防水工事の保証期間は何年?適用内容から条件・法律・ガイドラインまで分かりやすく解説【2026年最新】| 株式会社新東亜工業

防水工事の保証期間は何年?適用内容から条件・法律・ガイドラインまで分かりやすく解説

防水工事を検討する際、多くの方が不安に感じるのが「保証期間」ではないでしょうか。

「工事後に万が一不具合が起きたらどうしよう」
「保証は何年あれば安心なのか」
「保証内容はどこまでカバーされるのか」

こうした疑問は、建物の安全と資産価値を守る上で非常に重要です。

防水工事の保証期間は、工法や材料、新築か改修かによって大きく異なります。

一般的には5年から10年が相場とされていますが、中には15年、20年といった長期保証を提供する業者も存在します。

しかし、年数だけで判断するのは危険です。

保証の「中身」、つまり何が保証対象で、何が対象外なのかを正確に理解しておかなければ、いざというときに補償を受けられない可能性があります。

この記事では、株式会社新東亜工業が長年の施工経験をもとに、防水工事の保証期間について徹底解説します。

工法別の保証期間の目安から、保証書の見方、法律や業界ガイドライン、さらには保証を最大限活用するためのポイントまで、安心して防水工事を依頼するために必要な知識をすべてお伝えします。

目次

防水工事の保証期間とは?

防水工事における保証期間とは、施工会社が工事の品質を保証し、万が一不具合が発生した場合に無償で補修や再施工を行う期間のことです。

建物を長期間守るためには、この保証制度を正しく理解しておくことが不可欠です。

保証期間と耐用年数の違い

防水工事を検討する際に混同しやすいのが「保証期間」「耐用年数」です。

この2つは似ているようで、実は明確に異なる概念です。

項目保証期間耐用年数
意味施工会社やメーカーが不具合に対して
無償補修などを約束する期間
防水層や材料が本来の性能を
保てるとされる目安の期間
設定主体施工会社・メーカー国や業界団体、材料メーカーの基準など
期間の目安5〜10年程度が一般的10〜20年程度が多い
対象施工不良や材料不具合による不具合経年劣化による性能低下
無償対応保証条件を満たせば可能原則として無償対応はない
メンテナンスとの関係定期点検を条件に延長される場合がある適切な点検・補修で延ばすことが可能

保証期間とは、施工会社が施工不良や材料不良による不具合に対して、無償で対応してくれる期間を指します。

たとえば「10年保証」と記載されていれば、その10年間は施工に起因する雨漏りや防水層の剥がれなどが発生した際、無償で補修を受けられます。

一方、防水工事における耐用年数とは、防水層そのものが性能を維持できる期間のことです。

耐用年数が長い材料でも、保証期間がそれより短い場合、保証切れ後のトラブルは自己負担となります。

この違いを理解せずに契約すると、「耐用年数が長いから安心」と思っていても、保証期間終了後に不具合が起きて高額な修繕費用が発生する可能性があります。

見積もりや契約書を確認する際は、必ず両方の年数を確認し、保証期間内にどこまで対応してもらえるのかを明確にしておきましょう。

防水工事保証の仕組み|3社連盟による保証体制

防水工事の保証は、単独の会社だけでなく、複数の関係者が連携して提供する「3社連盟保証制度」が一般的です。

この仕組みを理解することで、より安心して工事を依頼できます。

3社連盟保証制度とは、元請け会社防水工事の施工会社防水材料メーカーの3者が連携して保証を行う体制のことです。

元請け会社は工事全体の責任を負い、施工会社は実際の工事品質を保証し、材料メーカーは使用した防水材料の品質を保証します。

この仕組みの最大のメリットは、万が一施工会社が倒産したり廃業したりしても、元請け会社や材料メーカーが保証を引き継げる点にあります。

また、不具合の原因が施工にあるのか材料にあるのかを明確にしやすく、責任の所在がはっきりするため、トラブル時の対応がスムーズになります。

ただし、3社すべてから保証書が発行されているかを必ず確認してください

口頭での説明だけでは法的効力がなく、書面による保証がなければ実質的に保証がないのと同じです。

契約前に、元請け会社、施工会社、材料メーカーそれぞれの保証内容と保証期間を書面で確認し、大切に保管しておきましょう。

防水工事の保証期間の目安|工法別

防水工事の保証期間は、採用する工法によって大きく異なります。

以下の表は、主要な4つの防水工法における保証期間と特徴をまとめたものです。

防水工法保証期間の目安耐用年数費用相場
(㎡あたり)
主な特徴適用場所
ウレタン塗膜防水5〜10年10〜12年4,000〜7,000円・複雑な形状に対応可能
・施工が比較的容易
・屋上
・ベランダ
・バルコニー
シート防水10〜15年12〜15年4,500〜8,000円・耐候性が高く均一な仕上がり・屋上
・大規模面積
アスファルト防水15〜20年15〜25年5,500〜8,500円・最高レベルの耐久性と実績・屋上
・地下室
FRP防水10〜15年10〜13年5,000〜9,000円軽量で強度が高い・バルコニー
・階段
・屋上

上記の表からわかるように、保証期間は工法によって5年から20年まで幅があります。

それぞれの工法について、詳しく見ていきましょう。

ウレタン塗膜防水の保証期間

ウレタン塗膜防水は、液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。

保証期間は5〜10年が一般的で、耐用年数は10〜12年程度とされています。

この工法の最大の特徴は、複雑な形状や狭小スペースにも柔軟に対応できる点です。

液体を塗り重ねていくため、継ぎ目のないシームレスな防水層を形成でき、排水溝やパイプ周りなどの細かい部分もしっかりカバーできます。

また、既存の防水層の上から重ね塗りすることも可能なため、改修工事でよく採用されます。

保証期間を最大化するためには、定期的なトップコートの塗り替えが重要です。

ウレタン防水は紫外線の影響を受けやすいため、3〜5年ごとにトップコートを再塗装することで、防水層の寿命を延ばし、保証期間内の性能維持がしやすくなります。

費用対効果が高く、マンションやビルの屋上、ベランダなど幅広い場所で採用されている工法です。

シート防水の保証期間

シート防水は、塩化ビニールやゴム製のシートを敷設して防水層を形成する工法です。

保証期間は10〜15年と比較的長く、耐用年数も12〜15年と安定した性能を誇ります。

この工法の強みは、高い耐候性と均一な品質にあります。工場で製造されたシートを使用するため、品質のバラつきが少なく、施工ミスも比較的起きにくいのが特徴です。

また、シートは紫外線や温度変化に強く、長期間にわたって安定した防水性能を維持できます。施工スピードも速いため、工期を短縮したい場合にも適しています。

シート防水には機械固定工法、密着工法、絶縁工法などいくつかの施工方法があり、それぞれで保証期間が異なる場合があります。

特に機械固定工法は下地の影響を受けにくく、15年保証を提供する業者も多く見られます。

平坦で広い屋上面積を持つビルやマンションに最適な工法といえるでしょう。

アスファルト防水の保証期間

アスファルト防水は、最も歴史があり、実績豊富な防水工法です。

保証期間は15〜20年と非常に長く、耐用年数も15〜25年と他の工法を大きく上回ります。

この工法は、アスファルトを含浸させたルーフィングシートを何層にも重ねて防水層を形成します。

厚みがあり、非常に高い耐久性と信頼性を持つため、重要な建物や長期間の防水性能が求められる場所で採用されます。

特に地下室や屋上など、水の浸入が建物の構造に直接影響を与える場所では、アスファルト防水が第一選択となることが多いです。

ただし、この工法にはデメリットもあります。施工時に高温のアスファルトを使用するため、工期が長く、臭いや煙が発生することがあります。

また、材料が重いため建物への荷重負担が大きく、構造によっては採用できない場合もあります。

初期費用は高めですが、長期的な視点で見れば、メンテナンスコストを抑えられる優れた工法です。

FRP防水の保証期間

FRP(繊維強化プラスチック)防水は、ガラス繊維などの補強材とポリエステル樹脂を組み合わせた防水工法です。

保証期間は10〜15年で、耐用年数は10〜13年程度とされています。

この工法の最大の特徴は、軽量でありながら高い強度を持つ点です。

硬化後はプラスチックのように硬く、歩行可能な表面に仕上がるため、バルコニーや階段など人が頻繁に利用する場所に適しています。

また、短時間で硬化するため、工期が短く済むのも大きなメリットです。

FRP防水は美観性にも優れており、カラーバリエーションが豊富で、デザイン性を重視したい場所でも人気があります。

ただし、紫外線による劣化や温度変化による伸縮の影響を受けやすいため、定期的なトップコートの塗り替えが必要です。

戸建て住宅のベランダやバルコニー、屋上庭園などで広く採用されている工法です。

新築工事と改修工事で保証期間が異なる理由

防水工事の保証期間は、新築工事か改修工事かによって大きく変わります。

新築で10年保証が可能でも、改修工事では5年程度になることが一般的です。

新築工事の保証期間|住宅品質確保法との関係

新築の防水工事の保証期間は、最長10年が一般的です。

これは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(通称:品確法)により、新築住宅の基本構造部分について10年間の瑕疵担保責任が義務付けられているためです。

品確法では、「雨水の浸入を防止する部分」が保証対象として明確に定められており、屋根や外壁、開口部の防水層などが該当します。

新築住宅を供給する事業者は、この法律により、引き渡しから10年間は施工不良や設計ミスによる雨漏りなどの欠陥に対して無償で補修する義務を負っています。

新築工事で長期保証が可能な理由は、下地の状態が良好であることに加え、設計段階から防水計画が組み込まれており、適切な材料選定と施工管理が行われるためです。

また、建物全体が新しいため、他の部位からの影響を受けにくく、防水層の性能を最大限発揮しやすい環境が整っています。

新築住宅を購入する際は、この10年保証が確実に適用されるか、保証書の発行有無を必ず確認しましょう。

改修工事の保証期間|5年程度が相場の理由

改修工事における防水工事の保証期間は、5年程度が相場となっています。

新築に比べて保証期間が短い理由は、既存建物特有のリスクが存在するためです。

まず、既存の下地状態が大きく影響します。築年数が経過した建物では、下地のコンクリートにひび割れや劣化が生じていることが多く、完全に補修しても新築時のような強度を取り戻すことは困難です。

また、建物全体の経年劣化により、防水層以外の部位からの影響を受けやすく、予測できないトラブルが発生するリスクも高まります。

さらに、改修工事では既存の防水層を撤去する場合と、その上から重ね塗りする場合があり、施工方法によっても保証期間が変動します。

撤去する場合は下地の状態を直接確認できますが、重ね塗りの場合は既存防水層の劣化状況が完全には把握できないため、保証期間が短くなる傾向にあります。

ただし、適切な診断と施工を行い、高耐久材料を使用すれば、改修工事でも10年保証を提供する業者も存在します。

建物の状態をしっかり調査し、信頼できる施工会社を選ぶことで、より長期の保証を得ることが可能です。

防水工事保証の対象となる不具合と対象外のケース

防水工事の保証は、すべての不具合をカバーするわけではありません。

保証対象と対象外のケースを正確に理解しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

保証対象となる不具合の具体例

防水工事の保証対象となるのは、主に施工会社や材料メーカーの責任に起因する不具合です。

具体的には、以下のような症状が該当します。

漏水(雨漏り)は、最も代表的な保証対象です。防水層の施工不良や材料不良により、雨水が室内や構造体内部に浸入した場合、無償で補修を受けられます。

防水層の膨れや浮きも保証対象です。塗膜やシートが膨張し、下地から浮き上がった状態は、施工時の下地処理不足や材料の問題が原因であることが多く、保証適用の対象となります。

剥離やひび割れも重要な保証項目です。防水層が下地から剥がれたり、クラック(ひび割れ)が発生して防水性能が失われた場合、これも施工不良や材料不良として扱われます。

さらに、接合部の破損、特にドレン(排水口)や立ち上がり部分、パラペット(手すり壁)との取り合い部分での不具合も保証対象です。

これらの不具合が保証期間内に発生した場合、まずは施工会社に連絡し、現地調査を依頼しましょう。

保証書と施工写真があれば、スムーズに対応してもらえます。

ただし、保証対象かどうかの判断は、保証書に記載された条件に基づいて行われるため、契約時に保証範囲を明確にしておくことが重要です。

保証対象外となるケース

保証期間内であっても、以下のようなケースでは保証が適用されません。

契約前にこれらの免責事項をしっかり確認しておきましょう。

自然災害による損傷は保証対象外となります。地震、台風、豪雨、落雷、火山噴火などの自然災害で防水層が破損した場合、施工会社や材料メーカーの責任ではないため、保証は適用されません。

これらの損害は火災保険や地震保険でカバーされる場合があるため、保険内容の確認もおすすめです。

経年劣化も保証対象外です。紫外線による色あせや、温度変化による自然な劣化、時間の経過による性能低下は、材料の寿命として扱われます。

また、メンテナンス不足による劣化も保証適用外となります。定期点検を怠ったり、トップコートの塗り替えを行わなかった場合、保証が無効になることがあります。

使用者の過失も重要なポイントです。重量物の落下、鋭利な物による傷、不適切な薬品の使用、改造や無断での追加工事などによる損傷は、保証対象外です。

さらに、第三者による工事の影響で不具合が生じた場合も保証は適用されません。

設備工事や清掃業者、他の修繕業者が防水層に手を加えた場合、元の施工会社の保証は無効となります。

免責事項の確認ポイント

保証契約を結ぶ際、免責事項の範囲をしっかり確認することが非常に重要です。

免責事項が曖昧だったり、範囲が広すぎたりする場合、実質的に保証が機能しない可能性があります。

まず確認すべきは、自然災害の定義です。

「天災地変」という曖昧な表現だけでなく、具体的にどのような災害が免責対象なのかが明記されているかチェックしましょう。

次に、「建物の動きによる破損」などの曖昧な表現にも注意が必要です。

この表現が広く解釈されると、ほとんどの不具合が免責されてしまう恐れがあります。

定期点検や報告の義務についても確認が必要です。

保証維持のために年1回の有償点検が義務付けられている場合、その費用負担や点検を怠った場合のペナルティを把握しておきましょう。

また、保証を無効にする条件、特に他業者による工事介入や施設の用途変更などについても明記されているか確認してください。

契約書や保証書を受け取ったら、不明な点はすぐに質問し、書面で回答をもらうことが大切です。

口頭での説明だけでは法的効力がないため、必ず文書として残しておきましょう。

防水工事保証で必ず確認すべき5つのポイント

防水工事の保証を最大限活用するためには、契約前に以下の5つのポイントを必ず確認しておく必要があります。

1.保証書の発行有無と記載内容

保証制度の基本となるのが「保証書」の存在です。どれだけ口頭で「10年保証します」と言われても、書面がなければ法的効力はありません

保証書には最低限、以下の項目が明記されている必要があります。

  • 保証期間(開始日と終了日)
  • 保証範囲(防水層の種類、施工部位、対象となる不具合の具体例)
  • 免責事項(保証対象外となるケース)
  • 維持管理条件(定期点検の頻度、メンテナンスの要否)
  • 補修対応の方法(無償対応の範囲、対応期限)

保証書の発行は工事完了後が一般的ですが、契約時に発行時期と内容を確認しておきましょう。

また、保証書は原本を大切に保管し、コピーも取っておくことをおすすめします。

施工写真付きの報告書も併せて保管しておくと、将来の補修時や保険申請時の証拠として役立ちます。

優良な施工会社ほど、保証書の内容が具体的で明確であり、発行を渋ることはありません。

2.材料メーカー保証と施工会社保証の違い

防水工事の保証には、「材料メーカー保証」と「施工会社保証」の2種類があり、それぞれ保証範囲が異なります。

項目材料メーカー保証施工会社保証
保証主体防水材を製造・販売するメーカー実際に工事を行った施工会社
保証対象防水材そのものの品質・不具合施工不良や施工方法に起因する不具合
主な内容材料の初期不良や規格不適合への対応施工ミスによる雨漏りや不具合の補修
保証範囲材料費が中心
(工事費は含まれないことが多い)
材料費・施工費を含むケースが多い
保証期間
(目安)
5〜10年程度5〜10年程度
(工事内容により異なる)
適用条件指定工法・認定施工店での施工が必要な場合が多い定期点検の実施や保証書の保管など
注意点施工不良は保証対象外となる会社の存続状況により保証が受けられない可能性がある

この違いを理解していないと、いざというときに「それは対象外です」と言われてしまう可能性があります。

材料メーカー保証は、使用した防水材料そのものの品質を保証するものです。

材料の欠陥や性能不足による不具合が対象となり、たとえば材料の剥離や早期劣化などが該当します。

一方、施工会社保証は、施工技術や工程の適切さを保証するものです。

施工ミス、下地処理不足、工程の誤りなどによる不具合が対象となります。

理想的なのは、この2つの保証がダブルで適用されることです。たとえば、シート防水の場合、シート材自体はメーカーが保証し、接着や施工品質は施工会社が保証するという形です。

不具合が発生した際、原因が材料にあるのか施工にあるのかを判断するのは専門知識が必要ですが、両方の保証があれば、どちらか一方が必ず対応してくれる安心感があります。

契約時には、メーカー保証と施工会社保証の両方が発行されるか、それぞれの保証範囲はどこまでかを明確に確認しておきましょう。

3.定期点検・メンテナンス条件

防水工事の保証を維持するためには、定期的な点検やメンテナンスが条件となっている場合があります。

この条件を怠ると、保証が無効になる可能性があるため注意が必要です。

一般的な防水工事では、年1回の定期点検が推奨されています。

点検内容は、防水層の状態確認、ひび割れや膨れの有無、ドレン周りの清掃、立ち上がり部分の接合状態などです。

また、ウレタン防水やFRP防水の場合、3〜5年ごとのトップコート塗り替えが保証維持の条件となることがあります。

重要なのは、これらのメンテナンスが無償なのか有償なのかという点です。

保証期間内であっても、定期点検が有償で義務付けられている場合、その費用負担を事前に把握しておく必要があります。

また、点検記録を書面で残し、保管しておくことも重要です。万が一トラブルが発生した際、適切にメンテナンスを行っていた証拠となります。

排水口の清掃や簡単な目視確認など、オーナー側でできる日常管理もあります。

これらを怠ると、保証対象外と判断されることがあるため、契約時に維持管理条件を明確にし、記録を残すようにしましょう。

4.保証延長制度の有無

長期的な安心を得るためには、保証期間終了後の対応も視野に入れておく必要があります。

一部の施工会社では、条件を満たすことで保証期間を延長できる制度を設けています。

典型的な保証延長制度は、10年保証終了時に有償メンテナンスを実施することで、さらに5年間保証を延長するというものです。

たとえば、トップコートの塗り替えや部分補修を行うことで、保証が15年まで延びるケースがあります。

延長費用の相場は、面積や工法によって異なりますが、全面改修に比べれば大幅に安価です。

保証延長制度のメリットは、単に保証期間が延びるだけでなく、定期的なメンテナンスにより防水層の寿命そのものを延ばせる点にあります。

また、長期的な関係を築くことで、急なトラブル時にも優先的に対応してもらいやすくなります。

契約時に保証延長制度の有無、延長条件、必要な費用の目安を確認しておきましょう。

10年後のことは想像しにくいかもしれませんが、建物を長く守るためには、こうした長期的な視点が重要です。

5.業者の信頼性とアフターサポート体制

どれだけ保証内容が充実していても、施工会社が倒産したり、連絡が取れなくなったりしては意味がありません。

業者の信頼性とアフターサポート体制は、保証を実効性のあるものにするための最重要ポイントです。

まず確認すべきは、施工実績と有資格者の在籍です。防水施工技能士などの国家資格保有者が在籍しているか過去の施工実績を写真付きで公開しているかをチェックしましょう。

公共工事や大型物件での経験がある会社は、技術力と信頼性が高い傾向にあります。

次に、保険加入状況も重要です。建設工事保険や賠償責任保険に加入している業者であれば、万が一の事故やトラブル時にも補償を受けられます。

また、アフターサポート体制として、緊急時の連絡先、24時間対応の有無、定期点検サービスの内容なども確認しておきましょう。

さらに、日本防水協会や日本防水材料協会などの業界団体に加盟しているかも判断材料になります。

これらの団体では独自の保証制度を設けており、万が一施工会社が倒産しても、他の会員会社が保証を引き継ぐ仕組みがあります。

複数の業者に相見積もりを取り、保証内容だけでなく、会社の信頼性や対応の誠実さを総合的に判断して選びましょう。

防水工事における保証ガイドラインと法律

防水工事の保証には、法律や業界団体が定めるガイドラインが関係しています。

これらの基礎知識を持つことで、適正な保証を受けられているかを判断できます。

住宅品質確保法(品確法)による10年保証

新築住宅における防水工事の保証は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)により法的に保護されています。

この法律は平成12年(2000年)4月に施行され、住宅の品質向上と消費者保護を目的としています。

品確法では、新築住宅を供給する事業者に対し、「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」について、引き渡しから10年間の瑕疵担保責任を義務付けています。

「雨水の浸入を防止する部分」には、屋根、外壁、開口部(窓やドア)、そして防水層が含まれます。

この10年保証は、単なる業界慣行ではなく、法律で定められた強制力のある義務です。

万が一、施工不良により雨漏りが発生した場合、事業者は無償で補修する責任を負います。

さらに、平成21年(2009年)10月からは「住宅瑕疵担保履行法」により、事業者は保険への加入または供託が義務付けられ、倒産時にも補償が受けられる仕組みが整いました。

ただし、品確法の対象は「新築住宅」に限られ、非住宅建築物や改修工事は対象外です。

また、10年保証はあくまで「瑕疵(欠陥)」に対するものであり、経年劣化や自然災害は対象外となる点に注意が必要です。

新築住宅を購入する際は、この法律に基づく保証書が確実に発行されるか確認しましょう。

日本防水材料協会(JWMA)の防水保証ガイドライン

日本防水材料協会(JWMA)は、防水材料製造業者の団体として、業界統一の「防水保証ガイドライン」を策定しています。

このガイドラインは、2015年に初版が発行され、2020年に改訂版が公開されました。

ガイドラインの骨子は以下の通りです。

防水材料製造業者は防水材料の品質保証を行い、防水工事業者は防水工事の施工保証を行うという明確な役割分担を示しています。

新築工事では、品確法に準じて原則10年保証、改修工事では原則2年保証(民間建設工事標準請負契約約款に基づく)とされていますが、材料・工法・施工業者の技術力により5〜10年の保証も可能としています。

このガイドラインの重要なポイントは、保証の法的根拠と責任範囲を明確化している点です。

材料メーカーと施工会社のどちらがどこまで責任を負うのか、保証対象となる不具合の種類、免責事項の定義などが具体的に示されており、トラブル時の判断基準となります。

また、ガイドラインでは保証書のひな形も提供されており、記載すべき項目や表現方法が標準化されています。

契約時に提示された保証書がこのガイドラインに準拠しているかを確認することで、適正な保証内容かどうかを判断できます。

JWMAのウェブサイトでガイドラインが公開されているため、防水工事を検討する際は一度目を通しておくことをおすすめします。

保証期間を延ばすための3つの方法

防水工事の保証期間をできるだけ長くすることで、長期的な安心と建物の資産価値維持につながります。

保証を延ばすための具体的な方法を3つご紹介します。

長期耐用の工法・材料を選ぶ

保証期間を延ばす最も確実な方法は、耐久性の高い工法と材料を選択することです。

初期費用は高くなりますが、長期的に見ればメンテナンスコストを抑えられ、トータルでお得になるケースが多くあります。

たとえば、ウレタン防水でも高性能ウレタン防水材を使用し、機械固定フッ素2回塗りという工法を選択すると、15年保証を提供する業者もあります。

シート防水では、塩ビシート(ポリフィン)を使用すると25年保証、Kプラスルーフガード30という特殊シートでは30年保証という驚異的な長期保証が可能です。

アスファルト防水でも、改質アスファルトを使用することで、従来の15〜20年保証をさらに延ばせる場合があります。

これらの高耐久材料は、紫外線や温度変化への耐性が強化されており、メンテナンスサイクルも延びるため、ライフサイクルコストで見れば優れた選択肢となります。

ただし、長期保証を謳う材料や工法を採用する際は、保証の「中身」を必ず確認してください。

年数だけでなく、免責事項や維持管理条件が厳しくないか、メーカー保証と施工会社保証の両方があるかをチェックしましょう。

日本防水協会の保証制度を活用する

一般社団法人日本防水協会は、会員企業による防水工事に対して独自の保証制度を提供しています。

この制度を活用することで、通常よりも長期で安心な保証を受けられます。

日本防水協会の保証制度は、5年から最長25年までの保証期間を設定しており、使用材料や施工方法、施工部位に応じて保証年数が決定されます。

この制度の大きな特徴は、会員会社が倒産した場合でも、協会に加盟する他の業者が保証を引き継ぐ仕組みがあることです。

また、所有物の損壊に対する給付金制度も整備されており、万が一の事故時にも補償が受けられます。

保証を受けるためには、着工前および完工後に協会による審査が行われ、一定の品質基準を満たす必要があります。

審査には保証料の支払いが必要ですが、その分、工事品質が厳格に管理されるため、信頼性の高い防水工事が期待できます。

ただし、すべての防水工事業者が日本防水協会に加盟しているわけではありません。

協会に加盟している業者かどうかは、協会のウェブサイトで確認できるため、見積もりを依頼する前にチェックしてみましょう。

独自の長期保証を持つ施工会社を選ぶ

一部の施工会社では、独自の長期保証制度や延長保証制度を設けています。

こうした会社は技術力と品質への自信があり、アフターサポート体制も充実していることが多いため、選択肢として検討する価値があります。

独自保証の例として、下記のようなものがあります。

  • 15年保証制度
  • 10年保証+有償メンテナンスによる5年延長保証
  • 段階的保証制度(最初の5年は全面保証、次の5年は部分保証など)
  • 総合保証制度(材料・施工・定期点検を含めたパッケージ保証)

こうした独自保証を提供する会社は、使用材料の厳選、施工体制の整備、定期点検サービスの充実など、長期保証を実現するための体制を整えています。

ただし、独自保証の内容は会社によって大きく異なるため、契約前に以下の点を必ず確認してください。

保証内容が具体的に文書化されているか、免責事項が適正な範囲か、会社の経営状況や実績は十分か、第三者保証(メーカー保証や協会保証)も併用されているか、などです。

「自社独自の20年保証」という言葉だけに惹かれず、その実効性と会社の信頼性を総合的に判断することが重要です。

保証期間終了後のメンテナンスとリスク

保証期間が終了したからといって、すぐに防水工事をやり直す必要はありません。

しかし、無保証の状態では不具合が発生した際にすべて自己負担となるため、適切な対応が必要です。

保証切れ後の修繕費用の目安

保証期間終了後に不具合が発生した場合、修繕費用は全額自己負担となります。

費用の目安を把握しておくことで、将来的な資金計画を立てやすくなります。

以下は、工法別の修繕費用の相場です。

防水工事の種類費用相場(㎡あたり)
ウレタン防水の再施工約4,500〜7,500円
シート防水の張り替え約6,000〜10,000円
アスファルト防水の補修約7,000〜12,000円
FRP防水の再施工約5,000〜9,000円

これらは全面改修の場合の費用であり、部分補修であれば費用を抑えられます。

たとえば、軽微なひび割れの補修であれば数万円、ドレン周りの部分補修であれば10〜20万円程度で済むこともあります。

重要なのは、不具合を早期に発見し、小規模なうちに対処することです。

放置すると被害が拡大し、最終的には全面改修が必要になり、数百万円の費用がかかる可能性もあります。

保証期間終了後も、元の施工会社に相談すればリピーター割引や優先対応をしてもらえるケースもあるため、良好な関係を維持しておくことをおすすめします。

工法別|定期点検と再施工のタイミング

保証期間の有無にかかわらず、防水層の性能を維持するためには定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。

工法別の推奨点検頻度と再施工の目安は以下の通りです。

防水工法点検の目安トップコート塗り替え再施工の目安
ウレタン防水3年に1回4〜5年ごと10〜12年程度
シート防水5年に1回不要12〜15年程度
アスファルト防水5年に1回不要20年程度
FRP防水3〜5年に1回5〜7年ごと10〜13年程度

点検では、防水層の表面状態、ひび割れや膨れの有無、ドレン周りの詰まり、立ち上がり部分の接合状態、防水層の厚みなどを確認します。

専門業者による点検が理想ですが、目視で確認できる異常(水たまり、変色、明らかな損傷など)があれば、すぐに業者に相談しましょう。

再施工のタイミングは、耐用年数だけでなく建物の状態や使用環境によって変わります。

海沿いの建物や屋上に設備が多い建物は劣化が早い傾向にあるため、より頻繁な点検と早めの再施工が推奨されます。

メンテナンス計画を立て、大規模な雨漏りトラブルを未然に防ぐことが、長期的な建物保全の鍵となります。

防水工事保証書のテンプレートと確認方法

保証書は防水工事の品質を担保する重要な書類です。

どのような内容が記載されているべきか、優良業者の保証書の特徴を理解しておきましょう。

保証書に必ず記載されているべき項目

信頼できる保証書には、以下の項目が明確に記載されています。

これらが不足している場合、保証の実効性が疑わしいため、契約前に確認と修正を求めましょう。

工事概要として、施工箇所(屋上、ベランダなど具体的な場所)、施工面積、使用した防水工法、使用材料の商品名とメーカー名が記載されている必要があります。

保証期間については、保証開始日(通常は引き渡し日)と保証終了日が明記されているべきです。

保証内容では、保証対象となる不具合(漏水、剥離、膨れなど)が具体的に列挙され、保証対象外となるケース(免責事項)も明確に記載されていることが重要です。

維持管理条件として、定期点検の頻度と方法、必要なメンテナンス内容(トップコート塗り替えなど)、維持管理を怠った場合の扱いが示されているべきです。

さらに、施工会社の情報として、会社名、所在地、連絡先、代表者名と捺印が必要です。材料メーカーの保証がある場合は、その内容と保証期間も併記されているべきです。

保証書は、工事完了後速やかに発行されるのが原則です。

引き渡し時に必ず受け取り、内容を確認してから受領印を押すようにしましょう。

優良業者が発行する保証書の特徴

信頼できる施工会社が発行する保証書には、標準的な項目に加えて、以下のような特徴が見られます。

まず、内容が具体的で明確であることです。曖昧な表現や専門用語だけでなく、一般の建物所有者でも理解できる平易な言葉で説明されています。

たとえば「瑕疵」ではなく「施工不良や材料不良」、「経年劣化」の具体例として「紫外線による色あせ」など、わかりやすい表現が使われています。

次に、施工写真付きの報告書が添付されていることです。

施工前、施工中、施工後の写真が時系列で整理され、どのような状態からどのように施工されたかが視覚的に確認できます。

これは将来の補修時や保険申請時に非常に有効な資料となります。

さらに、メーカー保証との併記があり、材料メーカーの保証書のコピーや保証内容が一緒に提示されます。

これにより、材料と施工の両面から保証されていることが明確になります。

加えて、定期点検サービスの案内緊急連絡先が記載されており、保証期間中のサポート体制が明示されています。

保証書の書式が統一され、発行者の社印や担当者名が明記されている会社は、組織として保証制度をしっかり管理している証拠です。

保証書を受け取ったら、不明点はその場で質問し、納得してから正式に受領しましょう。

防水工事の保証に関するよくある質問

防水工事の保証について、多くの方が共通して抱く疑問にお答えします。

Q

10年保証とあれば安心できますか?

A

いいえ、年数だけでは判断できません。10年保証という言葉は魅力的ですが、重要なのは「何を」「どこまで」保証するのかという内容です。

保証対象が漏水のみで、防水層の剥離や膨れが含まれていない場合や、免責事項が広範囲で実質的にほとんどカバーされないケースもあります。

保証書の内容を詳細に確認し、保証対象と対象外が明確に記載されているか、免責事項が適正な範囲かをチェックしましょう。

また、施工会社とメーカーの両方から保証書が発行されるかも重要なポイントです。

Q

自然災害による破損も保証されますか?

A

基本的には保証対象外です。地震、台風、豪雨、落雷、火山噴火などの自然災害による防水層の破損は、施工会社や材料メーカーの責任範囲を超えるため、保証適用外となるのが一般的です。

ただし、こうした損害は火災保険や地震保険でカバーされる可能性があります。

建物の保険内容を確認し、必要に応じて補償範囲を見直すことをおすすめします。

保険適用を受ける際には、防水工事の施工写真や保証書が証拠書類として役立つため、大切に保管しておきましょう。

Q

保証書を紛失した場合はどうすればいいですか?

A

まず、施工会社に連絡し、保証書の再発行を依頼しましょう。

優良な業者であれば、施工記録を保管しているため、再発行に応じてくれます。

再発行できない場合は、少なくとも保証内容を記載した書面を改めて発行してもらうよう依頼してください。

施工時の契約書、見積書、請求書なども保証内容を証明する資料となりますので、これらも併せて保管しておくことが重要です。

保証書はスキャンしてデジタル保存しておくと、紛失リスクを軽減できます。

Q

他社が補修した場合、保証は無効になりますか?

A

はい、多くの場合、保証は無効になります。保証期間内であっても、元の施工会社以外が防水層に手を加えた場合、保証が無効となる条項が含まれているのが一般的です。

これは、他社の工事によって不具合が発生しても、元の施工会社がその責任を負えないためです。

修繕や追加工事が必要になった場合は、必ず元の施工会社に相談し、対応を依頼するようにしましょう。

やむを得ず他社に依頼する場合は、事前に元の施工会社に連絡し、保証への影響を確認してから進めることをおすすめします。

Q

保証期間の延長は可能ですか?

A

一部の施工会社では可能です。保証期間終了前に有償の点検やメンテナンスを実施することで、保証を延長できる制度を設けている業者があります。

たとえば、10年保証の終了時にトップコートの塗り替えや部分補修を行うことで、さらに5年間保証を延長するといった形です。

延長保証の条件や費用は会社によって異なるため、契約時に延長制度の有無を確認しておくと良いでしょう。

定期的なメンテナンスにより防水層の寿命も延びるため、長期的に見れば費用対効果の高い選択となります。

Q

アフターサポートと保証の違いは何ですか?

A

保証とアフターサポートは異なる概念です。

保証は、施工不良や材料不良に起因する不具合に対して、保証期間内に無償で補修や再施工を行う制度です。

一方、アフターサポートは、保証対象外も含めた総合的なサポートサービスを指します。

具体的には、定期点検サービス、軽微な修繕の有償対応、経年劣化へのアドバイス、メンテナンス時期の案内、緊急時の相談対応などが含まれます。

優良な業者ほど、保証制度だけでなく、アフターサポート体制も充実しています。

契約時には両方の内容を確認し、長期的に安心して付き合える業者を選びましょう。

まとめ

防水工事の保証期間は、建物を長く安全に保つための重要な要素です。

単に「何年保証」という数字だけでなく、保証の中身を正しく理解することが、安心できる防水工事を実現する鍵となります。

ポイント
  • 保証期間は工法によって5〜20年と幅がある
  • 保証期間とは、施工会社が無償対応する期間を指す
  • 耐用年数とは、防水層そのものが性能を維持できる期間のことを指す
  • 新築工事では、品確法により10年保証が義務付けられている
  • 保証対象は、漏水、剥離、膨れなど施工不良・材料不良による不具合
  • 自然災害や経年劣化は、保証の対象外になる
  • 材料メーカーの保証書と施工会社の保証書の両方があることが理想
  • 定期点検やメンテナンスを怠ると保証が無効になる可能性がある

防水工事は決して安い買い物ではありません。だからこそ、工事の品質だけでなく、その後の保証体制やアフターサポートまで含めて総合的に判断することが大切です。

見積もりの金額や保証年数だけに目を向けるのではなく、保証書の中身、免責事項の範囲、業者の信頼性、長期的なサポート体制をしっかり確認しましょう。

株式会社新東亜工業では、防水工事の施工から保証、アフターサポートまで一貫して対応しています。

お客様の建物の状態や予算に合わせた最適な防水プランをご提案し、長期的に安心していただける保証体制を整えております。

防水工事の保証について不安や疑問がある方、これから防水工事を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

経験豊富なスタッフが、丁寧にご説明し、最適なご提案をさせていただきます。