【マンション経営】親のマンションを相続する前に必ず読む記事|相続すべきか・やめるべきかの判断基準と注意点
2026/01/28
目次
親のマンション相続でまず押さえるべき前提
①「相続すると自動的にお金が増える」は誤解
マンションの相続は、
- 資産(売れる価値)
と同時に - 負担(ローン・税金・管理費・修繕費・トラブル対応)
も引き継ぐ行為です。
「なんとなく残しておきたい」「親の思い出だから」という感情だけで受けると、後から家計を圧迫することがあります。
② 相続は「全部受ける」か「全部放棄する」かが原則
相続放棄をすると、
- その親から受け取る予定だった、マンション以外の財産(預貯金など)も含めて一括で放棄
となるのが基本ルールです。
「マンションだけいらない」は原則としてできません(遺言・生前贈与・売却などで事前に整理しておく必要があるパターン)。
この前提を踏まえたうえで、「受ける/受けない」を考えていきます。
相続するかどうかを考える前に「絶対確認すること」
まずは事実をそろえないと、何も決められません。最低限、次の項目だけは必ず確認してください。
マンションの基本情報
- 所在地・築年数・広さ・階数・構造(RCなど)。
- 区分なら「部屋単位」だけでなく、建物全体の築年数・管理状況。
お金の情報
- ローン残高(いくら借りているか、いつまで返済か、金利条件)。
- 毎月の支払い:管理費・修繕積立金・駐車場代(必要なら)・固定資産税の目安。
- 現在の賃料(賃貸中なら)と入居状況/空室期間の長さ。
売れる場合のおおよその価格
- 不動産会社の簡易査定、ネット査定などで、「このまま売った場合、おおよそいくらか」を確認。
ここまでそろうと、
- 「売ったらプラスが残るのか、ほぼとんとんなのか、マイナスの可能性があるのか」
- 「持ち続けた場合、毎月お金が残るのか、持ち出しになるのか」
がだいぶ見えてきます。
相続しない方がよい(慎重になるべき)代表的なケース
ケース1:ローンや維持費が重く、家計を明らかに圧迫する
- ローン残高が多く、家賃収入や自分の収入を合わせても返済がきつい。
- 管理費・修繕積立金・固定資産税などのランニングコストが高く、賃貸に出してもほとんど手残りがない、または赤字になりそう。
この場合、
「資産というより、長期の固定費」
になってしまう可能性が高いです。
特に、
- 自分の住宅ローンがすでにある
- 子どもの教育費など、今後お金のピークが来る
といった状況なら、無理に抱え込むのは危険度が高いと考えた方がいいです。
ケース2:築古+管理状態が悪く「負動産化」しそう
- 築年数がかなり古いのに、大規模修繕が充分に行われていない。
- 管理組合の財政が厳しく、修繕積立金が不足している。
- 共有部分(エントランス、廊下、エレベーター等)が明らかに劣化しているのに手が入っていない。
こうしたマンションは、
- 将来大きな修繕費を一気に請求されるリスク
- 建物価値が下がり続け、売却も難しくなるリスク
を抱えています。
「古い×管理が緩い×積立不足」が重なっている場合は、「相続しても負担が増えるだけ」になりかねません。
ケース3:家族・相続人同士の争いの火種になりそうな場合
- きょうだい・親族の間で、「誰が住む/誰が賃料を受け取る/売るかどうか」で意見が分かれている。
- 名義や持分が複雑に分かれており、誰も責任を持って管理しようとしない。
この場合、
- マンションそのものよりも、「人間関係のコスト」が非常に高くなります。
「どうしてもまとめるのが難しい」と感じたら、
- 売却して現金で分ける
- 相続放棄も含めて、第三者(弁護士など)を交えて整理する
ことも検討に値します。
相続した方がよい/前向きに検討できるケース
反対に、「条件がそろえば相続した方がよい」ケースもあります。
ケース1:資産価値があり、売っても貸してもプラスになりやすい
- 立地が良く、賃貸需要が安定している(駅近・都市部・人気エリアなど)。
- ローン残高が少ない、または無借金。
- 管理・修繕が比較的しっかりしているマンション。
この場合、
- 賃貸として持てば、安定した家賃収入の柱になる。
- いざ現金が必要になったら、売却という選択肢も取りやすい。
つまり、「資産」としての選択肢が複数残っている状態なので、相続を前向きに検討する価値が高いと言えます。
ケース2:将来自分(または子ども)が住む可能性がある
- 実家エリアに将来戻る見込みがある。
- 子どもが独立するときの住まい候補として活用したい。
このように「自分や家族が使う具体的なイメージ」がある場合、
- 一時的に賃貸に出して収入を得つつ、将来の選択肢として確保する
といった柔軟な運用も可能です。
ケース3:相続税・資産分散の観点から合理的な場合
- 現金より不動産で持っていた方が、トータルの相続税負担が抑えられるケース。
- 他の相続人とのバランス上、マンションを受け取ることで全体が丸く収まるケース。
この辺りは税理士レベルの判断が必要ですが、
「税金面・全体バランスを見たときに、受けた方が合理的」
というパターンも確かに存在します。
最終判断の前に、自分に問いかけてほしいこと
数字や条件だけでは割り切れないのが、親や義理の親のマンションです。
最後に、自分に問いかけてほしい質問を挙げます。
- このマンションを持ち続けても、家計と生活に無理は出ないか。
- 管理や賃貸経営の手間を引き受ける覚悟が、自分や配偶者にあるか。
- 将来、自分が亡くなったときに、このマンションを子どもが受け継いで喜ぶか、それとも困るか。
「数字的にはギリギリ成り立つけれど、気持ちとして重すぎる」と感じるなら、
- 売却して現金で受け継ぐ
- 相続人全体で話し合い、別の形で整理する
といった選択肢も、立派な「親の財産を守る判断」です。
この記事の答え:相続するかどうかの基準
親(義理の親)のマンションを相続するかどうかの基準を、最後に一文でまとめるなら、
「そのマンションを引き継いでも、自分と家族の生活・お金・関係が“前向きに続けられるかどうか」
です。
- 数字の面で明らかに無理がある
- 将来の修繕や負担が重すぎる
- 家族関係に火種になりそう
こう感じるなら、相続しない・売却して現金で分けるなど、「持たない勇気」を選ぶのも大切です。
逆に、
- 立地・管理・収支のバランスがよく、資産としての余力がある
- 自分や家族が将来使うイメージもある
- 無理のない範囲で管理・運用に向き合える
のであれば、前向きに相続を検討する価値は十分あります。
大事なのは、「親が残したものだから」「なんとなくもったいないから」ではなく、
数字と現実と自分たちの将来を一度テーブルに並べてから決めること。
そのうえで出した答えであれば、
「相続する」「相続しない」どちらを選んでも、それはあなたと家族にとっての正解になり得ます。