【賃貸経営】第1回 管理会社はこうして変える!失敗しない変更手順とトラブルを防ぐチェックリスト
2026/02/17
目次
管理会社を変えたいけれど、不安で動けないオーナーへ
「今の管理会社に不満はあるけれど、変えるとなるとなんだか怖い」「入居者に迷惑がかかりそうで一歩踏み出せない」——こうした声は、賃貸オーナーのよくある本音です。
実際、管理会社の変更は手続きや関係者も多く、準備不足のまま動くとトラブルになりやすいのも事実です。
この記事では、「管理会社変更の全体像」と「変更前に必ず確認しておきたいポイント」を整理し、次回の記事で具体的な引き継ぎ手順やトラブル回避策まで解説していきます。
そもそも管理会社は本当に変更すべき?先に確認したい3ポイント
契約上の業務範囲と、期待している役割がズレていないか
まず確認したいのは、「契約上、管理会社に何を頼んでいるのか」と「自分が何を期待しているのか」が噛み合っているかどうかです。
管理委託契約書には、入居者募集、賃料回収、クレーム対応、小修繕の手配など、管理会社が担う具体的な業務内容が書かれています。
一方で、「リノベーションの企画までやってくれると思っていた」「大規模修繕の計画も立ててくれるはず」といった“期待”だけが先行しているケースも少なくありません。
契約に含まれていない業務まで求めている場合、管理会社を変えるよりも、業務範囲の追加や報酬の見直しを交渉した方が、結果的にコスパが良いこともあります。
不満の原因が「人」なのか「会社の仕組み」なのかを切り分ける
次に、「今の不満は、担当者個人の問題か、会社としての方針や仕組みの問題か」を整理します。
担当者のレスポンスが悪い、提案が雑、といった個人要因であれば、「担当者変更」で解決できることがあります。
しかし、「広告の出し方が会社として古い」「修繕に対する方針自体が守りに入りすぎている」「レポートが紙ベースでスピード感がない」など、会社の仕組みや文化に根ざした問題であれば、担当者を変えても根本的な改善は期待しにくいでしょう。
この見極めをしておくと、「まずは改善交渉」「それでもダメなら会社ごと変更」というステップが取りやすくなります。
管理会社を変えることで、何を改善したいのかをはっきりさせる
管理会社変更は「なんとなく不満だから」ではなく、「何をどこまで改善したいのか」が明確になっているほど成功しやすくなります。
例えば次のような目標を、できるだけ具体的な言葉にしておくと、新しい管理会社を選ぶときの判断軸になります。
- 空室率を今の◯%から、◯年以内に◯%まで改善したい
- 家賃の未収トラブルを減らしたい、回収プロセスも見える化したい
- 修繕や大規模修繕の提案を積極的にしてほしい
- オーナーへの報告を定例化し、数字と写真で分かりやすく共有してほしい
この「ゴール設定」が曖昧なまま変更すると、なんとなく条件は変わったものの、「結局、前と同じ不満を繰り返す」結果になりがちです。
管理会社変更の全体像をつかむ(5ステップ)
管理会社の変更は、ざっくりと次の5ステップで考えると分かりやすくなります。
- 今の管理会社との契約内容と解約条件を確認する
- 新しい管理会社候補を探し、比較する
- 新しい管理会社と委託範囲・条件をすり合わせる
- 旧管理会社へ解約通知を行う
- 新旧管理会社で引き継ぎを行い、入居者へ案内する
この記事(第1回)では、①〜③までを詳しく解説し、第2回で④〜⑤とトラブル事例・回避策を取り上げます。
ステップ1:今の管理会社との契約内容と解約条件を確認する
管理委託契約書で見るべきポイント
最初に行うべきなのは、「今の管理委託契約書を取り出して、解約に関する条項を確認すること」です。
具体的には、次のような項目をチェックします。
- 契約期間と自動更新の有無
- 解約できるタイミング(契約期間満了時のみか、途中解約が可能か)
- 解約の予告期間(例:解約希望日の◯か月前までに通知)
- 解約に伴う違約金や手数料の有無
- 解約の方法(書面通知、内容証明郵便などの指定があるか)
例えば、「1年ごとの自動更新で、解約は更新月の1か月前までに書面で通知」「途中解約の場合は管理料の◯か月分を違約金として支払う」といった条件が定められているケースもあります。
この条件を把握せずに動き出すと、「思っていたよりも時間がかかる」「違約金が発生してしまった」という事態になりかねません。
解約のベストタイミングを考える
契約条件が確認できたら、「いつ解約するのが一番スムーズか」を検討します。
目安としては、次のような観点があります。
- 契約更新月の前後を狙う
- 入居者の動きが激しい繁忙期(1〜3月)を避ける
- 退去予定や大規模修繕の予定など、大きなイベントが重ならない時期を選ぶ
「早く変えたい」という気持ちはあっても、タイミングを誤ると、入居者対応や修繕が混乱し、オーナー・入居者・管理会社すべてに負担がかかります。
数か月先までの予定をカレンダーに書き出し、「最もリスクとストレスが少ない時期」を選ぶ意識が重要です。
ステップ2:新しい管理会社候補を探し、比較する
候補を探す入口を増やす
「今の管理会社に不満がある」と感じたとき、多くのオーナーはインターネット検索で候補を探し始めます。
ただ、検索だけに頼るのではなく、オーナー仲間や不動産会社、金融機関からの紹介も含めて、複数のルートで候補をピックアップすると情報の偏りを減らせます。
最初から1社に決め打ちするのではなく、「最低でも2〜3社」と面談して比較するのがおすすめです。
その際、「どんな物件をどれくらい管理しているか」「自分の物件と似た条件の実績があるか」を必ず確認しましょう。
比較するときに見るべきポイント
新しい管理会社を選ぶときは、管理委託料のパーセンテージだけで判断するのは危険です。
次のような観点で比較することで、「数字の安さ」だけでなく「結果の出しやすさ」「付き合いやすさ」も含めた総合評価がしやすくなります。
- 管理実績:自分の物件と同じエリア・築年数・戸数の管理実績があるか
- 空室対策:募集戦略、広告媒体、内見時の見せ方、家賃設定の方針など、具体的な打ち手を持っているか
- 修繕・大規模修繕:小修繕だけでなく、建物全体の維持・改善まで見据えた提案ができるか
- 報告体制:レポートの頻度と内容、オンラインでの共有可否、相談へのレスポンスの速さ
- 費用:管理料のほか、広告費、更新事務手数料、退去時費用などを含めたトータルコスト
また、面談の中で「担当者の説明の分かりやすさ」「こちらの話をきちんと聞いてくれるか」も、長期的な付き合いでは大きなポイントになります。
ステップ3:新しい管理会社と委託範囲・条件をすり合わせる
委託範囲と「ここだけは譲れない」条件を明確にする
候補の中から「良さそうな管理会社」が見つかったら、具体的な委託範囲と条件をすり合わせます。
この段階では、次のような点を一つひとつ確認しておくと、契約後のミスマッチを減らせます。
- 入居者募集をどこまで任せるか(広告出稿、内見対応、申込審査など)
- 賃料回収や督促のルール(滞納が何日続いたらどう対応するか)
- クレーム・トラブル対応の方針(24時間対応の有無、対応範囲)
- 小修繕の判断基準(いくらまで管理会社の判断で進めてよいか)
- 大規模修繕や計画修繕への関わり方(提案・見積もりの取り方など)
あわせて、「空室率」「収支」「報告頻度」など、目標とチェックポイントを簡単に決めておくと、定例の打ち合わせが建設的になります。
管理委託料“以外”の費用も必ず確認する
新しい管理会社の提案資料を見るとき、多くのオーナーが最初に目を向けるのが「管理委託料の◯%」という数字です。
しかし、実際の負担は、広告料、更新時の事務手数料、退去時の原状回復費用の考え方などを含めた「トータル」で決まります。
例えば、「管理料は安いが広告料が高いプラン」と「管理料は標準的だが、広告料を含めてトータルが抑えられるプラン」では、長期的なコストが大きく変わることもあります。
複数社で「同じ条件の試算」を出してもらい、年間ベースで比較することをおすすめします。