外壁塗装の種類を解説|塗料の特徴や費用相場と選び方まで詳しく紹介
2025/12/18
大切なマイホームの外壁塗装を検討し始めたものの、「塗料の種類が多すぎて、どれを選べばいいのか分からない」とお悩みではありませんか。
アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機…専門用語が飛び交う中で、「本当に自分の家に合った塗料はどれなのか」「価格と性能のバランスはどう考えればいいのか」と迷ってしまうのは当然のことです。
外壁塗装は決して安い買い物ではありません。だからこそ、後悔のない選択をしたいですよね。
この記事では、外壁塗装の塗料の種類から選び方、費用相場、助成金、最適な時期、色選びまで、外壁塗装に関する疑問を一つずつ丁寧に解決していきます。
読み終えた後には、「これなら自信を持って塗料を選べる」と感じていただけるはずです。
「外壁塗装とは?」と基本的な流れや費用相場、業者選びのポイントなどについて総合的なことを知りたい方は解説記事もぜひ一読ください。
目次
外壁塗装の種類とは?基本の塗料5種類とグレード別の特徴
外壁塗装の塗料には、実にさまざまな種類が存在します。しかし、その基本となるのは「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機」という5つのグレードです。
まずは、この基本の5種類を理解することから始めましょう。
塗料の種類はグレードで決まる|価格と耐用年数の関係
外壁塗装の塗料は、主成分となる合成樹脂の種類によってグレードが分かれています。
この「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」という名称は、塗料に使われている合成樹脂を指しており、塗料の耐久性を決定する非常に重要な要素となります。
基本的には、価格が高い塗料ほど耐用年数が長いという関係があります。これは、より高性能な樹脂を使用しているためです。
以下の表で、各グレードの価格帯と耐用年数を比較してみましょう。
| 塗料の種類 | 価格(㎡単価) | 耐用年数 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| アクリル塗料 | 1,000~1,500円 | 5~8年 | 低コストだが短寿命 |
| ウレタン塗料 | 1,800~2,500円 | 7~10年 | 汎用性が高い |
| シリコン塗料 | 2,500~3,500円 | 10~13年 | コスパ最強の人気塗料 |
| フッ素塗料 | 3,500~5,000円 | 15~20年 | 高耐久で長期メンテナンス向き |
| 無機塗料 | 4,000~5,000円 | 20~25年 | 最高グレードの超耐久性 |
ここで注目していただきたいのは、単純に「高い塗料=良い塗料」というわけではないということです。
例えば、10年後に建て替えを予定しているのであれば、無機塗料のような高額で長寿命の塗料を選ぶ必要はありません。
逆に、できるだけ長く住み続けたいのであれば、初期費用は高くても耐用年数の長い塗料を選ぶことで、長期的には塗り替え回数が減り、トータルコストを抑えられます。
大切なのは、ご自身のライフプランと予算に合った塗料を選ぶことです。
最も選ばれているのはシリコン塗料|その理由とは
外壁塗装の現場で最も使用されている塗料は、実はシリコン塗料です。
全体の約70%の外壁塗装でシリコン塗料が選ばれているというデータがあります。なぜこれほどまでにシリコン塗料が支持されているのでしょうか。
その理由は、価格と性能のバランスの良さにあります。
シリコン塗料は、耐用年数が10~13年程度と比較的長く、価格も2,500~3,500円/㎡と手の届きやすい範囲に収まっています。アクリルやウレタンのように頻繁に塗り替える必要がなく、かといってフッ素や無機のように高額でもない。まさに「ちょうどいい」選択肢なのです。
また、シリコン塗料は多くのメーカーが製品を展開しているため、選択肢が豊富という点も魅力です。耐汚染性にも優れており、一般的な住宅にとって必要十分な性能を備えています。
「迷ったらシリコン塗料を選べば間違いない」と言われるのは、こうした理由からなのです。
塗料選びの前に知っておきたい基礎知識
塗料のグレード以外にも、知っておくべき基礎知識があります。それが「水性と油性」「1液型と2液型」「艶あり・艶なし」の違いです。
水性塗料と油性塗料の違い
塗料は、希釈剤として「水」を使用する水性塗料と、シンナーなどの「溶剤」を使用する油性塗料に分けられます。
現在の外壁塗装では、水性塗料が主流となっています。その理由は以下の通りです。
- 臭いが少ない▶︎シンナー臭がほとんどないため、小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心
- 環境に優しい▶︎VOC(揮発性有機化合物)の排出が少なく、SDGsの観点からも推奨されている
- 耐久性の向上▶︎技術開発により、かつて油性に劣っていた耐久性も現在ではほぼ同等に
ただし、屋根塗装や金属部分の塗装など、より高い密着性や耐久性が求められる場合には、今でも油性塗料が使用されることがあります。
1液型と2液型の違い
塗料には、1液型と2液型があります。
2液型は、主材と硬化剤を使用直前に混ぜ合わせて使用する塗料です。塗装直前に硬化反応を引き出すことで強固な塗膜を作ることができますが、混合の手間がかかり、数時間で固まってしまうため保存がききません。
一方、1液型は、あらかじめ硬化剤が混ぜられている塗料です。手間がかからず、余った塗料を翌日でも使用できるなどのメリットがあります。また、混合比率を間違える心配がないため、施工品質を一定に保ちやすいという利点もあります。
近年では1液型塗料の技術が向上し、2液型との耐久性の差もほとんどなくなってきています。
艶あり・艶なしの選び方
塗料には「艶あり」「7分艶」「5分艶」「3分艶」「艶なし」といった艶の調整ができるものがあります。
艶ありの塗料は、光沢があり美しい仕上がりになります。また、表面が滑らかなため汚れが付きにくく、耐久性にも優れています。
艶なしの塗料は、落ち着いた質感で高級感のある仕上がりになります。和風住宅や自然な風合いを好む方に人気です。
ただし、艶なし塗料は表面に細かな凹凸があるため、艶あり塗料に比べるとやや汚れが付きやすく、耐久性もわずかに劣る傾向があります。
一般的には、耐久性を重視するなら艶あり、デザイン性を重視するなら艶なしを選ぶとよいでしょう。
外壁塗装の主な塗料の種類|特徴・価格・耐用年数を徹底比較
ここからは、外壁塗装で使用される主な塗料9種類について、それぞれの特徴、価格、耐用年数を詳しく見ていきます。
各塗料のメリットや「どんな人におすすめなのか」まで解説しますので、ご自身に合った塗料を見つける参考にしてください。
| 塗料の種類 | 費用相場(㎡単価) | 特徴 | 耐用年数 |
|---|---|---|---|
| アクリル塗料 | 1,000~1,500円 | 低価格で発色が良いが耐久性が低く、短期使用向け | 5~8年 |
| ウレタン塗料 | 1,800~2,500円 | 柔軟性が高く付帯部向き。現在は外壁主流ではない | 7~10年 |
| シリコン塗料 | 2,500~3,500円 | 価格と耐久性のバランスが良く最も普及している | 10~13年 |
| ラジカル制御型塗料 | 3,000~4,000円 | 劣化因子を抑制し、シリコンより長持ち | 12~15年 |
| フッ素塗料 | 3,500~5,000円 | 高耐候・高耐久。公共施設でも実績が多い | 15~20年 |
| 無機塗料 | 4,000~5,000円 | 非常に高い耐候性。長期メンテナンス向け | 20~25年 |
| ナノテクノロジー塗料 | 2,500~5,500円 | 低汚染・親水性に優れ、マット仕上げが特徴 | 12~20年 |
| ピュアアクリル塗料 | 3,800~4,500円 | 弾性が高く、ひび割れ対策に強い | 15~18年 |
| 光触媒塗料 | 4,500~5,500円 | 太陽光で汚れを分解するセルフクリーニング性能 | 15~20年 |
外壁塗装の塗料の種類|アクリル塗料
アクリル塗料は、かつて外壁塗装の主流でしたが、現在では使用機会が大幅に減少しています。
| 価格(㎡単価) | 1,000~1,500円 |
|---|---|
| 耐用年数 | 5~8年 |
- 費用が非常に安い
- 発色が良く、カラーバリエーションが豊富
- 透湿性が高い
- 扱いやすい
- 屋外での耐久性に難があり、頻繁な塗り替えが必要
- 透湿性が高いため、水分を嫌う外壁材には不向き
- ひび割れが出やすい
アクリル塗料は、以下のような限定的なケースでの使用に適しています。
- 数年後に建て替えを予定している
- 短期間だけ外観を整えたい
- とにかく初期費用を抑えたい
ただし、長期的に住み続ける予定の一般住宅には、コストパフォーマンスの観点からおすすめできません。
なお、後述する「ピュアアクリル塗料」は、アクリル塗料とは別物で、フッ素塗料と同等の高性能塗料ですのでご注意ください。
外壁塗装の塗料の種類|ウレタン塗料
ウレタン塗料は、柔軟性に優れており、さまざまな素材に塗装できる万能性が特徴です。
| 価格(㎡単価) | 1,800~2,500円 |
|---|---|
| 耐用年数 | 7~10年 |
- 木部、金属、プラスチックなど、塗る場所を選ばない高い汎用性
- 価格が比較的安い
- 柔軟性があり、細かい部分の塗装に適している
- シリコン塗料との価格差があまりなくなったため、積極的に選ぶ理由が減少
- 紫外線に弱く、変色しやすい
ウレタン塗料は、以下のような用途に適しています。
- 雨樋や軒天など、付帯部分の塗装
- 複雑な形状の部分を塗装したい
外壁全体の塗装であれば、価格差が小さいシリコン塗料の方がコストパフォーマンスに優れているため、現在ではシリコン塗料が主流となっています。
外壁塗装の塗料の種類|シリコン塗料
シリコン塗料は、外壁塗装において最も選ばれている塗料です。
| 価格(㎡単価) | 2,500~3,500円 |
|---|---|
| 耐用年数 | 10~13年 |
- どのメーカーでも売れ筋の塗料だったため、数多くの製品が存在し選択肢が多い
- 多くの製品が生まれたことで、生産管理などのノウハウが蓄積されている
- 耐汚染性に優れている
- コストパフォーマンスが非常に良い
- 価格が安いものから高いものまで存在し、性能はほぼ値段に比例する
- 「シリコン塗料」という理由だけで選択すると期待外れになることも
シリコン塗料は、以下のような方に最適です。
- バランスの取れた塗料を探している
- 10年程度のメンテナンスサイクルで問題ない
- 初めての外壁塗装で、何を選べばいいか迷っている
- 費用対効果を重視したい
「迷ったらシリコン」と言われるほど、幅広い住宅に適した塗料です。
外壁塗装の塗料の種類|ラジカル制御型塗料
ラジカル制御型塗料は、2010年代から各メーカーが注力している新しいタイプの塗料です。
| 価格(㎡単価) | 3,000~4,000円 |
|---|---|
| 耐用年数 | 12~15年 |
まず、「ラジカル」について説明します。ラジカルとは、塗料の樹脂や顔料にダメージを与えることで塗膜の劣化を引き起こしてしまう物質のことです。
ほとんどの塗料に含まれる顔料の「酸化チタン」が紫外線を吸収することでラジカルは発生します。ラジカル制御型塗料は、このラジカルの発生を抑制する機能を持たせることで、塗膜の劣化を遅らせ、耐用年数を延ばすことができます。
- シリコンよりも耐用年数が長く、費用対効果も高い
- ほとんどのラジカル制御型塗料が低汚染機能を兼ね備えている
- チョーキング(白亜化)現象が起きにくい
- 比較的新しい技術のため、超長期的な実績はまだ蓄積中
ただし、日本ペイントの「パーフェクトトップ」など、すでに販売から12年以上が経過している製品もあり、当時塗装された建物は現在でも問題なく外壁を守っていることから、確かな実績が証明されつつあります。
ラジカル制御型塗料は、以下のような方に適しています。
- シリコンとフッ素の中間グレードを探している
- コストパフォーマンスを重視しつつ、長めの耐用年数が欲しい
- 汚れにくさを重視したい
- 新しい技術に興味がある
なお、ラジカル制御型塗料は「ラジカル制御機能を持つ塗料」の総称であり、ベースにはシリコンやフッ素などの樹脂が使われています。そのため、塗装対象に塗料の特性が合っているかをしっかり確認することが重要です。
外壁塗装の塗料の種類|フッ素塗料
フッ素塗料は、高価な塗料に分類されますが、その耐用年数の長さから、ビルやマンション、公共建築物などでの使用実績が豊富にあります。
| 価格(㎡単価) | 3,500~5,000円 |
|---|---|
| 耐用年数 | 15~20年 |
東京スカイツリーの塗装にもフッ素塗料が使われていることは有名です。
- 公共の建物にも多く施工されている抜群の信頼性と実績
- 美観を長く保ち、耐用年数を延ばすオーバーコートなどのオプションも用意されている
- 温度変化にも強く、寒い地域・暑い地域でも性能を十分に発揮できる
- 耐候性が非常に高い
- 近年では同価格帯でさらに耐用年数が長い塗料(無機塗料など)も存在する
- 再塗装がやや難しい
- 塗膜が硬いため、ヘアクラック(髪の毛ほどの細いひび割れ)が発生しやすい
フッ素塗料は、以下のような方に最適です。
- 長期間メンテナンスフリーで過ごしたい
- できるだけ塗り替え回数を減らしたい
- 過酷な気候条件の地域に住んでいる
- 実績のある高性能塗料を使いたい
初期費用は高めですが、15~20年という長い耐用年数を考えると、長期的なコストパフォーマンスは決して悪くありません。
外壁塗装の塗料の種類|無機塗料
無機塗料は、紫外線や雨水の影響を受けにくい無機物を主成分とした樹脂が用いられているため、これまでご紹介した塗料の中でも耐候性が群を抜いて高い塗料です。
| 価格(㎡単価) | 4,000~5,000円 |
|---|---|
| 耐用年数 | 20~25年 |
- とにかく耐候性が高く、美しい状態を長く保ちやすい
- 公共性の高い建物、海の近くのプラントや工場などでしっかりと実績を残している
- 有機物の含有量が少ないため、苔やカビが繁殖しにくい
- 燃えにくく、防火性能に優れている
- 塗膜が硬い種類の無機塗料は、下地が割れやすい木部などへの塗装には不向き
- 一般的な塗料よりも伸びにくいため、塗装の仕上がりに職人の技量が大きく関わる
- 他の塗料よりもコストが高い
ただし、弾性の高い無機塗料も開発されているため、塗装箇所に合わせた塗料選びが重要です。
無機塗料は、以下のような方に適しています。
- 最高グレードの塗料を使いたい
- 20年以上の長期メンテナンスフリーを実現したい
- 初期費用が高くても、長期的なコストを抑えたい
- 海沿いなど、過酷な環境に住んでいる
耐用年数が20~25年と非常に長いため、生涯の塗り替え回数を最小限に抑えられます。
外壁塗装の塗料の種類|ナノテクノロジー塗料
ナノテクノロジー塗料は、ナノテクノロジー技術を応用した21世紀型の塗料で、低汚染性という特徴を備えています。
| 価格(㎡単価) | 2,500~5,500円 |
|---|---|
| 耐用年数 | 12~20年 |
石油由来の原料を大幅にカットできるため、SDGsにおける環境への取り組みにも貢献できるエコロジーな塗料です。艶を抑えたマットな仕上がりが特徴となっています。
ナノテクノロジーを駆使した樹脂には、ガラスの微粉末である「シリカ粒子」が均一に分散するよう内包されており、塗膜に汚れが侵入するのを高い精度でブロックしてくれます。
- 親水性による低汚染機能を備えており、降雨で汚れを洗い流せる
- シリコン系の他にフッ素系の製品もあり、耐候性や低汚染性が向上している
- ラジカル制御機能も組み込まれている製品が多い
- 環境に優しい
- 艶の調整ができないため、マットな仕上がり以外を求める方には不向き
- 鮮やかな色が作りにくい
- 製造しているメーカーが限られる
ナノテクノロジー塗料は、以下のような方に適しています。
- 汚れにくさを最重視したい
- 落ち着いたマットな質感が好み
- 環境に配慮した塗料を選びたい
- 交通量の多い道路沿いに住んでいる
外壁塗装の塗料の種類|ピュアアクリル塗料
ピュアアクリル塗料は、アクリル塗料から不純物を完全に除いた高性能塗料で、フッ素塗料と同等の耐用年数と汚れにくさを実現しています。
| 価格(㎡単価) | 3,800~4,500円 |
|---|---|
| 耐用年数 | 15~18年 |
最大の特徴は弾性に優れていることです。クラック(ひび割れ)への追従性が高いため、モルタルなどひび割れが入りやすい外壁に非常に適しています。
- 弾性の高さによるクラックへの追従性があり、下地の外壁にひびが入っても目立ちにくく、雨水の浸入も防ぎやすい
- 一般的なシリコン塗料よりも耐用年数が長い
- 耐候性に優れている
- 高い弾性を持つ塗膜はゴムに近い質感となり、塗膜が硬い塗料に比べると汚れがくっつきやすい
- クラックが入りにくい外壁では、弾性である必要性を感じられない
ピュアアクリル塗料は、以下のような方に最適です。
- モルタル外壁など、ひび割れが心配な外壁材を使用している
- 過去にひび割れが発生したことがある
- 地震の多い地域に住んでいる
一般的なアクリル塗料とは全く別物の高性能塗料ですので、混同しないようにご注意ください。
外壁塗装の塗料の種類|光触媒塗料
光触媒塗料は、太陽光に反応して汚れを分解する「光触媒」の技術を応用した塗料です。
| 価格(㎡単価) | 4,500~5,500円 |
|---|---|
| 耐用年数 | 15~20年 |
光触媒塗料の表面に太陽光(紫外線)が当たると、汚れを分解する化学反応が起こります。さらに親水性も高いため、雨が降ると汚れが浮き上がり、自然に洗い流されるというセルフクリーニング効果があります。
- 太陽光で汚れを分解し、雨で洗い流すセルフクリーニング機能
- 空気中の有害物質を分解する空気浄化作用がある
- 防カビ・防藻効果に優れている
- 耐用年数が長い
- 価格が高い
- 日当たりの悪い面では効果が発揮されにくい
- 施工できる業者が限られる
光触媒塗料は、以下のような方に適しています。
- 美観を長く保ちたい
- メンテナンスの手間を減らしたい
- 日当たりの良い立地に住んでいる
- 環境に配慮した塗料を使いたい
ただし、光触媒機能を発揮するには太陽光が必要なため、日当たりの悪い北側の面などでは効果が限定的になる点にご注意ください。
もっと詳しく知りたい方は、「外壁塗装の費用相場」の記事で解説しておりますので、ぜひご覧ください。
外壁塗装における最適な塗料の選び方|外壁材別に紹介
外壁塗装では、塗料のグレードだけでなく、外壁材の種類・相性も非常に重要です。
ここでは、代表的な4つの外壁材それぞれに適した塗料をご紹介します。
窯業系サイディングに適した塗料
窯業系サイディングは、日本の住宅の7~8割に使用されている最も一般的な外壁材です。セメントと繊維質を高温・高圧で成形したボード状の外壁材で、デザインの種類が豊富なことが特徴です。
窯業系サイディングには、透湿性の高い塗料が適しています。
- シリコン塗料
- ラジカル制御型塗料
- フッ素塗料
- 無機塗料
窯業系サイディングは、ボード自体は水を吸いやすい素材です。そのため、内部の湿気を外に逃がす「透湿性」を持った塗料を選ぶことが重要です。
透湿性の低い塗料を使うと、内部に湿気がこもり、塗膜の膨れや剥がれの原因となります。
窯業系サイディングでは、ボードとボードの接続部分にあるシーリング(コーキング)の劣化にも注意が必要です。外壁塗装の際には、シーリングの打ち替えや増し打ちも合わせて行うことをおすすめします。
モルタル外壁に適した塗料
モルタル外壁は、セメントと砂を混ぜた素材を塗り重ねて作られる外壁で、継ぎ目がなく自由なデザインが可能です。1990年代までは主流でしたが、現在は全体の約10%程度のシェアとなっています。
モルタル外壁には、弾性塗料が最適です。
- ピュアアクリル塗料(弾性)
- 弾性シリコン塗料
- 弾性フッ素塗料
モルタル外壁は、経年劣化によりひび割れ(クラック)が発生しやすい特性があります。
弾性塗料は伸縮性があるため、下地にひび割れが生じても塗膜が追従し、ひび割れを目立たなくするとともに、雨水の浸入を防ぐことができます。
モルタル外壁は、ひび割れの補修を塗装前にしっかり行うことが重要です。大きなクラックがある場合は、専用の充填材で補修してから塗装を行います。
金属系サイディングに適した塗料
金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミニウムなどの金属板を成形した外壁材です。軽量で断熱性に優れており、近年人気が高まっています。
金属系サイディングには、密着性の高い塗料と専用の下塗り材が必要です。
- フッ素塗料(金属用)
- シリコン塗料(金属用)
金属系サイディングは、錆の発生が最大の敵です。そのため、金属に適した密着性の高い専用プライマー(下塗り材)を使用し、その上から耐久性の高い塗料で仕上げることが重要です。
また、金属は温度変化による伸縮が大きいため、弾性塗料の使用は避けるべきです。弾性塗料は熱を溜め込みやすく、金属サイディングの表面温度が上昇し、塗膜の劣化を早める原因となります。
既に錆が発生している場合は、塗装前にしっかりと錆を除去し、錆止め処理を行う必要があります。
ALCパネルに適した塗料
ALCパネルは、軽量気泡コンクリートのパネルで、耐火性、断熱性、遮音性に優れた高性能な外壁材です。
| 価格(㎡単価) | 7,000~15,000円 |
|---|---|
| 特徴 | 軽量・高性能だが水を吸いやすい |
ALCパネルには、透湿性と防水性を両立した塗料が必要です。
- シリコン塗料(透湿性タイプ)
- フッ素塗料(透湿性タイプ)
- 無機塗料
ALCパネルは内部に無数の気泡を含んでおり、非常に水を吸いやすい素材です。
しかし、内部に溜まった湿気を外に逃がす必要もあります。そのため、外からの水は防ぎつつ、内部の湿気は逃がすという透湿性と防水性を両立した塗料が最適です。
ALCパネルも窯業系サイディングと同様に、パネル間のシーリングの劣化に注意が必要です。
また、ALC専用の下塗り材を使用することで、吸水性をコントロールし、塗料の密着性を高めることができます。
外壁塗装の費用相場|坪数別・塗料別の目安と費用を抑えるポイント
外壁塗装を検討する際、最も気になるのが「実際にいくらかかるのか」という費用の問題ですよね。
ここでは、一般的な住宅の坪数別に、塗料のグレード別の費用相場をご紹介します。
外壁塗装の費用相場|30坪の住宅の場合
30坪(延床面積約100㎡)の住宅は、日本で最も一般的な戸建て住宅のサイズです。
外壁の塗装面積は、延床面積の約1.2~1.4倍が目安となりますので、30坪の住宅では約120~140㎡程度となります。
| 塗料の種類 | 費用相場(総額) |
|---|---|
| アクリル塗料 | 60万~80万円 |
| ウレタン塗料 | 70万~90万円 |
| シリコン塗料 | 80万~110万円 |
| フッ素塗料 | 100万~130万円 |
| 無機塗料 | 110万~140万円 |
- 足場代:15万~20万円程度(全体の約15~20%)
- 高圧洗浄:2万~3万円程度
- 養生費:3万~5万円程度
- 下地処理・補修:5万~10万円程度
- 塗料代・塗装工事費:40万~80万円程度(塗料のグレードにより変動)
- 付帯部塗装:10万~15万円程度(雨樋、軒天、破風板など)
- 諸経費:5万~10万円程度
外壁塗装の費用は、以下のような項目で構成されています。
外壁塗装の費用を抑えるポイント
外壁塗装の費用を抑えるには、以下のような方法があります。
複数社からの相見積もり
3社以上から見積もりを取ることで、価格や工事内容を比較でき、適正価格を把握できます。ただし、極端に安い見積もりには注意が必要です。必要な工程を省略していたり、塗料を薄めて使用したりする悪質な業者も存在します。
閑散期の利用
外壁塗装の繁忙期は春(3~5月)と秋(9~11月)です。逆に、梅雨時期(6~7月)や冬(12~2月)は閑散期となるため、値引き交渉がしやすい傾向があります。
ただし、気候条件により工期が延びる可能性がある点は考慮が必要です。
助成金・補助金の活用
多くの自治体で、外壁塗装に対する助成金や補助金制度が用意されています。これについては、事項で詳しく解説します。
屋根塗装との同時施工
外壁塗装と屋根塗装を別々に行うと、足場の設置費用が2回かかってしまいます。同時に施工することで足場代を1回分節約でき、トータルコストを抑えられます。
外壁塗装の費用相場についてこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
外壁塗装で使える助成金・補助金を解説
外壁塗装は高額な費用がかかるため、できるだけ負担を軽減したいとお考えの方も多いでしょう。
実は、多くの自治体で外壁塗装に対する助成金や補助金制度が用意されています。うまく活用すれば、10万~20万円程度の補助を受けられる可能性があります。
ここでは、助成金・補助金の種類、条件、申請方法について詳しく解説します。
助成金・補助金の種類と条件
外壁塗装で利用できる主な助成金・補助金には、以下のようなものがあります。
| 制度名 | 補助内容・金額目安 | 主な条件 | 対象となる外壁塗装 |
|---|---|---|---|
| 住宅リフォーム補助金 | 工事費用の10~20%上限10万~20万円前後 | ・工事前申請必須 ・自治体内の住宅 ・税金滞納がないこと ・指定業者または地元業者施工 | 一般的な外壁塗装工事全般 |
| 省エネリフォーム補助金 | 工事費用の10~20%上限20万~30万円前後 | ・遮熱塗料 ・断熱塗料の使用 ・省エネ性能向上が目的 ・工事前申請必須 | 遮熱塗料・断熱塗料を使用した外壁塗装 |
一般的な助成金の条件
助成金・補助金を受けるためには、通常以下のような条件を満たす必要があります。
- 工事前に申請すること(最重要)
- 遮熱・断熱塗料など、省エネ効果のある塗料を使用すること
- 税金を滞納していないこと
- 自治体内の住宅に対する施工であること
- 自治体が指定する条件を満たす施工業者へ依頼していること
特に重要なのは、工事着工前に申請を行うという点です。工事がすでに始まっていたり、完了してしまった後では、助成金を受け取ることはできません。
助成金の金額相場
一般的な外壁塗装の助成金・補助金の金額は、工事費用の10~20%、上限10万~20万円程度が目安となります。
例えば、工事費用が100万円の場合、10万~20万円の補助が受けられる計算になります。
助成金の申請方法と注意点
助成金・補助金を受けるためには、適切な手順で申請を行う必要があります。
- 自治体の制度を確認する
- 条件を確認し、対象となるか判断する
- 施工業者を選定し、見積もりを取る
- 申請書類を準備する
- 申請を行う(工事着工前)
- 交付決定通知を受け取る
- 工事を実施する
- 完了報告を行う
- 助成金・補助金を受け取る
申請時の注意点
- 予算枠に限りがある
多くの自治体では、助成金の予算枠が決まっており、先着順で受付を終了します。早めの申請が重要です - 申請期間が決まっている
年度ごとに申請期間が設定されている場合が多いです - 工事内容の変更は原則不可
交付決定後に工事内容を変更すると、助成金が受けられなくなる可能性があります - 自治体によって制度が異なる
制度の有無、条件、金額は自治体によって大きく異なります
助成金・補助金の活用は、外壁塗装の費用負担を大きく軽減できる有効な手段です。
ただし、申請手続きには時間がかかるため、外壁塗装を検討し始めたら、早めに自治体の制度を確認することをおすすめします。
もっと詳しい内容を知りたい方は、外壁塗装の助成金に関する記事をご覧ください。
外壁塗装に最適な時期|季節ごとのメリット
「外壁塗装はいつ行うのがベストなのか」という疑問をお持ちの方は多いでしょう。
結論から言うと、春(3~5月)と秋(9~11月)が最適なシーズンとされています。ただし、それぞれの季節にメリットがあり、また住んでいる地域によっても適した時期は変わってきます。
ここでは、季節ごとの特徴を詳しく見ていきましょう。
外壁塗装に適した時期|季節別の特徴比較表
外壁塗装は季節によって、施工品質・費用・工期の安定性が変わります。以下の表で、それぞれの季節のメリットと適した塗料を比較してください。
| 季節・時期 | 主なメリット | 適した塗料 |
|---|---|---|
| 春 3~5月 | ・気温15~25℃で安定し乾燥に最適 ・湿度が低く仕上がりが安定 ・雨が比較的少なく工期が乱れにくい ・窓を開けやすく生活への影響が少ない | 水性塗料・油性塗料ともに可(ほぼ全塗料対応) |
| 夏 6~8月 | ・塗料の乾燥が早い ・梅雨明け後は晴天が続きやすい ・日照時間が長く作業時間を確保しやすい | 速乾性塗料、遮熱塗料 ※梅雨時期は油性塗料が向く場合あり |
| 秋 9~11月 | ・気温・湿度ともに理想的 ・天候が安定し品質が高い ・職人の作業効率が良い ・年内に工事を完了しやすい | シリコン塗料、ラジカル制御型塗料など標準塗料全般 |
| 冬 12~2月 | ・閑散期で予約が取りやすい ・値引き交渉がしやすい ・空気が乾燥しており塗料は乾きやすい | 低温硬化型塗料、油性塗料 |
季節選びのポイント
外壁塗装の時期は、何を重視するかで選ぶのが重要です。
| 重視したいポイント | おすすめの時期 |
|---|---|
| 仕上がり品質を最優先 | 春(4~5月)・秋(10~11月) |
| 費用をできるだけ抑えたい | 梅雨時期(6~7月)・冬(12~2月) |
| 工期を短く、スムーズに進めたい | 夏(梅雨明け後)・秋 |
外壁の劣化が進行している場合は、季節を待たずに早めの塗装が必要です。
塗装時期を先延ばしにすると、外壁内部への雨水浸入や下地の腐食が進み、結果的に修繕費用が大きく膨らむ可能性があります。
外壁塗装の時期について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
外壁塗装の色選び|おしゃれに見える配色のコツとは?
外壁塗装では、塗料の種類だけでなく色選びも非常に重要です。
色は住まいの印象を大きく左右し、一度塗装すると10年以上その色と付き合うことになります。「こんな色になるとは思わなかった」と後悔しないために、色選びのポイントを押さえておきましょう。
外壁塗装の色選び|ツートンカラーの基本
外壁塗装を単色で仕上げるのもシンプルで美しいですが、ツートンカラーにすることで、より個性的でおしゃれな外観にすることができます。
ツートンカラーとは、外壁を2色で塗り分けるデザインです。
- 同系色で濃淡をつける
失敗しにくく、まとまりのある印象に(例:薄いベージュ×濃いベージュ) - 無彩色同士を組み合わせる
洗練された印象に(例:ホワイト×グレー、グレー×ブラック) - 無彩色+有彩色
バランスが取りやすい(例:ホワイト×ブルー、グレー×ベージュ)
ツートンカラーの配色の黄金比は、6:4または7:3の比率で色を配分すると、バランスの良い仕上がりになります。
もっと詳しく知りたい方は、「外壁塗装 ツートンカラー」の記事で解説しておりますので、ぜひご覧ください。
外壁塗装の色選び|3色ルール
外壁塗装では、使用する色は3色までに抑えることが、まとまりのある外観を作るコツです。
- ベースカラー▶︎外壁の大部分を占める色(70%)
- アクセントカラー▶︎外壁の一部に使う色(25%)
- 差し色▶︎玄関ドアや窓枠などに使う色(5%)
4色以上使うと、ごちゃごちゃした印象になってしまいます。
外壁塗装の色選び|周辺環境との調和
外壁の色を選ぶ際は、周辺の住宅や景観との調和も考慮しましょう。
- 住宅街では、周囲から極端に浮かない色を選ぶ
- 屋根の色、サッシの色、玄関ドアの色との相性を確認する
- 隣家との色のバランスを考える
色を決定する前に、以下の方法で必ず確認しましょう。
- 大きめの色見本で確認する:小さな色見本と実際の壁では、見え方が大きく異なります
- 外で確認する:室内と屋外では、光の当たり方が違うため色の見え方が変わります
- 晴れの日と曇りの日、両方で確認する:天候によって色の印象は変わります
- カラーシミュレーションを活用する:多くの塗装業者が、実際の家の写真を使ったシミュレーションを提供しています
- 試し塗りをお願いする:可能であれば、実際の外壁に小さく試し塗りをしてもらうと安心です
色選びは慎重に行い、焦って決めないことが大切です。
外壁塗装の色選びでお悩みの方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
また、外壁塗装でおしゃれな外観にしたいとお考えの方は、「」の記事もチェックされてみてくださいね。
外壁塗装の種類の選び方|塗料選びで失敗しないための5つのポイント
外壁塗装の種類は多く、価格や耐用年数、機能性もさまざまなため、「どれを選べば正解なのか分からない」と迷う方は少なくありません。
塗料選びを誤ると、想定より早く劣化したり、費用対効果が悪くなったりすることもあります。
ここでは、外壁塗装で後悔しないために押さえておきたい塗料選びの重要なポイントを5つに分けて解説します。
ご自身の住まいやライフプランに合った判断基準を身につけましょう。
外壁塗装の塗料選びのポイント1.予算と耐用年数のバランスを考える
塗料選びで最も重要なのは、予算と耐用年数のバランスです。
単純に「安い塗料」を選ぶのではなく、長期的なコストパフォーマンスを考えましょう。
例えば、以下のような比較をしてみます。
| 塗料の種類 | 初期費用(30坪) | 耐用年数 | 20年間のトータルコスト |
|---|---|---|---|
| シリコン塗料 | 90万円 | 12年 | 180万円(2回塗装) |
| フッ素塗料 | 115万円 | 18年 | 115万円(1回塗装) |
このように、初期費用は高くても、長期的に見るとフッ素塗料の方がコストを抑えられる場合があります。
ただし、ライフプランも考慮する必要があります。
- 10年後に建て替えを予定している → シリコン塗料で十分
- できるだけ長く住み続ける予定 → フッ素や無機塗料がお得
- 定期的なメンテナンスを楽しみたい → シリコン塗料で色を変えるのも一つの選択
ご自身のライフプランと照らし合わせて、最適な塗料を選びましょう。
外壁塗装の塗料選びのポイント2.外壁材との相性を確認する
前述の通り、外壁材によって最適な塗料は異なります。
- 窯業系サイディング → 透湿性の高い塗料
- モルタル → 弾性塗料
- 金属系サイディング → 密着性の高い塗料+専用プライマー
- ALCパネル → 透湿性と防水性を両立した塗料
外壁材に合わない塗料を使用すると、塗膜の剥がれや膨れなどのトラブルが発生する可能性があります。
信頼できる業者に、外壁材を確認してもらい、最適な塗料を提案してもらうことが重要です。
外壁塗装の塗料選びのポイント3.住環境に合った機能性を選ぶ
外壁塗装の塗料には、さまざまな機能性を持ったものがあります。ご自身の住環境に合った機能を選ぶことで、より快適な暮らしを実現できます。
遮熱・断熱機能
遮熱塗料は、太陽光を反射して屋内の温度上昇を抑える機能があります。夏の暑さが厳しい地域や、西日が強く当たる家におすすめです。
断熱塗料は、熱の出入りを抑える機能があります。冬の寒さが厳しい地域におすすめです。
低汚染・防カビ機能
低汚染塗料は、汚れが付きにくく、雨で汚れを洗い流す機能があります。交通量の多い道路沿いや、砂埃の多い地域におすすめです。
防カビ・防藻機能は、カビや藻の発生を抑える機能があります。湿気の多い地域や、日当たりの悪い北側の壁面におすすめです。
防水・透湿性
防水性は、雨水の浸入を防ぐ基本的な機能です。全ての塗料に必要な性能ですが、特に雨の多い地域では重要です。
透湿性は、内部の湿気を外に逃がす機能です。窯業系サイディングやALCパネルでは必須の性能です。
外壁塗装の塗料選びのポイント4.信頼できる業者を選ぶ
どんなに良い塗料を選んでも、施工業者の技術力が低ければ、良い仕上がりは期待できません。
信頼できる業者を選ぶためのポイントをご紹介します。
- 地域で長年営業している
- 施工実績が豊富で、写真や事例を見せてくれる
- 質問に丁寧に答えてくれる
- メリットだけでなく、デメリットも説明してくれる
- アフター保証がしっかりしている
- 自社施工(下請けに丸投げしない)
- 工程ごとに項目が分かれている
- 使用する塗料のメーカー名・商品名が明記されている
- 塗装面積が具体的に記載されている
- 各項目の単価が記載されている
- 保証内容が明記されている
見積書は、業者の信頼性を判断する重要な材料です。
外壁塗装の塗料選びのポイント5.色とデザインで後悔しない
前述の色選びのセクションでも触れましたが、色選びは非常に重要です。
多くの塗装業者が、カラーシミュレーションのサービスを提供しています。実際の家の写真をもとに、さまざまな色を試すことができます。
ただし、画面上の色と実際の色には違いがあるため、カラーシミュレーションはあくまで参考程度と考えましょう。
可能であれば、実際の外壁に小さく試し塗りをしてもらうことを強くおすすめします。
- 実際の質感を確認できる
- 晴天・曇天での見え方の違いを確認できる
- 周囲の色との調和を確認できる
試し塗りは有料の場合もありますが、10年以上付き合う色を決めるのですから、決して高い投資ではありません。
外壁塗装のDIYは可能?プロに依頼すべき理由
「外壁塗装を自分でやれば、費用を大幅に抑えられるのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
結論から言うと、一般住宅の外壁塗装をDIYで行うことはおすすめできません。ここでは、その理由を詳しく解説します。
- 高所作業の危険性
外壁塗装では、2階部分や屋根近くの高所での作業が必要になります。 - 仕上がりの品質問題
プロの塗装職人は、長年の経験と技術を持っています。DIYでは、以下のような問題が発生しやすいです。 - 耐用年数の低下
適切に施工された外壁塗装は、塗料の種類に応じた耐用年数を持ちますが、DIYでは以下の理由から耐用年数が大幅に短くなります。
ただし、以下のような小規模な補修であれば、DIYでも対応可能です。
- 1階部分の小さな傷や剥がれの補修
- ガレージや倉庫など、仕上がりの美しさをあまり重視しない建物
- ベランダの手すりなど、低い位置で面積の小さい部分
これらの場合でも、適切な塗料選び、下地処理、塗装方法をしっかり学んでから行うことが重要です。
プロに依頼するメリット
プロの塗装業者に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
- 安全性の確保
- 保証の充実
- 適切な塗料選定
- 高品質な仕上がり
外壁塗装は、住まいを守るための重要なメンテナンスです。安全性と品質を考えれば、プロに依頼することが最良の選択と言えるでしょう。
もっと詳しい内容を知りたい方は、「外壁塗装 DIY」の記事もご覧ください。
外壁塗装の種類に関するよくある質問(FAQ)
外壁塗装を検討する中で、「何年ごとに塗り替えるべきか」「塗料はどれを選べばいいのか」「見積もりは何を基準に判断すればよいのか」など、さまざまな疑問が生まれるものです。
こうした不安や疑問を解消しないまま工事を進めてしまうと、後悔につながる可能性もあります。
ここでは、外壁塗装の種類に関して特に多く寄せられる質問を取り上げ、初めての方にも分かりやすく解説します。
Q
外壁塗装は何年ごとに行うのが目安ですか?
A
外壁塗装の目安時期は、使用している塗料の種類によって異なります。一般的には10~15年ごとがひとつの基準です。シリコン塗料であれば10~13年、フッ素塗料なら15~20年、無機塗料では20年以上もつ場合もあります。
ただし、チョーキング(白い粉が付く)、ひび割れ、塗膜の剥がれなどの劣化症状が出ている場合は、年数に関わらず早めの塗装が必要です。
Q
シリコン塗料とフッ素塗料はどちらを選ぶべきですか?
A
どちらが適しているかは、予算と将来の住まい方によって判断します。初期費用を抑えつつバランスを重視するならシリコン塗料、塗り替え回数を減らして長期的なコストを抑えたい場合はフッ素塗料が向いています。
10年程度で住み替えや建て替えを予定している場合はシリコン、長く住み続ける予定ならフッ素を選ぶケースが多いです。
Q
高い塗料を選べば必ず長持ちしますか?
A
必ずしも塗料の価格=耐久性とは限りません。塗料の性能に加えて、下地処理の丁寧さや塗装回数、施工環境、職人の技術力が耐用年数に大きく影響します。
高性能な塗料でも、施工不良があれば早期劣化の原因になります。塗料選びと同時に、信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。
Q
外壁塗装でおしゃれに仕上げるには、どの種類の塗料を選べばいいですか?
A
おしゃれな外壁塗装に仕上げるためには、色選びだけでなく塗料の種類と質感も重要です。マットな質感を出したい場合はナノテクノロジー塗料、艶感を活かした高級感を出したい場合はフッ素塗料やシリコン塗料の艶ありタイプが向いています。
また、同系色で濃淡をつけるツートン配色にすると、失敗しにくく洗練された印象になります。
Q
見積もりで「塗料の種類」はどこを確認すべきですか?
A
見積書では、塗料のメーカー名・商品名・グレードが具体的に記載されているかを必ず確認しましょう。「シリコン塗料一式」など曖昧な表記だけでは、性能の判断ができません。
また、塗装面積や塗装回数(下塗り・中塗り・上塗り)が明記されているかも重要なチェックポイントです。不明点は契約前に必ず質問してください。
Q
「外壁塗装はまだするな」と言われるのは本当ですか?
A
状況によっては本当ですが、すべての家に当てはまるわけではありません。
「外壁塗装はまだするな」と言われるケースの多くは、外壁に目立った劣化がなく、急いで塗装する必要がない状態である場合です。
築年数だけを理由に塗装を勧められている場合は、すぐに工事を行う必要はありません。
一方で、チョーキング(白い粉が付く)・ひび割れ・塗膜の剥がれといった劣化症状が出ている場合は、塗装を先延ばしにすると下地まで傷み、補修費用が高くなることがあります。
大切なのは「年数」ではなく、現在の劣化状況を正しく見極めることです。
外壁塗装の種類について|まとめ
外壁塗装は、住まいの印象を整えるだけでなく、雨風や紫外線から建物を守り、寿命を延ばすために欠かせない工事です。
塗料にはアクリルやシリコン、フッ素、無機など多くの種類があり、それぞれ費用や耐用年数、機能性に違いがあります。そのため、価格だけで判断するのではなく、外壁材や住環境、将来の住まい方まで含めて選ぶことが重要です。
この記事のポイントを以下にまとめました。
- 塗料は価格と耐用年数で選ぶ
- 外壁材との相性が重要
- シリコン塗料は定番で万能
- 助成金は工事前申請が必須
- 業者選びで耐久性が変わる
また、塗料の性能を十分に引き出すためには、施工時期や下地処理、業者の技術力も大きく関わります。さらに、自治体の助成金や補助金を活用できれば、費用負担を抑えることも可能です。
正しい知識を身につけ、自分の住まいに合った塗料と信頼できる業者を選ぶことが、後悔しない外壁塗装につながります。