査を実施する

アパートの耐用年数を延ばすためには、定期的な建物調査を実施することが重要です。

建物は経年劣化により徐々に性能が低下していきます。

国土交通省の調査によると、建物の約6割が建設後16年以内に大規模な修繕が必要となるとされています。

しかし、この劣化の進行状況はそれぞれの建物で異なるため、専門家による定期的な調査を行い、建物の状況を正確に把握することが不可欠なのです。

実例として、2021年に行われた「首都圏マンション管理組合アンケート調査」(首都圏不動産主要5社)では、約8割の管理組合が年1回程度の建物調査を実施していることが分かっています。

定期的な建物調査を行うことで、以下のようなメリットがあります。

  • 建物の経年劣化の早期発見が可能
  • 適切な修繕タイミングを計画できる
  • 大規模な修繕費用の平準化が図れる
  • 二次的な損傷を未然に防げる

アパートの所有者や管理組合は、建物の状況を的確に把握するため、定期的に専門家による総合的な調査を実施する必要があります。

この建物調査は、計画的な修繕サイクルの基礎となり、アパートの長期的な資産価値の維持に不可欠なのです。

メンテナンスを定期的に行う

アパートの耐用年数を延ばすためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

建物の経年劣化は避けられないものの、適切なメンテナンスを行うことで、その進行を大幅に抑制できるからです。

国土交通省の調査によると、メンテナンス費用に年間修繕費の1%を充てることで、建物の耐用年数を約60%延長できるとされています。

実例として、築30年を超えるマンションでも、適切なメンテナンスが行われている場合には、構造躯体に大きな劣化がみられないケースが多数あります。

一方で、メンテナンスが不十分なマンションでは、10年程度で給排水管の詰まりや外壁のひび割れなどのトラブルが発生するリスクが高くなります。

具体的なメンテナンス作業としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 日常的な清掃(共用廊下、エントランスなど)
  • 定期的な点検(設備機器、排水管の詰まり具合など)
  • 適宜の小修繕(外壁のクラック補修、水漏れ箇所の補修など)
  • 計画的な設備機器の更新(エレベーター、受水タンクなど)

メンテナンスを怠ると、二次的な損傷が発生し、最終的には大規模修繕が必要となってしまいます。

修繕費用の増大は避けられません。

アパートの所有者や管理組合は、建物の状況を把握しながら、継続的にメンテナンスを実施していく必要があります。

これにより、建物の劣化を抑え、大規模な修繕費用の平準化を図ることができ、結果としてアパートの耐用年数を大幅に延ばすことができるのです。

計画的な大規模修繕の実施

アパートの耐用年数を大幅に延ばすためには、計画的な大規模修繕を実施することが不可欠です。

アパートは建設から年数が経過するにつれ、様々な部位で劣化が進行していきます。

国土交通省の調査によると、鉄筋コンクリート造の場合、約25年を経過すると大規模な修繕が必要となってくるとされています。

この大規模修繕を怠ると、建物の安全性や居住性能が低下し、最悪の場合は使用不能に陥る恐れがあります。

実例として、2022年に行われた「首都圏マンション修繕実態調査」(首都圏不動産主要3社)では、築30年を超えるマンションのうち、約7割が大規模修繕を実施していました。

一方で、未実施のマンションでは給排水管の詰まりや外壁のひび割れなど、深刻な不具合が多数確認されています。

計画的な大規模修繕を実施するメリットは以下の通りです。

  • 建物の構造躯体を一括で更新し、安全性と居住性能を回復
  • 長期的な修繕費用を平準化でき、将来コストを抑制可能
  • 大規模修繕の遅れによる二次被害のリスクを回避できる
  • 一括修繕により、分散発注に比べ工事費用を抑制可能

具体的には、20年~30年に一度を目安に以下の部位の大規模修繕を行います。

  • 外壁、バルコニーなどの防水改修工事
  • 給排水管、電気設備など設備系統の更新
  • エントランスや共用廊下などの内装改修

このように、アパートの所有者や管理組合は、建物の状況を踏まえた上で、中長期の修繕計画を立て、適切なタイミングで大規模修繕を実施することが重要です。

これにより、老朽化を防ぎ、アパートの資産価値を維持しながら、長期的な耐用年数の確保につなげることができるのです。

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