外壁塗装中は留守でも大丈夫?工事期間や安心して暮らすための注意点を解説
2025/07/31
住宅の外壁塗装を検討する際、多くの方が不安に感じるのが「工事期間中に家を留守にしても大丈夫なのか?」という点です。共働き家庭や子育て中のご家庭では、日中の在宅が難しい場合も多く、塗装工事との両立に悩むこともあるでしょう。
実際、外壁塗装は屋外で行われる作業が中心となるため、基本的には室内に立ち入ることなく進行します。電気や水道が外から利用できる状態であれば、ほとんどの作業は屋外で完結します。ただし、一部在宅が必要なタイミングや、家族が安心して過ごすために配慮すべき点も存在します。こうした不安を軽減し、計画的かつスムーズに工事を進めるためには、事前の情報収集と準備が欠かせません。
本記事では、外壁塗装中の留守対応に関する基本知識から、テレワーク時の対策、家族や近隣への配慮、においや騒音の事前対応まで、快適かつ安心して塗装工事を進めるためのポイントを詳しく解説していきます。
目次
外壁塗装中に家を留守にしても大丈夫?
基本的に、外壁塗装工事は屋外で完結する作業が中心です。電気や水道が外部から供給できる状態であれば、職人が室内に入る必要はほとんどありません。ただし、下記のような工程では、施主の立ち会いや在宅対応が求められることがあります。
- 現場確認(着工前の打ち合わせ)
- 最終検査(完工後の立会い)
- 緊急時の判断が必要な場面(例:外壁の補修範囲追加など)
これらは1時間程度で済むことが多く、事前に日程を調整しておくことで、ほとんどの工期を留守で過ごすことが可能です。特に、初回の現場確認では、工事内容のすり合わせや注意点の共有が行われるため、可能な限り在宅しておきましょう。
スケジュールの確認で留守対応もスムーズに
外壁塗装のスケジュールを事前に把握しておくことで、いつ在宅が必要か、いつ家を空けられるかを明確にできます。以下は一般的な工程と日数の目安です。
| 工程 | 日数 | 在宅の要否 | 騒音の有無 |
|---|---|---|---|
| 現場確認 | 1時間 | 必要 | なし |
| 足場の組み立て | 1日 | 不要 | あり |
| 高圧洗浄 | 1日 | 不要 | あり |
| 下地処理 | 1日 | 不要 | なし |
| 養生 | 1日 | 不要 | なし |
| 塗装(下塗り) | 1日 | 不要 | なし |
| 塗装(中・上塗り) | 2日程度 | 不要 | なし |
| 立会い検査 | 1時間 | 必要 | なし |
| 足場解体 | 1日 | 不要 | あり |
※上記は標準的なスケジュールです。雨天や強風、気温の変化により工期が延びることもあります。
さらに、塗装面の状態や建物の構造によっては、追加の補修作業や乾燥期間の確保が必要となる場合もあります。施工会社との事前打ち合わせで、工程の目安と変更時の連絡体制をしっかり確認しておくと安心です。
不在時は業者と共有すべきポイント
工事中に不在となる場合は、以下の点を事前に業者へ伝えておくことで、トラブルを防げます。
- 留守の日程と緊急時の連絡先(携帯電話、メール、LINEなど)
- 自転車や車の移動希望日時、位置指定
- エアコンの室外機や配線位置と利用希望時間帯
- ペットの有無や鳴き声対策、におい・塗料への配慮要請
- 鍵の受け渡しや立ち入り不可エリアの共有
特に、留守中に急な変更や確認が発生した場合でも、スムーズに対応できる体制を構築しておくことが重要です。可能であれば、写真付きの進捗報告を依頼し、安心して外出できる環境を整えましょう。
外壁塗装の一般的な工程と日数
外壁塗装は、工事全体でおおよそ7〜10日程度かかります。塗装面積や建物の高さ、付帯部(雨樋・破風板・軒天など)の塗装範囲によっては、さらに日数が追加されることもあります。
また、塗装作業はすべて日中に行われ、暗くなると基本的に作業は中断されます。朝8時〜夕方17時頃までが作業時間帯となることが多いため、日中不在にする予定がある方も安心です。
足場の設置・解体や高圧洗浄など、騒音が発生しやすい工程は事前に把握しておくと、留守やテレワークのスケジュール調整がしやすくなります。特に小さなお子様や高齢の家族がいる場合は、騒音時間帯に別室へ移動するなどの配慮が効果的です。
天候や施工状態によって外壁塗装の工程にズレが出ることもある?
外壁塗装は天候の影響を大きく受ける工事です。雨や強風、高湿度の日は安全上の観点から作業が中止されることもあります。さらに、夜露や霜の影響を受けやすい季節では、塗料の乾燥時間を確保するためにスケジュールが伸びることもあるでしょう。
また、着工後に見つかった外壁のヒビ割れや下地の浮き、前回の塗膜の劣化状態によっては、補修作業が追加されることもあります。そうした場合には工程がずれる可能性があるため、施工会社とのこまめな情報共有が大切です。
外壁塗装中の連絡手段を確保しておく
工事期間中に家を留守にする時間が多い方は、工事の進捗状況をリアルタイムで把握できるよう、担当者との連絡手段をしっかり確保しておきましょう。
電話連絡だけでなく、LINEやメール、施工管理アプリなどを使えば、写真付きで作業状況の報告を受け取ることも可能です。足場の設置完了、洗浄の実施、塗装の開始といった工程の節目で報告をもらえるよう依頼しておくと、安心して外出できます。
また、帰宅後に気になる点があれば、写真や動画で記録して翌日に確認依頼をすることもトラブル防止につながります。こまめなやりとりは、工事の信頼性向上にも寄与します。
外壁塗装への考慮が必要なのは留守の時だけじゃない!テレワークや在宅勤務時はどうする?
外壁塗装の工事が進行する中で、自宅でのテレワークを予定している方にとっては、騒音や作業環境の変化が大きな懸念材料になります。近年、在宅勤務の普及により「自宅にいる時間が長い=工事中の影響を強く受ける」という方が増えており、事前の対策が重要です。
また、塗装期間中は日中の作業が中心となるため、生活リズムや仕事の進行に影響を及ぼすこともあります。この記事では、テレワーク中でも快適に過ごせるように、工事工程ごとの注意点や具体的な対応策を詳しく解説します。
騒音が発生しやすい工程を把握する
特に注意したいのが、「足場の組立・解体」および「高圧洗浄」の工程です。金属音や水圧の音など、予想以上に大きな音が発生するため、会議や集中作業には不向きな環境になる可能性があります。事前に工程表を受け取り、騒音が発生する日や時間帯を確認しておきましょう。
足場を組む際にはトラックの搬入・荷下ろしの音も加わり、短時間とはいえ大きな音が断続的に続くことがあります。高圧洗浄は建物全体に渡って作業が行われるため、複数時間にわたって水音が続くこともあります。
音が気になる時間帯はスケジュールを調整する
打ち合わせや集中作業が必要な時間帯と、騒音の出る作業時間が重ならないよう、勤務スケジュールを調整しましょう。たとえば、午前中に騒音が予想される場合は、重要な業務を午後にシフトするなどの工夫が効果的です。
また、可能であれば、コワーキングスペースやカフェ、図書館など、別の作業場所を用意するのも選択肢の一つです。最近では、テレワーク対応の短時間レンタルスペースも多数存在しており、柔軟に対応できます。
一部の地方自治体ではテレワーク支援の補助金制度を設けているところもあるため、該当地域の制度を確認してみるのもよいでしょう。
通信・電力環境への影響は基本的に少ないが注意を
外壁塗装では原則として、建物内部の配線や設備に直接手を加えることはありません。ただし、足場の設置位置や養生シートが電波干渉を引き起こす可能性があるため、Wi-Fiの接続が不安定になることもまれにあります。
特に、メッシュWi-Fiや中継器を使って広範囲に電波を飛ばしている場合、金属製の足場や遮光シートの影響で一部の部屋で接続が悪くなることがあります。万一に備えて、有線LAN接続の準備やモバイルWi-Fiの導入を検討しておくと安心です。
また、エアコンや室外機の養生により一時的に室温が上がることもあるため、電子機器の発熱対策としてサーキュレーターや冷却パッドなども用意しておくと作業効率の維持に役立ちます。
外壁塗装中も家族が安心して過ごすための生活上の注意点
工事中に家族がストレスなく過ごすためには、生活空間への影響を最小限に抑えるための配慮が必要です。以下では、家族の安全と快適さを保つための注意点を紹介します。
戸締りはいつも以上に厳重に
外壁塗装期間中は足場が住宅の周囲に組まれるため、2階部分の窓にも外から手が届く状態になります。空き巣の侵入経路が増えるため、戸締りは徹底しましょう。普段開けがちな小窓や換気口も閉め、施錠を確認してください。
職人の休憩中や作業の合間に、思わぬタイミングで第三者が敷地内に入り込むケースも考えられます。防犯意識を高め、心配であれば簡易な防犯カメラやセンサーライトの設置も検討するとよいでしょう。
また、家の中の貴重品は外から見えない位置に移動させるなど、心理的な安心感を高める対策も効果的です。
洗濯物は必ず室内干しに
高圧洗浄時の水しぶきや、塗料の飛散により、外干ししていた洗濯物が汚れる恐れがあります。職人側も注意を払いますが、風の影響やタイミングによっては予防しきれないこともあるため、室内干しを徹底しましょう。
除湿器や扇風機、サーキュレーターなどを活用すると、部屋干しの乾燥効率も上がります。また、乾燥機能付き洗濯機の利用や、コインランドリーの併用も快適な選択肢です。
さらに、洗濯物のニオイが気になる場合は、部屋干し専用洗剤や抗菌加工の洗濯用品を取り入れることで、衛生的に対処できます。
エアコン使用の制限に備える
足場が室外機の近くに組まれると、保護のために室外機を養生することがあります。養生中は冷暖房の効率が大きく落ちる、あるいは一時的に使用不可になることも。
とくに夏や冬などエアコンが欠かせない季節は、室外機の位置と使用可能時間を事前に確認し、必要に応じてポータブルクーラーやヒーターなど代替手段を準備しておくと安心です。
また、室温が高くなることで、睡眠の質に影響が出ることもあるため、寝室の冷却対策や、冷感シーツなどのグッズも併用すると快適性が向上します。
子どもや高齢者、ペットへの影響にも配慮
騒音やにおいが発生する外壁塗装では、小さなお子様や高齢者、ペットにとってストレスの原因になることがあります。敏感な家族がいる場合は、特に騒音やにおいの強い工程の日に、外出や実家への一時避難を計画するなど、工夫が求められます。
また、においに敏感なペットには、活性炭フィルター付きの空気清浄機などを活用することも効果的です。換気が制限される日には、窓を閉め切って空気清浄機を活用し、においや粉じんの対策を徹底しましょう。
加えて、子どもにとっては非日常の状況に不安を感じることもあるため、塗装工事の概要や注意点をあらかじめ簡単に説明しておくと、安心感を持って過ごせます。
工事担当者とも事前に情報共有を行い、万一のトラブル時にはすぐに連絡が取れるような体制を整えておくことが、家族全員の安心に繋がります。
外壁塗装による近隣トラブルを避けるための配慮とマナー
外壁塗装工事は、自宅のみならず、周囲の住民や環境にも少なからず影響を与える工事です。騒音やにおい、足場の設置、塗料の飛散、業者の車両の出入りなど、近隣にとって負担になる要素が含まれているため、配慮と誠意ある対応が求められます。信頼関係を損なわず円滑に工事を進めるためにも、工事前の準備やマナーは欠かせません。ここでは、近隣トラブルを回避するための基本的な対応策について詳しく解説します。
工事前のあいさつは必須
工事前の近隣挨拶は、外壁塗装を成功させるための第一歩です。両隣はもちろん、向かい側や裏手の住宅にも挨拶を行うのが理想的です。できれば施工業者と一緒に回ることで、業者側の誠意も伝わりやすくなります。挨拶時には、名刺や簡単な工事概要のプリント、工事予定のスケジュールなどを添えると、より丁寧な印象を与えられます。
また、騒音が出やすい高圧洗浄や足場の組み立て・解体、においが出る塗装日、トラックなどの出入りが増える日などは、事前に日時を伝えておくと安心です。管理組合がある場合は、書面で通知を行ったうえで掲示板などへの掲示も忘れずに。
駐車スペースや車の移動確認を忘れずに
外壁塗装の工事では、足場の設置や作業スペースの確保のため、普段使用している車や自転車の一時移動が必要になることがあります。特に敷地内や隣接した場所に駐車している場合、塗料の飛散や部材搬入時の接触リスクを回避するためにも、事前の車両移動が求められるケースが多いです。
作業車やトラックの出入りもあるため、近隣住民の通行の妨げにならないよう配慮が必要です。必要に応じて、近隣の方へ一時的な通行制限や駐車規制の可能性を伝えておき、工事のスムーズな進行を図りましょう。どうしても移動が難しい場合には、養生カバーなどの対応策を講じておくと安心です。
不在時でも連絡が取れる体制を整える
外壁塗装工事は屋外作業が主であるため、施主が在宅していなくても進行可能です。しかし、進行中に予期しないトラブルや判断が必要な場面が発生することもあります。そのため、不在時でも工事担当者と連絡が取れる体制を整えておくことが重要です。
具体的には、携帯電話やメール、LINEなどでリアルタイムにやりとりできるようにし、必要に応じて写真を送ってもらうと状況把握がしやすくなります。あらかじめ不在予定の日や時間帯を共有しておくと、双方のストレスを最小限に抑えられます。
外壁塗装のにおいと塗料の種類について
塗装工事中にもっとも多く寄せられる声のひとつが「塗料のにおいが気になる」というものです。においに敏感な方や、体調を崩しやすい方が近隣に住んでいる場合には、塗料の選定や工程に対する配慮が欠かせません。ここでは、主な塗料の種類と、それぞれのにおいに関する特徴を整理してお伝えします。
水性塗料の特徴とメリット
水性塗料は、希釈液として水を使用する塗料で、においが非常に少ないのが最大の特徴です。揮発性有機化合物(VOC)の含有量が低く、環境負荷も少ないため、小さなお子様や高齢者、ペットがいる家庭にも安心して使用できます。最近では水性でも高耐久・高密着の製品が多く出ており、一般住宅においては第一選択となることが増えています。
さらに、乾燥中のにおいも抑えられるため、周囲への影響も最小限で済みます。住宅が密集する都市部やマンションの一階部分などでは、水性塗料の選定が推奨されます。
油性(溶剤)塗料の特徴と注意点
油性塗料(溶剤塗料)は、希釈にシンナーなどの有機溶剤を使用するため、塗装時に強いにおいが発生します。VOCの含有量が高いため、十分な換気やにおい対策が必要です。
ただし、水性塗料よりも密着性が高く、特に鉄部や金属素材などには油性塗料が適しています。屋根や雨戸、手すりなどの部材には油性が使用されるケースも多いため、施工前に塗料の種類とにおいの程度を確認しておくことが大切です。
周辺環境への影響が心配な場合は、においを抑えた弱溶剤系の塗料や低VOCタイプを選ぶ方法もあります。塗装範囲や素材に応じた選定を行い、必要であれば近隣に一言添えることもマナーです。
外壁材の種類によって外壁塗装の方法も変わる?注意点を押さえよう
住宅の外壁に使用される素材はさまざまで、それぞれ塗料の相性や施工の難易度が異なります。建物のメンテナンスを効果的に行うためには、自宅の外壁材の特徴を理解し、適切な対応をすることが重要です。
サイディングボード
窯業系サイディングは現在最も広く採用されている外壁材です。耐候性に優れ、カラーバリエーションも豊富なため、デザイン性を重視する住宅に多く使われています。塗装時には、目地のシーリング材の打ち替えまたは増し打ちが必要となるため、塗装工事と同時にシーリングの劣化状況を確認しておきましょう。
モルタル外壁
左官職人の手作業で施工されるモルタル外壁は、温かみと重厚感のある外観が魅力です。ただし、乾燥収縮や地震の影響でひび割れ(クラック)が入りやすく、下地処理が重要になります。弾性塗料や微弾性フィラーの使用で対応することが一般的です。
タイル外壁
タイル自体は耐久性が高く、基本的には塗装が不要ですが、目地材の劣化や剥離による雨水の浸入が懸念されます。定期的なシーリング補修や、浮きやひび割れの確認が求められ、場合によってはクリア塗装や防水コーティングを施すこともあります。
ALCパネル(軽量気泡コンクリート)
ALCパネルは優れた断熱性・耐火性を備えた外壁材で、マンションやビル、戸建ての高性能住宅などにも使用されます。吸水性が高いため、表面の塗膜が劣化すると構造内部まで水が染み込み、劣化を早めてしまいます。防水性と透湿性を両立した塗料を選ぶことが望ましいでしょう。
ALCの継ぎ目にあるシーリング材の劣化も劣化進行の引き金になるため、塗装工事の際には併せて補修するのが理想的です。
まとめ:安心・安全に外壁塗装を進めるために
外壁塗装は、住宅の寿命を延ばし、美観を維持し、資産価値を高めるために欠かせない工事です。施工期間中も家族や近隣住民が安心して過ごせるようにするには、丁寧な事前準備とこまめな配慮が鍵となります。
以下のポイントを意識して対応することで、外壁塗装工事の満足度を高めることができます。
- 工事開始前に近隣への挨拶と説明を丁寧に行う
- 塗装中のにおいや騒音に配慮し、塗料の選定や工法を見直す
- 自家用車や自転車の保管場所を事前に調整しておく
- 工事業者との連絡手段を確保し、トラブル時に迅速に対応する
- 外壁材に応じた適切なメンテナンス方針を理解する
施工業者と施主がしっかりと連携し、周囲への気配りを忘れずに取り組むことで、トラブルを避け、快適なリフォーム体験へとつながります。工事完了後、見違えるように美しくなった外観を見て、満足感とともに「やってよかった」と実感できるでしょう。