屋上防水の耐用年数はどれくらい?種類ごとの寿命・長持ちさせる方法を解説 | 株式会社新東亜工業  

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屋上防水の耐用年数はどれくらい?種類ごとの寿命・長持ちさせる方法を解説

屋上は建物の中でも雨水の影響を強く受けるので、適切な防水工事とメンテナンスが欠かせません。

屋上防水を一度施工した後も、耐用年数を目安に補修や再工事を行う必要があります。

今回は、そんな屋上防水の種類ごとの耐用年数や、できるだけ長持ちさせるためのメンテナンス方法を徹底解説していきます。

屋上防水の再工事の時期を悩んでいる方や、できるだけ防水層を長持ちさせたいと考えている方など、屋上防水についてお悩みを持つ方はぜひ参考にしてみてくださいね。

屋上と躯体部分との関係は?

建物の「躯体部分」とは、建物全体を支える骨組み部分や構造体のことです。

建物の基礎や柱・壁などの部分が該当します。

屋上と躯体部分は、実は劣化について強い関わりを持っています。

屋上から雨漏りが発生すると、躯体部分まで雨水が侵入して躯体に劣化や腐食などが起こり、建物の寿命を縮めてしまうことがあります。

この関係性によって、屋上の防水機能が低下していると、建物全体の寿命を縮めることにもつながるのです。

反対に、屋上の防水工事をしっかりと行って防水機能が維持できていれば、建物全体を守り寿命を伸ばせるということでもあります。

建物の資産価値を維持して安全に住み続けるためには、躯体部分の劣化を遅らせて長持ちさせることが重要です。

そのためにも、躯体部分の劣化と強い関わりを持つ屋上の防水機能を、正常に維持し続ける必要があるのです。

雨漏りの原因になる屋上の劣化とは?

屋上の劣化症状の中には、雨漏りの原因となるものが多くあります。

ここでは、雨漏りの原因になる屋上の劣化症状を4つ紹介します。

屋上の劣化は躯体部分の劣化にもつながるため、劣化症状を確認して早期発見と補修を心がけましょう。

コンクリートや防水層の劣化

コンクリートや防水層の劣化は、屋上からの雨漏りに直結する原因のひとつです。

屋上の防水層の劣化は、当然雨漏りにつながる劣化症状です。

防水層の劣化を放置して雨漏りが発生すれば、建物内部まで雨水が侵入して躯体部分などの建物全体にダメージを与えることになります。

防水層が劣化すれば、下地コンクリートの内部にも雨水が浸透するリスクが高いです。

建物のコンクリートはもともとアルカリ性ですが、空気中の炭酸ガスの影響を受けて徐々に中性へと近づいていってしまいます。

経年劣化によって中性化されたコンクリートは、鉄筋の不動態被膜が破壊されることによって、雨水が浸透しやすくなります。

コンクリートに雨水が浸透すれば、内部の鉄筋が錆びる、建物の耐荷性や耐久性が損なわれるなど、躯体部の重大な劣化にもつながってしまうでしょう。

ルーフドレンの目詰まり

ルーフドレンとは、屋上の雨水を排水する役割を持つ排水口のことです。

雨水の溜まりやすい屋上では、軽微な傾斜によって雨水を排水口に誘導することで、排水を行なっています。

ルーフドレンは、落ち葉やゴミ、汚れなどが原因で詰まってしまうことが多いです。

ルーフドレンが詰まったままでは、屋上の排水機能が失われた状態なので、雨漏りの原因となります。

屋上はとくに、落ち葉や砂埃、ゴミなどが飛んできて溜まりやすい場所です。

気づかないうちにルーフドレンが目詰まりして排水機能が低下し、屋上から雨漏りが発生してしまうことも多いので注意しましょう。

パラペットのひび割れや継ぎ目の劣化

パラペットとは、外壁と屋根の境目にある立ち上がり部分のことです。

屋上の外周に設けられていて、人の落下リスクを軽減するだけではなく、接合部の強度を上げて防水効果を向上する役割も持っています。

パラペットがあることによって屋上で雨水を受け止めて排水してくれるので、雨水が外壁を伝ってサッシ部分から室内に雨水が侵入してしまうリスクも減らすことができます。

このように防水面で重要な役割を持つパラペットですが、コンクリートでできているため劣化していってしまうものです。

パラペットの劣化には、ひび割れの発生や継ぎ目部分のシーリングの劣化などがあります。

ひび割れや継ぎ目の劣化が発生すれば、その部分から雨水が浸透してしまうため、屋上の防水機能の低下や雨漏りにつながるでしょう。

笠木の劣化

笠木は、パラペットの上部に施工されている仕上げ材のことです。

ベランダの腰壁や階段手すり、塀などの上部に施工される仕上げ材も、同様に笠木と呼びます。

笠木の素材は金属製から木製までさまざまで、笠木の下にある壁や躯体などを守る役割がありますが、当然徐々に劣化していってしまいます。

ヒビやモルタル欠損、苔の発生などが、笠木の劣化症状です。

笠木の劣化は雨漏りにつながらないと思われがちですが、劣化によって立ち上がり防水層の裏側に雨水が浸透してしまうため、笠木の劣化も雨漏りの原因になります。

屋上防水のメンテナンス時期はいつ?耐用年数は?

屋上の防水機能を正常に維持するためには、一度防水工事を施工した後も適切なメンテナンスを行う必要があります。

劣化部分の補修はもちろん、時には屋上防水の再工事も必要です。

ここでは、そんな屋上防水のメンテナンス時期の目安を紹介します。

耐用年数

屋上防水の耐用年数は、施工方法によって多少の前後はあるものの、10〜20年が基本です。

一般的には、屋上防水の施工後10年ほどを目安にして、メンテナンスを行うことが推奨されています。

屋上防水の耐用年数を超えると、どんなに丁寧にお手入れをしていても防水機能が低下してきます。

屋上防水は紫外線や歩行の刺激などさまざまな影響を受けて経年劣化するため、定期的なメンテナンスは欠かせません。

そのため、施工後から10年を目安に屋上防水の再工事を行えるよう、計画的に準備しておきましょう。

防水層が劣化しているとき

防水層の耐用年数にかかわらず、防水層に劣化症状が現れた場合にはメンテナンスが必要です。

ここでは、屋上防水のメンテナンス時期の目安となる劣化症状を7つ詳しく紹介していきます。

目視で発見できる劣化症状ばかりなので、チェックして屋上の点検に役立ててくださいね。

表面の色褪せ

防水層の初期の劣化症状として、表面の色褪せがあります。

色褪せているだけの場合雨漏りにつながるような劣化症状ではありませんが、防水層の劣化の始まりを意味します。

色褪せが起きた後、しばらくして劣化が進行すると雨漏りのリスクが高い劣化症状が現れてくるでしょう。

そのため、防水層の色褪せに気づいたらメンテナンスを行うことがおすすめです。

この段階で劣化を早期発見できれば、躯体部分に悪影響を与えません。

ひび割れ

劣化が進むと、乾燥による収縮やコンクリートの中性化の影響を受けて、トップコートや防水層にひび割れが発生します。

ひび割れは、トップコートや表面部分のみの軽度なものもあれば、防水層まで進んでいるものもあります。

表面のみの軽度なひび割れであれば雨漏りに直結するものではありませんが、防水層までひび割れが進んでいれば、雨漏りに直結する劣化症状です。

ひび割れを放置していると、躯体部分まで雨水が浸透してしまい、建物全体に悪影響を与えることになってしまいます。

まだ雨漏りが発生していない段階であっても、ひび割れを発見したら早急にメンテナンスを行いましょう。

剥がれ

防水層の劣化が進むと、表面が剥がれてきます。

屋上防水がシート防水の場合はとくに、シートの継ぎ目部分が剥がれてくることが多いです。

防水層の剥がれは、躯体への雨水の侵入や雨漏りの原因になります。

雨水が内部に侵入すれば建物全体に負担をかけてしまうことになるので、防水層の剥がれを見つけた場合は早急にメンテナンスを行いましょう。

膨れ

防水層のぼこぼことした膨れは、劣化症状のひとつです。

防水工事の施工時に下地に水分が残っていたり、防水層の下に結露が発生したりすると、水分が太陽光の熱によって温められて水蒸気となり、逃げ場を失った水蒸気の影響で防水層に膨れが発生します。

防水層の膨れは、ウレタン防水の塗膜やシート防水・アスファルト防水の継ぎ目で発生することが多いです。

継ぎ目部分に膨れが発生すると、雨水の侵入経路となって雨漏りの発生や躯体部分に雨水が浸透する原因となります。

塗膜に膨れが発生した部分は破れやすくなっていて、更なる劣化にもつながります。

膨れを発見したら、放置せずに早めにメンテナンスを依頼しましょう。

水たまり

床の歪みや排水機能の低下など、さまざまな原因によって屋上に水たまりが発生することがあります。

工事後すぐに水たまりができる施工不良の場合もあれば、劣化が原因で徐々に水たまりができる場合もあります。

防水層の上に水たまりができていると、防水層の劣化のスピードを早めてしまうため、雨漏りのリスクが高まるでしょう。

また、水たまり部分にすでに防水層の劣化があれば、そこからどんどん躯体部分に雨水が侵入していってしまいます。

排水溝がしっかりと機能しているか確認したり、シートを重ねることで勾配をつけたりと、水たまりを解消するメンテナンスが必要です。

雑草が生えている

屋上には植物の種子が風に乗って運ばれてくることがあり、気づかない間に雑草が生えてしまうことも少なくありません。

雑草の根の力はとても強いため、屋上に生えた雑草の根は防水層まで到達してしまうこともあります。

雑草の根を伝って水が躯体部分に侵入してしまったり、自己判断で雑草を抜いてしまい防水層に穴があくことで、雨漏りの原因になってしまったりする場合も多いです。

屋上に生えた雑草は、表面に溜まっていた土に根が張っていて軽い力で抜ける場合であれば、自分で抜いても問題ありません。

しかし、防水層まで根を張っている場合は、抜いてしまうことでかえって防水機能を低下させてしまう場合もあります。

軽い力で抜けない雑草は、無理矢理抜いてしまうのではなく、専門業者に依頼して点検とメンテナンスを行ってもらうようにしましょう。

雨漏り

すでに雨漏りが発生している場合は、防水層に重大な劣化症状が現れているということです。

雨漏りが発生していれば、躯体部分にも雨水が浸透しています。

雨漏りが発生していても、どの部分が侵入経路となっているのか特定するのは難しい場合が多いです。

そのため、点検やメンテナンスも大規模なものになることが多いでしょう。

また、すでに雨漏りが発生している場合は、屋上の防水工事だけではなく構造材や断熱材などを入れ替える工事が必要となることもあります。

雨漏りを放置していると、どんどん躯体に悪影響を与えて必要な工事も大規模なものになっていってしまいます。

雨漏りが発生した場合は、早急に業者に依頼して修繕工事を行ってください。

屋上防水の種類ごとの耐用年数について

屋上防水は、工事の種類によって特徴や耐用年数が異なります。

ここでは、屋上防水で主流な3種類の防水工事について、特徴や耐用年数を解説していきます。

屋上防水を検討している方や、採用した工法の耐用年数が気になる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

アスファルト防水:15〜25年

アスファルト防水は、液状のアスファルトを浸透させた防水シートを使用した防水工法です。

押さえコンクリート仕上げで仕上げる場合には、防水層の上から押さえコンクリートを施工します。

防水性能が高い上に、他の工法に比べて耐久性も高いことが特徴です。

アスファルト防水の場合は、耐用年数の目安は15〜25年です。

防水性能と耐久性に優れていて優秀な防水工事ですが、その分工事も大掛かりで工期が長く、施工にかかる費用も他の工法に比べて高額になります。

また、アスファルトを使用するため防水層の重量があり、対荷重が十分ではない建物には施工することができません。

シート防水:10~15年

シート防水は、合成ゴムや塩化ビニールなどでできた防水シートを使用する防水工事です。

シートを貼り付けて防水層を形成するため、施工しやすく工期が短いことが特徴です。

他の工法に比べると、比較的安価で施工することができます。

シート防水の場合は、耐用年数の目安は10〜15年です。

シートを貼り付ける工事なので、複雑な形状の場所には施工することができません。

また、防水層にはどうしてもシートの継ぎ目部分が発生してしまいます。

ウレタン防水:10~12年

ウレタン防水は、下地の上にウレタン樹脂を使用した防水材を塗布する防水工事です。

液状のウレタン防水材を使用するため複雑な形状に対しても施工できることや、下地を選ばず既存防水層の上からも施工できることが特徴として挙げられます。

ウレタン防水の場合は、耐用年数の目安は10〜12年です。

比較的安価で施工できるウレタン防水ですが、耐久性はそれほど高くなく、定期的なトップコートの塗り替えなどのメンテナンスを行う必要があります。

屋上防水の費用相場

屋上防水のそれぞれの種類の特徴や耐用年数がわかったところで、気になるのは施工費用ですよね。

ここでは、屋上防水の種類ごとの費用相場を、下記の表にまとめました。

防水工事の種類費用相場(1㎡あたり)耐用年数
アスファルト防水11,000〜22,000円/㎡15〜25年
シート防水8,000〜15,000円/㎡10〜15年
ウレタン防水6,500〜12,000円/㎡10〜12年

屋上防水の費用は、業者によって異なることはもちろん、使用する材料の種類や施工環境などさまざまな要因によって異なるため、費用相場にも幅があります。

耐用年数が長い工法ほど、費用も高額になる傾向があります。

屋上防水を検討していて正確な工事費用が知りたいという場合は、業者に依頼して見積もりを取りましょう。

屋上防水の機能を長持ちさせる方法は?

屋上防水は経年劣化してしまうものですが、日頃のお手入れによっては劣化スピードを遅めることができます。

防水工事には高額な費用がかかるので、できるだけ防水層を長持ちさせたいですよね。

ここでは、そんな屋上防水の機能を長持ちさせるためのポイントを3つ紹介します。

劣化・損傷は早めに修繕する

屋上防水が劣化してしまうのは、どうしても防ぎようのないことです。

しかし、そのような劣化はできるだけ早く見つけて修繕することをおすすめします。

劣化症状が軽度であれば、範囲も小さく躯体への影響もないことが多いです。

ひび割れや損傷があれば、そこからどんどん雨水が侵入していってしまい、屋上防水全体の劣化を早めたり躯体にも悪影響を与えたりすることにつながります。

軽度の劣化であれば、トップコートの塗り替えなど、防水工事を伴わない簡単な補修で済むことも多いです。

できるだけ既存防水層を長持ちさせるためには、定期的に防水層を点検して劣化を早期発見すること、そして劣化を見つけたらすぐにメンテナンスを行うことを心がけましょう。

トップコートの塗り替え

トップコートには、防水層を保護する役割があります。

トップコートが劣化し機能が失われたまま放置してしまうと、当然防水層を保護できなくなるため防水層の劣化が早まってしまうでしょう。

そのため、防水層を長持ちさせるためには、定期的なトップコートの塗り替えが必須です。

トップコートの塗り替え工事は、5年に一度を目安に行いましょう。

定期的にトップコートを塗り替えることで、紫外線の刺激や歩行などによる刺激から防水層を保護し、防水層を長持ちさせることができます。

排水溝の清掃

雨水が溜まってしまう屋上では、排水溝からの排水機能が重要です。

排水溝が詰まってしまうと、屋上の排水機能が失われてしまい、水たまりができて防水層の劣化スピードを早めてしまうでしょう。

屋上の排水溝は、飛んできた落ち葉やゴミ、土などですぐに詰まってしまいます。

そのため、排水溝の定期的な点検と清掃は欠かせません。

ただし、排水溝から雑草が生えてしまった場合は、自己判断で抜いてしまうと故障の原因になるため、抜かずに業者に連絡するようにしてください。

防水工事に関してのよくある質問を紹介

ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。

Q

防水工事前に何か準備は必要ですか?

A

防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。

Q

防水工事を行う周期はどのくらいですか?

A

一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。

Q

雨天時も防水工事は行いますか?

A

防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。

Q

防水工事中に臭いがすることはありますか?

A

防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。

屋上防水の耐用年数についてのまとめ

屋上防水と建物の躯体部分にはつながりがあり、屋上から雨漏りが発生すると躯体部分にまで悪影響を与えてしまいます。

  • 屋上の防水機能を正常に維持することは、建物全体の寿命を伸ばすことにもつながる
  • 防水工事の施工後10年を目安に、再工事を検討する(工法により耐用年数は前後する)
  • 日々のメンテナンスをしっかりと行えば、防水層を長持ちさせることができる

一度雨漏りが発生してしまうと、躯体まで雨水が浸透して建物全体にダメージを与えてしまうことになります。

建物を守るためにも、屋上防水の定期的なメンテナンスを行って、雨漏りを未然に防ぐことが重要です。

今回の記事を参考に、屋上防水や屋上防水のメンテナンスを検討してみてくださいね。

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