防水層を守る防水保護塗装とは?必要性・塗り替え時期・費用相場まで完全解説

防水層は建物を雨水から守るための最前線であり、建物の寿命を左右する非常に重要な部分です。

しかし、防水層そのものは紫外線や雨風、摩耗に対する耐性が高くないため、外部環境に直接さらされると劣化が急激に進みます。そこで必要になるのが、防水層を長期的に保護するための「トップコート=防水保護塗装です。

特にベランダ・バルコニー・屋上などは、日差し・雨・飛来物の影響を最も受けやすい場所であり、防水保護塗装を適切に維持しているかどうかで、防水層の耐用年数が大幅に変わります。
防水保護塗装を怠ると、数年でひび割れや剥がれが発生し、雨漏りにつながるケースも珍しくありません。

本記事では、防水保護塗装とは何か、なぜ必要なのか、工法ごとの違い、塗り替えタイミング、費用相場、施工方法、DIYの注意点まで幅広く紹介します。

初めて防水メンテナンスを検討する方でも理解しやすいよう、表やリストを交えながらわかりやすく解説します。

目次

防水層を守る防水保護塗装(トップコート)とは?基礎知識を解説

防水層の性能を長く維持し、雨漏りを防ぐためには、表面に施す防水保護塗装(トップコート)の役割を正しく理解しておく必要があります。

ここでは、防水層と防水保護塗装(トップコート)の関係を整理し、どんな防水工法でも保護塗装が求められる理由を詳しく解説します。

防水層と防水保護塗装(トップコート)の関係

防水層は雨水を遮断する役割を持ち、建物の構造体を守る重要な機能を担っています。しかし、防水層は紫外線・摩耗・汚れといった外部刺激に対しては決して強くありません。

そこで登場するのが防水保護塗装(トップコート)です。保護塗装は“外部刺激から防水層を守る盾”として働き、防水層の寿命を延ばすための欠かせない存在です。

防水層と保護塗装の役割
  • 防水層:雨水を遮断する建物の根幹部分
  • 防水保護塗装(トップコート):紫外線・摩耗・汚れから守る保護膜として機能

両者はセットで機能する関係性にあり、防水保護塗装(トップコート)が劣化して薄くなったり剥がれたりすると、防水層の劣化スピードが一気に上がり、結果として雨漏りリスクが高まります。

主な防水工法と保護塗装の必要性

防水工法によって構造や特徴は異なりますが、ほぼすべての防水工法において防水保護塗装(トップコート)は必要です。

特にFRP防水・ウレタン防水の表面は紫外線ダメージを受けやすく、保護塗装は“必須メンテナンス”とされています。

防水工法別|保護塗装の必要性

防水工法保護塗装の必要性保護が必要な理由・特徴
FRP防水必須紫外線に弱く、硬化・ひび割れが発生しやすい
ウレタン防水必須摩耗・紫外線で劣化し、柔軟性が低下する
シート防水推奨表面を保護することで寿命が延びるケースが多い
アスファルト防水状況により必要保護層が薄い場合はトップコートで延命が可能

特にFRP防水では、防水保護塗装(トップコート)を定期的に維持することで、耐久性が1.5〜2倍に延びることもあるため、保護塗装は非常に効果的です。

防水保護塗装(トップコート)が防水層の寿命に与える影響

防水保護塗装(トップコート)は単なる仕上げ塗装ではなく、防水層全体の寿命を左右する重要なメンテナンス項目です。

防水保護塗装(トップコート)を維持するメリット
  • 防水層が紫外線によって硬化・ひび割れを起こすのを防ぐ
  • 摩耗や擦れによる劣化を大幅に軽減する
  • 美観を維持し、カビやコケの発生も抑制する
  • 雨漏りの予防につながり、修繕コストを削減できる

トップコートは“防水層を長生きさせる保護膜”です。定期的な塗り替えにより、防水層本体の改修サイクルを延長でき、建物維持のコストを抑える効果も期待できます。

防水層に防水保護塗装(トップコート)が必要な理由

防水層は建物内部を水分から守る極めて重要な構造ですが、その表面は常に外気にさらされ、紫外線・風雨・汚れなど多くのストレスに晒されています。

防水層そのものは“雨水を止めること”に特化した構造であり、紫外線や摩耗に強いわけではありません。そのため、防水層を長持ちさせるには、表面に施す防水保護塗装(トップコート)が欠かせません。

ここでは、なぜ防水層に保護塗装が必要なのか、その仕組み、リスク、劣化サイン、塗り替え時期などをさらに深く掘り下げて解説します。建物を適切に管理したい方は、ぜひ最後まで確認してください。

紫外線・雨風から防水層を守る保護機能

防水層が受けるダメージの中で最も深刻なのが「紫外線」です。特にFRP防水やウレタン防水といった樹脂系防水は、紫外線が当たることで分子構造が破壊され、硬化・脆化が進行します。これがひび割れや剥がれの大きな原因になります。

さらに、雨風による摩耗、落ち葉や砂埃、排気ガスなどの汚れも表面劣化を進める要因です。冬には凍結と融解の繰り返しにより微細なひび割れが発生することもあり、これらが積み重なると防水層の寿命は一気に短くなります。

防水保護塗装(トップコート)は、これらの外的要因から防水層を守る“外側の盾”として機能します。

防水層が受ける主なダメージ
  • 紫外線による樹脂劣化(硬化・脆化・ひび割れ)
  • 雨風による摩耗や表面削れ
  • 落ち葉・砂埃・排気ガスなどによる汚れ付着
  • 凍結と融解の繰り返しによる微細クラック
  • 歩行や荷重による物理的摩耗(ベランダなど)

防水層は“保護される前提で設計された素材”のため、そのまま放置してしまうと劣化が急加速します。

したがって、防水保護塗装(トップコート)は防水工事の仕上げではなく“防水寿命を決定づける重要なメンテナンス工程”と言えるのです。

保護塗装でメンテナンスサイクルが延びるの?

防水保護塗装(トップコート)を適切に維持しているかどうかによって、防水層の耐用年数は大きく変わります。保護塗装が健康な状態であれば、紫外線の多い環境でも防水層に直接紫外線が当たらないため、樹脂が劣化しにくくなります。

また、摩耗や汚れの付着も抑制されるため、表面状態が安定しやすく、劣化スピードは緩やかなまま保たれます。

一方、防水保護塗装(トップコート)が劣化したまま放置されると、防水層がむき出しになり、外的要因を直接受けてしまいます。

結果として、防水層が5〜7年ほどで再施工が必要になるなど、メンテナンスサイクルが極端に短くなります。

保護塗装の有無による違い|比較表

項目防水保護塗装あり防水保護塗装なし
劣化スピード非常に緩やか露出直後から急速に劣化
メンテナンス費用数万円で維持可能数十万円の改修が必要になることも
再施工頻度10〜12年ごと5〜7年で再施工リスク
雨漏りリスク低い高い・突然のトラブルも
建物へのダメージほぼ無い躯体腐食・カビ発生の恐れ

防水保護塗装(トップコート)の維持は、長期的視点で見たときに最も費用対効果の高い防水メンテナンスと言えます。

防水保護塗装(トップコート)をしない場合に起こるリスクと劣化のサイン

防水保護塗装(トップコート)を塗らずに放置していると、防水層は本来想定されていない外部刺激を直接受け続けることになります。

この結果、以下のような深刻なトラブルにつながる可能性があります。

トップコート未施工・放置のリスク
  • 表面のひび割れが進行し、防水機能が急激に低下する
  • 剥離が発生し、下地に水分が浸入する
  • 雨漏りが発生し、天井・壁・断熱材が腐食する
  • カビや結露が起こり、室内環境が悪化する
  • 躯体の腐食につながり、建物の資産価値が低下する
  • 改修費用が倍以上に膨らむケースもある

保護塗装は“今すぐの問題を防ぐだけの作業”ではなく、建物の寿命と資産価値を守るための重要な“投資”と言っても過言ではありません。

防水保護塗装が劣化したときのサイン

防水保護塗装(トップコート)は永遠に性能を維持するものではなく、年月とともに少しずつ劣化していきます。

劣化が進むと、防水層へのダメージも加速するため、早期発見が非常に重要です。以下の症状はトップコートの明確な劣化サインです。

劣化サイン一覧
  • 表面が粉状になる(チョーキング現象)
  • 光沢が失われ、色がくすむ(色褪せ)
  • 細かなひび割れが発生する(ヘアークラック)
  • コケやカビが生える(防水層の保護機能低下)
  • 表面がザラつき、水溜まりができやすくなる
  • 歩くと柔らかく沈むように感じる(下地劣化の可能性)

1つでも当てはまる場合は、防水保護塗装(トップコート)の塗り替えを早めに検討する必要があります。放置期間が長くなるほど、防水層本体の劣化を招き、長期的な修繕費用が増加する傾向があります。

防水保護塗装(トップコート)塗り替え時期の目安と判断基準

一般的に、防水層の防水保護塗装(トップコート)は5年ごとの塗り替えが推奨されています。

これは、多くの塗料が紫外線や摩耗により5年程度で保護性能を大きく低下させるためです。しかし、実際の劣化スピードは建物の環境や使用状況によって大きく変化します。

塗り替え時期の主な判断基準
  • 新築または前回施工から5年以上経過しているか
  • 南向きなど、直射日光を長時間受ける場所か
  • 風通しが悪く、湿気がこもりやすい構造か
  • 落ち葉が溜まりやすい環境か(雨水が滞留しやすい)
  • スロップシンク付近など、水を使う頻度が高いエリアか
  • 前述の劣化サインが1つでも出ているか

防水保護塗装(トップコート)塗り替えの注意点

塗り替えの遅れは、防水層だけではなく“建物本体”の劣化を招くという点をしっかり押さえておく必要があります。トップコートが劣化すると、まず防水層へのダメージが進み、それを放置すると躯体(コンクリート・木部・鉄部)が直接雨水に晒される状態になります。躯体の腐食・膨張・ひび割れが起こると、部分補修では済まず、大規模な改修工事が必要になるケースもあります。

また、トップコートの劣化は“見た目だけでは判断しにくい”という点も要注意です。色褪せは軽度のサインに過ぎませんが、チョーキングや細かなひび割れは、手で触らないと気付けないことが多く、放置すると内部から劣化が進む危険性があります。

さらに、ベランダや屋上は環境要因によって劣化スピードが年単位で大きく変化する場所です。直射日光が強い、湿気がこもる、落ち葉やゴミが溜まる——といった条件が重なると、推奨サイクルの5年を待たず、3〜4年でトップコートの性能が低下することも珍しくありません。

最後に、トップコートの状態は生活動線や安全性にも影響します。表面の防滑性能が低下すると、雨の日に滑りやすくなり、転倒事故のリスクが高まるケースもあります。機能性と安全性の両面から、定期的な状態チェックと早めの塗り替え判断が重要です。

防水保護塗装(トップコート)の種類|アクリル・ウレタン・フッ素・遮熱など

防水保護塗装(トップコート)は、建物の環境条件や目的に合わせて最適な種類を選ぶことが重要です。

ここでは代表的な4種類の特徴を比較し、どの塗料がどの場面に適しているのかを分かりやすく解説します。

耐久性やコストの違いも含め、施工前に知っておくべき基礎知識を押さえておきましょう。

主な防水保護塗装(トップコート)の種類

各トップコートには素材特性や耐久性に違いがあり、建物の状況や目的に応じて適切に使い分ける必要があります。

以下の表では、それぞれの特徴を比較しながら選択のポイントをまとめています。

種類耐久年数特徴適した場所注意点
アクリルウレタン系約5年柔軟で密着性が高く、再塗装向きFRP防水の再塗装、住宅ベランダ摩耗にやや弱い
ポリエステル系約5〜7年高硬度で強い。新築FRPに多い新築ベランダ・歩行頻度の高い場所伸縮性が低く再塗装には不向き
フッ素系約7〜10年紫外線・雨風に圧倒的に強い屋上・日当たりの強い場所価格がやや高め
遮熱タイプ約5〜7年表面温度上昇を抑制し室温上昇を軽減南向きベランダ・屋上白系ほど効果が高い

選び方のコツ

  • 迷ったらアクリルウレタン系:再塗装に強く万能
  • とにかく長持ちさせたいならフッ素系
  • 真夏の暑さ対策なら遮熱タイプ
  • 新築・強度重視ならポリエステル系

防水保護塗装(トップコート)の費用相場|㎡単価・費用変動の要因

防水保護塗装(トップコート)の費用は、塗料の種類や施工条件によって大きく変わります。

ここでは㎡単価や追加費用が発生するケースなど、見積もり時に確認すべきポイントを詳しく解説します。
費用は塗料の種類・施工範囲・下地の状態で大きく変動します。適正価格で施工するためには、基準となる相場を知っておくことが欠かせません。

1㎡あたりの塗料別の価格相場

トップコートの種類ごとに価格帯は異なるため、相場価格を知っておくことで不当な見積もりを避けやすくなります。以下の表は一般的な㎡単価の目安です。

種類1㎡単価(税込)
アクリルウレタン系1,700〜3,000円
ポリエステル系1,500〜3,000円
フッ素系2,800〜4,500円
遮熱タイプ2,000〜3,500円

費用が変動する主な要因

防水保護塗装(トップコート)の費用は一定ではなく、建物条件や塗料の選択によって大きく変わります。
ここでは主要な変動要因を個別に解説します。

費用変動の要因
  • 下地の劣化状況(ひび割れ・剥離・汚れ)
  • 作業環境(狭小・入り組み・高所など)
  • 塗料のグレードや機能性(遮熱・防カビ)
  • 交通費・駐車代・諸経費の有無
  • 業者の施工品質や保証の内容

防水保護塗装(トップコート)の施工の流れ|正しい手順を理解しよう!

防水保護塗装(トップコート)は、正しい手順で施工することで性能を最大限に発揮します。

ここでは、施工の流れを7つのステップに分け、初心者でも理解しやすいようポイントを紹介します。
防水保護塗装(トップコート)は、正しい手順で施工しないと本来の耐久性を発揮できません。どの工程も省略せず丁寧に行うことが重要です。

  1. STEP

    高圧洗浄

    防水保護塗装(トップコート)の密着性を左右する最初の工程です。表面に汚れ・砂・コケ・カビが残ったまま塗装すると、塗膜が浮いたり剥がれたりする原因になります。
    高圧洗浄で表面の不純物を徹底的に除去することで、後の工程すべてが安定し、塗料本来の性能を発揮できる土台ができます。
    特にベランダや屋上は汚れが溜まりやすいため、丁寧な洗浄が欠かせません。

  2. STEP

    研磨・目粗し

    既存のトップコートや表面をサンドペーパーなどで研磨し、細かな傷(目粗し)をつける工程です。
    この傷が新しい塗膜の“食いつき”を良くし、剥がれや浮きを防ぎます。
    しっかり研磨が行われていないと、どれだけ高性能な塗料を使っても耐久性が低下します。
    研磨後は粉塵をきちんと取り除くことも重要なポイントです。

  3. STEP

    アセトン拭き

    FRP防水特有の重要工程で、表面の油分・汚れを完全に除去するためにアセトンを使用します。
    油分が残っていると塗膜が密着せず、施工後数ヶ月で剥離するケースもあります。
    揮発性の高い溶剤を扱うため、換気と安全対策が必須です。

    この工程を省く業者もいますが、仕上がりと耐久性に直結するため必ず確認しておきましょう。

  4. STEP

    プライマー塗布

    プライマーは“接着剤の役割”を果たす下塗り材で、トップコートと下地をしっかり密着させるために不可欠です。
    均一に塗布されていないと、トップコートの付着が悪くなり剥離の原因となります。
    乾燥時間を守らずに次の工程へ進む業者もいるため、施工時間が適切に確保されているかチェックが必要です。

  5. STEP

    トップコート1回目(中塗り)

    1回目のトップコートは下地を整え、仕上げの2回目の塗装を安定させる役割があります。
    均一な膜厚で塗ることが重要で、薄すぎると耐久性が落ち、厚すぎると乾燥不良の原因になります。
    気温・湿度に応じて塗布量を調整できるかが、職人の腕の見せ所です。

  6. STEP

    トップコート2回目(上塗り)

    仕上げとなる2回目のトップコートで、表面の耐久性・美観・紫外線耐性が大きく向上します。
    ここで十分な膜厚が確保されないと、5年耐用の塗料でも性能が発揮できません。
    色ムラや塗り残しが出ないよう、細部まで丁寧に仕上げることが重要です。

  7. STEP

    乾燥・硬化

    気温・湿度にもよりますが、一般的には1〜2時間で歩行可能となり、完全硬化には24時間ほどかかります。
    硬化が不十分な状態で歩いたり物を置いたりすると、塗膜の凹み・傷・剥離の原因になります。
    施工後は最低一晩、十分な乾燥時間を確保することが求められます。

施工品質を見極めるチェックポイント

防水保護塗装(トップコート)は仕上がりの見た目だけでは品質を判断できません。

耐久性を左右する重要な工程が正しく行われているかを確認することで、施工不良を防ぎ長く安心して使える状態を維持できます。チェックすべきポイントを整理して紹介します。

チェックポイント
  • 研磨がしっかり行われている
  • アセトン拭きを省略していない
  • プライマーが均一に塗布されている
  • トップコートの厚みが充分か(ムラがないか)
  • 乾燥時間が適切に確保されている

防水保護塗装(トップコート)はDIYできる?失敗リスクと業者依頼のメリット

防水保護塗装(トップコート)はDIYでも施工できますが、仕上がりや耐久性に大きな差が出やすい工程です。失敗のリスクや業者依頼の利点を理解し、最適な選択をするための比較ポイントを整理します。

DIYで塗装する人もいますが、防水層を守る施工である以上、専門知識が必要になります。失敗した場合、剥離・膨れ・雨漏りに発展することもあります。

DIYと業者依頼のメリット・デメリット比較表

区分メリットデメリット備考
DIY・初期費用を抑えられる
・自分のペースで作業できる
・材料費のみで完結する場合も
・下地処理不足による剥離・膨れが多い
・膜厚不足で耐久性が落ちる
・天候、湿度の影響を強く受ける
・不具合発生時は全て自己負担
・溶剤の扱いに危険が伴う
・小規模、短期的な補修向け
・FRP防水は特に施工難易度が高い
・長持ち重視なら非推奨
業者依頼・診断が正確で適切な工法を選べる
・施工品質が高く耐久性が安定
・保証付きで不具合時も安心
・高い美観と仕上がりが得られる
・準備、片付けの手間が不要
・DIYより費用が高め
・日程調整が必要
・業者の質に差がある
・長期的には費用対効果が高い
・相見積もりで適正価格を判断しやすい
・保証の有無が業者選びの重要ポイント

DIYのリスク

DIYは初期費用が抑えられる反面、施工不良・安全リスク・保証の欠如など多くの問題が起こりやすく注意が必要です。代表的なリスクをまとめています。

DIYのリスク
  • 下地処理が不十分になりがち → 剥離・膨れの原因
  • 膜厚が確保できず 耐久性が著しく低下
  • 天候・湿度に左右されやすい
  • 施工後の不具合は 保証なしで全て自己負担
  • アセトンなど溶剤の扱いに危険が伴う

業者依頼のメリット

専門業者に依頼することで、防水層を長く保つための品質や保証が得られます。費用以上に大きな安心と効果が得られる理由を整理しています。

業者依頼のメリット
  • 状態診断が正確
  • 施工品質が高く、長期耐久性を確保
  • 施工保証がつくため安心
  • 仕上がりが綺麗で美観が長持ち
  • 手間・時間・道具の準備が不要

長期的に見れば、DIYよりも業者依頼のほうが結果的にコストを抑えられるケースが多いです。

防水保護塗装(トップコート)の工事で使える補助金・助成金

防水保護塗装(トップコート)の工事では、自治体のリフォーム助成金を利用できる場合があります。

ここでは、使える可能性のある制度や申請時の注意点をまとめ、賢く費用を抑える方法を紹介します。
多くの自治体では、住宅リフォームや省エネ改修を支援する制度が用意されています。防水保護塗装(トップコート)が対象となる場合もあります。

代表的な補助制度

自治体によって内容は異なりますが、多くの地域で住宅リフォームを支援する制度が用意されています。対象になりやすい代表例をまとめました。

制度名対象工事補助内容
住宅リフォーム助成金外壁塗装、防水保護塗装、屋根補修など工事費の一部を補助(定額 or 定率)
省エネ改修補助金遮熱トップコート、断熱性向上工事省エネに寄与する工事の費用を補助
住環境改善助成制度防滑塗装、段差解消、手すり設置など生活改善目的の工事に対して補助

申請時の注意点

補助金は申請方法や要件が細かく定められており、知らずに進めると不支給となるケースもあります。利用を成功させるために必ず押さえておくべきポイントを紹介します。

申請時の注意点
  • 工事前の申請が必須(着工後は不可)
  • 着工前写真が必要
  • 登録業者施工が条件の場合が多い
  • 予算上限に達すると終了するため早めの相談が重要

防水保護塗装(トップコート)でよくある質問(FAQ)

防水保護塗装(トップコート)について寄せられる質問の中から、特に多いものを厳選して回答します。

初めて工事を検討する方でも判断しやすいよう、実務的な視点でまとめています。

Q

防水保護塗装(トップコート)は何年ごとに必要?

A

防水保護塗装(トップコート)は 一般的に5年ごとの塗り替えが推奨されています。これは、塗膜が紫外線・摩耗・雨風の影響を受け、5年ほどで保護性能が大きく低下するためです。ただし実際の寿命は環境条件によって大きく変わります。

  • 南向きや日当たりが強いベランダ
  • 風通しが悪く湿気がこもる構造
  • 落ち葉が溜まりやすい・雨水が滞留しやすい
  • 水を多く使う場所(スロップシンク周辺など)

これらに当てはまる場合は 3〜7年の範囲で柔軟に判断する必要があります。

Q

防水保護塗装(トップコート)だけで防水できますか?

A

防水保護塗装(トップコート)はあくまで 防水層を守るための保護膜であり、それ自体に本格的な防水性能はありません。トップコートを塗り替えても、防水層が劣化している場合は雨漏りを防ぐことはできず、再防水工事が必要です。

トップコートは「防水層の寿命を延ばす保護材」であり、防水そのものは防水層が担うと理解しておきましょう。

Q

ベランダ10㎡の費用はどのくらい?

A

ベランダ10㎡の防水保護塗装(トップコート)の相場は 17,000〜30,000円前後 が一般的です。使用する塗料の種類、下地の劣化状況、作業環境によって費用は変動します。

  • 塗料のグレード(遮熱・フッ素等)
  • ひび割れ・剥離など下地補修の有無
  • 立ち上がり部分の面積
  • 狭小・段差が多いなど作業のしやすさ
  • 業者の技術力・保証有無

追加補修が必要な場合は 5,000〜20,000円程度 計上されることもあります。

Q

雨の日に施工できますか?

A

雨の日の施工は 絶対に不可 です。トップコートは塗布後に化学反応で硬化しますが、雨や湿気が入ると密着不良・白化・剥離などの不具合を引き起こします。仕上がりだけでなく耐久性にも大きく影響するため、天候管理は必須です。

施工前・施工中ともに 降雨・強風・高湿度 は避け、晴天かつ乾燥した環境で行う必要があります。

Q

どの塗料がおすすめ?

A

おすすめの塗料は「目的」によって異なります。耐久性・コスト・環境条件を考えると、以下の基準で選ぶのが最も現実的です。目的別おすすめ塗料を以下にまとめました。

  • 再塗装中心・万能型 → アクリルウレタン系
     柔軟性と密着性が高く、既存トップコートの上から塗りやすい。
  • とにかく長持ちさせたい → フッ素系
     紫外線に強く、7〜10年の高耐久。コスパに優れる。
  • 夏の暑さや室温上昇を抑えたい → 遮熱タイプ
     表面温度を抑え、室内環境改善にも効果的。

建物条件や予算、目的に応じて最適な塗料を慎重に選びましょう。

防水保護塗装(トップコート)について|まとめ

本記事では、防水保護塗装(トップコート)がなぜ必要なのか、どの種類を選ぶべきか、費用や施工、DIYとの違いまで総合的に解説してきました。

最後に重要ポイントを振り返り、工事検討時に押さえておきたい要点を整理します。

  • 防水保護塗装(トップコート)は 防水層を紫外線・雨風から保護する重要な役割を持つ
  • 種類ごとに耐久性・費用が異なるため 目的に応じて選ぶことが大切
  • 施工手順を守らないと 剥離・膨れなどのトラブルに直結
  • DIYはリスクが高く 長期的には業者依頼が安心で経済的
  • 自治体の補助金制度を活用すれば 費用負担を軽減できる

防水保護塗装(トップコート)は、防水層を守る上で非常に重要な存在です。定期的に塗り替えることで、防水層の寿命を大きく延ばすことができます。

建物を長持ちさせるためにも、定期点検と適切なタイミングでの防水保護塗装(トップコート)を検討しましょう。