20坪・25坪の外壁塗装はいくらかかる?費用相場と高くなる要因を解説
2025/07/31
外壁塗装は、建物の美観を保ち、風雨や紫外線などの外的ダメージから建物を守るために欠かせない重要なメンテナンスです。とくに20坪や25坪といった比較的小さな住宅では、「どのくらい費用がかかるのか」「見積もりの計算はどうなっているのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。小規模だからこそ、適正な費用で高品質な施工を実現するためには、あらかじめ相場感や費用の内訳を理解しておくことがとても重要です。
本記事では、20坪・25坪の住宅における外壁塗装の費用相場、塗料ごとの単価、見積もりの計算方法、そして価格が高くなりやすい要因について、専門的な視点から丁寧に解説します。これから外壁塗装を検討している方にとって、費用面での不安を解消するための参考になれば幸いです。
目次
20坪・25坪の外壁塗装の費用相場とは?
外壁塗装の費用は、使用する塗料の種類や建物の外壁面積によって異なります。以下は、代表的な塗料別の1m²あたりの単価と、20坪および25坪の住宅における費用の目安をまとめたものです。
塗料別単価(1m²あたりの目安)
| 塗料の種類 | 単価(1m²) |
|---|---|
| アクリル塗料 | 1,400~1,600円 |
| ウレタン塗料 | 1,700~2,200円 |
| シリコン塗料 | 2,300~3,000円 |
| フッ素塗料 | 3,800~4,800円 |
| 無機塗料 | 4,500~5,500円 |
| 断熱塗料 | 5,500~6,000円 |
アクリル塗料は安価で施工がしやすいため、短期的な塗り替えには適していますが、耐用年数は短めです。ウレタン塗料は柔軟性があり、密着力も良いため、ひび割れの多い住宅にも適応できます。シリコン塗料はコストパフォーマンスに優れ、耐久性や防汚性能も高いため、現在では主流の選択肢となっています。フッ素・無機・断熱塗料はそれぞれ長寿命・高機能・省エネ性を持ちますが、その分価格帯も高くなります。
坪数別の費用目安(外壁面積80〜100m²想定)
- 20坪の住宅:30万円〜55万円前後
- 25坪の住宅:40万円〜65万円前後
これらの費用には、塗料代だけでなく、職人の人件費や養生費、清掃・下地処理費用なども含まれます。ただし、実際の施工では現場の条件や塗装箇所の高さ、劣化状況によって上下することもあるため、あくまで参考価格として考えておきましょう。
また、外壁以外に付帯部(雨樋・軒天・破風など)の塗装が追加される場合や、屋根塗装も併せて行う場合は、総額でプラス10〜20万円程度の費用が加算されることもあります。
外壁塗装費用の計算方法と見積もりの仕組み
外壁塗装費用の内訳を正しく理解するには、見積もりの仕組みを把握しておく必要があります。多くの場合、費用は以下のような基本的な計算式で算出されます。
外壁塗装費用=外壁面積×塗料単価+諸経費(足場・人件費など)
ここで重要になるのが、外壁面積の正確な算出と、諸経費に含まれる各項目の内容です。
坪数→m²への換算
- 一般的に、1坪=約3.3m²とされます。
- 20坪の場合:20×3.3=66m²(延床面積)
- 25坪の場合:25×3.3=82.5m²(延床面積)
しかし外壁塗装で必要となるのは「外壁の総面積」であり、延床面積ではありません。そこで「外壁係数(1.2〜1.5程度)」をかけて、実際の外壁面積を導きます。
外壁係数を使った面積例
- 20坪×3.3×1.2=約79.2m²
- 25坪×3.3×1.2=約99.0m²
この数値が、塗装対象となる壁面積のおおよその目安となります。
費用の概算シミュレーション
- 例:ウレタン塗料1,700円/m²、外壁面積79.2m²、諸経費60万円と仮定
- 総額=79.2×1,700+600,000=734,640円
これはあくまでも一例ですが、面積や塗料、施工条件が変われば当然ながら金額も上下します。建物の形状によっては外壁係数が高くなることもあるため、個別見積もりが欠かせません。
諸経費に含まれる主な項目
- 足場設置費用(10〜20万円程度):安全確保と作業効率のため必須
- 養生費:塗料飛散を防ぐカバー作業にかかる費用
- 高圧洗浄・下地処理:汚れ除去やひび割れ補修のための前処理費用
- プライマーやシーラーなどの副資材費用
- 現場管理費や交通費、ゴミ処分費など
詳細な見積もりを依頼する際は、こうした費目がしっかり明記されているかを確認しましょう。不明瞭な見積もりは後から追加請求が発生するリスクもあるため、契約前に十分な説明を求めることが大切です。
外壁塗装の費用が高くなる主な要因とは?
外壁塗装の費用は建物の規模だけでなく、さまざまな要因によって変動します。以下では、費用が高くなる主な理由について詳しく解説します。費用の見積もりを適正に判断するためには、こうした要因を把握しておくことが重要です。
1. 使用する塗料のグレードと性能
塗料は種類によって性能や耐用年数が異なります。たとえば、アクリル塗料は安価ですが耐久性が低く、短期間での再塗装が必要になることがあります。一方、無機塗料や断熱塗料は高価ですが、15〜20年の耐用年数を誇るものもあります。耐久性が高く機能性に優れた塗料を選ぶほど、1回あたりの工事費用は上がる傾向にあります。
2. 外壁の劣化状態
ひび割れや剥離などが見られる場合、塗装前に下地補修が必要です。この補修工程には専門技術や材料費がかかるため、劣化が進んでいるほど費用が上がります。また、カビや苔が繁殖している場合には、高圧洗浄だけでなく薬品による処理が必要となるケースもあります。
3. 建物の高さ・立地・形状
2階建て以下の住宅に比べ、3階建て以上や傾斜のある土地に建っている住宅では、足場の組み立てが難しくなるため足場費用が高くなる傾向があります。狭小地や接道条件が悪い場所では、資材運搬や作業に制限がかかり、追加費用が発生することも珍しくありません。
4. 屋根塗装や付帯部の同時施工
外壁塗装と同時に屋根の塗装や雨樋・破風板などの付帯部塗装を行う場合、それぞれに追加費用がかかります。ただし、工事を一括で行うことで足場代を節約できるメリットもあるため、長期的な視点での費用対効果も考慮しましょう。
外壁塗装の一般的な施工の流れ
外壁塗装の工事は、単に塗料を塗るだけではありません。下地処理や養生、最終検査に至るまで、いくつかの重要な工程があります。ここでは、標準的な外壁塗装の流れをご紹介します。
1. 現地調査と足場設置
施工前には現場の状態を専門業者が調査します。劣化箇所の確認や周辺環境の把握をもとに、工事のスケジュールや作業内容が決まります。その後、安全性と作業効率を確保するために足場が設置されます。
2. 高圧洗浄・清掃
塗料の密着性を高めるため、外壁の汚れやカビ・埃などを高圧洗浄でしっかりと除去します。この作業を丁寧に行うことで、仕上がりの品質や耐久性に大きな差が出ます。
3. 下地処理
洗浄後、ひび割れや剥離部分を補修し、下地の状態を整えます。場合によってはパテ埋めやクラック補修、サイディングの張り替えが必要になることもあります。
4. 養生作業
塗装中に塗料が周囲に飛散しないよう、窓や植栽、車などをビニールシートでしっかり覆います。養生が甘いと仕上がりに大きく影響するため、慎重な作業が求められます。
5. 下塗り・中塗り・上塗り
塗装は一般的に3回塗りで行います。下塗りで密着性を高め、中塗り・上塗りで仕上げていきます。塗料の種類によっては塗布回数が増えることもあり、その分工期や費用も変動します。
6. 最終検査・足場撤去・清掃
すべての塗装作業が終わったら、塗りムラや塗り残しがないかを細かく確認します。お客様との最終確認を経て、問題がなければ足場を撤去し、周囲を清掃して工事完了となります。
外壁塗装業者の選び方と注意点
外壁塗装を成功させるためには、信頼できる施工業者を選ぶことが非常に重要です。単に費用が安いという理由で選んでしまうと、手抜き工事やアフターケアの不足といった問題に直面する可能性もあります。そのため、価格だけでなく、技術力や対応力、施工後の保証内容など、総合的に判断する必要があります。ここでは、後悔しないための業者選びのポイントを詳しくご紹介します。
1. 口コミや評判の確認
まずは、インターネットのレビューサイトやSNS、地域の掲示板などを使って、候補となる業者の評判を確認しましょう。実際の利用者からの口コミには、「担当者の説明が丁寧だった」「約束通りに工期を守ってくれた」「保証の対応が迅速だった」など、ホームページではわからないリアルな評価が記載されています。ネガティブな口コミが多い場合は、注意が必要です。
2. 施工実績と専門性の有無
施工実績が豊富であればあるほど、さまざまな建物構造や状態への対応力があると考えられます。特に20坪〜25坪の戸建て住宅に慣れた業者であれば、見積もりの正確性や効率的な作業が期待できます。また、自社職人による施工か、下請けに外注しているかも確認すべき重要な要素です。後者の場合は、品質管理が不透明になるリスクがあります。
3. 見積もりの比較と内訳の精査
見積もりを複数の業者から取り、金額だけでなくその内訳も比較しましょう。単価の根拠や作業内容、使用する塗料の種類・数量、諸経費の詳細など、すべて明記されているかが重要です。内容が不明確だったり、「一式」としか書かれていない見積もりは避けたほうが無難です。また、見積もりに含まれない作業が後から追加費用として請求されるケースもあるため、事前に確認しましょう。
4. 保証内容やアフターサービスの充実度
信頼できる業者は、施工後のアフターケアにも力を入れています。たとえば、塗膜保証や施工保証がついているかどうか、保証期間は何年か、定期点検はあるのかなどを確認しましょう。また、施工後のトラブルにすぐ対応してくれるかどうかも大切な判断材料です。地域密着型の業者であれば、迅速な対応が期待できる場合もあります。
外壁塗装に関するよくある質問(FAQ)
Q1:20坪と25坪では、どのくらい費用差が出ますか?
A:坪数が増えることで外壁の塗装面積も広くなり、使用する塗料の量や作業工数も増えます。一般的には、20坪と25坪の差で5〜15万円程度の違いが出ることが多いです。ただし、建物の形状や階数、使用する塗料の種類によっても費用差は前後するため、個別に見積もりを取るのが確実です。
Q2:外壁塗装の費用を少しでも安く抑える方法はありますか?
A:足場を1回で済ませられる「一括施工」がおすすめです。たとえば、外壁と屋根の塗装を同時に行うことで、足場の設置・解体費用を1回分に抑えられます。また、複数社から見積もりを取り、価格交渉することも有効です。さらに、施工時期を閑散期にずらすことで、割引を受けられる可能性もあります。
Q3:自治体の補助金や助成金を利用できますか?
A:はい、一部の市区町村では、省エネリフォームや住宅の長寿命化を目的とした補助金制度を用意している場合があります。たとえば、遮熱塗料の使用を条件にした補助や、地元業者を利用することが条件の制度などです。最新情報は各自治体の公式ホームページや窓口で確認しましょう。
Q4:外壁塗装に適した時期はいつですか?
A:塗装には天候が大きく影響するため、春(4〜6月)や秋(9〜11月)のような気温と湿度が安定している時期が理想的です。夏場は気温が高すぎて塗料の乾燥が早くなりすぎたり、冬場は気温が低すぎて塗料の性能が十分に発揮できない場合があります。繁忙期を避けることで、施工スケジュールにも余裕が持てるでしょう。
まとめ|20坪・25坪の外壁塗装で後悔しないために
20坪・25坪の住宅における外壁塗装は、建物の美観を維持しつつ、雨風や紫外線からのダメージを防ぐ大切なメンテナンス作業です。小規模な住宅であっても、適正な費用で高品質な施工を行うためには、事前の情報収集と業者選びがカギを握ります。
塗装費用は、塗料のグレードや外壁の面積、下地の状態、作業条件などにより大きく変動します。そのため、「相場より安い」と感じた場合も、内容をしっかり精査することが重要です。信頼できる業者であれば、見積もりの段階で丁寧に説明をしてくれるはずです。
また、施工工程や使用する塗料の特性を理解しておくことで、仕上がりに対する期待値を適切に持つことができます。塗装の流れや注意点を知っておけば、工事中の不安や疑問も減り、安心して任せられるでしょう。
最終的には、1社だけに絞らず、必ず複数社から相見積もりを取り、価格・内容・信頼性の3つのバランスを見て比較することが成功のポイントです。価格だけで判断せず、保証の有無やアフターサービス、地域での評判など、総合的に判断して満足のいく外壁塗装を実現してください。