マンション大規模修繕における下地補修工事とは?特徴や費用について解説 | 株式会社新東亜工業  

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マンション大規模修繕における下地補修工事とは?特徴や費用について解説

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マンションの大規模修繕の中で、下地補修工事は非常に重要な役割を果たします。下地とは、建物の外壁や屋根などの表面材の下にある層のことです。この下地が劣化していると、表面材の剥がれやひび割れなどのトラブルを引き起こし、建物の耐久性を低下させてしまいます。

本記事では、マンション大規模修繕における下地補修工事について、特徴や費用、必要な症状の例などについて詳しく解説します。

マンションの下地補修工事とは?

マンションの下地補修工事とは、コンクリート構造物の劣化に伴う、ひび割れやコンクリートの剥離、鉄筋の錆びなどの不具合を補修する工事のことです。

マンションは長年の使用と環境の影響により、様々な劣化症状が現れます。

適切な補修を行わないと建物の耐久性や安全性が損なわれる恐れがあります。

国土交通省の調査によると、築30年以上の共同住宅の約6割で何らかの劣化が見られました。

マンション管理適正化推進機構によれば、築後25年を過ぎるとコンクリートの劣化が進行し、大規模修繕が必要になるとされています。

大規模修繕で下地補修工事が必要な劣化症状例

下地補修工事が必要な劣化症状例について、解説していきます。

ひび割れ(クラック)

ひび割れは、コンクリート構造物の劣化症状の一つであり、放置すると深刻な事態につながる恐れがあるため、下地補修工事が必要となります。

ひび割れが発生する主な原因は、乾燥収縮、温度変化、地盤沈下などです。ひび割れが大きくなると、雨水の浸入や鉄筋の錆びを招きます。

根拠:国土交通省の調査では、ひび割れは共同住宅の主な劣化症状の一つとなっており、約4割の住宅でひび割れが確認されています。

ひび割れの状態によっては、以下のような深刻な事態が考えられます。

  • ひび割れ幅0.3mm以上 – 雨水の浸入が懸念される
  • ひび割れ幅0.5mm以上 – 鉄筋の錆びにつながる可能性が高い
  • ひび割れが進行し、コンクリートが剥離する恐れ

ひび割れの状態を放置すると、建物の耐久性が低下するため、早期の対策として下地補修工事が求められます。

モルタルの浮き

モルタルの浮きは、下地コンクリートとの接着が劣化した結果発生し、放置すれば落下の危険があるため、下地補修工事が必要不可欠です。

モルタルの浮きが発生する主な原因は、コンクリートの乾燥収縮や、中性化による強度低下、打設不良などです。接着力が低下すると、モルタルが剥がれ落ちる恐れがあります。

マンション管理適正化推進機構の調査では、モルタル浮きは共同住宅の主な劣化症状の一つとされています。

モルタルの浮きが進行すると、以下のようなリスクがあります。

  • 落下によるケガの危険
  • 雨水の浸入により、鉄筋の錆びや内部劣化が促進

安全性を確保し、二次的な劣化を防ぐためにも、早期の下地補修工事が必須となります。

鉄筋の錆び

鉄筋の錆びは、構造物の耐久性を著しく低下させる深刻な劣化症状のため、下地補修工事を行う必要があります。

鉄筋が錆びると、その体積が約6倍に膨れ上がり、内部からコンクリートにひび割れを発生させます。

ひび割れが進行すると、鉄筋が露出し、さらに錆が進行する恐れがあります。

国土交通省によると、鉄筋の錆びは共同住宅の主な劣化症状の一つで、約2割の住宅で確認されています。

錆びた鉄筋が放置されると、以下のような事態に発展する可能性があります。

  • ひび割れの進行によるコンクリートの剥離
  • 鉄筋の断面欠損による構造耐力の低下
  • さらなる錆の進行により、最悪の場合は崩壊の恐れ

鉄筋の錆びは、建物の安全性に重大な影響を及ぼすため、速やかに下地補修工事を行う必要があります。

コンクリートの欠損

コンクリートに欠損が生じた場合、構造体の耐力低下や、内部の鉄筋が露出する恐れがあるため、下地補修工事が不可欠です。

コンクリートの欠損は、ひび割れの進行、凍結や中性化による劣化、打設不良などが原因で発生します。

欠損部からは雨水が浸入し、内部の鉄筋が錆びる可能性があります。

国交省の調査では、コンクリートの剥離・剥落は共同住宅の主な劣化症状の一つとされています。

コンクリートの欠損が放置されると、以下のような事態が考えられます。

  • 欠損部からの雨水浸入により、内部の鉄筋が錆びる
  • 鉄筋の錆びの進行に伴い、コンクリートのひび割れや剥離が加速
  • 最悪の場合、構造体の耐力低下による安全性の劣化

コンクリートに欠損が生じた場合、速やかに下地補修工事を行い、内部の鉄筋を保護し、構造体の安全性を維持する必要があります。

以上の通り、ひび割れ、モルタル浮き、鉄筋の錆び、コンクリートの欠損などの劣化症状が現れた場合は、速やかに専門家に相談し、適切な下地補修工事を実施することが重要です。

放置すれば、建物の安全性が著しく損なわれる恐れがあります。

下地修繕工事の種類

下地修繕工事には、ひび割れ補修工事、モルタル浮き補修工事、鉄筋錆補修工事、断面修復工事など、劣化症状に応じた様々な種類があります。

適切な工事を選ぶことが重要です。

マンションは建設から年数が経過するにつれ、コンクリートの劣化が進行します。

劣化の種類によっては構造体の安全性が損なわれる恐れがあるため、症状に合わせた適切な補修工事が求められます。
国土交通省によると、築30年を超えるマンションの約6割で何らかの劣化が確認されています。

適切な時期の修繕が欠かせません。

ひび割れ補修工事
ひび割れ箇所のコンクリートを除去し、補修材を注入して補強する工事です。ひび割れが雨水の浸入路になるのを防ぎます。

モルタル浮き補修工事
浮いたモルタル部分を除去し、新しいモルタルで覆う工事です。モルタルの落下を防止します。

鉄筋錆補修工事
錆びた鉄筋を除去または防錆処理を施し、新しいコンクリートで被覆する工事です。鉄筋の錆の進行を食い止めます。

断面修復工事
コンクリートが大きく剥がれ落ちた場合、その欠損部分を新しいコンクリートで打ち直す大がかりな工事です。

このように適切な下地修繕工事を選ぶことで、構造体の安全性を維持し、建物の長期的な資産価値を守ることができます。

下地修繕工事の種類別の費用・単価

工事の種類単価(1㎡当たり)
ひび割れ補修工事5,000円~15,000円
モルタル浮き補修工事10,000円~20,000円
鉄筋錆補修工事30,000円~50,000円
断面修復工事50,000円~100,000円
※単価は工事の規模、難易度、地域などにより変動します。

工事の種類によって、1㎡当たりの単価が大きく異なります。

ひび割れ補修は比較的安価ですが、鉄筋錆補修や断面修復工事となると高額になります。

ひび割れの補修工事では、ひび割れ幅が広がるほど補修範囲が拡大し、費用がかさみます。

鉄筋錆補修は、鉄筋周りの劣化具合で作業量が変わるため、単価にバラつきがあります。

下地修繕工事には様々な種類があり、工事の内容によって費用が大きく変わるため、事前に専門家に相談し、建物の状況に合った適切な工事と費用を検討する必要があります。

以上のように、マンションの下地修繕工事は、劣化症状の種類に応じて、複数の工事の選択肢があります。

工事の内容と費用を事前に確認し、建物の状況に適した工事を実施することが重要です。

信頼できる施工業者に相談して、適切な下地修繕工事を検討しましょう。

大規模修善工事でのよくある質問

ここでは大規模修繕工事でよくある質問を紹介します。工事費用や施行中の疑問をまとめました。

Q

大規模修繕で10戸のマンションではどのくらいが費用目安?

A

A: 10戸のマンションの大規模修繕の費用は、規模や建物の状態、修繕内容によって異なりますが、一般的には1000万円から1,500万円程度が目安とされています。具体的な費用は、外壁や共用部分の修繕内容、使用する材料の種類によって変動するため、詳細な見積もりを施工業者で確認しましょう

Q

マンション大規模修繕時にエアコンは使用できる?室外機はどうする?

A

大規模修繕中でも基本的にはエアコンの使用は可能ですが、外壁塗装や防水工事の際には一時的に使用を控える必要がある場合があります。室外機は、作業に支障がない限りそのまま設置された状態で保たれることが一般的です。ただし、工事の進捗によっては室外機を一時的に移動させる場合もあるため、管理組合や施工業者からの指示に従ってください。

Q

マンション大規模修繕の際のベランダの荷物やアンテナはどうすればいい?

A

大規模修繕の際には、ベランダの荷物は一時的に室内に移動させる必要があります。特に、外壁塗装や防水工事の影響を受けやすいものは、工事開始前に片付けてください。また、テレビアンテナや物干し竿も取り外しが必要になる場合がありますので、事前に管理組合や施工業者の指示に従い、適切に対応してください。

Q

大規模修繕の際に洗濯物は外に干せる?

A

大規模修繕期間中は、外壁工事や塗装の影響でベランダに洗濯物を干すことが制限されることがあります。工事用のネットやシートが張られるため、日光が遮られたり、塗料やホコリが付着する可能性があります。管理組合や施工業者からの案内に従い、洗濯物は室内で乾かすか、コインランドリーの利用を検討してください。

Q

大規模修繕の際に立ち会いや在宅が必要なことはある?

A

大規模修繕では、住戸内に立ち入る必要のある作業が発生する場合があります。例えば、配管の点検やベランダ側のサッシ工事などが該当します。その際には、居住者の立ち会いや在宅を求められることがあるため、事前に管理組合や施工業者からの連絡を確認し、予定を調整してください。それ以外の工事については基本的に在宅の必要はありませんが、作業内容によって異なるため、詳細は管理組合の案内を確認することが重要です。

この他、大規模修繕のよくある質問について知りたい方は以下の記事をご覧ください

マンションの大規模修繕における下地補修工事まとめ

マンションの大規模修繕における下地補修工事は、経年劣化によって傷んだ建物の下地を補修する重要な工事です。ひび割れ、モルタルの浮き、鉄筋の爆裂、コンクリートの欠損など、様々な劣化症状に対して適切な工法で補修を行うことで、建物の耐久性や耐震性を向上させ、美観を回復させることができます。

下地補修工事には、モルタル浮き補修工事、ひび割れ補修工事など劣化症状や部位に応じて最適な工法を選択することが重要です。それぞれの工法には特徴やメリット・デメリットがあり、費用も異なります。

大規模修繕工事の際には、専門家に劣化状況を診断してもらい、適切な工法と費用を見積もってもらうことが大切です。

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