【賃貸経営】最も多い失敗例とはマンション・アパート・ビル別に見る判断ミスと立て直し戦略

マンション経営で最も多い失敗例と、そこから立て直す考え方

マンション経営でよくある失敗は「大きな判断を誤った」というより、
判断を先送りし続けた結果、選択肢が減ってしまうことです。

実際に多いのは築年数が進み、外観や設備に少しずつ古さが出てきているにもかかわらず、空室が一部にとどまっているため「まだ問題ない」と判断してしまうケースです。

この段階では家賃も急激には下がらず、収支も大きく崩れていません。
そのため、修繕や将来の売却について考える機会が後回しになります。

しかし数年後、空室が複数同時に発生し募集条件を下げても決まりにくくなり、
修繕を検討した時には「費用が大きすぎて判断できない」状態になってしまう。

これが、マンション経営で非常に多い失敗パターンです。

こうならないために重要なのは「今は安定している」という状態を過信しないことです。

マンション経営では一度の判断が10年単位で影響することも珍しくありません。
だからこそ、問題が顕在化する前に
「この物件を今後どう位置づけるか」を定期的に整理する必要があります。

すでに判断が遅れてしまった場合でも巻き返しは可能です。

いきなり大規模な修繕を行うのではなく現状を整理し、どこまで手を入れることで競争力が戻るのか、売却を含めた選択肢はどうか、一つずつ整理していくことで、
経営の立て直しは十分に現実的になります。


アパート経営で最も多い失敗例と、そこから立て直す考え方

アパート経営で最も多い失敗は、
**「経営している意識が薄いまま、場当たり的な対応を続けてしまうこと」**です。

よくあるのは空室が出るたびに家賃を下げ設備が壊れたら最低限直し、
特に大きな方針を決めないまま経営を続けているケースです。

最初は問題ありません。
しかし、競合物件が増え、築年数が進むにつれて少しずつ選ばれにくい物件になっていきます。

気づいた時には家賃を下げても埋まらない。
修繕をしようにも、「どこまでやればいいのか分からない」。

これが、アパート経営で非常に多い失敗です。

こうならないために必要なのは、小規模でも「経営として整理する視点」を持つことです。

アパート経営は規模が小さい分、判断の結果がすぐに数字に表れます。
だからこそ修繕・家賃・ターゲットを一度整理するだけで、大きく改善することもあります。

すでに苦戦している場合でも、巻き返しの余地は十分にあります。

全面的に手を入れるのではなく入居者にとって価値にならない部分を見極め、必要なところだけに投資する。
場合によっては、売却という判断も含めて整理する。

アパート経営は「小回りがきく」こと自体が強みです。


ビル経営で最も多い失敗例と、そこから立て直す考え方

ビル経営で多い失敗は、事業としての判断が属人的になりすぎることです。

テナントとの関係性や、過去の成功体験に引きずられ、「今まではこれでうまくいっていた」という感覚で判断を続けてしまうケースです。

その結果、修繕の判断が遅れ、テナントの更新時に条件が合わなくなったり、
空室が長期化したりします。

ビル経営では、修繕の規模も金額も大きくなりがちです。
そのため、判断を先送りすると後から修正がきかなくなることがあります。

こうならないためには、修繕を「事業投資」として捉える視点が不可欠です。

どの修繕が将来の収益や売却にどう影響するのか。
その判断を感覚ではなく整理して行う必要があります。

すでに状況が厳しくなっている場合でもビル経営は選択肢が多い分、巻き返しの余地も残されています。

部分的な修繕、用途変更を見据えた整理、売却を含めた出口戦略。
一度全体を俯瞰して整理することで次の一手は見えてきます。


3つに共通すること

マンションでも、アパートでも、ビルでも、
失敗の原因は「知識不足」よりも判断を整理しなかったことにあります。

修繕は問題が起きてから考えるものではなく、賃貸経営の流れの中で位置づけるもの。

そして、失敗は「終わり」ではありません。
整理すれば、巻き返せる余地は必ずあります。

3つ(マンション・アパート・ビル)に共通する「失敗の原因」は、結局のところ “建物の問題”というより「判断の仕組みがないこと」 に集約されます。ここを詳しく分解します。

1) 「問題が起きてから考える」クセ

賃貸経営は、売上が毎月入るぶん“壊れていない限り回って見える”ので、どうしても判断が後回しになります。
でも実際は、空室が増える・家賃交渉が増える・紹介が決まりにくくなる…といった変化は、**トラブルではなく“前兆”**です。
この前兆の段階で手を打たず、問題が表面化した時には、修繕費も募集条件も大きくなり、選択肢が減ります。


2) 「修繕=出費」としか捉えていない

共通して多いのが、修繕を“コスト”としてしか見ないことです。
本来は、修繕は 家賃・入居期間・退去率・売却価格(出口) に影響する“経営投資”なのに「お金が出ていく」感覚が強すぎて、判断が止まります。

結果として、

  • 先送りして、後から高額な修繕が必要になる
  • 逆に、目的が曖昧なまま過剰投資して回収できない

どちらにも転びます。
つまり失敗は「修繕しなかった」だけでなく、修繕の目的が決まっていないことから起きます。


3) 「数字だけ」「感覚だけ」どちらかに偏る

失敗する人は、判断材料が極端です。

  • 数字だけ見て「まだ回ってるからOK」
  • 感覚だけで「なんとなく不安」「とりあえずやろう」

賃貸経営は、
数字(稼働率・家賃推移・原状回復費・修繕履歴)と、現場(内見の反応・見た目の古さ・設備の使い勝手)の両方を合わせて判断しないとズレます。


4) 「意思決定の基準」が決まっていない

共通の根っこはこれです。
“何を優先する物件なのか”が決まっていないから、判断が毎回ブレます。

  • とにかくキャッシュ重視なのか
  • 長期保有で安定重視なのか
  • 将来売却も視野なのか

これが曖昧だと、修繕も家賃も売却も、全部が行き当たりばったりになります。
その結果、「やったのに効かない」「やらなくて詰む」が起こります。


5) 「情報が少ない状態で決める」

特に多いのが、修繕の判断を“見積が出てから”始めてしまうこと。
見積が出た時点で、すでに提案の枠ができていて、比較も難しくなります。

本来は、見積の前に

  • いまの状態(どこがボトルネックか)
  • 目標(家賃維持?空室改善?売却準備?)
  • 優先順位(どこにお金を使うか)

を整理しておくべきなのに、そこが抜けてしまいます。


6) 「小さな違和感」を放置する(早期対応の欠如)

大きな失敗の前には、必ず小さな兆候があります。

  • 入居者の要望が似通ってくる
  • 退去理由が“設備”や“古さ”寄りになる
  • 内見はあるのに決まらない
  • 修繕の見積が年々上がってくる

これを“たまたま”で片づけると、後でまとめて効いてきます。
賃貸経営は、小さな違和感に早く気づける人ほど強いです。


7) 「誰にも相談せず、一人で抱える」

最後はここ。
賃貸経営は“判断の連続”なので、迷いが出たときに整理相手がいないと、先送りか衝動決断になりやすいです。
答えを出してもらう必要はないんですが、判断材料を整理する相手は必要になります。


まとめ(共通原因を一言で言うと)

マンションでもアパートでもビルでも、失敗の正体は
「修繕を含む経営判断を、定期的に整理する仕組みがないこと」 です。