賃貸経営の収支を改善する|見直すべき5つのポイント|関東エリアのオーナー向け

はじめに:収支改善は「収入を増やす」か「支出を減らす」か

賃貸経営の収支を改善するには、シンプルに言えば**「収入を増やす」か「支出を減らす」か**の2つしかありません。

ただ、「どこから手をつければいいかわからない」というオーナーは多いです。
収入を増やすにも、賃料を上げるのか、空室を減らすのか、付加価値をつけるのか、選択肢はさまざまです。
支出を減らすにも、管理費なのか、修繕費なのか、ローンなのか、優先順位がわからないと動けません。

この記事では、賃貸経営の収支を改善するために**「見直すべき5つのポイント」**を整理し、どこから手をつけるべきかの優先順位も解説します。

関東エリア(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木)で賃貸経営をしているオーナーの方は、自分の物件に当てはめながら読んでみてください。

収支改善ポイント1:空室を減らす(入居率を上げる)

収支改善で最もインパクトが大きいのが、空室を減らすことです。

空室が1部屋あるだけで、年間数十万円の家賃収入が失われます。
例えば、家賃6万円の部屋が2ヶ月空室になると、12万円の損失です。
これが年に2〜3回続けば、年間30〜40万円が消えていきます。

空室を減らすための施策

  • 募集条件の見直し:敷金・礼金ゼロ、フリーレント、保証人不要など
  • 募集賃料の見直し:相場とズレていないかチェック
  • 物件写真・情報の改善:プロ撮影、360°写真、設備情報の充実
  • 仲介会社への働きかけ:広告料(AD)の設定、優先紹介の依頼
  • ターゲットの見直し:単身→カップル可、ペット可、外国人可など

特に、東京23区外や神奈川・千葉・埼玉の郊外エリアでは、募集条件の柔軟さが入居率に直結します。
「うちは敷金・礼金1ヶ月ずつ」と決めているオーナーも多いですが、競合がゼロゼロ物件ばかりなら、条件を見直す余地があります。

費用対効果

  • 初期費用:ほぼゼロ〜数万円(写真撮影費など)
  • 期待効果:空室1ヶ月短縮で家賃1ヶ月分の収入増

最も低コストで効果が出やすい施策なので、まず最初に取り組むべきポイントです。

収支改善ポイント2:賃料を見直す

空室率は悪くないのに収支が改善しない場合、賃料が相場より安すぎる可能性があります。​

賃料を見直すタイミング

  • 新規募集時(退去が出たタイミングで、相場に合わせて賃料を設定し直す)
  • 契約更新時(既存入居者に対して、更新のタイミングで値上げを打診する)

賃料値上げの進め方

  1. 周辺の競合物件の賃料を調査する
  2. 自分の物件の「強み」と「弱み」を整理する
  3. 妥当な賃料水準を算出する
  4. 入居者に対して、値上げの理由とともに打診する

賃料値上げは入居者との交渉が必要になりますが、物価上昇・固定資産税上昇などの合理的な理由があれば、応じてもらえるケースも増えています。​

費用対効果

  • 初期費用:ゼロ
  • 期待効果:月3,000円の値上げ × 10戸 × 12ヶ月 = 年間36万円の収入増

コストゼロで収入を増やせる可能性があるので、見落としがちですが重要なポイントです。

収支改善ポイント3:管理費を見直す

管理会社に支払う管理費が、家賃収入に対して高すぎないかをチェックしましょう。

管理費の相場

  • 一般的な管理費の相場:家賃収入の5〜8%
  • 管理内容によって異なる(入金管理のみ、クレーム対応込み、募集業務込みなど)

例えば、家賃収入が月50万円の場合、管理費は月2.5〜4万円程度が目安です。
これを大幅に超えている場合は、管理内容と費用のバランスを確認しましょう。

管理費を見直す方法

  • 他の管理会社から見積もりを取り、比較する
  • 管理内容を見直し、不要なサービスを外す
  • 管理会社を変更する

管理会社の変更は手間がかかりますが、年間数十万円のコスト削減につながることもあります。

費用対効果

  • 初期費用:ゼロ(変更に伴う手間は発生)
  • 期待効果:管理費1%削減 × 年間家賃収入600万円 = 年間6万円の支出減

収支改善ポイント4:修繕費を見直す

築年数が経過した物件では、修繕費が収支を圧迫しがちです。

修繕費を見直すポイント

  • 相見積もりを取る:管理会社経由だけでなく、複数の業者から見積もりを取る
  • 必要性を見極める:「今すぐ必要な修繕」と「先送りできる修繕」を区別する
  • 予防保全を意識する:壊れてから直すのではなく、定期的なメンテナンスで大きな出費を防ぐ

管理会社経由の修繕は、管理会社のマージンが乗っていることが多いです。
直接業者に発注することで、2〜3割コストを下げられることもあります。

費用対効果

  • 初期費用:ゼロ(相見積もりの手間は発生)
  • 期待効果:修繕費20%削減 × 年間修繕費50万円 = 年間10万円の支出減

収支改善ポイント5:ローンを見直す

ローン返済が重い場合、金利の見直し・借り換えで返済額を下げられる可能性があります。​

ローンを見直すポイント

  • 現在の金利を確認する:変動金利の場合、最近の金利動向と比較
  • 借り換えを検討する:他の金融機関でより低い金利が出ないか確認
  • 返済期間の見直し:返済期間を延ばして毎月の返済額を下げる(総返済額は増える)

特に、5年以上前に組んだローンは、借り換えで金利が下がる可能性があります。
借り換えには諸費用がかかりますが、金利差が0.5%以上あれば、メリットが出るケースが多いです。

費用対効果

  • 初期費用:借り換え諸費用(数十万円)
  • 期待効果:金利0.5%低下 × 借入残高3,000万円 = 年間15万円の支出減

改善の優先順位の決め方

5つのポイントを紹介しましたが、どこから手をつけるかは物件の状況によって異なります。

優先順位の考え方

優先度施策理由
空室を減らす最もインパクトが大きく、低コストで着手できる
賃料を見直すコストゼロで収入増の可能性がある
管理費を見直す手間はかかるが、継続的なコスト削減になる
修繕費を見直す相見積もりで即効性のあるコスト削減が可能
低〜中ローンを見直す効果は大きいが、手続きに時間がかかる

まずは**「空室対策」と「賃料見直し」**から着手し、それでも収支が改善しない場合に「管理費」「修繕費」「ローン」を順番に見直していくのが、効率的な進め方です。

まとめ:「見える化」して優先順位をつける

収支改善の第一歩は、現状を数字で「見える化」することです。

  • 入居率は何%か
  • 賃料は相場と比べてどうか
  • 管理費は家賃収入の何%か
  • 修繕費は年間いくらかかっているか
  • ローン返済額は家賃収入の何%か

これらを把握したうえで、改善余地が大きいポイントから優先的に取り組むことで、効率よく収支を改善できます。

「どこから手をつければいいかわからない」「自分では判断できない」という場合は、専門家に相談して、一緒に優先順位を整理してもらうのも有効です。