【実例】マンション大規模修繕の施工事例|費用や修繕の流れや注意点も紹介

大規模修繕は、マンションの資産価値を守るうえで欠かせない一大プロジェクトです。しかし、「いつ実施すべき?」「費用はどれくらい?」「住民との調整は?」と不安や疑問を抱く方も多いはずです。

この記事では、新東亜工業の実際の大規模修繕工事の流れを、川崎市のマンションでの事例をもとにわかりやすく解説します。問い合わせから引き渡しまでのやりとり、トラブル対応、費用感など、初めての方にも役立つリアルな情報をお届けします。

大規模修繕とは?

大規模修繕とは、マンションやビルなどの集合住宅において、外壁・屋上・廊下・バルコニーなどの共用部分を対象に、定期的に行う本格的な修繕工事を指します。建物は年月とともに風雨や紫外線にさらされ、徐々に劣化していきます。これを放置すると、雨漏りやタイルの剥落、鉄部のサビなどが進行し、安全性や快適性が損なわれる原因となります。

大規模修繕では、こうした劣化を未然に防ぎ、建物の機能と美観を回復させることが目的です。一般的には12〜15年周期で計画され、修繕積立金をもとに専門業者と協力して実施されます。長期的な資産価値の維持や、住民の安心・快適な暮らしを守るために欠かせない重要な取り組みです。

8階建てマンションの大規模修繕工事の実例紹介|新東亜工業

築17年の8階建てマンションにて実施された、大規模修繕工事の実例をご紹介します。コロナ禍や資材高騰の影響もある中で、管理組合の副委員長様よりご相談をいただきました。実際のやりとりをもとに、初回問い合わせから引き渡しまでの流れをリアルにご紹介します。

詳しい大規模修繕の詳細は以下より確認できます。

大規模修繕の工事金額・期間

項目内容
工事金額約2,430万円(税込)
工事期間約2ヶ月

実例紹介1. お問い合わせ

お客様の声: 昨年に予定していた修繕がコロナや円安で予算オーバーになり、延期しています。住んでいない外部オーナーですが、対応可能です。まず相談できますか?

新東亜工業 高井: ご安心ください。ご予算に合わせた工事提案も可能ですし、自社施工と子会社による材料仕入れでコスト削減も可能です。一度お電話でお話ししませんか?

その後、電話連絡で現地調査の日程を調整し、図面と屋上の鍵をご準備いただくことになりました。

実例紹介2. 現地調査

現地では図面確認から屋上・外壁調査までを実施。浮きタイルや防水層の状態確認、費用対効果を考慮した提案を行いました。

高井: 現在の防水層は上から塗膜をかける密着工法で補修できます。費用を抑えるならこちらが現実的です。

お客様: ベランダは廊下と同じ長尺シートにしたいです。費用次第ですが。

高井: 見積時に両案を用意します。廊下や階段も将来的に張り替えましょう。

実例紹介3. 見積り説明

見積書の郵送後、理事会での説明依頼があり、エントランスにてプレゼンを実施しました。

高井: 弊社は中間マージンゼロ。子会社の問屋ルートと自社職人で、コストを削減できます。

お客様: 明確な説明で安心できました。理事会での評判も良かったです。

実例紹介4. ご契約

理事会での可決を経て正式契約。契約書・請求書・工程表を郵送し、現地での色決め・仕様確認を行いました。

高井: タイルの色は窯焼きサンプルで確認してもらいます。施工は近い品番で仕上げます。

蓼沼: 屋上防水も今がベストタイミングです。反射率の高いライトグレーをおすすめします。

実例紹介5. 工事前打ち合わせ

細かな仕様確認や近隣挨拶の範囲、工事中の掲示内容までを共有。

お客様: 共用部照明のLED化も気になります。

蓼沼: 一括で行えば費用効率も良いです。次回の総会でご検討を。

実例紹介6. 工事中の対応

着工後は定期連絡・進捗報告・騒音や近隣苦情対応も迅速に実施。タイル数量調整や長尺シート追加見積にも対応しました。

蓼沼: タイル注入は増えましたが、張替えは減ったので全体で減額になります。

お客様: 追加費用が抑えられて助かりました。丁寧な対応ありがとうございます。

実例紹介7. 引き渡し

工事完了後、竣工書類と保証書を提出。足場解体後の仕上がりに大きな満足の声をいただきました。

お客様: どこを直したのか分からないほど自然な仕上がりで驚きました。

蓼沼: 今後も床や照明の改修など、お気軽にご相談ください。

このように、お客様との信頼関係を築きながら、安心・納得の大規模修繕を実現することができました。予算・仕様・スケジュールなど、個別のご相談にも柔軟に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。

施工写真を紹介

以下では大規模修繕時の施工写真の一部を紹介します。

仮設足場工事

組立前

組立後

鉄筋爆裂欠損補修

施工前

施工後

鉄部塗装

大規模修繕は新東亜工業へ

新東亜工業では、大規模修繕や外壁塗装、防水工事をお考えの方に向けて長年の職人経験を活かした高品質な施工サービスを提供しています。

すべての工事は自社施工で行い無駄のない最適な提案をお約束。お客様の予算に合わせたプランニングで周辺環境への配慮も徹底して行います。

さらに、安心の10年保証と充実したアフターフォローで、お客様満足度98%を誇ります。質の高い仕上がりをお求めの方はぜひ新東亜工業へご相談ください。

社名株式会社新東亜工業
役員  取締役/代表執行役社長:高井 強:鈴木 哲也
所在地〒130-0001 東京都墨田区吾妻橋3-3-2吾妻橋アドバンスビル7階
TEL03-6658-5364
FAX03-6658-5365
創業平成21年5月
設立平成24年1月
資本金8,000万円
建設業許可東京都都知事許可
(般-6)第142885号
一級建築士事務所東京都知事登録 第65008号
新東亜工業の工事事例URLhttps://shintoakogyo.co.jp/case/
ホームページURLhttps://shintoakogyo.co.jp/

大規模修繕の工事内容

マンションやビルの大規模修繕では、建物の見た目を美しく保つだけでなく、居住者の安全性や生活機能を長く維持するために多岐にわたる工事が行われます。経年劣化に伴う構造部材の補修から、漏水防止、防犯対策まで、住環境の質を向上させる大切なプロジェクトです。

大規模修繕における主な工事内容一覧

  • 外壁補修・塗装:ひび割れやチョーキング現象の修復、塗装による保護・美観向上
  • タイルの浮き・剥がれ補修:落下事故を未然に防ぎ、雨水の侵入も防止
  • 屋上・バルコニー防水工事:ウレタン・シート防水などで雨漏りリスクを解消
  • 鉄部塗装(階段・手すり・パイプシャフトなど):サビや腐食を抑制し、耐久性を確保
  • シーリング(コーキング)打ち替え:建物の目地部の防水性・柔軟性を保つための重要作業
  • 給排水管の更新・更生工事:老朽化した配管の交換や内面更生でライフラインを維持
  • 共用廊下・階段の床材張替え:防滑性・耐久性を高め、居住者の安全確保につながる
  • エントランス改修・バリアフリー対応:高齢化対応や資産価値向上の一環として導入されることも

工事の内容や優先順位は、建物の築年数・地域性・過去の修繕歴により大きく異なるため、事前の診断が不可欠です。

大規模修繕を行う周期

大規模修繕の実施タイミングは、建物の性能を長期にわたって維持するうえで非常に重要です。計画的な修繕を行うことで、トラブルの発生を未然に防ぎ、結果的に長期的なコスト削減にもつながります。

工事項目推奨周期備考
外壁塗装・タイル補修約12〜15年ごと美観と外壁防水性能の維持
屋上・バルコニー防水約10〜12年ごと雨漏り防止・防水層の劣化対策
シーリング打ち替え約10年ごと窓まわりや目地の防水補修
給排水管更新・更生約20〜30年ごと配管の腐食・漏水リスク対策
鉄部塗装約5〜7年ごとサビによる構造劣化防止

修繕周期の考え方

  • 管理組合が策定する長期修繕計画書をもとに、事前にスケジュール化
  • 劣化診断に基づき、計画より前倒しで修繕を実施する場合も
  • 高経年物件(築30年超)は、個別更新ではなく包括的な一斉修繕が求められるケースが多い
  • 地域の気候条件や使用材料によっても周期は変動するため、定期診断と計画の見直しが重要

大規模修繕工事の費用相場

大規模修繕の費用は、建物の規模や構造、工事項目の範囲、施工方式、労務単価などによって異なります。あくまで目安ですが、以下のような費用帯が一般的です。

建物種別延床面積世帯数費用相場(目安)一戸あたりの負担額補足
中規模マンション約3,000㎡40〜50戸約4,000万〜6,000万円約80万〜120万円塗装+防水が中心
小規模アパート約500〜800㎡6〜12戸約500万〜1,000万円約40万〜80万円塗装と鉄部中心
テナントビル約3,000㎡以上約5,000万〜8,000万円夜間作業で割高も

大規模修繕工事費用を左右する主な要因

  • 工事項目の選定:全面改修か部分補修かで費用が大幅に変動
  • 仮設足場の有無:外壁全面施工では仮設費が大きく影響
  • 立地と作業環境:都市部や狭小地、高層階はコスト高
  • 設計監理方式の採用:設計と施工を分けることで中立性と品質を担保できるが、設計費が必要
  • 相見積もりの実施有無:複数業者で比較することで適正価格が見える

大規模修繕の成功要因とは?失敗しないためのチェックポイント

大規模修繕工事を成功させるには、計画段階から適切な準備と体制づくりが欠かせません。住民との連携、専門家の関与、透明性のある業者選定など、多くの要素が重なって工事の質を左右します。

成功のために押さえるべきポイント

  • 劣化診断と調査の実施:見た目ではわからない内部劣化を見逃さない
  • 中立的な立場の設計者を選定:管理会社任せにせず、設計監理方式を取り入れる
  • 住民説明会の開催と記録共有:納得感と透明性を高める鍵
  • 修繕項目の優先順位化:必要性と予算バランスを両立
  • 資金面の計画と補助制度の活用:自治体補助金や融資制度で負担軽減

大規模修繕のよくある失敗パターンと対策

失敗例回避策
「管理会社に任せきりで業者選定が不透明」設計監理方式を採用し、施工業者を分離して選定
「住民からの反対が多く進まなかった」定期的な情報共有と、専門家による説明会の実施
「工事内容と費用に納得感が得られなかった」相見積もりとセカンドオピニオンの活用
「施工後の不具合や保証が不明瞭だった」契約前に保証内容・検査体制を明文化しておく

実例をもとに、自分たちのマンションに合った修繕を計画しよう

大規模修繕は建物の寿命を延ばすためだけでなく、快適な居住環境を保ち、資産価値を維持・向上させるために欠かせない取り組みです。特に分譲マンションなどでは、住民全体の合意形成や費用分担が求められるため、計画段階からの丁寧な準備と説明が必要です。

まずは建物診断を行い、長期修繕計画を見直すところから始めましょう。そして、透明性ある業者選定と定期的な情報共有、適切なタイミングでの意思決定を積み重ねることで、トラブルのない円滑な工事を実現できます。

実例を参考にしながら、自分たちのマンションに合った最適な修繕方法を選び、住民全員が納得できる未来志向の修繕計画を構築していくことが何より重要です。