【談合ダメ絶対!】こんな時は気をつけろ!マンション大規模修繕工事の“談合サイン”14選
2025/11/07
目次
はじめに ― “談合”はどこにでも潜んでいる
新聞やニュースで「談合事件」という言葉を見かけると、どこか遠い世界の話のように感じるかもしれません。
しかし、実際の現場では“表に出ない談合”が今もなお繰り返されています。
2025年3月、大規模修繕工事を巡る談合の疑いで公正取引委員会が約30社に立ち入り検査を実施しました。ここで気をつけていただきたいのが、ネットに掲載されている「談合リスト」に載っていない業者でも、日常的に“出来レース”が行われているということです。ここでは現場で実際に起きている談合のサイン14項目を整理しました。
もちろんこれから紹介する全てのパターンが必ずしも談合しているわけではありませんが、疑うことを忘れないでください。
では、管理組合や理事会はどう見抜けばよいのか?
その対処法も併せて紹介しますのでぜひ一読してみてください。

“談合サイン”14選
①管理会社しか施工業者を斡旋しない
②管理組合に施工業者を探させない
③業者登録制という名の“囲い込み”
④コンサル費が極端に安い・無料
⑤1社以外工事を受注したいという熱量がない
⑥コンサルが指定した業者以外が応募しない
⑦見積に内容が全社ほぼ同じ
⑧金額が不自然に似ている
⑨修繕積立金ギリギリの見積
⑩入札条件が過剰に厳しい
⑪根拠のない拒否理由
⑫セミナーを開く“教育型業者”
⑬一斉辞退の裏側
⑭セカンドオピニオンを拒む
談合サイン① 管理会社しか施工業者を斡旋しない
マンションの管理会社は、普段の清掃・点検・管理業務を担っています。
その延長で「修繕も任せよう」となるのは自然な流れ。
しかし、その信頼関係が談合の温床になりがちです。
管理会社が紹介するのは、自社系列や長年付き合いのある協力会社ばかり。
理事会が「他社にも見積を」と言うと、
「責任は取れません」「品質保証ができません」と圧力をかけてくる。
その裏で、紹介料やマージンが動くことも少なくありません。
紹介業者しか出てこない構造=最初から競争がないのです。
談合サイン② 管理組合に施工業者を探させない
理事会が独自に業者を探そうとすると、
「ネットの業者は危険です」「トラブルが多いですよ」と止められる。
しかし、実際は“情報の遮断”によって理事会の選択肢を奪う行為です。
ファシリテーションとして相談を受けると、
「他社の見積を取るだけで不機嫌になった」「理事会で圧力を受けた」
というケースは後を絶ちません。
情報の独占=競争の排除。
これも立派な談合構造の一つです。
談合サイン③ 業者登録制という名の“囲い込み”
「登録制だから安心です」と言われたら、まず疑うべきです。
その登録リストをよく見ると、実際には管理会社・コンサル系列の業者しか登録されていないことが多い。
新規参入を防ぎ、特定の業者だけが選ばれるように設計された“閉鎖的な制度”。
一見すると公平に見える登録制も、
実態は**「出来レースを正当化する仕組み」**に過ぎません。
談合サイン④ コンサル費が極端に安い・無料
「設計監理コンサル費0円」「報酬10万円」――
そんな“良心的な見積”には、裏があります。
実際は施工業者から紹介料(マージン)を受け取ることで成り立っており、
コンサルが中立性を保てるはずがありません。そもそも会社として成り立つことができません。
表では「公平な入札」を演出しながら、
裏では「この業者を通してください」とシナリオが組まれている。
管理組合は知らず知らずのうちに、出来レースの観客にされているのです。
談合サイン⑤ 1社以外工事を受注したいという熱量がない
現調も短く、質問もなく、図面をさらっと見るだけ。
それは「数合わせ」で呼ばれただけの業者です。
談合の現場では、主役業者以外は“当て馬”。
「どうせ受注できない」とわかっているため、
資料提出も遅く、見積書も形式的。
真剣さのない見積=出来レースの裏付けです。
談合サイン⑥ 指定業者以外が応募してこない
公募を出しても応募してくるのはコンサル指定の業者だけ。
「他社にも声をかけたが断られた」という話をよく聞きます。
それは業界内で「〇〇案件は〇〇系だから関わらない方がいい」と
暗黙の了解が共有されているからです。
直接的な圧力がなくても、“空気”で他社を排除する――
これも立派な談合の形です。
談合サイン⑦ 見積の構成が全社そっくり
見積書の項目順・単位・数量がすべて同じ。
これはコンサルや管理会社が共通の叩き台フォーマットを渡している証拠です。
「構成の一致」は偶然ではありません。
談合現場では、比較されても見た目に差が出ないよう
“型通り”の見積を各社に配布しているケースがあります。
談合サイン⑧ 見積金額がほとんど変わらない
A社1,000万円、B社1,010万円、C社1,080万円――。
数十万円単位での微差。
本来、マンションの大規模修繕であれば工法・職人単価・利益率が違えば、10~15%以上の差が出るのが普通です。見積を取った業者が似たり寄ったりの金額は、裏で価格調整しているサイン。
業界では「〇社が取るから他は数%上で」といった調整が実際に行われています。
このパターンは、公取委も**「談合行為の典型的特徴」**として警告しています。
談合サイン⑨ 修繕積立金ギリギリの見積
「たまたま積立金ピッタリです」――それは偶然ではありません。
理事会や管理会社から積立金残高を聞き出し、
そこから逆算して金額を設定しているケースが多いのです。
不要な工事を盛り込んで“満額消化”させる手口。
見積の「内訳」を見ずに「総額だけ」で判断する理事会ほど、
この罠にかかりやすいのが現実です。
談合サイン⑩ 入札条件が異常に厳しい
「資本金1億円以上」「ISO9001必須」「特定建設業のみ」。
表向きは品質確保のための条件でも、
実際は中小優良業者を排除する目的に使われることが多いです。
結果として残るのは系列の大手数社。
これでは入札とは名ばかりの“指名競争”。
条件が厳しい=信頼性が高いとは限りません。
談合サイン⑪ 根拠のない拒否理由
外部業者が見積を出したのに「対応が悪い」「前例がない」といった曖昧な理由で排除。
その裏では、「系列外だから」「価格が安すぎるから」といった都合が働いていることも。
理事会がその理由を深掘りせずに納得してしまうと、
不正構造は永続します。
根拠のない排除=不都合な真実の隠蔽です。
談合サイン⑫ セミナー型の“教育偽装”
「修繕セミナー」「無料勉強会」を名乗りながら、
実際には特定業者の宣伝や推薦の場になっているケースがあります。
講師が管理会社・コンサル系列なら要注意。
一見教育的な場を装いながら、
“特定業者への信頼感”を自然に植え付ける――
**これも“心理的談合”**の一種です。
談合サイン⑬ 一斉辞退の裏にある調整
複数業者が同時に辞退。
しかも理由が「着工まで時間がない」や「条件が厳しい」。
これも定番のサインです。
裏では「今回はA社で」と業界内調整が行われています。
形式上の辞退でも、実質的には談合参加と同義です。
談合サイン⑭ セカンドオピニオンを嫌がる
「他社に見せるのはマナー違反」「混乱します」――。
この言葉が出た瞬間、要注意です。
比較検討を避けようとする心理こそ、談合の本質。
中立的な第三者(例:ファシリテーション)が介入すると、
矛盾や不正が明るみに出るため、徹底的に嫌がります。
「見せたくない」=何かを隠している。
談合を物理的に不可能にする「ファシリテーション方式」
新東亜工業におけるファシリテーション
では、どうすればこの不正を断ち切れるのか?
答えは、「現役の工事会社で、なおかつ施工を請けない第三者」による精査です。
利益を受け取らない立場が、見積書の妥当性を検証する仕組み――それが新東亜工業のファシリテーション方式です。
この方式はどの業者に見積依頼をし、どの業者を選定したのかが把握できないため
「絶対に」談合ができません。
見積書はすべて匿名化され、社名やロゴ、連絡先をマスキングしてもらいます。
弊社は、「A社・B社・C社」として精査します。
会社のブランド・関係性・先入観を完全に排除し、談合の余地を、構造的に消すのです。
報酬は固定5%のみ。
前受2.5%・選定後2.5%の二分割制で、追加報酬は一切ございません。
「後から増える」ことが物理的に不可能な仕組みです。
また、プレゼン当日は弊社は出席しません。
事前に質問リストを理事会へ配布し、プレゼン終了後5日以内に別日で内容を「業者名を伏せたまま」共有してもらい、見積の精査結果を報告させていただきます。
見積の精査内容ですが、その建物に対して「どのくらいの人工がかかるか」、「どのくらいの材料の原価か」、「諸経費はどのくらいか」を算出します。これを行うことによりその会社が暴利な見積を出していないかなどの判断ができます。原価を算出してどのくらいの利益であれば会社が存続するかなどもお伝えしますのでどの業者が正当かの判断材料になるかと思います。その後はどの施工業者を選定したかは我々どもも確認することはありません。
皆様は見積の整合性が分からないと思います。そこを弊社が精査することにより、修繕積立金の過払いを死守致します。

実際の効果と理事会(管理組合)の変化
この方式を導入したマンションでは、平均で1,000万円以上のコスト削減が実現しています。修繕費が1億円以上のマンションであれば5000-6000万円の差があることもあります。
不要項目の削除や単価の適正化により、理事会(管理組合)が納得して契約を締結して頂いております。
工期の短縮、追加費用の抑制、内部対立の解消など、効果は多方面に及びます。
「理事会(管理組合)が主体で動く」ことにより、組合員の信頼度も上がり、
最終承認はほぼ全会一致で通るようになった事例もあります。
もはや“管理会社・コンサル任せ”ではなく、“理事会(管理組合)が主役”の修繕が現実化しているのです。
理事会(管理組合)がまるで知識を持ったかのように公正に業者選定を進められるのが最大のメリットです。

理念――「構造的正義」を仕組みで実現する
私たちは、正義を理念ではなく構造で実現しました。
正直な会社が報われ、理事会(管理組合)が納得して意思決定できる環境作りをしました。
談合の余地をなくし、透明性を制度として確立してきました。
それが、新東亜工業のファシリテーションの本質です。
私たちはもうただの施工会社という訳ではありません。現役の工事会社が「誠実な判断の伴走者」となり、「談合を封じる構造改革の担い手」となります。
誰が得をするかではなく、誰が損をしないかで設計された仕組み。
その結果、理事会(管理組合)も施工会社も、真の意味で公平な関係を築けるようになりました。
結論:あなたのマンションは、誰のための修繕か?
理事会(管理組合)は建物を守るために存在します。
しかし現実には、“管理会社にすべてを投げつけ、談合を成立させるための承認機関”となっているケースが少なくありません。
あなたのマンションが――
・管理会社・コンサルが主導で進めている
・新しい施工業者に見積依頼をしようとする際、排除するような動きをしている
・一社以外工事を受注したいという熱量を感じない
このどれかに当てはまるなら、それは出来レースのサインです。
今こそ理事会(管理組合)が主体となり、工事を請けない第三者が精査する“透明な仕組み”を導入する時です。
談合を暴き、構造で封じる。
それが新時代の修繕の在り方であり、
「管理会社でもコンサルでもない第三の選択肢」――新東亜工業のファシリテーションです。
監修:石川繁雄(一級建築士・一級建築施工管理技士)