2024.03.29
シーリング(コーキング)の劣化症状と傷む原因は?対処法や修理費用を解説
外壁を雨水や風から守ってくれているのがシーリング(コーキング)です。
実は、この目立たない存在が、建物の寿命を大きく左右する重要な役割を担っています。
しかし、時間とともに劣化し、その機能を失ってしまうこともあるのです。
この記事では、シーリングの劣化症状と傷む原因を解説し、放置した場合のリスクと適切な対処法について詳しく紹介します。
さらに、修理費用についても解説していますので、メンテナンス時期の判断にも役立てていただけると幸いです。
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シーリングの劣化症状を紹介
シーリングは、経年劣化などの要因でさまざまな劣化症状が現れます。
- 黒ズミ・汚れ
- 目地からの剥離
- ひび割れ
- 肉やせ
- 破断
- 欠落
以下では、シーリングの劣化症状についてさらに詳しく紹介します。
黒ズミ・汚れ
黒ズミ・汚れは、外壁や内壁のシーリング材に発生する劣化現象の一つです。
見た目が悪くなるだけでなく、防水性を損なうなど、建物の耐久性を低下させる原因にもなりえます。
よく見られる現象として挙げられるのがブリード現象です。
ブリード現象は、シーリング材に含まれる可塑剤が表面に浮き上がり、黒く汚れてしまう現象です。
塗料との相性が悪い場合や、長年紫外線や風雨に晒されることで発生します。
目地からの剥離
経年劣化や施工不良によってシーリングが劣化すると、目地から剥離してしまうことがあります。
剥離した箇所から隙間が生まれ、雨水が侵入すると雨漏りの原因につながるので、放置することは大変危険です。
また、目地からの剥離によってシーリング材が本来の機能を果たせなくなっています。
これは、建物の防水性や気密性が低下していることを示しています。
ひび割れ
ひび割れは、シーリングの劣化の中でも最も典型的な症状です。
細い線状のひび割れから、大きな亀裂までさまざまな程度があります。
ひび割れが大きくなると、防水性が低下し、雨漏りの原因となります。
また、ひび割れから虫やカビの胞子などが侵入し、建物の構造を損なう可能性もあるため注意が必要です。
肉やせ
シーリング材の肉やせとは、シーリング材に含まれる可塑剤が経年劣化によって溶け出し、シーリング材の厚みが減少してしまう現象です。
可塑剤は、シーリング材に柔軟性や弾力性を与えるために添加される成分ですが、時間の経過とともに徐々に揮発し、肉やせを引き起こします。
肉やせによってシーリング材の厚みが減少すると、防水・気密性が低下し、雨水の浸入や空気の漏れの原因となります。
また、シーリング材と下地の間に隙間ができるとひび割れや剥離を引き起こしやすくなり、建物の構造体や設備に悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。
破断
シーリング材のひび割れが原因で破断する可能性があります。
破断は、シーリング材が完全に断裂してしまう症状です。
断裂すると、防水性が著しく低下し、雨漏りの原因となります。
また、シーリング材が硬化すると本来の機能を果たせなくなり、破断しやすくなります。
欠落
シーリングの欠落とは、シーリング材が下地から剥がれ落ちてしまうことです。
シーリング欠落を放置すると、外壁や窓枠の隙間から雨水が侵入し、雨漏りなどの原因となります。
また、建物の構造体や内装材を腐食させてしまう可能性があります。
シーリングが欠落しているのを確認したら、早めに対処することが重要です。
シーリング劣化の原因とは
シーリングの劣化は、以下のような原因によって起こります。
また、劣化が早まることもあるので、早めの対処が重要です。
紫外線
紫外線は、シーリング材の劣化を促進する主な原因の一つです。
紫外線は、シーリング材に含まれるポリマーを分解し、化学反応を引き起こします。
この化学反応によって、シーリング材の弾力性が失われて硬化するのです。
また、紫外線はシーリング材の表面を酸化させ、色あせやひび割れなどの物理的な変化を引き起こします。
風雨
風雨も、シーリング材を劣化させる主な原因です。
雨水は、シーリング材に浸透し、内部から劣化します。
また、風によって吹き飛ばされる砂埃などがシーリング材を擦り減らし、劣化を加速させます。
特に、海岸地域や強風地域など、風雨の影響が強い地域では、シーリング材の劣化が促進されるので注意が必要です。
温度変化
シーリング材は、温度変化によって膨張したり収縮したりします。
膨張と収縮を繰り返すとシーリング材にストレスがかかり、ひび割れや剥がれなどの劣化症状が発生します。
また、温度変化によってシーリング材と下地の接着力が低下することがあり、シーリングが剥がれやすくなる可能性が高いです。
さらに、温度変化によってシーリング材が硬化すると、シーリング材本来の弾力性が失われ、ひび割れやすくなります。
施工不良
施工不良が原因で、シーリング材が本来の機能を果たせず、劣化してしまうことがあります。
施工不良の例は、以下のとおりです。
- プライマーの塗り忘れ
- プライマーの塗りムラ
- シーリング材の充填不足
- シーリング材の厚み不足
施工不良を防ぐためには、経験豊富な信頼できる業者を選ぶことが重要です。
外壁材の劣化
シーリング材の劣化は、繋ぎ合わせている外壁材の劣化に派生する可能性が高いです。
シーリング材が劣化すると、外壁材の色あせや雨漏りなどの影響を与えます。
また、雨水が外壁材内部に侵入し、腐食やカビの発生、シロアリ被害などの原因となります。
地域によっては、凍害や結露によって外壁材の破損、腐食やカビの発生原因にもなりうるので注意が必要です。
シーリングの劣化を放置した場合のリスク
シーリングのひび割れや汚れなど、一見軽微に見える劣化サインは、実は建物の健康を脅かす重大な問題です。
劣化を放置したことによって、以下のようなリスクが伴います。
- 雨漏り
- 建物の構造体の腐食
- カビやシロアリの発生
- 断熱性能低下
- 美観の低下
- 建物の寿命縮小
シーリングの劣化に伴うリスクについて、以下でさらに詳しく解説していきます。
雨漏り
一見、小さなひび割れや汚れに見えても、実はそれが建物の寿命を縮める恐ろしい雨漏りの引き金となる可能性があるのです。
雨漏りは、建物の健康を脅かすだけでなく、住む人の健康にも悪影響を及ぼします。
早めの点検と適切なメンテナンスで、大切な住まいを守りましょう。
建物の構造体の腐食
シーリング劣化を放置した場合、雨水が建物内部に侵入し、建物の構造体の腐食という深刻な問題を引き起こす可能性があります。
構造体の腐食が進行すると、雨漏りをはじめ木材の腐食、鉄筋のサビの発生や、建物の強度が低下します。
建物の強度が極端に低下すると、地震などの負荷によって建物が倒壊する可能性があり大変危険です。
構造体の腐食は建物の安全性に関わる重大な問題であり、放置すると修復に多額の費用がかかったり、場合によっては建物の解体が必要になることもあります。
カビやシロアリの発生
劣化の放置によって防水性が低下したシーリングは、雨水の侵入経路となります。
雨水が内部に溜まると、カビやシロアリが発生しやすい湿度の高い環境を作り出してしまいます。
カビは建物の構造体や内装材を腐食させ、建物の耐久性を低下させるだけではなく、アレルギーや呼吸器疾患などの健康被害を引き起こす可能性が高いです。
また、シロアリは木材を食害し、建物の構造体部分を弱体化させ、倒壊などの危険性も高まります。
さらに、シロアリ被害の修復には多額の費用がかかります。
断熱性能低下
外壁や窓枠の隙間を埋めるシーリング材は、雨風を防ぐだけでなく、断熱性能を維持する重要な役割も担っています。
しかし、経年劣化や紫外線などの影響で、シーリング材は徐々に劣化していきます。
シーリング劣化によって断熱性能が低下する影響があり、その具体例は以下のとおりです。
- 冷暖房効率の低下
- 光熱費の増加
- 結露の発生
- 不快な室内環境
このように、シーリング材の劣化は、建物の美観だけでなく、快適な住空間にも悪影響を及ぼします。
美観の低下
シーリングの劣化によって、建物の美観を低下させることもあります。
建物の美観は、住む人の快適性だけでなく、建物の価値にも影響を与えます。
シーリング材が劣化して美観が低下すると、建物の価値が下がり、売却や賃貸が難しくなる可能性があるため注意が必要です。
美観を保ち、建物の価値を守るために、シーリング材の定期的なメンテナンスを心がけましょう。
建物の寿命縮小
シーリングは、一見問題なくても、劣化のサインが潜んでいる可能性があります。
ひび割れや汚れなど、軽微に見えても放置すると、建物の寿命を縮めることに繋がるため大変危険です。
シーリングは建物の健康を守る重要な役割を担っています。
定期的な点検と適切なメンテナンスで、建物の寿命を延ばし、快適な住環境を守りましょう。
シーリング劣化の対処法と修繕工事の費用相場
シーリング材の劣化に対する対処方法は、「増し打ち」と「打ち替え」の2種類があります。
工事の種類 | 費用相場 | 工事内容 |
---|---|---|
増し打ち | 約500〜900円/m | 既存のシーリング材の上に新しいシーリング材を充填する工法 |
打ち替え | 約900〜1,200円/m | 劣化が進んだシーリング材を撤去し、新しいシーリング材を充填する工事 |
シーリング工事の費用相場は、施工面積や使用するシーリング材などによって異なります。
また、高所作業が必要な場合は、足場を組む必要があるため、費用が追加されます。
それぞれの対処方法について解説します。
シーリングを劣化させないメンテナンス方法
シーリングを劣化させないためには、以下のようなメンテナンス方法があります。
定期的な点検
定期的に目視で点検を行い、ひび割れ、剥がれ、色あせ、硬化などの劣化症状がないか確認しましょう。
分かりにくい場合は、業者に依頼して点検してもらうのがおすすめです。
清掃
汚れやカビが付着していると、シーリング材の劣化を早めます。
定期的に清掃を行い、清潔な状態を保ちましょう。
必要に応じた補修
劣化症状が進行した場合は、打ち替えが必要です。
打ち替え時期は、使用環境や材料によって異なりますが、一般的には10~15年程度と言われています。
防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】
大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。
そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。
防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。
以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。
- 補助金申請できる地域に住んでいる
- 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
- 税金を滞納していない
- 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること
詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。
防水工事に関してのよくある質問を紹介
ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。
Q
防水工事前に何か準備は必要ですか?
A
防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。
Q
防水工事を行う周期はどのくらいですか?
A
一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。
Q
雨天時も防水工事は行いますか?
A
防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。
Q
防水工事中に臭いがすることはありますか?
A
防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。
シーリングの劣化症状についてまとめ
ここまで、シーリングの劣化症状について解説してきました。
この記事の要点は、以下のとおりです。
- シーリングは、建物の防水性、気密性、耐久性を保つために重要な役割を担っている
- 経年劣化や紫外線などの影響で徐々に劣化し、ひび割れや剥がれなどの症状が現れる
- シーリングは建物の重要な部材であり、定期的なメンテナンスが必要
- シーリング劣化を放置すると、建物の寿命を縮めるなど、重大なリスクがある
- シーリングの劣化状況に応じて、増し打ちや打ち替えなど、適切な対処法を選択する
- シーリングを長持ちさせるためには、定期的な点検と清掃が重要
シーリング材の種類と特徴を理解し、劣化症状を見つけたら早めに業者に相談することが重要です。
また、定期的なメンテナンスで建物の寿命を延ばしましょう。