2024.04.25
リフォーム工事で「建築確認申請」が必要なケースは?
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建築確認申請とは?
建築確認申請とは、建築物を新築したり増改築を行う際に、その設計図書が建築基準法などの関係法令に適合しているかを専門の建築主事に確認してもらい、許可を得る手続きのことをいいます。
建物の安全性、防火性、居住環境などの様々な基準を満たしているかをチェックし、違反がなければ確認済証が交付されます。
この確認を経ずに工事を行うと、後に違反建築物として是正命令が出されたり過料を課せられる可能性があるため、法令を順守することが重要です。
確認申請が義務付けられる理由は、建物が適切に設計・施工されないと、地震や火災時に倒壊や延焼の危険性が高くなり、居住者の生命に係わるおそれがあるためです。
国土交通省の統計によると、年間約50万件の建築確認申請があり、そのうち約8%が不適合とされています。
このように厳格に審査されることで、住民の安全が守られているのです。
4号建物とは?
4号建物とは、建築確認申請が不要とされる小規模な建物のことをいいます。
比較的小規模で構造が簡単なため、建物の安全性確保が容易と考えられているからです。
しかし、建築基準法の最低基準は満たす必要があります。
4号建物に該当するのは以下の通りです。
- 木造で2階建て以下かつ床面積の合計が120㎡以内
- 鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造で2階建て以下かつ床面積の合計が200㎡以内
- 一定の条件を満たす木造3階建ても該当する場合あり
国土交通省の統計によると、全国の住宅の約3割が4号建物に該当します。
4号建物は手続き簡略化の対象となっていますが、完全に規制から外れているわけではありません。
このように4号建物は規模や構造が小さいものの、最低限の安全基準は求められています。
大規模な工事を行う場合は建築確認申請が必須となりますので、注意が必要です。
4号建物の具体的な要件は、建築基準法施行令第3条に定められています。
条文は初見では難解ですので、わかりやすく解説します。
【木造の場合】
・2階建て以下で、各階の床面積の合計が120㎡以内であること
・3階建てで、各階の床面積の合計が100㎡以内で、軸組工法により主要構造部を造ること
【鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合】
・2階建て以下で、各階の床面積の合計が200㎡以内であること
このように、構造や階数、面積に一定の制限がかけられています。
面積要件は、隣地への影響を最小限に抑えることが目的です。
一方、木造3階建てが4号建物に含まれるのは、伝統的な建築様式を尊重する狙いがあります。た
だし、一定の構造基準を満たす必要があり、免許を持つ建築士の関与が義務付けられています。
施主は4号建物であっても、法令と同程度の設計がなされていることを確認するため、建築士などの専門家に依頼するのが賢明です。
建物の安全性を保つためにも、4号建物か否かを含め、適切な判断と対応が求められます。
リフォームに建築確認申請が必要なケース
リフォームに建築確認申請が必要なケースについて、解説していきます。
木造3階建て以上で過半の修繕工事の場合
木造3階建て以上の建物で、主要構造部(柱、はり、基礎、階段など)の過半(半分以上)を修繕する大規模な工事を行う際は、建築確認申請が必要になります。
実例としては、老朽化した長屋を改修してマンションにする場合などが該当します。
鉄骨造 (2階以上、または、延床面積200㎡を超える場合)
鉄骨造の建物で、2階建て以上または延床面積が200㎡を超える工事を行う場合は建築確認申請が必要です。
大規模なリフォームでは主要構造部の変更が伴うためです。延床面積とは建物の各階の床面積の合計のことです。
屋根工事 (4号建物を除き、主要構造部の一種以上の過半の修繕・模様替え)
屋根の過半(半分以上)を修繕・模様替えする大規模な工事では、建築確認申請が必要になります。
ただし小規模な4号建物の場合は例外です。
屋根は建物の構造上重要な部分なので、安全性を確認する必要があるためです。
外壁工事 (4号建物を除き、主要構造部の一種以上の過半の修繕・模様替え)
外壁の過半を修繕・模様替える大規模な工事も、建築確認申請が必要となります。
ただし4号建物は例外です。
外壁は建物の構造を支える重要な役割があり、安全性に影響するため、確認が求められます。
増築工事
増築とは、建物に部屋や空間を増やす工事のことです。
主要構造部分に手を加える大規模な増築では、建築確認申請が必須です。
増築後の建物が建築基準法に適合するかを確認するためです。
スケルトン工事
スケルトン工事とは、建物の骨組み(主要構造部)を作る工事のことです。
主要構造部に大きな変更を加えるため、スケルトン工事には建築確認申請が必要不可欠です。
プレハブ物置設置工事
プレハブ物置(工場で組み立てられた簡易的な建物)を設置する場合も、建築確認申請の対象となります。
建物の安全性を確保するための基準をクリアしているかを確認する必要があるためです。
リフォーム建築確認申請の手順について
リフォーム工事で建築確認申請が必要となる場合、以下の手順で進められます。
- 設計図書(設計説明書、構造計算書、図面など)を作成する
- 申請書類を市区町村の建築主事に提出し、確認申請を行う
- 建築主事の審査を経て、建築確認済証の交付を受ける
- 工事着手
- 中間・完了検査を受け、検査済証を得る
このように、建築確認申請は書類の手続きから検査に至るまで、複数のステップを経て適切に進められる必要があります。
専門家に依頼するのが無難でしょう。
リフォームでは手間がかかりますが、建物の安全性を守る上で欠かせない重要な手続きなのです。