一般建築塗装・外装・内装・吹付・防水・コーキング工事は一括で行うべき?費用相場と失敗しない業者選びも紹介

建物の維持管理では、外装塗装や内装塗装といった一般建築塗装だけでなく、吹付仕上げや防水工事、さらに外壁目地を守るコーキング工事など、多くの専門的な工事が関わります。
これらは建物の美観を保つだけでなく、雨漏り防止や構造体の劣化対策として欠かせない役割を担っています。

しかし、それぞれを別々の業者に依頼すると、工期が重なって無駄が発生したり、塗装や防水の工程が十分に連携されず、施工品質に差が生じる可能性もあります。
そのため、外装・内装・吹付・防水・コーキング工事を一括で扱える会社へ依頼することは、費用面でも品質面でも大きなメリットがあります。

この記事では、一般建築に必要な塗装工事の内容や特徴、費用相場、工事の進め方、そして良い業者の選び方をわかりやすく解説します。

建物の状態に合った最適な工事を検討する際の参考にしてください。

目次

一般建築塗装とは?外装・内装・吹付・防水・コーキングを総合管理するメリット

一般建築塗装とは、建物の外壁や屋根、鉄部、さらに内装までを保護し、長期的な美観と耐久性を維持するために行う総合的な塗装工事のことです。

一般住宅はもちろん、マンションやビル、商業施設など幅広い建築物に対応します。塗装は単に色を塗り替えるだけの工事ではなく、建物の寿命・性能・安全性に直結する重要なメンテナンスです。

一般建築塗装の重要性
  • 建物を劣化から守るため
  • 雨漏りを未然に防ぐため
  • 外観の美観を維持するため
  • 建物の寿命を延ばすため
  • 資産価値を保つため

現場では外装塗装だけでなく、塗装内の仕上げ、吹付工法による意匠性向上、防水工事による雨漏り対策、外壁目地のコーキング(シーリング)補修など、複数の工程が連動しています。

外壁塗装では下地補修やシーリング補強が不可欠で、屋上やバルコニーには防水層の維持が求められます。さらに、吹付仕上げは建物の質感を大きく左右し、内装塗装は住宅や店舗の雰囲気づくりにおいて重要です。

一般建築塗装を内装・吹付・防水・コーキングと一緒に行うメリット

一般建築塗装は外装の仕上げだけでなく、内装塗装・吹付仕上げ・防水工事・コーキング工事と密接に関係しています。
これらを別々に実施すると工期が長くなり、足場費用や管理コストも重複しがちです。

一方、一括で工事を進めれば、工程を効率化でき、費用削減や品質の統一、長期的な耐久性向上につながります。ここでは、一括施工が建物に与えるメリットをわかりやすく解説します。

  • 足場を共有できるため、工事費用が大きく下がる
    外装塗装、防水、コーキング工事のいずれも足場を必要とするため、まとめて工事すれば足場設置が1回で済みます。
  • 劣化箇所を総合的に改善でき、建物全体の耐久性が上がる
    防水工事と組み合わせることで、建物の防水ラインを総合的に強化できます。
  • 工期が短縮され、居住者や利用者の負担が小さくなる
    工事を分けると工期が何度も発生し、生活のストレスが増えます。一括施工なら工程が連動するため、工期全体が短くなります。
  • 塗装・防水・コーキングの品質が均一に保たれる
    異なる業者でバラバラに行うと品質の差が出ますが、同じ建築塗装会社が全体を管理することで仕上がりが均一になります。
  • 美観・耐久性・防水性の“総合バランス”が最適化される
    一括で計画すれば、建物全体のコンディションが長期的に安定します。

一般建築塗装の内容|外壁塗装・内装塗装・吹付・防水・コーキング工事の特徴

建物の維持管理に欠かせない「外壁」「内装」「吹付」「防水」「コーキング」は、それぞれ役割も専門性も異なります。工事の性質を理解しておくと、見積りの妥当性判断や業者選びが格段にしやすくなります。

ここでは、代表的な5つの工種について、特徴・使用素材・施工のポイントを詳しく説明します。

一般建築塗装の内容|外壁塗装(シリコン・ラジカル・フッ素・無機塗料など)

外壁塗装は建物を守る最も基本的な工事で、紫外線・雨・風から躯体を保護します。

塗料には耐久性の違いがあり、シリコン塗料はコストと耐久性のバランスが良く、ラジカル塗料はチョーキングを抑制し耐候性に優れます。

フッ素塗料や無機塗料は耐久年数が長く、15〜20年ほど持つものもあります。外壁の素材や現在の劣化状況に合わせて塗料を選ぶことが重要です。

一般建築塗装の内容|内装塗装(壁・天井の塗り替え、意匠仕上げ)

内装塗装はクロス貼り替えに比べてデザイン自由度が高く、質感や仕上がりにこだわりたい空間に向いています。

飲食店・クリニック・オフィスなど、施設の雰囲気を左右するため、カラーリング計画や塗料の安全性(F☆☆☆☆など)も重要です。

また、塗装は部分補修がしやすく、原状回復が必要な賃貸物件でもメリットがあります。

一般建築塗装の内容|吹付塗装(リシン・スタッコ・吹付タイル)

吹付工事は、模様・質感を演出する工法で、リシンの細かな凹凸、スタッコの深みのある模様、吹付タイルの重厚感など、建物の印象を大きく変えることができます。

塗膜が厚く耐久性を確保できる点も魅力です。ただし施工には高度な技術が必要で、仕上がりの品質は職人の習熟度に左右されやすいという特徴があります。

一般建築塗装の内容|防水工事(ウレタン・FRP・シート防水)

屋上やバルコニーに欠かせない防水工事には種類があり、ウレタン防水は複雑な形状にも対応できる柔軟性が特徴です。FRP防水は強度が高く、ベランダなど狭い範囲に向いています。

シート防水は安定した性能と耐久性があり、大面積の屋上に多く採用されます。防水層の劣化は雨漏りに直結するため、外壁塗装と同時に行うと建物の保護力が大幅に高まります。

一般建築塗装の内容|コーキング工事(打ち替え・打ち増し)

コーキングは外壁材同士の目地やサッシ周りに施工され、建物の防水性・気密性を保つ重要な工事です。経年で硬化し、ひび割れや剥離が発生すると雨水侵入の原因になります。

外壁塗装と同時にコーキング打ち替えを行うことで、防水の性能が最大限に発揮され、外壁塗膜の耐久性も向上します。

一般建築塗装の費用相場|外壁・内装・吹付・防水・コーキングの㎡単価と総額

複数工事をまとめて依頼する際、最も気になるのが費用相場です。

ここでは各工種ごとの一般的な単価、総額の目安を表でわかりやすくまとめます。建物の大きさ、劣化状況、施工範囲によって変動しますが、見積り比較の基準として活用できます。

工事別の費用相場一覧(㎡単価)

工事名㎡単価の目安特徴
外壁塗装約2,000〜4,500円塗料グレードにより変動(シリコン・フッ素・無機など)
内装塗装約1,500〜3,000円店舗・住宅の面積により幅が広い
吹付工事約2,500〜5,000円模様・パターン・工程数で変動
防水工事(ウレタン)約3,500〜6,500円複雑な形状にも対応、仕上がり均一
防水工事(シート)約4,000〜7,000円屋上で多い、耐久性高め
コーキング工事約700〜1,200円(m単価)外壁目地の打ち替えが中心

総額の目安(30坪〜40坪の一般住宅・小規模建物)

一般的な住宅規模(30〜40坪)で工事を行う場合のおおよその総額イメージを、比較しやすいように表でまとめました。

建物の劣化状況や施工範囲によって金額は変動するため、見積り比較の基準として活用してください。

工事名価格帯(目安)備考
外壁塗装約60万〜120万円塗料グレード・下地補修量により変動
内装塗装約10万〜60万円部屋数・仕様・店舗改装で単価差あり
吹付工事約30万〜90万円模様・パターン・工程数で価格が変わる
防水工事約20万〜100万円ウレタン・FRP・シート工法で大きな差
コーキング工事約10万〜25万円外壁目地の劣化状態・打ち替え範囲で変動
費用を左右するポイント
  • 足場費用の有無(外壁や防水を同時に行うと割安に)
  • 下地補修の量(ひび割れ・塗膜剥離など)
  • 塗料・防水材のグレード
  • 建物の高さ・複雑な構造かどうか
  • 排水・防水性能の劣化状況

複数工種をまとめて発注すると、総額が10〜20%抑えられるケースが多く、外壁・防水・コーキングを一括で行うのが最も費用対効果が高いと言えます。

工事の流れ|見積もり取得から完工まで

一般建築塗装・防水・吹付・コーキング工事を一括で依頼する場合、工事の流れを正しく把握しておくことは非常に重要です。

流れを理解していれば、見積書の内容が適正かどうか判断しやすく、工事中のトラブルも未然に防げます。

ここでは、現地調査から完了検査までの一連の手順をわかりやすく解説します。

  1. STEP

    現地調査(建物状況の確認)

    工事の第一歩は、建物の状態を正確に把握するための現地調査です。

    外壁のひび割れ、塗膜の剥離、チョーキング、コーキングの破断、防水層の劣化、排水状況など、多角的にチェックします。

    また、建物の大きさや高さ、周辺環境、足場の設置可否など、施工条件も重要な判断材料となります。

    丁寧な現地調査を行う業者ほど、後々の追加費用発生や施工不良リスクが少なく、信頼度が高いといえます。

  2. STEP

    見積書の作成・比較(工法・材料・工程の確認)

    現地調査にもとづき、塗料の種類、防水工法、コーキングの施工方法(打ち替え・打ち増し)、下地補修内容などを盛り込んだ見積書が作成されます。見積書では、以下の点を必ず確認しましょう。

    • 材料名やメーカーが明記されているか
    • 工程数が適切か(下塗り・中塗り・上塗り)
    • 下地補修費が妥当か
    • コーキングが打ち替えになっているか(増し打ちは推奨されない)
    • 防水工事の工法が建物に適しているか

    複数社で比較することで、費用感だけでなく、説明の丁寧さや技術力も判断できます。

  3. STEP

    契約・施工開始(足場設置〜各工程へ)

    契約後は足場を組み立て、飛散防止ネットを張り、安全性を確保します。

    外壁塗装・吹付・防水・コーキングを一括で依頼する場合、工程は効率的に進行し、以下のような流れになることが多いです。

    • 足場設置
    • 高圧洗浄(外壁・付帯部・屋上など)
    • 下地補修(ひび割れ・欠損)
    • コーキング工事(打ち替え・打ち増し)
    • 外壁塗装(下塗り〜仕上げ塗り)
    • 吹付工事(必要な場合)
    • 防水工事(ウレタン・FRP・シートなど)

    工程管理を一社で担うため作業がスムーズに進み、仕上がり品質の統一も期待できます。

  4. STEP

    完了検査・引き渡し(保証書の発行)

    すべての工事が完了したら、施工箇所の仕上がり、塗膜の厚み、施工漏れの有無、排水経路の確認などを総合的にチェックします。

    必要に応じて手直しを行い、問題がなければ施主立ち会いのもと引き渡しとなります。優良業者であれば、外壁塗装で5〜10年、防水工事で5〜12年程度の保証書を発行してくれます。

    保証書は後々の雨漏りトラブル時の大きな安心材料になります。

一般建築塗装会社を見極めるポイント|業者選びで失敗しないために

複数の工事をまとめて依頼する場合、業者選びによって仕上がり・費用・工期が大きく変わります。特に総合力が求められる外壁塗装・防水・コーキングの一括施工は、業者の技術力と管理体制が結果に直結します。

ここでは、優良業者を見極めるための重要ポイントを解説します。

一般建築塗装会社の選び方1.施工実績・専門資格の確認

総合塗装業者を選ぶ際に最も重要なのが施工実績です。年間施工件数だけでなく、外壁・防水・コーキングを同時に行った物件の実績があるかは大きな判断材料となります。

また、以下の資格保有者が在籍している業者は信頼性が高いといえます。

  • 1級塗装技能士・2級塗装技能士
  • 防水施工技能士
  • 雨漏り診断士
  • 建築施工管理技士

資格は技術力の裏付けになるため、事前に確認しておきましょう。

一般建築塗装会社の選び方2.工法説明の丁寧さ・提案力の有無

優良業者は、建物に合った塗料選びや工法選択の理由を明確に説明してくれます。

逆に「とりあえずシリコン塗料」「この工法が安いから」などの曖昧な説明しかできない業者は注意すべきです。現地調査で建物の劣化を細かくチェックし、写真付きで提案書を作成してくれる業者は特に信頼できます。

一般建築塗装会社の選び方3.見積書の透明性(材料・工程が明記されているか)

見積書は業者の誠実さが表れやすい部分です。材料名・メーカー・工程数・下地補修の内容が明記されているかを必ず確認しましょう。

「一式」という表記が多すぎる見積書は要注意です。透明性のある見積書は、後から追加費用が発生するリスクを抑えてくれます。

一般建築塗装会社の選び方4.保証内容(5〜10年の目安)

保証書の有無と保証期間は、大切な比較ポイントです。

外壁塗装は5〜10年、防水工事は5〜12年が一般的。保証内容の範囲も業者によって異なるため、「どこまで保証されるのか」「雨漏り時の対応はどうなるのか」を事前に確認しましょう。

一般建築塗装・防水・吹付・コーキング工事に関するよくある質問(FAQ)

外壁塗装や防水工事、コーキング工事などをまとめて依頼する際には、多くの方が同じような疑問を抱きます。

ここでは、実際に相談されることが多い質問を取り上げ、専門家の視点からわかりやすく回答します。工事前の不安解消にぜひ役立ててください。

Q

複数の工事をまとめて依頼すると本当に安くなりますか?

A

はい、外壁塗装・防水工事・コーキング工事を同時に行うことで、足場の設置が一度で済むため、総額が10〜20%ほど抑えられることがあります。

工事を分けると足場代が二重に発生し、工程管理も複雑になります。一括依頼は工期短縮・品質統一にもつながるため、もっとも効率的な選択です。

Q

外壁塗装とコーキング工事は必ず同時に行うべきですか?

A

外壁とコーキングは密接に関係しており、片方だけを施工しても耐久性が十分に発揮されない場合があります。

特にサイディング外壁の場合、目地コーキングが劣化していると雨水が侵入しやすく、外壁材の膨れや劣化につながります。そのため、基本的には同時施工が推奨されます。

Q

吹付工事は今も使われていますか?古い工法ですか?

A

吹付工事は今でも多くの建物で採用されています。リシンやスタッコだけでなく、近年は意匠性が高く耐久性に優れた吹付タイル仕上げも広く普及しています。

施工には高度な技術が必要ですが、模様の深みや独特の質感を求める建物では根強い需要があります。

Q

防水工事は何年ごとに行えばいいですか?

A

防水工事の寿命は工法によって異なります。ウレタン防水は10〜12年前後、シート防水は12〜15年程度が目安とされています。

ただし、建物の環境(直射日光・排水状況・屋上使用状況)によって劣化が早くなる場合もあるため、5〜6年に一度は点検を行うことをおすすめします。

Q

見積りが安すぎる場合、どんなリスクがありますか?

A

単価が極端に安い場合、下地補修を省略していたり、塗料の希釈率を守らないといった不正施工が発生することがあります。

また、工程数が不足しているケースも多く、耐久性不良につながります。「単価の安さ」だけで判断せず、見積書の内容や説明の丁寧さを確認することが重要です。

一般建築塗装・内外装・吹付・防水・コーキング工事は“一括依頼”が効率的|まとめ

外壁塗装・内装塗装・吹付・防水・コーキング工事は、建物の保護と美観維持に欠かせない工事です。

これらを複数業者へ個別に依頼すると、足場費用が重複し、工程管理が複雑になり、仕上がり品質の統一も難しくなります。

一方、一括で依頼できる総合塗装業者に任せれば、費用・工期・品質管理のすべてにおいて大きなメリットが得られます。

この記事のポイントは以下のとおりです。

  • 外壁、内装、吹付、防水、コーキングは同時施工が効率的
  • 足場費用が一度で済み、総額が10〜20%下がる場合が多い
  • 施工品質の統一と工期の短縮が期待できる
  • 見積書の透明性・技術者の資格・実績が業者選びの重要ポイント
  • 防水・外壁・コーキングは建物の耐久性に直結するため必ず点検を

総合塗装会社を正しく選べば、建物の寿命を延ばし、長期的な維持費も大幅に軽減できます。

複数の工事を検討している方は、まずは一括対応できる業者へ相談し、自分の建物に最適な提案を受けることをおすすめします。