【賃貸経営】<第2回>賃貸経営で失敗しない物件選び|アパート・マンション・ビル初心者が必ず見るべき6つのポイント
2026/01/27
目次
物件選びで8割決まる
賃貸経営は「買ってから頑張る」より、「買う段階でどこまで見抜けるか」で結果の8割が決まります。
同じ価格帯・同じ利回りに見える物件でも、エリア・建物状態・修繕履歴・出口の取りやすさによって、10年後の手残りが大きく変わってしまうからです。
この記事では、これから賃貸経営(アパート・マンション・ビル)を始める初心者が「物件選びのときに絶対チェックしておきたい6つのポイント」と、「よくある勘違い・陥りやすい罠」を解説します。
1. 表面利回りより「実質利回り」と手残りを見る
まず押さえたいのは、「資料に書かれている利回り=自分の手取り」ではないということです。
- 表面利回りは「年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100%」で計算されており、空室・経費・修繕費は考慮されていない。
- 実際にはここから、管理費、共用電気、清掃、保守契約、保険、固定資産税、修繕費、ローン返済などが差し引かれる。
初心者がやりがちなミスは、
「表面利回り7〜8%なら大丈夫そう」と感覚で判断してしまうことです。
おすすめは、必ず以下の2つを自分の手で作ることです。
- 年間の「純家賃収入」(満室想定から空室分・賃料下落を控えめに引いた数字)
- そこから経費・ローンを引いた「年間の実際の手残り」
この「年間手残り」が、自分の目的(毎月〇万円のプラスが欲しい等)と合っているかどうかで判断すると、数字に振り回されにくくなります。
2. エリアは「今」だけでなく「10年後」も見る
賃貸物件は、立地でほぼ勝負が決まります。
ただし、見るべきなのは「今人気かどうか」だけではありません。
チェックしたい視点は次の通りです。
- 人口・世帯数の動き(増えているか、横ばいか、減っているか)
- 駅距離と実際の生活利便性(バス便でもスーパー・学校・病院などが近ければ評価されることがある)
- 競合物件(新築、リノベ物件、大型マンション)の供給状況
「今は良くても、今後明らかに人口が減っていくエリア」より、
「今は普通でも、再開発や世帯流入が見込めるエリア」の方が長期的には安定しやすいです。
ポータルサイトの賃貸募集件数だけでなく、自治体や不動産系の統計データで中長期の動きも一度は確認しておきましょう。
3. 建物の「見た目」より「構造」と「修繕履歴」
外観がきれいだからといって、中身も健康とは限りません。
特に築古物件では、「見た目リフォーム済みだけど構造部分は手つかず」というケースもあります。
見るべきポイントは、
- 構造(木造・軽量鉄骨・RC・SRCなど)と築年数
- 大規模修繕の履歴(外壁、屋上防水、共用部、設備更新の実施時期)
- インフラ(給排水管・電気容量・エレベーター等)の更新状況
ここが曖昧なまま購入すると、
「利回りは良いと思っていたのに、数年後に数百〜数千万円単位の修繕が必要になって一気に赤字」というパターンに陥りやすくなります。
売主・仲介に必ず
「過去10〜15年の修繕履歴」と「今後の修繕見込み」
を確認し、資料が出てこない場合はそのリスクも踏まえて判断しましょう。
4. 募集状況と入居者属性をチェックする
「今、たまたま満室だから安心」と考えるのは危険です。
確認したいのは、
- 過去1〜2年の平均入居率(ずっと満室なのか、出入りが多いのか)
- 募集時の賃料(成約賃料と差がないか)
- 入居者の属性(単身かファミリーか、学生か社会人か、高齢者が多いか)
例えば、
- 学生依存度が高いエリアで、学校の統廃合や移転が予定されている
- 高齢者ばかりで、今後退去が続きそうなのに、若い世代に響く設備・間取りになっていない
こうした場合は、数年以内に空室リスクが高まる可能性があります。
管理会社や賃貸仲介会社から「このエリア・間取りだと、今どんな層がどれくらい動いているか」を聞いておくとイメージが掴みやすくなります。
5. 管理と運営の「相性」と「コスト」
初心者ほど、「管理は何となくお任せ」で決めてしまいがちですが、ここも収益性に直結する要素です。
確認したい点は、
- 管理会社がどんなエリア・物件を得意としているか
- 管理委託料に含まれる業務範囲(募集、クレーム対応、更新、退去立会いなど)の内容
- 原状回復や小修繕の費用感・見積もりの透明性
管理会社との相性が悪いと、
- 募集スピードが遅く空室がなかなか埋まらない
- 修繕の提案が高止まりし、オーナーだけが疲弊する
といった状態になりかねません。
購入前の相談段階から、候補となる管理会社数社と話して比較しておくと、物件購入後に慌てずに済みます。
6. 出口(売却・持ち続ける)の取りやすさ
最後に、
「この物件は、将来売りやすいか」「長く持ちやすいか」
という視点で出口を確認しておきます。
- 土地としての価値(整形地か、間口・奥行き、道路付け、建ぺい率・容積率など)
- 将来的な建て替え・再開発の余地
- 同エリアで過去にどれくらいの価格で似た物件が売買されているか
賃貸経営としての収支だけでなく、
「いざ売るときに買い手がつきやすいか」
も見ておくことで、「出口が詰んでいる物件」をつかむリスクを減らせます。
初心者がやりがちな物件選びの3つの勘違い
- 利回り〇%なら安心、という思い込み
- 「大手が建てたから」「最近外壁を塗ったから」大丈夫だろう、という油断
- 管理会社に任せれば何とかなる、という他力本願
どれも一見もっともらしく聞こえますが、
- 中身(修繕履歴・構造・インフラ)
- 数字(実質利回りと手残り)
- 将来(エリアと出口)
を自分で確認しない限り、本当のリスクは見えてきません。
この記事の答え:物件選びで意識すべきこと
これから賃貸経営を始める人が「物件選び」で意識すべき答えを一言でまとめると、
「利回りの数字」ではなく、「10年後も人とお金が残るかどうか」を基準に選ぶ
ということになります。
- 実質利回りと手残りを見る
- エリアと建物の将来性を確認する
- 修繕履歴と今後のリスクを把握する
- 入居者と管理の現場の感覚も聞いてみる
- 出口(売却・保有継続)の取りやすさもセットで考える
この6つを一つひとつチェックしていけば、「なんとなく良さそうだから買う」状態から抜け出し、「自分で納得して選んだ」物件に近づいていきます。