サラセーヌのウレタン塗膜防水とは?人気な理由から施工時の注意点・種類の選び方を紹介
2025/07/31
防水工事の中でも、多くの現場で採用されているのが「ウレタン塗膜防水」です。ウレタン塗膜防水で、信頼性の高いブランドとして知られるものに「サラセーヌ」があります。この記事では「サラセーヌとは何か?」という基本情報から、そのメリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。
目次
サラセーヌとは?ウレタン塗膜防水材の代表格
「サラセーヌ」は、建築用防水材の分野で長い歴史を持つ、ウレタン塗膜防水材のブランドです。建物の防水対策は雨漏りや劣化を防ぐうえで非常に重要であり、中でも「ウレタン防水」は多くの建築現場で採用されている信頼性の高い工法です。
ウレタン防水とは、液状のウレタン樹脂を現場で塗り重ね、硬化させることで、継ぎ目のないシームレスな防水層を作る工法を指します。サラセーヌはそのウレタン防水材の中でも、バランスの取れた性能で知られています。
ウレタン塗膜防水にサラセーヌが選ばれる理由とは?
ウレタン塗膜防水材として広く知られるサラセーヌは、多くの現場で信頼を集め、数あるウレタン防水材の中でも際立った評価を受けています。なぜこれほどまでに選ばれ続けているのか、紹介します。
サラセーヌが選ばれる理由|高い防水性能で風雨・紫外線・温度差に強い
サラセーヌにおける特徴のひとつが「防水性能の高さ」です。液状のウレタンを塗布して硬化させることで、継ぎ目のないシームレスな防水層が形成されます。この構造により、雨水だけでなく、屋外にさらされる紫外線や日射・寒暖差にも強く、過酷な環境下でもその性能を維持します。耐用年数は一般的に10年〜15年とされ、適切な施工とメンテナンスによってはさらに長持ちさせることも可能です。結果として、再施工までのサイクルが長くなり、長期的なコスト削減にもつながります。
サラセーヌが選ばれる理由|優れた密着性でさまざまな下地にもフィット
サラセーヌは、幅広い下地との相性に優れています。下地の微細な凹凸や動きにも追従し、剥がれにくい構造を実現することが可能です。既存の防水層の上から施工する「改修工事」においても、施工のしやすさと安心感が非常に高く評価されています。下地との密着が弱いと、わずかな動きでひび割れや浮きが生じてしまうケースがありますが、サラセーヌはそれを未然に防ぐ強靭な密着力を備えています。
サラセーヌが選ばれる理由|複雑な形状にも対応可能でき細部までしっかりカバー
液状で塗布するウレタン防水は、配管の根元や段差のある立ち上がり、手すりやパラペットなど複雑な構造の部位にも対応可能です。刷毛やローラーを使って狭い部位にも施工できるため、防水の死角を作りにくい特徴があります。特にマンションの屋上や開放廊下、学校・工場の屋根など形状が複雑な場所では、この柔軟性が大きなメリットとなり、施工の自由度を高めます。
サラセーヌが選ばれる理由|軽量で建物に優しく構造への負荷が少ない
アスファルト防水やシート防水に比べて、ウレタン塗膜防水は非常に軽量です。なかでもサラセーヌは、最小限の厚みでも十分な性能を発揮するため、建物への荷重を抑えられ、特に耐震性を重要視する建物には最適です。また、既存の防水層の上に重ねて塗布する工法が可能な点から、工期や費用の削減・産業廃棄物の減少といった多方面でのメリットを生み出しています。
サラセーヌが選ばれる理由|速乾タイプによる工期短縮
サラセーヌには、速乾タイプの製品も用意されています。これにより、急ぎの工事や天候による工期遅延が懸念される現場においても、計画通りに施工を進めることが可能です。乾燥に時間がかかる他の工法と比べて、サラセーヌは短期間での施工完了でき、工期が限られている場合や、稼働中の施設での施工にも適しています。
サラセーヌが選ばれる理由|環境・安全にも配慮した製品設計
近年では、環境負荷の少ない建材への関心が高まっていますが、サラセーヌは特定の科学物質を配合していない製品も展開しており、環境や安全にも配慮することが可能です。これにより、住民の生活環境や作業員の健康への影響も軽減されるため、人と環境にやさしい防水材として評価されています。
サラセーヌの主な使用場所
サラセーヌは、その信頼性と適応力から、新築・改修を問わず幅広い建築物で採用されています。
- マンションやビルの屋上防水
- バルコニー・ルーフバルコニー・開放廊下などの共用部
- 学校や公共施設
- 工場や倉庫の屋根や床面
特に、マンションの大規模修繕工事においては、施工のしやすさと防水効果の高さから選ばれることが多く、管理組合・施工会社の双方から支持を集めています。
サラセーヌでウレタン塗膜防水を行う際のポイント
ウレタン塗膜防水材である「サラセーヌ」は、多くの建物で採用される実績を持つ信頼性の高い製品ですが、どんな優れた防水材であっても、適切に扱わなければその性能を十分に引き出すことはできません。ここでは、サラセーヌのウレタン防水を検討するうえで知っておくべき「注意点」について詳しく解説します。
職人の技術に左右されやすい
サラセーヌに限らず、ウレタン塗膜防水は「現場で液体を塗り重ねて仕上げる」施工法です。そのため、職人の技術力や管理体制に大きく依存する特性があります。具体的には以下のような技術ポイントが、仕上がりに影響します。
- 所定の膜厚(塗膜の厚み)が確保できているか
- 乾燥時間や重ね塗りのタイミングが適切に管理されているか
- 下地処理が十分に行われているか
これらの条件が満たされない場合、見た目は綺麗でも内部に気泡やピンホールが発生し、水の侵入リスクが高まることがあります。また、密着不良により数年で剥がれや膨れが発生する例もあるため、実績のある防水業者に施工を依頼することが非常に重要です。
定期的なトップコートの更新が必要
サラセーヌの防水層は基本的に長持ちしますが、その表面を保護する「トップコート」は紫外線や風雨にさらされるため、劣化が避けられません。特に、以下の点には注意が必要です。
- トップコートは防水層そのものではないが、劣化すると防水層へのダメージが進みやすくなる
- 美観の面でも色あせ・粉ふきが発生することがある
- 5年〜7年ごとの再塗布が推奨されている
トップコートの更新を怠ると、表面からの劣化が進行し、せっかくのウレタン防水層が本来の耐用年数を待たずにダメージを受けることになりかねません。したがって、防水施工後も定期的なメンテナンス計画を立てておくことが大切です。
施工中の天候リスクがある
サラセーヌの施工は液体を使用するため、天候に大きく左右される工事です。以下のような条件では施工が制限されるため、工程の遅延リスクがあります。
- 雨天や高湿度の環境では硬化不良や水ぶくれの原因となる
- 冬期の低温下では乾燥時間が延び、工程が遅れる可能性がある
- 雨が降りそうな日には事前に施工延期の判断が必要
特に、屋上やバルコニーなど屋外での施工がメインとなるため、工期の設定には余裕を持つ必要があります。信頼できる業者であれば、天候を見越した工程管理や対策をしっかりと講じてくれるので、事前にその点も確認しましょう。
サラセーヌの主なラインアップ
ウレタン防水材「サラセーヌ」には、用途や施工環境に応じた多彩なラインアップがあります。代表的な製品を紹介します。
| 製品名 | 特長 | 主な用途・適用範囲 |
|---|---|---|
| サラセーヌK | 高い耐久性と柔軟性。紫外線や温度変化に耐え、防水効果が長期間持続。 | 屋上、工場の屋根など紫外線や温度変化の影響を受けやすい場所 |
| サラセーヌT | 低温環境での施工に特化。寒冷地や低温時でも性能を発揮する。 | 寒冷地、低温環境での施工が必要な現場 |
| サラセーヌEZ | 環境対応型ウレタン防水材 | 居住者がいる建物の改修工事などに適する。 |
サラセーヌを選ぶポイント
サラセーヌは種類や性能が豊富なため、適切な製品を選ぶことが防水工事の成功には欠かせません。ここでは選ぶ時のポイントを解説し、用途や現場環境に合った最適な選択をサポートします。
サラセーヌを選ぶポイント|建物の用途と使用環境を確認する
用途や環境に応じて、適したタイプを選ぶことが重要です。例えば、一般的な屋上やバルコニー・共用廊下などでは、耐久性と柔軟性に優れた基本的な防水材が最適であり、多様な建物に対応できます。寒冷地や冬季の低温環境での施工が必要な場合は、硬化不良を防ぎ安定した性能を発揮する低温対応タイプを選ぶと安心です。
サラセーヌを選ぶポイント|施工期間や工期の希望に合わせる
防水工事は天候の影響を受けやすいため、工期を考慮した製品選びが非常に重要です。工期をできるだけ短縮したい場合は、乾燥が速く施工期間を短縮できる製品を選びましょう。一方で、急な補修や部分的な工事には、硬化剤の混合が不要な製品が適しており、小規模な現場や緊急の補修作業に対応しやすいという利点があります。これらの特性を踏まえ、現場の状況やスケジュールに合わせた最適な防水材を選ぶことが、工事の成功につながります。
サラセーヌを選ぶポイント|予算やコスト面を考慮する
サラセーヌの製品は、それぞれの性能に応じて価格帯が異なります。基本的な防水性能が求められる場合には、コストパフォーマンスに優れた製品が選ばれることが多く、費用を抑えつつしっかりとした防水効果を得られます。一方で、高機能で環境対応型の製品や遮熱性を持つ製品は、初期費用はやや高くなるものの、長期的なメンテナンス費用の軽減や省エネ効果によって、トータルでのコスト削減が期待できます。用途や予算に合わせて最適な製品を選ぶことが重要です。
サラセーヌを選ぶポイント|施工業者の技術力や実績を確認する
サラセーヌの性能を最大限に引き出すには、確かな技術を持つ施工業者の選定が欠かせません。ウレタン塗膜防水は、塗り厚や乾燥時間の管理が仕上がりの品質に大きく影響するため、施工の丁寧さや正確さが求められます。実績豊富な業者に依頼することで、施工トラブルや早期劣化のリスクを抑え、長期間にわたり高い防水性能を維持できるため、安心して任せられるでしょう。
サラセーヌを選ぶ際は、建物の用途・環境だけでなく、工期・予算・施工業者の技術力といったポイントを押さえることが重要です。用途に合わせて最適な製品を選び、信頼できる施工会社に依頼することで、防水工事の成功と建物の長寿命化が期待できます。
サラセーヌを使用したウレタン塗膜防水における施工のポイント
サラセーヌを使ったウレタン塗膜防水工事には、いくつかの注意点と成功のポイントがあります。
下地処理が成否を左右する
ウレタン防水は、下地の状態が施工後の耐久性に直結します。クラックや浮き・油分・ほこりなどが残っていると、防水層の剥離や膨れが発生するリスクが高まります。そのため、プライマーの塗布前に入念な清掃と補修作業が必要です。
気温と湿度の管理
ウレタン防水材は湿気や低温に弱いため、気温5℃以下や降雨の可能性がある日は施工を避けましょう。硬化不良や仕上がりのムラを防ぐために、気象条件にも十分な配慮が必要です。
規定の塗膜厚を確保する
設計通りの防水性能を発揮するには、塗膜の厚み(膜厚)が重要です。1層目・2層目の厚み管理を徹底し、必要な厚さを確保することで、長期的な耐久性を実現できます。
トップコートで仕上げを保護
ウレタン防水層は紫外線に弱いため、仕上げにはトップコート(保護層)が不可欠です。定期的にトップコートを更新することで、防水層自体の劣化を防ぎ、寿命を大きく延ばせます。
サラセーヌでのウレタン塗膜防水に関するよくある質問(FAQ)
よくある質問(FAQ)では、多く寄せられる疑問にわかりやすくお答えしています。初めての方でも安心してご検討いただけるよう、基本的な内容から注意点まで丁寧に解説しています。
Q
サラセーヌの防水工事にはどれくらいの日数がかかりますか?
A
下地や広さによりますが、一般的な住宅屋上で5〜7日程度が目安です。ただし、乾燥時間や天候によって変動します。
Q
サラセーヌは戸建住宅にも使えますか?
A
はい、戸建て・集合住宅・商業施設など幅広い建物で使用可能です。小規模なバルコニーでも施工できます。
Q
トップコートの塗り替えはいつ必要ですか?
A
通常、5年程度を目安に再塗装することで、防水層の劣化を防ぎ、寿命を延ばせます。
Q
サラセーヌが人気の理由は?
A
サラセーヌはラインアップが豊富で用途に応じた選定がしやすく、信頼性の高いブランドです。また、施工マニュアルや品質保証体制も整っており、品質管理がしやすい点が評価されています。
サラセーヌの特徴を押さえてウレタン塗膜防水の施工を行おう|まとめ
サラセーヌのウレタン塗膜防水は、その高い柔軟性と密着性・耐久性の高さで多くの建物に選ばれている信頼の防水工法です。液状の特性を活かし複雑な形状にも対応できるため、屋上やバルコニーはもちろん、多様な現場で幅広く使われています。
また、製品ラインナップも豊富で、工期短縮や環境配慮型など現場のニーズに合わせて選べるのも大きなメリットです。ただし、防水性能は施工の技術や天候に大きく左右されるため、経験豊富な施工業者への依頼が不可欠です。定期的なトップコートのメンテナンスも長持ちのポイントとなります。ウレタン防水を検討する際は、サラセーヌの特徴をよく理解し、自分の建物に最適な製品を選び、信頼できる専門家と相談しながら施工計画を立てることが成功の秘訣です。