分譲マンションの大規模修繕とは?費用相場や時期・賃貸との違い・注意点などを解説【2026年最新】| 株式会社新東亜工業

分譲マンションの大規模修繕とは?費用相場や時期・賃貸との違い・注意点などを解説

分譲マンションにお住まいの皆様、「大規模修繕」という言葉を耳にして、不安や疑問を感じたことはありませんか?

10数年に一度訪れるこの大きなイベントは、数百万円から数千万円規模の費用負担や、数ヶ月に及ぶ工事期間中の生活への影響など、多くの関心事を伴います。

「本当にこんなにお金がかかるの?」「工事中はどうやって生活すればいいの?」そんな声を、私たちは数え切れないほどお聞きしてきました。

しかし実は、大規模修繕は建物の安全性と資産価値を守るために欠かせない、マンションの「健康診断」のようなものなのです。

適切なタイミングで質の高い修繕を行うことで、建物は長く快適に住み続けられる状態を保ち、将来の資産価値も維持されます。

私たち新東亜工業は、東京都を中心に数多くの分譲マンション大規模修繕に携わってきた経験から、皆様の不安を一つひとつ解消し、安心して工事を迎えていただけるよう、この記事で詳しく解説いたします。

費用の相場から実施時期、工事の流れ、そして成功のポイントまで、実務に基づいた確かな情報をお届けします。

目次

分譲マンションの大規模修繕とは?

大規模修繕について正しく理解することが、不安解消の第一歩です。

まずは、基本的な定義と目的を確認しましょう。

大規模修繕の定義と対象範囲

分譲マンションの大規模修繕とは、マンション全体の耐久性と資産価値を維持するために、計画的に行う包括的な改修工事のことです。

建築基準法では「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕」と定義されています。

対象となるのは主に共用部分であり、外壁や屋上、共用廊下、給排水設備など、居住者全員で共有する箇所が中心となります。

分類主な修繕内容
外壁・塗装の塗り替え
・タイルの補修・張替え
屋上・バルコニー・防水層の更新
・排水設備の点検・補修
共用部分・廊下・階段の床や壁の補修
・手すりの塗装
給排水設備・配管の更生工事
・給水ポンプの交換
エレベーター等・設備の点検・部品交換

これらの工事を通じて、建物の機能を建設当初の状態に近づけることが大規模修繕の主な目的となります。

なぜ分譲マンションに大規模修繕が必要なのか

建物は時間の経過とともに必ず劣化します。紫外線や風雨にさらされる外壁は、乾燥によるひび割れやタイルの剥がれが発生し、防水層も経年で機能が低下します。

これらを放置すると、雨漏りや構造体の腐食など、より深刻な問題に発展する恐れがあります。

さらに、外観の劣化は建物全体の印象を悪化させ、資産価値の低下に直結します。

国土交通省の調査によると、適切に大規模修繕を実施しているマンションとそうでないマンションでは、築30年時点での資産価値に大きな差が生まれることが報告されています。

また、外壁タイルの落下など、安全性に関わる問題も未然に防ぐことができます。

大規模修繕は単なる美観の回復ではなく、住まいの安全と資産を守るための必須の投資なのです。

賃貸マンションとの違い|分譲住宅特有の注意点

分譲マンションと賃貸マンションでは、大規模修繕の進め方に大きな違いがあります。

賃貸マンションでは建物オーナーが単独で意思決定し、費用も全額負担しますが、分譲マンションでは区分所有者全員で構成される管理組合が主体となり、民主的な合意形成が必要です。

項目分譲マンション賃貸マンション
意思決定主体管理組合(区分所有者全員)建物オーナー(単独)
費用負担修繕積立金(各戸が積立)オーナーが全額負担
合意形成総会での決議が必要不要(オーナー判断)
計画性長期修繕計画に基づくオーナーの判断次第

分譲マンションでは、多くの区分所有者の意見をまとめる必要があるため、早めの準備と丁寧な情報共有が成功の鍵となります。

より詳しい情報は、「分譲住宅の大規模修繕」に関する記事および「分譲賃貸の大規模修繕」に関する記事をご覧ください。

分譲マンションにおける大規模修繕工事の費用相場

費用は大規模修繕で最も気になるポイントです。透明性のある情報をもとに、適正な予算を把握しましょう。

1戸あたりの費用相場|国土交通省データに基づく実態

国土交通省が令和3年度に実施した「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、1回目の大規模修繕における1戸あたりの費用は、中央値で約110万円、平均値で約112万円となっています。

最も多い価格帯は「100万円〜125万円」で、全体の約27%を占めています。

回数別の費用相場は以下の通りです。

工事回数1戸あたり費用(中央値)1戸あたり費用(平均値)
1回目約110万円約112万円
2回目約98万円約102万円
3回目以上約80万円約97万円

1回目の工事費用が最も高額になる傾向があるのは、足場設置などの仮設工事費用が建物規模に対して相対的に大きくなることや、新築時からの劣化が広範囲に及ぶことが理由です。

ただし、マンションの規模や劣化状況、選択する工事内容によって費用は大きく変動するため、あくまで目安として捉えることが重要です。

マンション全体でかかる総費用の目安

マンション全体でかかる総工事費用は、戸数規模によって大きく異なります。

同じく国土交通省の調査データに基づくと、1回目の大規模修繕では総工事金額の中央値は約8,665万円、平均値は約1億5,237万円となっています。

マンション規模戸数の目安大規模修繕費用の目安
小規模マンション20〜30戸約2,000万円〜3,500万円
中規模マンション50〜75戸約5,000万円〜8,000万円
大規模マンション100戸以上約1億円〜1億5,000万円以上

これらの費用は修繕積立金から充当されますが、積立金が不足している場合は一時金の徴収や金融機関からの借入が必要になることもあります。

そのため、日頃から長期修繕計画と積立金の状況を確認しておくことが大切です。

▶参考記事:分譲マンションの小規模修繕とは?費用相場・実施時期・業者選びのポイントを解説
▶参考記事:分譲マンションの中規模修繕とは?費用相場・実施時期・大規模修繕との違いを徹底解説

費用の内訳|何にどれくらいかかるのか

大規模修繕の費用は、大きく「建築系工事」「仮設工事」「設備系工事」「諸経費」に分類されます。

国土交通省の調査によると、総工事金額に対する割合は、建築系工事が約60%、仮設工事が約23%、設備系工事が約1〜2%、諸経費が約10%となっています。

工事分類割合主な内容
建築系工事約60%・外壁塗装
・タイル補修
・防水工事
・鉄部塗装
仮設工事約23%・足場設置
・養生シート
・仮設トイレ
・事務所
設備系工事約1〜2%・給排水設備
・電気設備
・エレベーター
諸経費約10%・現場管理費
・一般管理費
・保険料

建築系工事の中でも特に費用がかかるのが外壁塗装(約25%)と床防水工事(約18%)です。

足場設置費用が全体の2割以上を占めることも、大規模修繕が高額になる理由の一つです。

修繕積立金の仕組みと適正額

修繕積立金とは、将来の大規模修繕に備えて区分所有者が毎月積み立てる資金です。

国土交通省の令和5年度マンション総合調査によると、1戸あたりの修繕積立金の平均額は月額約13,054円となっています。

ただし、マンションの規模や築年数によって適正額は異なります。

一般的な積立額の目安は、専有面積1平方メートルあたり月額150円〜250円程度とされています。例えば、70平方メートルの住戸であれば、月額10,500円〜17,500円が目安となります。

新築当初は低めに設定され、築年数が経過するにつれて段階的に増額する「段階増額積立方式」を採用しているマンションが多く見られます。

修繕積立金が不足している場合、大規模修繕の際に一時金の徴収や借入が必要になり、区分所有者の負担が一気に増大します。

定期的に長期修繕計画を見直し、適正な積立額を維持することが重要です。

分譲マンションの大規模修繕費用を抑えつつ品質を保つコツ

費用を抑えながらも、品質を犠牲にしない工夫が大規模修繕の成功につながります。実務的なコツをご紹介します。

複数業者からの相見積もり取得

大規模修繕において、複数の施工業者から見積もりを取得することは費用適正化の基本です。

一般的には3〜5社から見積もりを取り、工事内容・金額・工期・実績などを総合的に比較検討します。

ただし、単純に最安値を選ぶのではなく、見積もりの内訳が明確か、必要な工事が漏れていないか、アフターサービスは充実しているかなど、質的な面も慎重に評価することが重要です。

見積もり比較の際にチェックすべきポイントは以下の通りです。

  • 工事項目の網羅性:必要な工事がすべて含まれているか
  • 内訳の明確性:各項目の単価と数量が具体的に示されているか
  • 使用材料の仕様:メーカー名や品番が明記されているか
  • 保証内容:工事後の保証期間と範囲が明示されているか
  • 実績と評判:同規模マンションでの施工経験があるか

設計監理方式を採用し、第三者の設計コンサルタントに見積もりの査定を依頼することで、より公正な業者選定が可能になります。

工事内容の優先順位づけ

すべての工事を一度に実施するのではなく、緊急性と重要性に応じて優先順位をつけることで、予算内に収めることができます。

安全性や防水性に直結する工事(外壁の浮き補修、防水層の更新など)を最優先とし、美観向上が主な目的の工事(共用廊下の床材交換、エントランスのグレードアップなど)は次回以降に先送りすることも一つの選択肢です。

優先順位づけの基準は以下のように考えるとよいでしょう。

優先度工事内容判断基準
最優先外壁タイル補修、屋上防水安全性・防水性に直結
給排水管更生、鉄部塗装機能維持・劣化進行防止
共用廊下改修、外構整備居住性向上
エントランス改装、設備追加美観・付加価値向上

建物診断の結果を踏まえて、管理組合や修繕委員会で十分に議論し、合理的な優先順位を設定することが大切です。

長期修繕計画の見直しと積立金の調整

長期修繕計画は、マンションの将来にわたる修繕工事の内容と時期、必要資金を示した重要な計画書です。

国土交通省のガイドラインでは、おおむね5年ごとに計画を見直すことが推奨されています。

建物の劣化状況や物価の変動、新技術の導入などを反映させることで、より現実的な計画となり、修繕積立金の不足を未然に防ぐことができます。

  • 現状の積立金残高と今後の必要額の差
  • 修繕工事の実施時期と内容の妥当性
  • 物価上昇や建築コスト変動の反映
  • 新たな修繕技術や材料の採用可能性

もし積立金の不足が見込まれる場合は、月額積立金の増額や、一時金の徴収、修繕時期の調整などを総会で検討する必要があります。

早めの対応が、区分所有者の負担を平準化するポイントです。

補助金・助成金の活用

自治体によっては、マンションの大規模修繕に対して補助金や助成金を提供している場合があります。

特に、耐震改修工事やバリアフリー化工事、省エネ化工事などを伴う場合は、補助対象となる可能性が高まります。

例えば、東京都内の一部の区では、長期修繕計画の作成費用や建物診断費用に対して数十万円規模の助成を行っています。

補助金活用のためのステップは以下の通りです。

  1. 情報収集:所在地の自治体ホームページや窓口で制度を確認
  2. 要件確認:築年数や工事内容などの条件をクリアしているか確認
  3. 事前申請:多くの制度は工事着工前の申請が必須
  4. 書類準備:見積書や図面、総会議事録など必要書類を整備

補助金は予算枠が限られており先着順のことも多いため、大規模修繕を計画する段階で早めに調査し、申請準備を進めることが重要です。

分譲マンション大規模修繕の実施時期とスケジュール

適切なタイミングで修繕を実施することが、建物の長寿命化とコスト削減につながります。計画的な準備が鍵です。

一般的な実施周期|12〜15年が目安の理由

国土交通省の調査によると、大規模修繕の平均修繕周期は1回目が15.6年、2回目が14.0年、3回目が12.9年となっており、全体の約7割が12〜15年周期で実施しています。

この周期が一般的とされる理由は、外壁塗装や防水層の耐用年数が概ね10〜15年であること、また建築基準法に基づく特定建築物定期調査が12年ごとに義務付けられていることが背景にあります。

周期設定の際に考慮すべき要素は以下の通りです。

  • 立地環境:海沿いや幹線道路沿いでは劣化が早い
  • 建物構造:RC造、SRC造など構造による差異
  • 前回の工事品質:高品質な材料を使えば周期は長くなる
  • 積立金の状況:資金が潤沢なら早めの実施も可能

ただし、必ずしも12年で実施する必要はなく、建物診断の結果を踏まえて13年や15年に設定することも合理的です。逆に劣化が激しい場合は周期を短くすることも検討すべきです。

築年数別|1回目・2回目・3回目の違い

大規模修繕は回数を重ねるごとに工事内容や重点項目が変化します。

国土交通省の調査では、1回目は築15年以下、2回目は築26〜30年、3回目は築41年以上で実施される割合が最も高くなっています。

1回目は外壁や防水など表面的な劣化への対応が中心ですが、2回目以降は給排水設備や電気設備など、建物の内部設備の更新も必要になってきます。

回数築年数目安主な工事内容費用傾向
1回目12〜18年外壁塗装、防水工事、鉄部塗装最も高額
2回目25〜32年外壁・防水に加え給排水管更生やや高額
3回目40年前後大規模設備更新、構造補強検討内容次第で変動

築年数が経過するほど、建物全体の老朽化が進むため、より包括的な改修計画が必要になります。

長期修繕計画では、これらの違いを考慮した資金計画を立てることが重要です。

準備から完了までの全体スケジュール

大規模修繕は準備段階から工事完了まで、通常2〜3年程度の期間を要します。

計画段階では、管理組合内での検討開始、修繕委員会の設置、設計コンサルタントや施工業者の選定などを行います。

その後、建物診断、工事内容の決定、見積もり比較、総会での承認を経て、ようやく工事着工となります。

期間段階主な内容
準備期間
(1〜1.5年前)
計画段階・修繕委員会設置
・建物診断
・設計
・業者選定
準備期間
(0.5〜1年前)
決定段階・見積比較
・総会承認
・契約締結
工事期間
(3〜6ヶ月)
施工段階・足場設置
・各種工事
・完了検査

50戸程度のマンションで工期は3〜4ヶ月、100戸規模では5〜6ヶ月が一般的です。

大規模マンションや工事内容が多岐にわたる場合は、1年近くかかることもあります。

余裕を持ったスケジュールを組むことが、トラブル防止につながります。

工事期間中の生活への影響と対策

建物全体に足場が組まれるため、バルコニーの使用制限や窓の開閉制限が生じ、洗濯物を外に干せなくなったり、換気が十分にできなくなることがあります。

また、作業音や塗料の臭いが発生し、一定期間のストレスは避けられません。

工事中の主な影響と対策は以下の通りです。

  • バルコニー使用制限:室内物干しの準備、エアコン室外機の移動対応
  • 騒音・振動:作業時間は平日9時〜17時に限定、事前通知の徹底
  • 臭気:低臭性塗料の採用、換気タイミングの案内
  • プライバシー:養生シートの設置、作業員への指導徹底

管理組合と施工業者が密に連携し、居住者への丁寧な説明とこまめな情報提供を行うことが、円滑な工事進行の鍵となります。

分譲マンションの大規模修繕で行われる工事内容

具体的にどのような工事が行われるのかを知ることで、見積もりの妥当性を判断できるようになります。

外壁補修・塗装工事

外壁工事は大規模修繕の中核を成す工事で、費用の約25%を占めます。

外壁塗装の場合は、既存塗膜の劣化部分を除去した後、下地調整を行い、下塗り・中塗り・上塗りの3工程で新たな塗膜を形成します。

タイル外壁の場合は、打診検査で浮きや剥離を確認し、浮いているタイルは樹脂注入で補修するか、範囲が広い場合は張替えを行います。

工事項目主な内容
ひび割れ補修・Uカットシール工法
・エポキシ樹脂注入工法
塗装・高耐久性塗料を使用した3回塗り仕上げ
タイル補修・浮き部分の樹脂注入
・剥離部分のタイル張替え
シーリング工事・既存シーリング撤去後
・新規シーリング材を打設

外壁は建物の顔であり、美観だけでなく防水性や耐久性にも直結する重要な部分です。

使用する塗料やタイルの品質によって、次回修繕までの周期が大きく変わるため、単に安価な材料を選ぶのではなく、長期的な視点で選定することが重要です。

防水工事(屋上・バルコニー)

屋上やバルコニーの防水層は、紫外線や熱による劣化で10〜15年程度で更新が必要になります。

主な工法としては、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水などがあり、既存の防水層の状態や予算に応じて最適な工法を選択します。

工程内容
既存防水層の撤去劣化した防水層と下地の撤去
下地調整コンクリート面の清掃、不陸調整
プライマー塗布新しい防水層の密着性を高める
防水層施工ウレタン塗布またはシート貼付
トップコート仕上げ紫外線保護層の形成

バルコニーは各住戸の専用使用部分ですが、防水性能は建物全体に影響するため、大規模修繕では共用部分として一括して工事を行います。

防水工事の品質は雨漏りの発生に直結するため、実績豊富な業者を選ぶことが特に重要です。

共用部分の改修(廊下・階段・設備)

共用廊下や階段も、経年劣化により床面のひび割れや手すりの錆が発生します。

床面は長尺シートやタイルの張替え、手すりは錆止め処理後の塗装などを行います。また、共用部の照明をLED化することで、省エネと維持管理コストの削減も実現できます。

共用部改修の主な項目は以下の通りです。

部位主な修繕内容
床面・長尺シート張替え
・タイル補修
・防滑性向上
壁面・天井・塗装
・ひび割れ補修
手すり・鉄部・錆落とし
・防錆処理
・塗装
照明設備・LED化、人感センサー設置
集合郵便受け・塗装
・錠前交換

共用部分は、建物全体の印象を左右する重要な要素です。

機能性を回復するだけでなく、デザイン性や居住性の向上も意識した改修計画を立てることで、マンションの価値向上につながります。

分譲住宅で特に重視すべき工事項目

分譲マンションでは、将来の資産価値維持の観点から、特に重視すべき工事項目があります。

給排水管の更生工事は、配管内部の腐食や詰まりを防ぎ、水漏れ事故を予防する重要な工事です。

また、エレベーターの部品交換や制御盤の更新も、高齢化が進む居住者にとって欠かせない安全対策となります。

分譲住宅で優先度が高い工事は以下のようになります。

工事項目重要性実施タイミング
給排水管更生2回目以降(築25年〜)
エレベーター改修20〜25年ごと
外壁・防水最高12〜15年ごと
オートロック更新15〜20年ごと
駐車場設備劣化状況による

これらの工事は、居住者の日常生活の快適性と安全性に直結するため、長期修繕計画の中で適切に位置づけ、確実に実施していくことが重要です。

分譲マンション大規模修繕工事の進め方と業者選びの注意点

適切な進め方と信頼できる業者選びが、大規模修繕の成否を分けます。管理組合の役割は非常に重要です。

管理組合・修繕委員会の役割

分譲マンションの大規模修繕は、管理組合が主体となって進めます。

管理組合の理事会だけでは負担が大きいため、大規模なマンションでは「修繕委員会」を組織内に設置することが一般的です。

修繕委員会は区分所有者の有志で構成され、建物診断の立会い、業者選定、工事内容の検討、工事中の進捗管理など、大規模修繕に関する実務を担当します。

管理組合と修繕委員会の主な役割は以下の通りです。

  • 情報収集と計画立案:長期修繕計画の確認、予算の把握
  • 専門家の選定:設計コンサルタントや施工業者の選定
  • 工事内容の決定:優先順位の検討、仕様の決定
  • 総会での説明と承認取得:区分所有者への丁寧な情報提供
  • 工事監理:定例会議への参加、進捗確認

修繕委員会のメンバーは専門知識の有無よりも、性別や年代、家族構成などさまざまな立場の人からバランスよく選出することが大切です。

多様な視点から意見を出し合うことで、より良い修繕計画が実現します。

業者選定のポイント|設計監理方式と責任施工方式

大規模修繕の発注方式には、大きく分けて「設計監理方式」と「責任施工方式」の2つがあります。

設計監理方式は、設計コンサルタントが工事内容を設計し、施工会社とは別に工事を監理する方式で、透明性と公正性が高いのが特徴です。

一方、責任施工方式は、施工会社が設計から施工まで一括して請け負う方式で、工期短縮やコスト削減がしやすい反面、チェック機能が弱くなる可能性があります。

業者選定時の主なチェックポイントは以下の通りです。

  • 施工実績:同規模マンションでの実績が豊富か
  • 見積もりの透明性:内訳が明確で説明が丁寧か
  • アフターサービス:保証期間と内容が充実しているか
  • コミュニケーション:質問への回答が迅速で的確か
  • 技術力:有資格者が在籍し適切な工法を提案できるか

価格だけで判断せず、総合的な信頼性を重視することが、後悔しない業者選びのポイントです。

見積もりの見方と比較のコツ

見積もりを正しく読み解くことは、適正価格を判断する上で非常に重要です。

まず、工事項目が網羅的に記載されているか、各項目の単価・数量・金額が明確に示されているかを確認します。

「一式」という表記が多い見積もりは、内訳が不透明で後から追加費用が発生するリスクがあります。

また、使用材料のメーカー名や品番が具体的に記載されているかも重要なチェックポイントです。

見積もり比較の際のポイントは以下の通りです。

  • 工事範囲の統一:各社が同じ条件で見積もりしているか確認
  • 単価の妥当性:極端に安い項目や高い項目がないか検証
  • 諸経費の内訳:現場管理費や一般管理費の割合が適正か
  • 保証条件:工事後の保証期間と範囲が明記されているか
  • 支払条件:前金・中間金・完成時の支払割合が明確か

不明な点は必ず質問し、納得のいく説明を受けることが大切です。

複数の見積もりを比較する際は、単純な総額だけでなく、工事内容の充実度や使用材料の品質、アフターサービスなども総合的に評価しましょう。

住民合意形成の進め方

大規模修繕を円滑に進めるには、区分所有者全員の理解と協力が不可欠です。

そのためには、早い段階からの情報共有と丁寧な説明が重要です。

修繕委員会は、定期的にニュースレターを発行したり説明会を開催したりして、工事の必要性や内容、費用、スケジュールなどを分かりやすく伝える必要があります。

合意形成をスムーズに進めるためのステップは以下の通りです。

段階取り組み内容
初期段階・建物診断結果の共有
・修繕の必要性を説明
計画段階・複数の工事案を提示し意見を募集
決定段階・見積もり比較結果を公開し総会で決議
実施段階・工事説明会の開催
・工事中の定期報告

反対意見や疑問が出た場合は、一方的に説得するのではなく、丁寧に耳を傾け、可能な限り対応策を検討する姿勢が大切です。

透明性の高い情報開示と、居住者の声に真摯に向き合う姿勢が、信頼関係を築き、円滑な合意形成につながります。

【施工事例】築40年分譲マンションの大規模修繕工事|新東亜工業

築40年の分譲マンション(29世帯)における3回目の大規模修繕工事の施工事例です。

理事長様からのメールでのお問い合わせから、現地調査、見積もり説明、契約、そして工事完了まで、すべてのやり取りを詳しくご紹介します。

タイルの浮き補修、外壁塗装、ウレタン防水など、工事中に発生したリアルな調整事例も含め、マンション大規模修繕をご検討中の方に参考になる内容です。

工事の概要|費用・期間

本物件は築40年を迎えた分譲マンションで、3回目となる大規模修繕工事を実施しました。

理事長様からインターネット経由でお問い合わせをいただき、相見積もりの結果、新東亜工業が採用されました。

主な工事内容は、屋上・バルコニーのウレタン防水工事、外壁タイルのクリア塗装、共用部の塗装工事、シーリング打ち替え、下地補修などです。

項目 内容
物件種別 分譲マンション
築年数 築40年
世帯数 29世帯
修繕回数 3回目の大規模修繕
工事期間 約4ヶ月(年内完了)
主な工事内容 ・ウレタン防水工事(密着工法)
・外壁タイルクリア塗装
・共用部塗装工事
・シーリング打ち替え
・下地補修
・鉄部塗装
・建具交換
工事金額 4,010万円
工事期間 107日間

現地調査の段階で、タイル浮きが想定以上に多いことが判明しました。

特に廊下と階段部分の劣化が顕著で、足場組立後の全面打診調査によって正確な補修範囲を確定する計画としました。

シーリングについては経年劣化によるひび割れや硬化が見られたため、全面打ち替えを提案。

防水工事では既存のウレタン防水層が比較的良好な状態であったため、同じウレタン塗膜防水の密着工法で施工する方針となりました。

お問い合わせ・ご依頼内容

理事長様よりメールでお問い合わせをいただき、電話で現地調査の日程調整を行いました。

理事会として3回目の大規模修繕を検討されており、建物図面や工事内容の資料も事前にご用意いただける状況でした。

相見積もりであることも事前に共有いただき、双方納得のうえでスタートしました。

【お問い合わせ(メール)】

お客様:私、Kマンション管理組合理事長の○○と申します。ネットにて貴社を拝見し、大規模修繕工事の見積りを依頼したいと思いメールしました。当マンションは分譲住宅で29世帯あり築40年経ちました。3回目の大規模修繕です。相見積もりとなりますがよろしくお願いしたいと思います。なお建物図面・工事内容図書がありますので参考になれば御利用いただけます。

【現地調査の日程調整(電話)】

高井:お世話になります。新東亜工業の高井と申します。お問い合わせいただきました件でお電話しました。今お電話大丈夫でした?

お客様:はい、○○です。大丈夫ですよ。今回3回目の大規模修繕をしようと思っていてインターネットで御社を見てご連絡させてもらいました。

高井:ありがとうございます!

お客様:相見積もりになってしまうんですが大丈夫ですか?

高井:全然大丈夫ですよ!そうしましたら、まず一度現地の方見させてもらってから見積りとなるんですが、、、えっと、(スケジュール確認) 最短だと6日の午前10時とかはご予定どうですか?

お客様:ちょっと待ってくださいね、、、はい、大丈夫です。

高井:分かりました!ありがとうございます。では6日の午前10時にお伺いします! 当日図面のご用意だけお願いいたします!

お問い合わせの段階から、理事長様が資料を準備され、工事内容についても明確な意識をお持ちであったことが、その後のスムーズな進行につながりました。

メールと電話を併用することで、相見積もりという状況下でも透明性の高いコミュニケーションを確立できました。

図面の事前準備をお願いすることで、当日の調査効率を高める工夫も行いました。

こうした初期段階での丁寧な対応が、信頼関係構築の第一歩となっています。

現地調査から工事開始までの流れ

現地調査では高井と畑中が訪問し、図面確認後に屋上から順に建物全体を調査しました。

雨天の中でしたが、タイル浮きの打診調査、防水層の状態確認、雨漏り箇所の特定など、詳細な調査を実施。

調査結果をもとに約2週間で見積もりを作成し、管理会社同席のもと丁寧に説明を行いました。

【現地調査】

高井:(インターホン♪)こんにちはー新東亜工業の高井ですー!

お客様:こんにちは!どうぞー!

高井:初めまして、新東亜工業の高井です!よろしくお願いします!

畑中:初めまして、新東亜工業の畑中です!よろしくお願いします!

(中略:図面確認、屋上調査)

高井:ゆうた(畑中)、ドレンの数と立上りとか必要な所測っちゃってー!

畑中:分かりました!

高井:えーと、既存の防水層がウレタンで状態もそんなに悪くないので補修が必要な所は補修して、この上から同じウレタン塗膜防水の密着工法で施工します。

(中略:タイル打診調査)

高井:○○さん、ここタイルの音聞いてください。高い、響くような音してるの分かりますか? これ、タイルが浮いてる音です。

お客様:あー、確かに高い音してますね。

高井:階段と廊下結構多いですね。。。(苦笑)

現地調査では、屋上防水の状態が比較的良好であることを確認しながらも、タイルの浮きが予想以上に多いという課題を発見しました。

雨天という悪条件の中でも、必要な寸法測定や写真記録を確実に実施。特にタイル浮きについては、お客様に実際の音を聞いていただくことで、補修の必要性を視覚的・聴覚的に共有しました。

調査後は2週間で見積もりを作成し、管理会社同席のもとエントランスで詳細な説明を実施。

中間マージンゼロという新東亜工業の強みや、改修用ドレンの必要性、クリア塗装の効果など、専門知識をわかりやすく説明しました。

他社見積もりとの比較ポイントについても積極的にアドバイスし、透明性の高い提案姿勢が評価されて、理事会にて正式採用となりました。

工事中の流れ・やり取り

着工日には工事担当の蓼沼が挨拶に訪れ、足場組立から下地調査までの流れを説明しました。

工事中には資材置き場の移動要望や、タイル浮きの追加補修など、柔軟に対応。

定期的な進捗報告と掲示板更新により、居住者の方々とのコミュニケーションも円滑に進みました。

【着工日】

蓼沼:○○さんこんにちは!本日から工事を開始させていただきます!よろしくお願いします!

お客様:蓼沼さん、こんにちは。よろしくお願いします。こちら、副理事の○○さんです。

蓼沼:○○さん、初めまして、新東亜工業の蓼沼と申します!よろしくお願いします!

副理事:蓼沼さん、よろしくね!

蓼沼:足場の方は5日間を予定しています。ちょっとうるさい音が出てしまうと思いますのでご了承ください。足場がある程度組みあがってきたら追っかけで下地の調査に入ります!タイルの打診調査がメインになってくると思いますので調査が終わりましたらご報告いたします。

【足場組立後】

副理事:蓼沼さんこんにちは。足場組み終わりましたね~。あのちょっといいですか?資材置き場のことでお話があるんですけど。

蓼沼:はい、邪魔でしたか?

副理事:邪魔じゃないんだけど、あっちに倉庫があってそこに移動してもらえないかなって、、、

蓼沼:あっ、分かりました!移動しておきます!

副理事:突然すみませんね。

蓼沼:いえいえ、全然大丈夫ですよ!

工事期間中は、足場組立の騒音や日照の制約など、居住者の方々に一定の不便をおかけすることになります。

そのため、事前説明を徹底し、洗濯物情報や工事進捗を掲示板で随時更新しました。

タイル浮きの調査結果は予想以上に多い箇所が判明しましたが、足場組立後の全面調査によって正確な数量を把握し、追加補修の必要性と費用について丁寧に説明。

工事担当が定期的に現場に立ち会い、理事長や副理事とのコミュニケーションを密に取ることで、工事中のトラブルを未然に防ぎ、計画通りの工期で年内完了を達成しました。

▶参考元:【実録】管理組合必見!6階建てマンションの大規模修繕工事の流れを完全公開!

まとめ

本工事は、理事長様のインターネット検索からスタートし、相見積もりを経て新東亜工業が採用された大規模修繕工事でした。

中間マージンゼロという価格競争力と、丁寧な現地調査・提案が評価され、約4ヶ月の工期で無事完工しました。

工事中の柔軟な対応も含め、お客様との信頼関係が工事成功の鍵となりました。

【まとめ(原文より抜粋)】

今回の工事のポイント

・理事長より直接メールで見積依頼、相見積もりでの採用

・築40年、29世帯、3回目の大規模修繕

・タイル浮きが想定以上に多く、足場組立後の全面打診調査で実数精算

・ウレタン防水(密着工法)、外壁タイルクリア塗装、シーリング全面打ち替え

・改修用ドレン採用により漏水リスクを軽減

・工事中の資材置き場移動など、柔軟な現場対応

・定期的な進捗報告と掲示板更新で居住者とのコミュニケーション重視

・約4ヶ月の工期で年内完了

築40年を迎えた分譲マンションの大規模修繕は、建物の長寿命化に欠かせない重要な工事です。

今回は3回目の修繕ということもあり、理事会としても慎重に業者選定を進められました。

新東亜工業は中間マージンゼロという価格面での優位性に加え、現地調査での細やかな提案力、工事中の柔軟な対応力が評価されました。

分譲マンションの大規模修繕工事でよくあるトラブルと対策

事前にトラブル事例を知ることで、多くの問題は未然に防ぐことができます。予防的な視点が重要です。

修繕積立金不足への対応

大規模修繕で最も多いトラブルの一つが、修繕積立金の不足です。

新築時に積立金が低めに設定されていたり、長期修繕計画の見直しが行われていなかったりすると、工事時期が近づいてから資金不足が判明することがあります。

この場合、一時金の徴収や金融機関からの借入が必要になり、区分所有者の負担が一気に増大します。

積立金不足への対応策は以下の通りです。

  • 早期発見:毎年、積立金残高と今後の必要額を確認
  • 計画的な増額:不足が見込まれる場合は数年かけて段階的に増額
  • 工事内容の調整:優先度の低い工事を次回に先送り
  • 借入の検討:住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資など
  • 補助金活用:自治体の助成制度を最大限活用

積立金不足は、管理組合が長期修繕計画を定期的に見直し、早めに対策を講じることで回避できます。

問題が顕在化してから対応するのではなく、予防的な財務管理が重要です。

工事中の騒音・振動問題

大規模修繕工事では、足場の組立や外壁の補修作業など、どうしても騒音や振動が発生します。

特に在宅勤務の方や小さなお子様がいる家庭、高齢者の方にとっては大きなストレスとなります。

また、作業時間外に工事が行われたり、事前説明と異なる作業が突然始まったりすると、クレームに発展することがあります。

騒音・振動問題への対策は以下のようになります。

  • 事前説明の徹底:工事説明会で作業内容と時間帯を詳しく説明
  • 作業時間の厳守:平日9時〜17時に限定、土日祝日は原則休工
  • 週間予定の掲示:エントランスに翌週の作業予定を掲示
  • 低騒音工法の採用:可能な限り静音性の高い工法や機械を使用
  • 苦情窓口の設置:現場責任者の連絡先を明示し迅速に対応

工事業者と管理組合が連携し、居住者への配慮を最優先にすることで、トラブルを最小限に抑えることができます。

業者とのコミュニケーション不足

工事が始まってから「聞いていた内容と違う」「説明がない まま追加工事が行われた」といったトラブルが発生することがあります。

これは、業者と管理組合の間のコミュニケーション不足が原因です。

特に責任施工方式の場合、第三者のチェックが入らないため、業者任せにせず、管理組合側が積極的に関与する必要があります。

コミュニケーション不足を防ぐポイントは以下の通りです。

  • 定例会議の開催:月1回以上、進捗確認の場を設ける
  • 記録の徹底:会議内容や決定事項を議事録に残す
  • 変更時の説明:追加工事や仕様変更は必ず事前に説明を受ける
  • 写真記録:工事前・工事中・完了後の状況を写真で保存
  • 報告体制:現場責任者と管理組合の窓口を明確にする

業者との信頼関係を築くには、管理組合側も工事に関心を持ち、疑問点は遠慮なく質問する姿勢が大切です。

双方向のコミュニケーションが、質の高い工事につながります。

住民間の意見対立を防ぐために

大規模修繕では、工事内容や費用、業者選定などさまざまな場面で、区分所有者間で意見が対立することがあります。

「もっと安い業者にすべき」「この工事は不要では」「積立金を増額するのは反対」など、立場や考え方の違いから議論が平行線をたどることも少なくありません。

特に分譲マンションと賃貸で運用している部屋が混在している場合、オーナーと居住者で温度差が生じやすくなります。

意見対立を防ぐための取り組みは以下のようになります。

  • 早期からの情報共有:修繕の必要性を時間をかけて説明
  • 選択肢の提示:複数の工事案を示し、比較できるようにする
  • 透明性の確保:意思決定プロセスを明確にし公開する
  • 専門家の活用:中立的な立場の建築士等に説明を依頼
  • 少数意見への配慮:反対意見にも真摯に耳を傾ける姿勢を示す

分譲と賃貸が混在するマンションでは、オーナーにも積極的に情報を提供し、建物の資産価値維持の重要性を理解してもらうことが大切です。

時間をかけた丁寧な合意形成プロセスが、後々のトラブルを防ぎます。

分譲マンションの大規模修繕に関するよくある質問【FAQ】

実際によく寄せられる疑問に、実務の視点からお答えします。参考にしていただければ幸いです。

Q

大規模修繕は何年ごとに実施すべきですか?

A

一般的には12〜15年周期が目安とされています。

国土交通省の調査でも、約7割のマンションがこの範囲で実施しています。

ただし、海沿いや幹線道路沿いなど立地環境が厳しい場合や、前回の工事品質が低かった場合は、周期を短くする必要があります。

逆に、高品質な材料を使用し丁寧に施工した場合は、15年以上でも問題ないケースもあります。

重要なのは、定期的に建物診断を行い、劣化状況に応じて柔軟に判断することです。

Q

修繕積立金が不足している場合はどうすればよいですか?

A

修繕積立金が不足している場合、主に4つの対応策があります。

第一に、月額積立金を増額する方法です。

数年かけて段階的に引き上げることで、区分所有者の負担を平準化できます。

第二に、一時金を徴収する方法で、総会での決議が必要です。

第三に、住宅金融支援機構などから借入を行う方法で、返済計画も含めて慎重に検討します。

第四に、工事内容を見直し、優先度の低い項目を次回に先送りすることです。

早期に不足を認識し、計画的に対応することが重要です。

Q

大規模修繕工事期間中も普通に生活できますか?

A

工事期間中も居住は可能ですが、いくつかの制約があります。

バルコニーには足場が組まれるため使用できず、洗濯物は室内干しになります。窓の開閉も制限され、換気が十分にできない時間帯があります。

また、作業音や塗料の臭いが発生します。ただし、作業時間は平日の日中に限定され、夜間や早朝は静かです。

私たちの経験では、事前に十分な説明を行い、居住者の皆様にご協力いただくことで、大きなトラブルなく工事を完了できています。

工事スケジュールを事前に確認し、必要に応じて外出予定を調整するなど、ある程度の準備をしていただくとスムーズです。

Q

管理会社にすべて任せてよいのでしょうか?

A

管理会社は日常管理のプロですが、大規模修繕については必ずしも専門家とは限りません。

特に、管理会社の系列施工会社に工事を発注する場合、費用が割高になったり、第三者のチェックが働かなかったりするリスクがあります。

理想的なのは、設計監理方式を採用し、独立した設計コンサルタントに工事の設計と監理を依頼することです。

それが難しい場合でも、複数の業者から見積もりを取り、管理組合が主体的に業者を選定することが重要です。

管理会社のアドバイスは参考にしつつも、最終判断は管理組合が行うという姿勢が大切です。

Q

分譲マンションと賃貸マンションで大規模修繕の違いはありますか?

A

分譲マンションと賃貸マンションでは、大規模修繕の進め方に大きな違いがあります。

賃貸マンションでは、建物オーナーが単独で意思決定し、全額費用を負担します。

一方、分譲マンションでは、区分所有者全員で構成される管理組合が主体となり、民主的なプロセスで意思決定を行います。

費用は修繕積立金から充当され、各区分所有者が負担します。また、分譲マンションでは総会での承認が必要なため、合意形成に時間がかかることが多いです。

ただし、多くの目でチェックできるため、透明性が高く、適正な工事が実現しやすいというメリットもあります。

まとめ

分譲マンションの大規模修繕は、多額の費用と長期間の工事を伴う大きなイベントですが、建物の安全性と資産価値を守るために欠かせない取り組みです。

ここまでご紹介してきた内容を踏まえ、大規模修繕を成功させるために確認すべきポイントを改めて整理します。

大規模修繕を迎える前に確認すべき5つのポイントは以下の通りです。

  • 長期修繕計画と積立金の状況確認:不足が見込まれる場合は早めに対策を講じる
  • 建物診断の実施:専門家による劣化状況の正確な把握
  • 修繕委員会の組織化:多様なメンバーで構成し早期から準備を開始
  • 複数業者からの見積もり取得:価格だけでなく総合的な信頼性で判断
  • 住民への丁寧な説明と合意形成:透明性の高い情報開示と双方向のコミュニケーション

私たち新東亜工業は、東京都を中心に長年にわたり分譲マンションの大規模修繕に携わってまいりました。

管理組合の皆様に寄り添い、透明性の高い見積もりと丁寧な施工で、大切な資産を守るお手伝いをさせていただいております。

大規模修繕に関するご相談やお見積もりは無料で承っております。「そろそろ修繕時期かもしれない」「積立金が心配」「どの業者に頼めばいいか分からない」など、どんな小さな疑問でも構いません。

まずはお気軽にお問い合わせください。経験豊富なスタッフが、皆様の不安を解消し、最適な修繕計画をご提案いたします。