賃貸経営を長く続けるために ― “建物を守る”という考え方 ―
2025/10/29
目次
家賃収入の安心の裏で進む“静かな老化”
毎月の家賃がきちんと入ってくる。空室も少なく、入居者からの連絡も特にない。「うちは問題ない」と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、建物は私たちが気づかないうちに少しずつ傷んでいます。外壁のひび割れ、窓まわりのシーリングの劣化、鉄部の錆、屋上防水の劣化…。一見するとたいしたことのない症状でも、時間の経過とともに確実に悪化していきます。
この“静かな老化”を放置すると、ある日突然、雨漏りや外壁剥落といった大きなトラブルに発展します。その時には、表面だけの補修では済まず、下地からのやり直しが必要になり、修繕費は想定以上に膨らみます。
建物は人間の身体と同じです。早めに“違和感”に気づき、軽い段階で手を打つことが、将来の大きな出費を防ぐ最善の方法です。賃貸経営とは「所有すること」ではなく、「建物を育てること」。入居者の安心とオーナー様の資産を守るには、早めの行動が何よりも大切です。

「修繕=出費」ではなく「修繕=投資」
「修繕はお金がかかる」「今はまだ必要ない」――そう感じる方も多いでしょう。しかし、適切なタイミングで行う修繕は、むしろ“未来の支出を抑える投資”です。
たとえば、屋上防水を長期間放置して一気に改修する場合と、5年ごとに部分補修をして維持する場合では、最終的な費用が2倍以上違うこともあります。
劣化が進むと、見えない内部まで傷みが広がり、構造的な補修が必要になるからです。“壊れてから直す”のではなく、“壊れないように守る”。この意識の違いが、長期的な経営コストを左右します。
修繕は「費用」ではなく「建物を守るための投資」。オーナーとして“資産を育てる視点”を持つことが、安定した賃貸経営への第一歩です。

管理会社任せになっていませんか? ― 思い込みが生むリスク ―
「管理会社に任せているから安心」「長年の付き合いだから信用している」「10年経ったらやればいいんでしょ」
こうした声をよく耳にします。しかし、本当にその“任せっきり”で大丈夫でしょうか。
多くの管理会社は、日常清掃や家賃管理のプロではありますが、修繕や工事に関しては“自社の協力業者”を優先して紹介することが少なくありません。結果として、見積を取る前から業者が決まっていたり、比較の余地がないまま契約に進んでしまうケースも見られます。
また、管理会社が提示する「周期修繕の目安」も、あくまで一般的な基準です。実際の劣化スピードは、日当たり・風通し・使用素材によって大きく変わります。図面や築年数だけで判断せず、「今、どんな状態なのか」を自分の目で確かめることが重要です。
“管理会社に任せている安心”が、いつの間にか“見えないリスク”になっていないか。建物を預かるオーナーとして、一度立ち止まって確認してみる価値があります。
見積は“安さ”より“内容”で比べる
見積書を受け取ると、どうしても金額に目がいきます。しかし、その金額の裏には「どんな材料を使うのか」「どこまで補修を含むのか」という“中身”があります。
安く見える見積には、下地処理や養生費など、当たり前に必要な項目が抜けていることがあります。また、短期間しか持たない塗料を使って単価を下げるケースも少なくありません。
「安い=お得」とは限りません。本当に見るべきは、“何を・どんな方法で・誰が施工するか”。複数の見積を比較し、数字ではなく内容で判断することが、建物を長く守る第一歩です。

信頼できる修繕会社を選ぶ5つのポイント
1. 現場を自分の目で確認してくれるか:実際に建物を一緒に確認してくれるか。
2. 説明がわかりやすいか:専門用語ではなく、オーナー目線で話してくれるかどうかがポイントです。
3. 対応が早くて丁寧か:質問への返答が早く、誠実な対応ができる会社は工事中も安心です。
4. 工事内容や保証が明確か:完了後に報告書や施工保証のある会社は信頼できます。
5. 担当者が信頼できる人物か:結局は“人”。約束を守り、誠実に向き合ってくれるかどうかが一番の判断基準です。
新東亜工業の役割 ― “伴走パートナー”として ―
私たち新東亜工業は、オーナー様にとって“伴走パートナー”でありたいと考えています。「どこから手をつければいいか」「費用を抑える方法はあるか」「何を優先すべきか」――そんな悩みに、一つひとつ丁寧にお答えします。
無理に工事を勧めたり、不要な提案をすることはありません。現場で見た事実をもとに、必要な工事とそうでない工事を明確に分け、オーナー様と一緒に最善の判断を導き出します。
「まずは新東亜に聞いてみよう」――そう思っていただける安心感を大切に、これからも誠実にサポートしてまいります。

まとめ
賃貸経営において、「建物を守る」ことは「収益を守る」こと。修繕は“費用”ではなく、“未来への投資”です。
管理会社に任せきりにせず、オーナー様ご自身が“建物を見る目”を持つこと。それが、資産を守り、信頼される賃貸経営を続ける一番の近道です。
私たち新東亜工業は、経験と誠実さで、建物とオーナー様の想いに寄り添い続けます。