防水工事とは?種類・費用相場・単価・施工の流れ・業者の選び方まで徹底解説
2025/07/31
建物の寿命を大きく左右する防水工事。屋上やベランダの防水層が劣化すると、雨漏りが発生し、建物内部に深刻なダメージを与えてしまいます。
しかし「防水工事にはどんな種類があるのか」「費用はどのくらいかかるのか」「いつ実施すればいいのか」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
防水工事には主にウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水の4つの種類があり、それぞれ特徴や費用相場が異なります。
適切な工法を選び、適切なタイミングで施工することで、建物を長期間にわたって雨水から守ることができます。
本記事では、防水工事の専門業者である株式会社新東亜工業が、防水工事の基礎知識から種類別の特徴、費用相場、施工の流れ、信頼できる業者の選び方などを分かりやすく解説します。
目次
防水工事とは?建物を守る重要な役割

防水工事は、建物を雨水や湿気から守るために欠かせない重要な工事です。
特にコンクリート造の建物では、防水層が建物の寿命を大きく左右します。
防水工事の目的と必要性
防水工事の最大の目的は、建物内部への雨水の浸入を防ぎ、建物の構造体を保護することです。
雨水が建物内部に侵入すると、鉄筋の腐食やコンクリートの劣化、木材の腐朽など、建物の耐久性を著しく低下させる原因となります。
防水工事を適切に実施することで、以下のような効果が期待できます。
- 雨漏りの侵入を防ぎ、快適な生活環境を維持
- 構造体の劣化を防ぎ、建物の寿命を延ばす
- 適切なメンテナンスにより建物価値を保つ
- カビやシロアリの発生抑制
- 定期的な防水工事で修繕費用削減
特に近年は、ゲリラ豪雨など異常気象が増加しており、防水工事の重要性はますます高まっています。
建物を長期間安全に使用するためには、定期的な防水工事が不可欠です。
防水工事を行う主な場所
防水工事は建物のさまざまな箇所で実施されますが、特に雨水にさらされやすい場所では重点的な対策が必要です。
防水工事が必要となる主な箇所は以下の通りです。
- 屋上・陸屋根
- ベランダ・バルコニー
- 外廊下・階段
- 駐車場スラブ
- 浴室・洗面所
これらの場所は常に雨や紫外線にさらされているため、防水層が劣化しやすい環境にあります。
建物の用途や構造に応じて、最適な防水工法を選択することが重要です。
防水工事の費用相場・工法別の単価

防水工事を検討する際、最も気になるのが費用です。
工法によって単価が異なるため、予算に応じた適切な選択が必要です。
種類別の施工単価と総額の目安
防水工事の費用は、工法の種類や施工面積によって大きく変動します。
一般的な費用相場を把握しておくことで、見積もりの妥当性を判断する材料になります。
主な防水工事の種類別費用相場は以下の通りです。
| 防水工事の種類 | 費用相場 (1㎡あたり) | 耐用年数 |
|---|---|---|
| ウレタン防水 | 3,000円〜7,000円 | 10〜15年 |
| シート防水 | 4,000円〜7,500円 | 12〜18年 |
| アスファルト防水 | 5,000円〜8,000円 | 15〜30年 |
| FRP防水 | 5,000円〜8,000円 | 10〜12年 |
例えば、一般的なマンションのベランダ(約10㎡)でウレタン防水を実施する場合、材料費と施工費を合わせて5万円〜10万円程度が目安となります。
屋上(約100㎡)の場合は、工法にもよりますが50万円〜150万円程度の費用が必要です。
費用に影響する主な要因
防水工事の費用は、工法の種類だけでなく、さまざまな要因によって変動します。
見積もりを依頼する前に、費用を左右する要素を理解しておくことが大切です。
防水工事の費用に影響を与える主な要因をご紹介します。
| 要因 | 詳細 |
|---|---|
| 施工面積 | 面積が広いほど総額は増えるが、単価は下がる傾向 |
| 既存防水層の状態 | 劣化が進んでいる場合は下地処理費用が増加 |
| 建物の立地条件 | 足場の設置が必要な場合は追加費用が発生 |
| 施工場所の形状 | 複雑な形状や障害物が多いと手間が増える |
| 使用する材料のグレード | 高品質な材料ほど費用は高くなる |
| 工期の長さ | 天候や乾燥時間により工期が延びると人件費が増加 |
また、既存の防水層を撤去する必要がある場合は、撤去費用(1㎡あたり1,000円〜2,000円程度)が別途かかります。
正確な費用を把握するためには、現地調査を依頼し、詳細な見積もりを取ることをおすすめします。
防水工事は、建物の状況によって費用が変わります。
お客様が安心して依頼できるよう、工法ごとの単価相場や見積もりの正しい見方を 【防水工事 費用】の記事で詳しく解説しています。
防水工事で利用できる補助金・助成金制度

防水工事は費用負担が大きいため、国や自治体の補助金制度を活用することで、経済的な負担を軽減できる可能性があります。
国や自治体の支援制度について
防水工事に関連する補助金や助成金は、省エネ改修や耐震改修と併せて実施する場合に利用できることがあります。
また、自治体によっては住宅リフォーム助成制度の対象となる場合もあります。
ただし、補助金の内容や条件は自治体によって大きく異なるため、お住まいの地域の制度を事前に確認することが重要です。
主な補助金・助成金制度の概要は以下の通りです。
| 制度名 | 対象となる工事 | 補助金額の目安 | 実施主体 |
|---|---|---|---|
| 住宅省エネ改修補助金 | 断熱改修と併せて行う防水工事 | 工事費の10〜30%程度 | 国・自治体 |
| 長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 耐久性向上工事としての防水工事 | 上限100〜250万円 | 国土交通省 |
| 自治体の住宅リフォーム助成 | 建物の維持・改修のための防水工事 | 自治体により異なる (上限10〜30万円程度) | 各自治体 |
| マンション共用部分改修支援 | 管理組合が実施する大規模修繕 | 工事費の数%〜10%程度 | 自治体 住宅金融支援機構 |
これらの制度を利用するためには、事前申請が必須となります。また、補助金は予算に限りがあるため、年度内でも受付終了となる場合があります。
最新の情報は、国土交通省の公式サイトや、お住まいの自治体の建築指導課・住宅課の窓口でご確認ください。
なお、補助金の対象となる工事内容や建物の条件は細かく定められています。
例えば、「築年数が一定以上であること」「耐震基準を満たしていること」「省エネ性能が向上すること」などの条件が設けられている場合があります。
補助金の活用を検討される際は、防水工事業者にも相談し、要件を満たす工事計画を立てることをおすすめします。
補助金を受けるための条件と申請方法
補助金を受けるためには、一定の条件を満たす必要があり、申請手続きも事前に行わなければなりません。
工事着工後の申請は認められないケースがほとんどです。
補助金申請の一般的な流れと注意点は以下の通りです。
- 申請前の確認:自治体の窓口やホームページで対象工事や条件を確認
- 業者への相談:補助金対応の経験がある業者に見積もりを依頼
- 申請書類の準備:見積書、工事計画書、建物の図面などを用意
- 申請手続き:工事着工前に必要書類を提出し、承認を待つ
- 工事実施:承認後に工事を開始し、完了後に実績報告を提出
- 補助金の受領:審査完了後、指定口座に補助金が振り込まれる
申請には期限があり、予算に達した時点で受付終了となる場合も多いため、早めの準備と申請が重要です。
詳細は各自治体の建築指導課や住宅課にお問い合わせください。
防水工事の主な4つの種類・工法と特徴

防水工事には主に4つの工法があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。
建物の状況や用途に応じて最適な工法を選ぶことが重要です。
| 防水工事の種類 | 特徴 | 費用相場 (1㎡あたり) | 耐用年数 |
|---|---|---|---|
| ウレタン防水 | 液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法 | 3,000円〜7,000円 | 10〜15年 |
| シート防水 | 塩化ビニル樹脂やゴムシートを貼り付ける工法 | 4,000円〜7,500円 | 12〜18年 |
| アスファルト防水 | アスファルトを重ねて防水層を形成する工法 | 5,000円〜8,000円 | 15〜30年 |
| FRP防水 | ガラス繊維と樹脂で防水層を形成する工法 | 5,000円〜8,000円 | 10〜12年 |
ウレタン防水|柔軟性と施工性に優れた工法
ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。
複雑な形状の場所にも対応できる柔軟性が最大の特徴で、現在最も普及している防水工法の一つです。
ウレタン防水の主なメリットとデメリットは以下の通りです。
- 継ぎ目のない防水層を形成
- 複雑な形状にも対応可能
- 比較的低コストで施工できる
- 既存の防水層の上から重ね塗りが可能
- 施工者の技術力により仕上がりに差が出る
- 乾燥に時間がかかるため工期がやや長い
- 定期的なトップコート塗り替えが必要
ウレタン防水には密着工法と通気緩衝工法の2種類があります。
密着工法は下地に直接塗布する方法で、通気緩衝工法は通気シートを敷いた上から塗布する方法です。
雨漏りがある場合や湿気の多い環境では、通気緩衝工法が推奨されます。
シート防水|耐久性とコストパフォーマンスが魅力
シート防水は、塩ビやゴムなどの防水シートを下地に貼り付ける工法です。
工場で製造されたシートを使用するため、品質が安定しており、広い面積でも短期間で施工できるのが特徴です。
シート防水の主なメリットとデメリットは以下の通りです。
- 耐久性が高く長持ちする
- 品質が均一で安定している
- 広い面積を短期間で施工できる
- 紫外線や熱に強い
- 複雑な形状には不向き
- シートの継ぎ目が生じる
- 機械固定工法は騒音が発生する
現在主流となっているのは塩ビシートで、ゴムシートに比べて耐候性や耐久性に優れています。
施工方法には密着工法と機械固定工法があり、既存の防水層の状態に応じて選択します。
アスファルト防水|長い歴史と高い信頼性
アスファルト防水は、100年以上の歴史を持つ最も伝統的な防水工法です。
アスファルトを用いた防水シートを何層にも重ねることで、非常に高い防水性能を実現します。
アスファルト防水の主なメリットとデメリットは以下の通りです。
- 耐用年数が非常に長い(15〜30年)
- 実績が豊富で信頼性が高い
- 防水性能が非常に優れている
- 押えコンクリート仕上げで歩行可能
- 防水層が重いため建物への負担が大きい
- 施工時に臭いや煙が発生する場合がある
- 他の工法に比べてやや高コスト
- 複雑な形状には不向き
アスファルト防水には熱工法、トーチ工法、常温工法の3種類があります。
近年はトーチ工法が主流で、大型設備が不要なため施工場所を選ばず、臭いや煙も比較的少ない特徴があります。
ビルやマンションの屋上など、高い耐久性が求められる場所に適しています。
FRP防水|軽量で強度の高い防水層
FRP防水は、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)を使用した防水工法です。
ガラス繊維のシートにポリエステル樹脂を塗布して硬化させることで、軽量でありながら高強度な防水層を形成します。
FRP防水の主なメリットとデメリットは以下の通りです。
- 軽量で建物への負担が少ない
- 硬化が速く工期が短い(1〜2日程度)
- 耐摩耗性に優れ歩行に強い
- 継ぎ目のない美しい仕上がり
- 伸縮性に乏しくひび割れしやすい
- 広い面積には不向き
- 紫外線に弱くトップコートの塗り替えが必要
- 施工時に臭気が発生する
FRP防水は新築戸建て住宅のベランダやバルコニーに最もよく採用される工法です。
硬化後は硬くて丈夫なため、人の往来が多い場所にも適していますが、地震などの揺れに弱いという特性があるため、広い屋上などには向いていません。
防水工事が必要なタイミングと劣化症状

防水工事は適切なタイミングで実施することが重要です。
劣化のサインを見逃すと、雨漏りや建物の損傷につながる可能性があります。
雨漏りが発生している場合
雨漏りは、防水層の劣化が進行している明確なサインです。
天井や壁にシミが見られる場合は、すでに建物内部への浸水が始まっている可能性が高く、早急な対応が必要です。
雨漏りが発生した場合の対応手順は以下の通りです。
- 応急処置:バケツやブルーシートで被害の拡大を防ぐ
- 専門業者への連絡:雨漏り調査と防水工事の実績がある業者に依頼
- 原因の特定:赤外線調査や散水試験で浸水経路を確認
- 適切な工事の実施:防水層の修繕または全面改修を行う
雨漏りを放置すると、木材の腐朽、鉄筋の腐食、カビの発生など、建物に深刻なダメージを与えます。
雨漏りが発生する前の予防的なメンテナンスが、長期的には費用を抑えることにつながります。
通常の防水工事とは手順や対応が異なるため、まずは以下の緊急対応ガイドをご覧ください。
色あせ・ひび割れ・膨れなどの劣化症状
防水層の表面に色あせやひび割れ、膨れなどの症状が見られる場合は防水機能が低下しているサインです。
これらの症状が見られたら、雨漏りが発生する前に点検を受けることをおすすめします。
注意すべき主な劣化症状は以下の通りです。
- 色あせ・艶の消失
- ひび割れ
- 膨れ・浮き
- 剥がれ
- チョーキング(手で触ると白い粉が付く状態)
- 水たまりの発生
これらの症状は、定期的な目視点検で早期に発見することができます。
特に台風や大雨の後には、防水層の状態を確認する習慣をつけることをおすすめします。
前回の工事から10年以上経過している場合
防水工事の一般的な耐用年数は10〜15年程度です。
目に見える劣化がなくても、前回の防水工事から10年以上経過している場合は、専門業者による点検を受けることをおすすめします。
定期的な点検とメンテナンスのメリットは以下の通りです。
- 雨漏りの未然防止
- 工事費用の削減
- 建物寿命の延長
- 資産価値の維持
防水工事は建物を守るための「予防医療」と考え、症状が出る前に定期的なメンテナンスを実施することが、長期的には最も経済的で効果的な方法です。
防水工事の耐用年数とメンテナンス時期

防水工事の効果を長く保つためには、工法ごとの耐用年数を理解し、適切な時期にメンテナンスを行うことが重要です。
種類別の耐用年数一覧
防水工事の耐用年数は、使用する材料や工法、施工環境によって異なります。
一般的な目安を知っておくことで、計画的なメンテナンスが可能になります。
各防水工法の耐用年数とメンテナンス周期の目安は以下の通りです。
| 防水工法 | 耐用年数 | トップコート塗り替え |
|---|---|---|
| ウレタン防水(密着工法) | 10〜12年 | 5〜7年ごと |
| ウレタン防水(通気緩衝工法) | 13〜15年 | 5〜7年ごと |
| シート防水(塩ビシート) | 12〜18年 | 不要 |
| シート防水(ゴムシート) | 10〜15年 | 不要 |
| アスファルト防水 | 15〜30年 | 不要 |
| FRP防水 | 10〜12年 | 5〜7年ごと |
これらの耐用年数はあくまで目安であり、建物の立地条件や使用状況、気候条件などによって変動します。
日当たりが強い場所や、人の往来が多い場所では劣化が早く進む傾向があります。
定期的なメンテナンスで寿命を延ばすコツ
防水工事の寿命を延ばすためには、定期的な点検と適切なメンテナンスが欠かせません。
小まめな手入れにより、大規模な改修工事を先延ばしにすることができます。
防水層を長持ちさせるためのメンテナンスのポイントは以下の通りです。
- 定期的な清掃:落ち葉やゴミを除去し、排水口の詰まりを防ぐ
- 排水機能の確保:ドレンや樋が正常に機能しているか定期的に確認
- トップコートの塗り替え:5〜7年ごとに保護層を更新する
- 専門業者による点検:年に1回程度、目視点検を依頼する
- 早期補修:小さなひび割れや剥がれを発見したら早めに補修
- 重量物の設置回避:防水層に過度な負担をかけないよう配慮
特にトップコートの塗り替えは、防水層本体を保護する重要なメンテナンスです。
トップコートが劣化すると防水層が直接紫外線にさらされ、急速に劣化が進みます。
定期的な塗り替えにより、防水工事の寿命を大幅に延ばすことができます。
防水工事の基本的な流れと施工手順

防水工事がどのような手順で進められるのかを理解しておくことで、工事中の不安も軽減され、業者とのコミュニケーションもスムーズになります。
調査・診断から見積もりまで
防水工事は、現地調査から始まります。
建物の状態を正確に把握することで、最適な工法と適正な費用を提案することができます。
調査から見積もりまでの流れは以下の通りです。
- お問い合わせ:電話やメールで相談内容を伝える
- 現地調査の日程調整:都合の良い日時を決定する
- 現地調査の実施:専門スタッフが防水層の劣化状況を確認(30分〜1時間程度)
- 調査報告と提案:劣化箇所の写真と最適な工法を提案
- 見積もりの提示:詳細な工事内容と費用の説明
- 契約:内容に納得した上で正式に契約を締結
現地調査では、防水層の劣化状況だけでなく、下地の状態、排水設備の機能、建物の構造なども確認します。
この調査結果に基づいて、最も適切な防水工法を提案します。
信頼できる業者は、複数の選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリットを丁寧に説明してくれます。
下地処理から防水層形成まで
実際の施工は下地処理から始まります。
下地の状態が防水工事の品質を大きく左右するため、この工程は非常に重要です。
主な施工手順は以下の通りです。
- 養生:周辺の汚れ防止のため、シートで保護する
- 既存防水層の撤去:必要に応じて古い防水層を撤去する
- 高圧洗浄:下地の汚れやゴミを徹底的に除去する
- 下地補修:ひび割れや凹凸を補修し、平滑な面を作る
- プライマー塗布:防水材の密着性を高める下塗り材を塗る
- 防水層の形成:選択した工法で防水層を施工する(ウレタン塗布、シート貼付など)
- トップコート塗布:防水層を保護する仕上げ材を塗る
工法によって具体的な作業内容は異なりますが、基本的な流れは共通しています。
ウレタン防水の場合は乾燥時間が必要なため、天候によっては工期が延びることもあります。
仕上げと検査・引き渡し
防水層の施工が完了したら、仕上げ作業と品質検査を行います。
この最終工程が、長期的な防水性能を保証する重要なポイントとなります。
仕上げから引き渡しまでの流れは以下の通りです。
- 細部の仕上げ:立ち上がり部分や端部の処理を丁寧に行う
- 排水設備の確認:ドレンや樋が正常に機能するか確認する
- 品質検査:防水層の厚みや仕上がりを検査する
- 清掃:施工箇所を清掃し、養生材を撤去する
- 完成検査:施主様立ち会いのもと、仕上がりを確認する
- 引き渡しと保証書の発行:工事完了報告書と保証書を提出
品質の高い業者は、施工中の写真記録を残し、どのような工程で施工したかを明確に報告します。
また、保証内容や今後のメンテナンス時期についても丁寧に説明してくれます。
工事完了後も定期的なアフターフォローを提供する業者を選ぶことが、長期的な安心につながります。
防水工事業者の選び方・ポイント

防水工事の品質は業者の技術力に大きく左右されます。
信頼できる業者を選ぶことが、満足度の高い工事を実現する鍵となります。
施工実績と経験年数を確認する
防水工事は専門的な技術が必要な工事です。
豊富な施工実績と長年の経験を持つ業者は、さまざまな建物の状況に対応できる技術力を備えています。
施工実績を確認する際のポイントは以下の通りです。
- 施工事例の確認:ホームページやパンフレットで過去の施工例を見る
- 同種建物の経験:自分の建物と似た物件の施工実績があるか確認
- 創業年数:長く事業を続けている業者は信頼性が高い
- 有資格者の在籍:防水施工技能士などの資格保有者がいるか確認
- 顧客の声:実際の利用者の評価や口コミをチェック
特に防水施工技能士の資格は、国が認定する技能を証明するものです。
1級・2級があり、1級は7年以上の実務経験が必要となるため、技術力の高さを示す指標となります。
相見積もりで適正価格を見極める
防水工事の費用は業者によって大きく異なる場合があります。
適正な価格を判断するためには、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。
相見積もりを取る際のポイントは以下の通りです。
- 3〜4社から見積もりを取る
- 同じ条件で依頼する
- 材料費、施工費、諸経費などの詳細をチェック
- 極端に安い見積もりの場合、手抜き工事や追加費用の可能性がある
- 極端に高い見積もりの場合、不要な工事が含まれている可能性がある
- 価格の根拠を明確に説明できる業者を選ぶ
見積もりは単に金額だけでなく、提案内容や説明の分かりやすさ、担当者の対応なども総合的に判断することが大切です。
自社施工の業者を選ぶメリット
防水工事を依頼する際は、下請けに丸投げせず自社で施工を行う業者を選ぶことをおすすめします。
自社施工には多くのメリットがあります。
- 下請けに発注する費用がかからず、適正価格で施工できる
- 問題が発生した際の対応がスムーズ(責任の所在が明確)
- 施工する職人の技術レベルを事前に確認できる
- コミュニケーションが円滑
- アフターフォローが充実
大手ハウスメーカーや総合リフォーム会社の中には、受注だけ行い実際の施工は下請け業者に任せているケースがあります。
自社施工の専門業者に直接依頼することで、品質と価格の両面でメリットを得ることができます。
アフターフォローと保証内容の確認
防水工事は、施工後のアフターフォローも重要です。
万が一不具合が発生した際に、迅速に対応してくれる業者を選ぶことが安心につながります。
確認すべき保証内容とアフターフォローは以下の通りです。
| 保証項目 | 詳細 |
|---|---|
| 保証期間 | 一般的には5〜10年程度の保証が付く |
| 保証範囲 | 施工不良による雨漏りが対象となるケースが多い |
| 定期点検の有無 | 無料で定期点検を実施してくれるか確認 |
| 瑕疵保険の加入 | 万が一業者が倒産しても保険で対応できる |
| 緊急時の対応 | 雨漏りなどの緊急時にすぐ駆けつけてくれるか |
| 保証書の発行 | 保証内容が明記された書面が発行されるか |
保証内容は業者によって大きく異なります。契約前に必ず保証の詳細を確認し、不明な点は質問して明確にしておくことが重要です。
長期的な安心を得るためには、保証とアフターフォローの充実度も業者選びの重要な判断基準となります。
ベランダ・屋上の防水工事で知っておきたいポイント

ベランダと屋上では、防水工事を行う際に注意すべきポイントが異なります。
それぞれの特性を理解した上で、適切な対策を講じることが重要です。
ベランダ防水工事の注意点
ベランダは居住空間に隣接しているため、防水工事の不具合が生活に直接影響します。
また、洗濯物を干したり植物を育てたりと日常的に使用する場所なので、使い勝手も考慮する必要があります。
ベランダ防水工事で特に注意すべきポイントは以下の通りです。
- 壁との接合部分は雨水が浸入しやすいため、立ち上がり高さ(通常10〜15cm)を確保する
- 水たまりができないよう、適切な勾配を設ける
- ドレンが詰まりやすい場合は改修用ドレンの設置を検討
- 窓の下枠(サッシ周り)からの浸水を防ぐ処理が重要
- FRP防水やウレタン防水が一般的、複雑な形状にも対応できる
ベランダは面積が小さいため、比較的短期間で工事が完了します。
ただし、工事中はベランダが使用できなくなるため、洗濯物を干す場所の確保など、生活への影響を考慮して工事時期を決めることをおすすめします。
特に、雨漏り相談が非常に多い「ベランダ・バルコニー」の防水工事については、以下の記事で工法や費用を専門的に解説しています。
▶ ベランダ・バルコニーの防水工事の費用と工法を徹底解説
屋上防水工事で押さえるべきこと
屋上は建物の中で最も過酷な環境にさらされる場所です。
直射日光、風雨、温度変化などの影響を受けやすいため、耐久性の高い防水工法を選択することが重要です。
屋上防水工事で押さえるべきポイントは以下の通りです。
- 歩行の有無、設備の設置など、利用方法に応じた工法を選ぶ
- 既存の工法を確認し、適切な改修方法を決定
- パラペットや笠木が劣化している場合は同時に補修する
- 下地の湿気を逃がす仕組み(脱気装置)を設ける
- 広い面積にはシート防水やアスファルト防水が適している
- 年に1〜2回、専門業者による定期点検を受ける
屋上防水工事は面積が広いため、ベランダに比べて工期も費用も大きくなります。
しかし、建物全体を守る重要な工事であり、適切な施工とメンテナンスにより、建物の寿命を大きく延ばすことができます。
【施工事例】戸建て・ビル・マンションの屋上防水工事|新東亜工業

屋上防水シート工事では、建物の形状や劣化状況に応じた最適な工法選びが欠かせません。
ここでは、新東亜工業が実際に手がけた屋上防水改修の3つの事例を紹介します。
実際の施工内容や工法選定のポイントを知ることで、屋上防水リフォームの流れをより具体的にイメージできます。
施工事例1. 埼玉県志木市にある戸建て住宅の屋上・バルコニー防水工事
外壁塗装と同時に屋上・バルコニーの防水層を一新した事例です。
長年の紫外線や雨風で防水層が劣化しており、下地の浮きや小さな亀裂が見られました。
通気緩衝工法を採用し、下地内部にたまった湿気を逃がしながら新しい防水層を形成しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施工地域 | 埼玉県志木市 |
| 建物種別 | 戸建て住宅 |
| 工事内容 | 屋上・バルコニー防水改修、外壁塗装 |
| 使用工法 | ウレタン塗膜防水(通気緩衝工法) |
| 使用材料 | 通気緩衝シート+ウレタン防水材+トップコート仕上げ |
| 工期 | 約1か月 |
| 工事金額 | 約130万円(外壁塗装含む) |



既存の防水層を撤去後、下地の含水状況を確認しながら通気緩衝シートを敷設。
この工法は、屋上やバルコニーに多い「膨れ・剥がれ」の発生を防止する点が大きな特徴です。
さらにウレタン塗膜材を均一に塗り重ねることで、柔軟性と耐久性を兼ね備えた防水層を構築しました。
外壁塗装と同時に行うことで、足場費を抑えつつ建物全体の防水・美観をトータルで向上。
雨漏りの再発防止はもちろん、次のメンテナンスまでのサイクルを延ばすことに成功しました。
▶参考:施工事例ページはこちら
施工事例2. 東京都江東区にあるビルの屋上・塔屋防水改修工事
経年劣化による防水層の浮きや排水不良が見られたビル屋上・塔屋部分の改修事例です。
通気緩衝工法を採用し、下地の動きや内部湿気に柔軟に対応する防水仕様に刷新しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施工地域 | 東京都江東区 |
| 建物種別 | 鉄筋コンクリート造ビル |
| 工事内容 | 屋上・塔屋防水改修 |
| 使用工法 | ウレタン塗膜防水(通気緩衝工法) |
| 使用材料 | 通気緩衝シート+改質ウレタン材+トップコート仕上げ |
| 工期 | 約5日間 |
| 工事金額 | 約106万円 |


施工前は、防水層の表面に浮きや亀裂が見られ、降雨時に排水ドレン周辺へ水が滞留する状態でした。
既存層を撤去した後、通気緩衝工法で新たな防水層を形成。
この工法は、コンクリート下地から発生する水蒸気を通気層で逃がすため、内部膨れのリスクを大幅に低減できます。
また、笠木ジョイント部にはブリッジシールを追加し、雨仕舞いの信頼性を強化。限られた施工期間の中で、耐久性・施工精度・美観を両立させた事例です。
▶参考:施工事例ページはこちら
施工事例3.東京都足立区のマンション屋上防水工事
東京都足立区にあるマンションにおいて、屋上からの雨水浸入リスクに対応するため、防水改修工事を実施しました。
外部足場を用いた効率的な施工体制で、6日間という短期間で仕上げました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 地域 | 東京都足立区 |
| 建物種別 | マンション(個人オーナー所有) |
| 工事目的 | ・屋上からの雨水侵入リスク軽減 ・建物長寿命化 |
| 主な施工内容 | ・仮設足場設置 ・ウレタン塗膜防水(密着工法) ・笠木ジョイント部のブリッジシール工法 |
| 施工期間 | 約6日間 |
| 工事金額 | 約104万円 |
| 特記事項 | 屋上への室内アクセスが不可という制約あり |
このマンションでは、屋上を通じて雨水が建物内部に浸入するリスクが高まっていたため、建物の長寿命化を目的に防水改修工事を行いました。
現場には「室内から屋上へアクセスできない」という制約がありましたが、施工チームは外部に仮設足場を設置し、安全かつ効率的な作業体制を整えました。
防水工法には、3階屋上および最上階屋上にウレタン塗膜防水(密着工法)を採用。液状のウレタンが建物の複雑な形状にもなじみ、一体的な防水層を形成します。
また、撤去作業を抑えられるため工期短縮・コスト抑制にも貢献しました。加えて、笠木のジョイント部にはブリッジシール工法を適用し、微細な構造的変動にも追随する柔軟性を確保。




結果として、雨水の侵入を遮断し、構造材や内装材の劣化を予防。
今後のメンテナンス負担を軽減し、安心して長く住み続けられる住環境を整えました。
▶参考:施工事例ページはこちら
防水工事に関するよくある質問【FAQ】

防水工事を検討中の方から寄せられる、よくある質問にお答えします。
防水工事の基本的な知識から、実際の工事で気になるポイントまで網羅していますので、業者に相談する前の予備知識としてもお役立てください。
Q
防水工事とは何ですか?
A
防水工事とは、建物の屋上やベランダ、外壁などに防水層を形成し、雨水の浸入を防ぐための工事です。
建物の構造体を雨水から守り、耐久性を維持するために不可欠な工事となります。
主にウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水の4つの工法があり、建物の状況や用途に応じて最適な工法を選択します。
Q
防水工事の費用相場はいくらぐらい?
A
防水工事の費用は工法によって異なりますが、1㎡あたり3,000円〜8,000円程度が一般的な相場です。
例えば、10㎡のベランダでウレタン防水を行う場合は5万円〜10万円程度、100㎡の屋上では50万円〜150万円程度が目安となります。
既存防水層の状態や下地処理の必要性によっても費用は変動するため、正確な金額は現地調査と見積もりで確認することをおすすめします。
Q
防水工事の耐用年数はどのくらいですか?
A
防水工事の耐用年数は工法によって異なります。
ウレタン防水は10〜15年、シート防水は12〜18年、アスファルト防水は15〜30年、FRP防水は10〜12年が一般的な目安です。
ただし、これらはあくまで目安であり、建物の立地条件や使用状況、定期的なメンテナンスの有無によって大きく変動します。
5〜7年ごとにトップコートを塗り替えるなど、適切なメンテナンスを行うことで耐用年数を延ばすことが可能です。
Q
防水工事に補助金や助成金は使えますか?
A
防水工事単独では補助金の対象となるケースは限られていますが、省エネ改修や耐震改修と併せて実施する場合に利用できる可能性があります。
また、自治体によっては住宅リフォーム助成制度の対象となる場合もあります。
補助金の有無や条件は地域によって異なるため、お住まいの自治体の建築指導課や住宅課に問い合わせることをおすすめします。
申請は工事着工前に行う必要があるため、早めの確認が重要です。
Q
防水工事はどのくらいの期間がかかりますか?
A
防水工事の工期は施工面積や工法によって異なります。
一般的なベランダ(10㎡程度)であれば2〜3日、マンションの屋上(100㎡程度)であれば1〜2週間が目安です。
ウレタン防水やFRP防水は乾燥時間が必要なため、天候によって工期が延びることがあります。
シート防水は比較的短期間で施工できます。正確な工期は現地調査の際に業者から説明がありますので、スケジュールに余裕を持って計画することをおすすめします。
Q
雨の日でも防水工事はできますか?
A
基本的に雨の日は防水工事を行うことができません。
防水材が雨水で薄まったり、十分に乾燥できなかったりすると、防水性能が著しく低下してしまいます。
特にウレタン防水やFRP防水などの塗布型防水工事は、雨天時の施工は不可能です。
天気予報を確認しながら施工を進めますが、工事期間中に雨が降った場合は作業を中断し、晴天を待って再開します。
梅雨時期や台風シーズンは工期が延びる可能性があるため、春や秋の施工がおすすめです。
まとめ
防水工事は、建物を雨水から守り、長期間にわたって安全で快適な環境を維持するために欠かせない工事です。
本記事では、防水工事の基礎知識から種類別の特徴、費用相場、施工の流れ、業者選びのポイントまで、幅広く解説してきました。
防水工事を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 建物の状況に適した防水工法を選択する
- 10年を目安に定期的な点検とメンテナンスを実施する
- 劣化のサインを見逃さず、早めに対処する
- 複数の業者から相見積もりを取り、適正価格を見極める
- 施工実績が豊富で自社施工を行う信頼できる業者を選ぶ
- 保証内容とアフターフォローを確認する
防水工事は「予防医療」と同じように、問題が発生する前に適切なメンテナンスを行うことが、長期的には最も経済的で効果的です。
雨漏りが発生してからでは、建物へのダメージも大きく、修繕費用も高額になってしまいます。
株式会社新東亜工業は、防水工事の専門業者として、豊富な施工実績と確かな技術力で、お客様の大切な建物をお守りします。
現地調査やお見積もりは無料で承っておりますので、防水工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。