防水塗装とは?種類や修繕費用から防水工事との違いを解説|工事相場・単価・値段・価格をご紹介

「ベランダの床が色褪せてきた」「外壁のひび割れが気になる」「雨漏りが心配」このような悩みを抱えていませんか?

建物を長持ちさせるためには、適切な防水塗装が欠かせません。

しかし、防水塗装にはさまざまな種類があり、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いでしょう。

この記事では、防水工事の専門業者である株式会社新東亜工業の知見をもとに、防水塗装の種類から費用相場、施工方法、DIYの注意点まで徹底的に解説します。

外壁・ベランダ・屋上など、場所に応じた最適な防水塗装の選び方がわかります。

私たちは東京都内を中心に、マンションやビルの大規模修繕、防水工事を数多く手がけてきました。

現場で培った経験をもとに、お客様の建物を守るために本当に必要な情報をお届けします。

目次

防水塗装とは?建物を守る修繕工事

防水塗装は、建物を雨水や湿気から守り、劣化を防ぐために施される特殊な塗装です。

通常の塗装とは異なり、高い防水性能と伸縮性を持つため、建物の耐久性を大きく左右します。

防水工事と塗装工事の違い

防水工事と塗装工事の違いとはなんなのでしょうか?

一般的な塗装は主に美観の向上や色の変更を目的としていますが、防水塗装は防水性能の確保が最優先です。

最大の違いは「弾性」にあります。防水塗料はゴムのように伸び縮みする性質を持ち、外壁の微細な動きやひび割れに追従して水の侵入を防ぎます。

項目防水工事塗装工事
主な目的防水性能の確保・ひび割れ追従美観向上・色の変更
弾性高い(伸縮する)低い(硬化しやすい)
塗膜の厚み厚い薄い
耐久性高い中程度
施工費用やや高め比較的安価

このように、防水塗装は単なる塗り替えではなく、建物を守るための機能性を重視した塗装です。

防水塗装を放置するリスク

防水塗装の劣化を放置すると、建物に深刻な被害をもたらす可能性があります。

初期段階では表面の色褪せや小さなひび割れ程度ですが、進行すると雨水が内部に浸透し、柱や梁の腐食、シロアリ被害、室内への雨漏りなどを引き起こします。

特に木造住宅では構造材の腐朽が進むと、大規模な補修工事が必要となり、修繕費用が数百万円に膨らむケースもあります。

また、カビの発生により健康被害のリスクも高まります。

早期に防水塗装のメンテナンスを行うことで、これらの深刻な問題を防ぎ、長期的なコスト削減にもつながります。

防水塗装工事と防水工事の違い

「防水塗装工事」と「防水工事」は似た言葉ですが、実は目的も施工内容も大きく異なります。

この違いを理解しないまま工事を依頼すると、期待した効果が得られないこともあります。

ここでは、両者の違いを明確に解説します。

防水塗装工事とは?

防水塗装工事は、主に外壁やコンクリート面に弾性のある塗料を塗布して、防水性能を高める工事です。

塗料が建材表面に塗膜を形成し、微細なひび割れに追従しながら雨水の浸入を防ぎます。

施工箇所は外壁が中心で、美観の向上と同時に防水性能を付与することが目的です。

使用する塗料はアクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系などの弾性塗料が一般的で、塗膜の厚さは比較的薄く、既存の外壁材を保護する役割を担います。

工期は比較的短く、費用も防水工事に比べて抑えられる傾向にあります。

防水工事とは?

防水工事は、ベランダや屋上、バルコニーなど水平面に防水層を新たに形成する本格的な工事です。

ウレタン防水、FRP防水、シート防水、アスファルト防水など、専門的な工法により厚みのある防水層を作り上げます。

目的は漏水の完全な防止であり、建物の構造を守る重要な役割を果たします。防水層の上にはトップコートを塗布し、紫外線や摩耗から防水層を保護します。

施工箇所はベランダ、屋上、バルコニー、屋根など、雨水が溜まりやすい場所が中心です。

工期は防水塗装工事より長く、費用も高額になりますが、耐久性と防水性能は格段に高くなります。

両者の目的と施工内容の違い

防水塗装工事と防水工事の違いを、わかりやすく表にまとめました。

項目防水塗装工事防水工事
主な目的外壁の防水性向上・美観維持漏水の完全防止
主な施工箇所外壁・コンクリート面ベランダ・屋上・バルコニー
施工方法弾性塗料の塗布防水層の形成(ウレタン・FRP等)
塗膜の厚さ薄い(0.1〜0.5mm程度)厚い(2〜5mm程度)
工期短い(数日〜1週間)やや長い(1週間〜2週間)
費用相場比較的安価やや高額
耐用年数8〜15年10〜20年

このように、防水塗装工事は外壁の保護が中心で、防水工事は床面の本格的な防水が目的です。

どちらを選ぶべきか?判断基準

外壁のひび割れや色褪せが気になる場合は防水塗装工事が適しています。

一方、ベランダや屋上から雨漏りしている、または防水層の劣化が進んでいる場合は防水工事が必要です。

判断に迷う場合は、専門業者に現地調査を依頼することをおすすめします。

私たち新東亜工業では、建物の状態を詳しく診断し、最適な工事方法をご提案しています。

無料で現地調査を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

早期の適切な対応が、建物の寿命を延ばし、将来的な修繕コストを抑える鍵となります。

防水塗装の種類|場所別の分類と特徴

防水塗装は施工する場所によって大きく「外壁用」と「床用」に分類されます。

それぞれ求められる性能が異なるため、適切な種類を選ぶことが重要です。

ここでは各種類の特徴を詳しく解説します。

外壁用の防水塗装(弾性塗料)

外壁用の防水塗装は「弾性塗料」と呼ばれ、主成分となる合成樹脂の種類によって性能が異なります。

塗料の種類特徴耐用年数費用感
アクリル系弾性塗料価格が手頃で扱いやすい5〜8年安い
ウレタン系弾性塗料密着性と弾性のバランスが良い8〜10年やや安い〜中程度
シリコン系弾性塗料普及率が高く、汚れにくい10〜12年中程度
フッ素系弾性塗料最高グレード、長寿命15〜20年高い

どの塗料を選ぶかは予算と建物の状態、メンテナンス計画によって判断します。

床用の防水塗装(ベランダ・屋上)

床用の防水塗装は、ベランダや屋上に防水層を形成する本格的な工法です。

主な種類として以下の4つがあります。

防水工法特徴耐用年数費用相場(1㎡)主な用途
ウレタン防水・液状ウレタンを塗り重ねる
・複雑な形状に対応
・改修向き・弾性高い
10〜15年4,000〜7,000円・改修工事全般
・屋上・バルコニー
FRP防水・ガラス繊維+樹脂で強固な防水層
・軽量・硬化が早い
10〜12年6,000〜9,000円・戸建てベランダ
・屋上の一部
シート防水・塩ビ / ゴムシートを貼付
・品質安定・広面積向き
10〜15年4,500〜8,000円・マンション・ビル屋上
・防水改修
アスファルト防水・多層積層で耐久性が高い
・重量あり・大型建物向き
15〜30年8,000〜10,000円・大規模建物
・公共施設屋上

防水塗装の種類を選ぶ基準

防水塗装の種類を選ぶ際は、以下のポイントを考慮してください。

  • 施工箇所:外壁なら弾性塗料、ベランダや屋上なら防水工事が基本
  • 建物の状態:劣化が進んでいる場合は本格的な防水工事が必要
  • 予算:初期費用だけでなく、耐用年数を考慮した長期コストで判断
  • メンテナンス計画:何年ごとに塗り替えを行うかを計画
  • 使用環境:歩行頻度や日当たりなどの環境要因も考慮

迷った場合は、専門業者に現地調査を依頼し、建物の状態に合った最適な工法を提案してもらうことをおすすめします。

私たち新東亜工業では、お客様の建物を詳しく診断し、最もコストパフォーマンスの高い方法をご提案しています。

防水塗装工事の価格・修繕費相場|箇所別・工法別の値段・単価一覧

防水塗装の費用は施工箇所や工法、建物の広さによって大きく変動します。

適正価格を知ることで、見積もりの妥当性を判断でき、無駄なコストを抑えることができます。

ここでは、箇所別の費用相場を詳しく解説します。

外壁の防水塗装費用

塗料の種類費用目安耐用年数特徴
アクリル系弾性塗料80〜100万円5〜8年価格が安く扱いやすいが耐久性は短め
ウレタン系弾性塗料90〜110万円8〜10年弾性と密着性のバランスが良い
シリコン系弾性塗料100〜130万円10〜12年人気で汚れにくくコスパが良い
フッ素系弾性塗料120〜160万円15〜20年最高グレードで長寿命だが費用は高め
※30坪・外壁120㎡想定

外壁の防水塗装は、使用する塗料の種類によって費用が大きく変動します。

一般的な30坪の戸建て住宅(外壁面積約120㎡)を例にすると、アクリル系は80〜100万円、ウレタン系は90〜110万円、シリコン系は100〜130万円、フッ素系は120〜160万円が相場です。

これらの費用には 足場代・下地処理・塗装費・諸経費 が含まれています。

特に足場代は 15〜25万円 程度かかるため、外壁塗装と防水工事を同時に行うことで 足場費を節約し工期を短縮できる メリットがあります。

塗料のグレードが高いほど初期費用は上がりますが、耐用年数が長く 長期的にはコストパフォーマンスが優れる場合が多い です。

ベランダ・バルコニーの防水塗装費用

ベランダやバルコニーの防水工事は、工法によって費用相場が異なります。

一般的な10㎡のベランダを想定した場合の費用目安をまとめました。

工法1㎡あたりの単価10㎡の総額目安耐用年数
ウレタン防水4,000〜7,000円8〜12万円10〜15年
FRP防水6,000〜9,000円10〜15万円10〜12年
シート防水4,500〜8,000円9〜13万円10〜15年

費用にはトップコート塗布、下地処理、既存防水層の撤去(必要な場合)が含まれます。

劣化状況によっては追加の補修費用が発生することもあります。

屋上の防水塗装費用

マンションやビルの屋上防水は面積が広いため、費用も高額になります。

防水工法費用相場(50㎡)耐久性の目安
ウレタン防水30〜40万円10〜15年
シート防水35〜50万円10〜15年
アスファルト防水50〜70万円15〜30年
※50㎡想定

50㎡の屋上を想定した場合、ウレタン防水で30〜40万円、シート防水で35〜50万円、アスファルト防水で50〜70万円が相場です。

屋上は雨・風・紫外線の影響を最も強く受けるため、建物の用途や将来の管理計画を踏まえて工法を選ぶことが重要です。

短期的に費用を抑えるならウレタン防水、広い面積の施工には品質が安定したシート防水、長期的な耐久性を重視する場合はアスファルト防水が適しています。

費用を抑えるポイント

防水塗装の費用を抑えるためのポイントをご紹介します。

  • 早期のメンテナンス:劣化が進む前に対処すれば補修範囲が少なく済みます
  • 複数箇所の同時施工:足場を一度設置すれば外壁と屋根を同時に施工できます
  • トップコートの定期的な塗り替え:5年ごとにトップコートを塗り替えれば防水層の寿命が延びます
  • 複数業者の見積もり比較:3社程度から見積もりを取り、内容と価格を比較してください
  • 施工時期の選定:春や秋の天候が安定した時期に施工すれば工期の遅延を防げます

ただし、極端に安い見積もりには注意が必要です。手抜き工事や低品質な材料を使用している可能性があります。

価格だけでなく、施工実績や保証内容、使用材料の品質も確認してください。

防水塗装のやり方|施工の流れ・基本的な手順をStepで紹介

防水塗装の効果を最大限に発揮するには、正しい施工手順を守ることが不可欠です。

どの工程も省略せず丁寧に行うことで、長期間にわたって建物を守ることができます。

ここでは、施工の流れを5つのステップに分けて解説します。

Step1|施工前の準備と下地処理

防水塗装で最も重要なのが下地処理です。既存の塗膜が劣化している場合は、ケレン作業でしっかり除去します。

高圧洗浄機で汚れ、苔、カビを徹底的に洗い流し、乾燥させます。ひび割れがある場合は、シーリング材で補修し、段差や凹凸はモルタルで平滑に整えます。

下地が湿っていると塗料の密着不良を起こすため、完全に乾燥させることが重要です。

下地処理を怠ると、どんなに高級な塗料を使っても早期に剥がれや膨れが発生してしまいます。

この工程が防水塗装の成否を左右すると言っても過言ではありません。

Step1のポイント
  • 高圧洗浄で汚れを徹底除去
  • ひび割れは必ずシーリング材で補修
  • 完全に乾燥させてから次の工程へ
  • 天候不良時は施工を延期

Step2|養生作業

下地が乾燥したら、塗装しない部分を保護する養生作業を行います。

マスキングテープとビニールシートを使い、窓枠、排水溝、手すり、サッシなどに塗料が付着しないようしっかりと覆います。

養生の出来不足は仕上がりの美観を損なうだけでなく、後の清掃に余計な手間がかかります。

特に隣接する壁や床との境界線は、きれいな直線に仕上げるためにマスキングテープを正確に貼ることが重要です。

養生テープは塗装後に剥がしやすいよう、塗料が完全に乾く前に取り外す必要があるため、作業の段取りも考えながら進めます。

Step2のポイント
  • マスキングテープで境界線を正確に
  • 排水溝や設備もしっかり保護
  • 養生テープは塗料が乾く前に剥がす準備を

Step3|プライマー塗布

養生が完了したら、プライマー(下塗り材)を塗布します。

プライマーは下地と防水塗料の接着剤のような役割を果たし、塗料の密着性を高めます。

防水層の種類に応じた専用のプライマーを選ぶことが重要です。

刷毛やローラーを使い、塗り残しがないよう丁寧に塗り広げます。特に隅や立ち上がり部分は塗り残しが発生しやすいため、注意が必要です。

プライマーが乾燥するまでの時間は製品によって異なりますが、通常4〜8時間程度です。

気温や湿度によって乾燥時間が変わるため、説明書の指示に従い、完全に乾燥してから次の工程に進みます。

Step3のポイント
  • 防水層に適したプライマーを選ぶ
  • 隅や立ち上がり部分は特に丁寧に
  • 乾燥時間を厳守(4〜8時間が目安)

Step4|防水層の形成

プライマーが乾燥したら、防水塗料を塗布して防水層を形成します。

ウレタン防水の場合、液状のウレタン樹脂を2〜3回に分けて塗り重ねます。

1回の塗布で規定の厚みを確保しようとすると、乾燥不良や垂れの原因になるため、必ず複数回に分けて施工します。

各層の間には十分な乾燥時間を設け、前の層が完全に硬化してから次を塗布します。

FRP防水の場合は、ポリエステル樹脂を塗布した上にガラスマットを敷き、さらに樹脂を含浸させて硬化させます。

いずれの工法も、塗りムラや気泡が入らないよう均一に仕上げることが重要です。

Step4のポイント
  • 2〜3回に分けて塗り重ねる
  • 各層の乾燥時間を必ず守る
  • 塗りムラや気泡がないよう均一に

Step5|トップコート塗布

防水層が完成したら、最後にトップコートを塗布します。

トップコートは防水層を紫外線や摩耗から守る保護層で、この工程を省略すると防水層の劣化が早まります。

ウレタン系、シリコン系、フッ素系などの種類があり、耐候性や耐用年数が異なります。

刷毛やローラーで均一に塗り広げ、塗り残しがないよう注意します。トップコートは2回塗りが基本で、1回目と2回目の間に十分な乾燥時間を設けます。

施工後は完全に硬化するまで歩行を避け、養生期間を守ることが大切です。通常、夏場で1〜2日、冬場で2〜3日程度の養生期間が必要です。

Step5のポイント
  • トップコートは必ず2回塗り
  • 完全硬化まで歩行禁止
  • 養生期間を守る(夏1〜2日、冬2〜3日)

施工時の注意点

防水塗装の施工時には以下の点に注意してください。

  • 天候の確認:雨天や湿度が高い日、気温が5℃以下または35℃以上の日は施工を避けます
  • 乾燥時間の厳守:各工程の乾燥時間を守らないと密着不良の原因になります
  • 適切な塗布量:規定の塗布量を守らないと防水性能が発揮されません
  • 安全対策:高所作業では転落防止の安全帯を着用し、換気を十分に行います

専門的な知識と技術が必要な作業のため、確実な施工を求める場合は専門業者への依頼をおすすめします。

私たち新東亜工業では、熟練の職人が一つひとつの工程を丁寧に施工し、長期間にわたって建物を守る高品質な防水工事を提供しています。

防水塗装をDIYで行う場合の注意点

防水塗装は専門的な工事ですが、小規模な補修であればDIYで対応できる場合もあります。

ただし、失敗すると防水機能が損なわれるリスクがあるため、慎重な判断が必要です。

ここでは、DIYの可否と注意点を解説します。

DIYが可能な範囲と難易度

DIYで対応できるのは、トップコートの塗り替えや小さなひび割れの補修など、軽微な作業に限られます。

ベランダの床面積が5㎡以下で、既存の防水層に大きな損傷がない場合は、トップコートの塗り替えをDIYで行うことも可能です。

しかし、防水層自体の劣化が進んでいる場合や、広い面積の施工、高所作業が必要な場合は、専門業者に依頼すべきです。

ウレタン防水は液体を塗り重ねる工法なので他の工法に比べてDIYの難易度は低めですが、下地処理や乾燥時間の管理、均一な塗布が求められるため、初心者には難易度が高い作業です。

DIYに必要な道具と材料

DIYで防水塗装を行う場合、以下の道具と材料が必要です。

道具類
  • ローラー、刷毛(隅用)
  • マスキングテープ、養生シート
  • 高圧洗浄機またはデッキブラシ
  • ヘラ、バケツ、攪拌棒
  • 保護手袋、マスク、保護メガネ
材料類
  • 防水塗料(ウレタン系1液型がおすすめ)
  • プライマー
  • トップコート
  • シーリング材(ひび割れ補修用)

ホームセンターで購入できる材料は、プロ用に比べて耐久性が劣る場合があります。

製品の仕様書をよく確認し、施工面積に必要な量を正確に計算して購入してください。

DIYのメリットとデメリット

DIYにはメリットだけでなく、施工不良のリスクや耐久性の面での課題も存在します。

ここでは、DIY防水の材料と、メリット・デメリットを整理して解説します。

メリット・費用を大幅に抑えられる(材料費のみで実施可能)
・好きなタイミングで施工できる
・小規模のひび割れや部分的な補修に対応できる
・防水層の劣化状況を自分の目で確認できる
・施工手順を理解することで今後のメンテナンス判断がしやすくなる
デメリット・下地処理や塗り厚の不足による剥離・膨れなど、施工不良のリスクが高い
・プロ施工と比べて耐久性に劣る場合が多い
・仕上がりの品質が均一にならない可能性がある
・広い面積や屋上全体施工には不向き
・雨天や気温によって作業が中断されることがある
・施工後の不具合は自己責任となり、保証がない

DIY防水塗装は小規模な補修や一時的な対策としては有効ですが、広い面積や既に雨漏りが発生している場合には専門業者による本格的な防水工事が必要です。

特に下地の傷みが進んでいるケースでは、表面だけを塗装しても根本的な解決にならないことがあります。

施工する前には、劣化状況・予算・耐久性のバランスを考え、必要に応じてプロに相談することが安心につながります。

業者に依頼すべきケース

以下のようなケースでは、必ず専門業者に依頼してください。

  • 防水層の劣化が進んでいる:膨れ、剥がれ、大きなひび割れがある場合
  • 雨漏りが発生している:すでに漏水している場合は根本的な補修が必要
  • 広い面積の施工:10㎡以上の施工は均一な仕上げが難しい
  • 高所作業が必要:2階以上のベランダや屋上は転落の危険があります
  • 保証が必要:施工後の保証を求める場合は業者依頼が必須

専門業者に依頼すれば、適切な診断に基づいた施工が行われ、施工後の保証も受けられます。

私たち新東亜工業では、現地調査を無料で行い、最適な工法をご提案しています。

DIYか業者依頼かで迷われている方も、まずはお気軽にご相談ください。

防水塗装を行う場所別の選び方とポイント

建物の部位によって適した防水塗装の種類や施工方法は異なります。

ここでは木材、浴室、ベランダという3つの代表的な場所について、最適な防水塗装の選び方と施工のポイントを解説します。

木材への防水塗装

木材は水分を吸収しやすく、腐朽やカビ、反りなどの問題が発生しやすい素材です。

ウッドデッキやフェンス、軒天などの屋外木部には、浸透型の木材保護塗料が適しています。

浸透型塗料は木材の内部に染み込んで保護するため、塗膜が剥がれにくく、木目の美しさを保ちながら防水効果を発揮します。

施工前には必ず表面の汚れや古い塗膜をサンドペーパーで除去し、乾燥させます。

塗料は木目に沿って2回塗りが基本で、1回目と2回目の間に十分な乾燥時間を設けます。

耐用年数は3〜5年程度なので、定期的な塗り替えが必要です。

浴室の防水塗装

浴室は常に水にさらされる過酷な環境のため、防水塗装には特に高い性能が求められます。

タイルの目地やコーキング部分からの漏水を防ぐため、防水性の高いエポキシ系塗料やウレタン系塗料が適しています。

ただし、浴室の防水は建物の構造に直結する重要な部分であり、DIYでの施工は推奨できません。

施工不良があると壁内部に水が回り込み、建物全体の腐朽や大規模な補修が必要になる恐れがあります。

浴室リフォームの際には、専門業者による防水工事を含めた総合的な改修を検討することをおすすめします。

ベランダ・バルコニーの防水塗装

ベランダやバルコニーは雨水が溜まりやすく、防水層の劣化が建物に直接影響する重要な箇所です。

一般的な戸建て住宅のベランダにはFRP防水またはウレタン防水が適しています。FRP防水は軽量で強度が高く、新築時に多く採用されます。

ウレタン防水は既存の防水層の上から施工できるため、改修工事に向いています。施工時には排水溝の詰まりを確認し、清掃しておくことが重要です。

また、立ち上がり部分(壁との接合部)の防水処理が不十分だと雨漏りの原因になるため、この部分は特に丁寧に施工します。

トップコートは5年ごとに塗り替えることで、防水層の寿命を大幅に延ばすことができます。

【施工事例】戸建て・ビル・マンションの屋上防水工事|新東亜工業

屋上防水シート工事では、建物の形状や劣化状況に応じた最適な工法選びが欠かせません。

ここでは、新東亜工業が実際に手がけた屋上防水改修の3つの事例を紹介します。

実際の施工内容や工法選定のポイントを知ることで、屋上防水リフォームの流れをより具体的にイメージできます。

施工事例1. 埼玉県志木市にある戸建て住宅の屋上・バルコニー防水工事

外壁塗装と同時に屋上・バルコニーの防水層を一新した事例です。

長年の紫外線や雨風で防水層が劣化しており、下地の浮きや小さな亀裂が見られました。

通気緩衝工法を採用し、下地内部にたまった湿気を逃がしながら新しい防水層を形成しました。

項目 内容
施工地域 埼玉県志木市
建物種別 戸建て住宅
工事内容 屋上・バルコニー防水改修、外壁塗装
使用工法 ウレタン塗膜防水(通気緩衝工法)
使用材料 通気緩衝シート+ウレタン防水材+トップコート仕上げ
工期 約1か月
工事金額 約130万円(外壁塗装含む)

既存の防水層を撤去後、下地の含水状況を確認しながら通気緩衝シートを敷設。

この工法は、屋上やバルコニーに多い「膨れ・剥がれ」の発生を防止する点が大きな特徴です。

さらにウレタン塗膜材を均一に塗り重ねることで、柔軟性と耐久性を兼ね備えた防水層を構築しました。

外壁塗装と同時に行うことで、足場費を抑えつつ建物全体の防水・美観をトータルで向上。

雨漏りの再発防止はもちろん、次のメンテナンスまでのサイクルを延ばすことに成功しました。

▶参考:施工事例ページはこちら

施工事例2. 東京都江東区にあるビルの屋上・塔屋防水改修工事

経年劣化による防水層の浮きや排水不良が見られたビル屋上・塔屋部分の改修事例です。

通気緩衝工法を採用し、下地の動きや内部湿気に柔軟に対応する防水仕様に刷新しました。

項目 内容
施工地域 東京都江東区
建物種別 鉄筋コンクリート造ビル
工事内容 屋上・塔屋防水改修
使用工法 ウレタン塗膜防水(通気緩衝工法)
使用材料 通気緩衝シート+改質ウレタン材+トップコート仕上げ
工期 約5日間
工事金額 約106万円

施工前は、防水層の表面に浮きや亀裂が見られ、降雨時に排水ドレン周辺へ水が滞留する状態でした。

既存層を撤去した後、通気緩衝工法で新たな防水層を形成。

この工法は、コンクリート下地から発生する水蒸気を通気層で逃がすため、内部膨れのリスクを大幅に低減できます。

また、笠木ジョイント部にはブリッジシールを追加し、雨仕舞いの信頼性を強化。限られた施工期間の中で、耐久性・施工精度・美観を両立させた事例です。

▶参考:施工事例ページはこちら

施工事例3.東京都足立区のマンション屋上防水工事

東京都足立区にあるマンションにおいて、屋上からの雨水浸入リスクに対応するため、防水改修工事を実施しました。

外部足場を用いた効率的な施工体制で、6日間という短期間で仕上げました。

項目 内容
地域 東京都足立区
建物種別 マンション(個人オーナー所有)
工事目的 ・屋上からの雨水侵入リスク軽減
・建物長寿命化
主な施工内容 ・仮設足場設置
・ウレタン塗膜防水(密着工法)
・笠木ジョイント部のブリッジシール工法
施工期間 約6日間
工事金額 約104万円
特記事項 屋上への室内アクセスが不可という制約あり

このマンションでは、屋上を通じて雨水が建物内部に浸入するリスクが高まっていたため、建物の長寿命化を目的に防水改修工事を行いました。

現場には「室内から屋上へアクセスできない」という制約がありましたが、施工チームは外部に仮設足場を設置し、安全かつ効率的な作業体制を整えました。

防水工法には、3階屋上および最上階屋上にウレタン塗膜防水(密着工法)を採用。液状のウレタンが建物の複雑な形状にもなじみ、一体的な防水層を形成します。

また、撤去作業を抑えられるため工期短縮・コスト抑制にも貢献しました。加えて、笠木のジョイント部にはブリッジシール工法を適用し、微細な構造的変動にも追随する柔軟性を確保。

結果として、雨水の侵入を遮断し、構造材や内装材の劣化を予防。

今後のメンテナンス負担を軽減し、安心して長く住み続けられる住環境を整えました。

▶参考:施工事例ページはこちら

防水塗装に関するよくある質問【FAQ】

防水塗装について、お客様からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

疑問や不安の解消にお役立てください。

Q

防水塗装の寿命はどれくらいですか?

A

防水塗装の寿命は、使用する材料や施工箇所によって異なります。

外壁用の弾性塗料は、アクリル系で5〜8年、ウレタン系で8〜10年、シリコン系で10〜12年、フッ素系で15〜20年が目安です。

床用の防水工事では、ウレタン防水が10〜15年、FRP防水が10〜12年、シート防水が10〜15年、アスファルト防水が15〜30年程度です。

ただし、日当たりや風雨の影響、歩行頻度などの使用環境によって耐用年数は変動します。

定期的に点検し、劣化の兆候が見られたら早めのメンテナンスをおすすめします。

Q

トップコートのメンテナンス時期は?

A

トップコートは防水層を守る保護層であり、定期的な塗り替えが必要です。

一般的にトップコートの耐用年数は5年程度とされています。

色褪せ、ひび割れ、剥がれなどの劣化症状が見られたら塗り替えのサインです。

トップコートの劣化を放置すると、紫外線や雨水が直接防水層を傷め、防水層自体の寿命が短くなります。

5年ごとにトップコートを塗り替えれば、防水層を15〜20年以上維持できる場合もあります。

トップコートのみの塗り替えは比較的安価(1㎡あたり1,500〜2,500円程度)なので、コストパフォーマンスの高いメンテナンスです。

Q

防水塗装のDIYで失敗しないコツは?

A

DIYで防水塗装を行う場合、最も重要なのは下地処理を丁寧に行うことです。

汚れやカビ、古い塗膜を完全に除去し、十分に乾燥させてから施工してください。

天候は晴れが数日続く日を選び、雨の前日や湿度の高い日は避けます。

塗料は製品の説明書通りに希釈し、規定の塗り回数と乾燥時間を必ず守ってください。

自己判断で省略すると期待した性能が得られません。また、トップコートの塗り忘れは厳禁です。

不安がある場合や、防水層自体が劣化している場合は、無理をせず専門業者に依頼することをおすすめします。

Q

防水塗装の費用を抑える方法はありますか?

A

防水塗装の費用を抑える最も効果的な方法は、劣化が軽微なうちに早めにメンテナンスすることです。

大規模な補修が必要になる前に対処すれば、工事範囲を最小限に抑えられます。

また、外壁塗装と防水工事を同時に行えば、足場代を1回分に抑えられます。

複数の業者から見積もりを取り、内容を比較することも重要です。

ただし、極端に安い見積もりには注意してください。

手抜き工事や低品質な材料を使用している可能性があります。

長期的に見れば、適正価格で質の高い施工を行う方が、トータルコストは安くなります。

Q

防水塗装業者選びのポイントは?

A

信頼できる業者を選ぶためには、以下のポイントを確認してください。

まず、防水工事の施工実績が豊富かどうかを確認します。ホームページや実績写真で過去の施工例をチェックしましょう。

次に、現地調査を丁寧に行い、建物の状態に応じた提案をしてくれるかを見極めます。

見積書は詳細な内訳(材料費、人件費、諸経費など)が記載されているか確認してください。

また、施工後の保証内容や定期点検の有無も重要です。さ

らに、担当者の対応が丁寧で、質問に分かりやすく答えてくれるかもポイントです。

まとめ

防水塗装は建物を雨水や湿気から守り、長期的な耐久性を保つために欠かせないメンテナンスです。

この記事では、防水塗装の種類、費用相場、施工方法、DIYの注意点など、防水塗装に関する重要な情報を網羅的に解説してきました。

この記事のポイント
  • 防水塗装は外壁用と床用で種類が異なる
  • 費用相場を知り、適正価格で施工を依頼する
  • トップコートの定期的な塗り替えが防水層の寿命を延ばす
  • DIYは限定的な範囲にとどめ、本格的な工事は業者に依頼
  • 早期の点検とメンテナンスが長期的なコスト削減につながる

防水塗装や防水工事でお悩みの方は、ぜひ私たち株式会社新東亜工業にご相談ください。

東京都内を中心に、マンション・ビルの大規模修繕、防水工事、外壁塗装を数多く手がけてきた実績があります。

現地調査は無料で行っており、建物の状態を詳しく診断した上で、最適な工事方法をご提案いたします。

お気軽にお問い合わせください。