共用廊下のタキロン防水工事とは?長尺シート施工の特徴から費用相場・工期・流れまで解説

マンションやアパートの共用廊下は、雨風や直射日光にさらされ続ける過酷な環境にあります。

床の劣化が進むと、滑りやすくなったり水たまりができたりして、居住者の安全を脅かす原因となります。

共用廊下の防水対策として注目されているのが「タキロンシート(長尺シート)」を用いた防水工事です。

防滑性と耐久性に優れ、見た目の美しさも兼ね備えたこの工法は、多くのマンションで採用されています。

しかし「実際の費用はどれくらいかかるのか」「施工にはどのくらいの期間が必要なのか」「どんなメリットがあるのか」など、疑問を抱えている管理組合の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、共用廊下のタキロン防水工事について、その特徴や施工手順、費用相場、メンテナンス方法まで、マンション管理に携わる方が知っておくべき情報を詳しく解説します。

安全で快適な住環境を実現するための参考にしてください。

共用廊下にタキロン防水工事が必要な理由

共用廊下は多くの居住者が毎日利用する場所であり、建物全体の印象を左右する重要なスペースです。

適切な防水対策を施すことで、安全性の確保と建物の長寿命化を実現できます。

雨水による劣化と安全性のリスク

共用廊下は屋外にあるため、雨水の影響を直接受けます。

防水処理が不十分だと、雨天時に床面が滑りやすくなり、高齢者や子どもの転倒事故につながる危険性があります。

さらに、雨水が床材の下に浸入すると、コンクリートの中性化や鉄筋の腐食が進行します。

構造体の劣化は建物全体の安全性を損なう重大な問題です。早期の防水対策により、こうしたリスクを未然に防ぐことができます。

建物の資産価値を守る防水の重要性

共用廊下の劣化は、建物の外観や資産価値に直結します。

ひび割れや剥がれが目立つ廊下は、マンション全体の印象を悪くし、入居希望者の減少や家賃相場の低下を招く恐れがあります。

定期的な防水工事を実施することで、建物の美観を維持し、資産価値の低下を防ぐことができます。

タキロン長尺シートは耐久性が高く、長期的なコストパフォーマンスにも優れているため、計画的な修繕の一環として最適です。

居住者の快適性と満足度向上

共用廊下の状態は、居住者の日常生活の質に大きく影響します。

滑りにくく清潔な廊下は、安心して暮らせる環境の基盤となります。

タキロン防水工事を行うことで、防滑性が向上し、雨の日でも安全に歩行できるようになります。

また、クッション性のある長尺シートは足音を軽減する効果もあり、騒音トラブルの予防にもつながります。

居住者の満足度が高まれば、長期入居や口コミによる評判向上も期待できます。

タキロンシート(長尺シート)とは?

タキロンシートとは、タキロンシーアイ株式会社が製造する防滑性ビニル床シートの総称です。

正式には「タキストロン」や「タキステップ」といった製品名で展開されており、マンションの共用廊下や階段、バルコニーなど、屋外の共用部に広く使用されています。

このシートの最大の特徴は、高い防水性・耐久性・防滑性を兼ね備えている点です。

表面には細かなエンボス加工が施されており、雨で濡れた状態でも滑りにくく、転倒事故のリスクを大幅に軽減します。

また、適度なクッション性があるため、歩行時の足への負担が少なく、遮音性にも優れています。

タキロンシートには用途に応じた複数の製品ラインがあります。

廊下用の「タキストロン」は幅の広いシート状で施工でき、階段用の「タキステップ」は段鼻部分まで一体成型されており、つまずき防止に配慮した設計となっています。

いずれも耐候性が高く、直射日光や風雨にさらされる環境でも長期間性能を維持できます。

デザインや色のバリエーションも豊富で、石目調や木目調など、建物の外観に合わせて選択できます。

表面だけでなく裏打材まで色や柄があるインレイド構造により、摩耗しても傷が目立ちにくいのも大きな魅力です。

共用廊下のタキロン防水工事で得られるメリット

タキロン長尺シートを用いた防水工事には、安全性・耐久性・快適性の面で多くのメリットがあります。

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

優れた防滑性で転倒事故を防止

タキロンシートの表面には細かなエンボス加工が施されており、雨天時でも優れた防滑効果を発揮します。

高齢者や小さな子どもが安心して歩ける環境を提供できます。

従来のコンクリート床や塗装仕上げと比較すると、滑りにくさは格段に向上します。

特に雨の多い時期や、水を使った清掃後でも滑りにくい状態を保てるため、管理組合としての安全配慮義務を果たす上でも有効です。

表面の摩耗が進んでも凹凸が残る構造のため、長期間にわたって防滑性能を維持できます。

高い防水性能で建物を長期間保護

塩化ビニル製のタキロンシートは、水を通さない優れた防水性能を持っています。

継ぎ目部分も熱溶接で一体化させるため、雨水の侵入経路を徹底的に遮断できます。

下地のコンクリートや鉄筋を水分から守ることで、中性化や腐食の進行を防ぎ、建物の構造を長期間保護します。

また、シート自体も耐候性が高く、紫外線や気温変化による劣化が少ないため、約10〜15年の耐用年数が期待できます。定期的なメンテナンスを行えば、さらに寿命を延ばすことも可能です。

遮音性とクッション性で歩行感が向上

タキロンシートには適度なクッション性があり、歩行時の足音を軽減する効果があるため、集合住宅における騒音トラブルの予防に貢献します。

硬いコンクリート床と比べて、足への負担が少なく、長時間の歩行でも疲れにくいという特徴もあります。

特に2階以上の廊下では、階下への音の伝わりを抑える効果が期待でき、居住者の満足度向上につながります。

歩行感の良さは日常的に実感できるメリットであり、住環境の質を高める重要な要素です。

豊富なデザインで美観をアップ

タキロンシートは、色や柄のバリエーションが豊富で、建物の外観に合わせたコーディネートが可能です。

石目調、木目調、無地など、多彩なデザインから選択できます。

表面だけでなく、裏打材まで色や柄があるインレイド構造のため、摩耗による色あせや傷が目立ちにくく、長期間美しい状態を保てます。

共用廊下の美観が向上すれば、マンション全体の印象が良くなり、資産価値の維持にも効果的です。

メンテナンスが容易で清掃性に優れる

タキロンシートは表面が平滑で汚れが付きにくく、日常の清掃が簡単に行えます。

水拭きや中性洗剤での洗浄に対応しており、特別な手入れは必要ありません。

頑固な汚れにはポリッシャーを使った洗浄も可能で、定期清掃によって美観を長期間維持できます。

ワックスがけの必要性は製品によって異なりますが、多くの製品はワックス不要で防滑性を保てる仕様となっています。

メンテナンスコストを抑えながら、清潔で安全な環境を維持できる点は、管理組合にとって大きなメリットです。

共用廊下のタキロン防水工事にかかる費用相場

タキロン防水工事の費用は、施工面積や下地の状態、使用する製品のグレードによって変動します。

適正な予算を確保するために、費用の内訳と相場を把握しておきましょう。

1平米あたりの施工単価と総額の目安

タキロンシート(長尺シート)の防水工事費用は、一般的に1平米あたり6,000〜10,000円が相場とされています。

この価格には、材料費・施工費・下地処理費が含まれます。

費用を左右する主な要素
  • 下地の劣化状況:ひび割れや段差の補修が必要な場合、下地処理費が増加
  • シートの種類とグレード:デザイン性の高い製品や高耐久モデルは単価が高い
  • 施工面積:面積が大きいほど平米単価は下がる
  • 階段や立ち上がり部分の有無:複雑な形状の施工は追加費用が発生
  • 足場設置の必要性:高所作業が必要な場合は足場代が追加発生

例えば、50平米の共用廊下の場合、総額は30万円〜50万円程度が目安となります。

ただし、既存シートの撤去費用や、夜間作業による割増料金などが加わる場合もあるため、詳細な見積もりを取得することが重要です。

複数の業者から相見積もりを取り、内訳を比較検討することで、適正価格での発注が可能になります。

他の防水工法との費用比較

共用廊下の防水には、タキロン長尺シート以外にもいくつかの工法があります。

それぞれの特徴と費用を比較すると、以下のようになります。

工法の種類単価(円/㎡)耐用年数特徴
タキロンシート
(長尺シート)
6,000〜10,00010〜15年・防滑性・美観性に優れている
・施工後すぐに使用可能
ウレタン塗膜防水5,000〜7,0008〜10年・複雑な形状にも対応可能
・5〜7年でトップコート塗り替えが必要
FRP防水6,000〜9,00010〜15年・高強度で耐摩耗性が高い
・硬く、滑りやすい
アスファルト防水6,000〜8,00015〜25年・耐久性は高い
・施工時に臭気が発生
・工期が長い

タキロンシート(長尺シート)は、初期費用は中程度ですが、防滑性と美観性を両立できる点が大きな強みです。

居住者が日常的に利用する共用廊下では、安全性と快適性のバランスが重視されるため、コストパフォーマンスに優れた選択肢といえます。

また、施工後すぐに通行可能となるため、居住者への影響が少なく、工期短縮によるコスト削減効果も期待できます。

長期的な視点で総合的に判断することが、賢い選択につながります。

共用廊下のタキロン防水工事の施工手順と工期目安

タキロン防水工事は、下地処理から仕上げまで複数の工程を経て行われます。

各工程の内容と、全体の工期について理解しておきましょう。

  1. STEP

    事前調査と下地確認

    下地の劣化状況、ひび割れの有無、排水勾配、水のたまり具合などを詳細に確認します。

    過去の施工履歴や建物の図面があれば、より精密な計画が可能です。

    この段階で問題が見つかれば、補修方法や追加工事の提案が行われます。

    調査結果に基づいて、最適な施工方法と正確な見積もりが提示されます。

  2. STEP

    下地処理とプライマー塗布

    既存の床面を高圧洗浄で清掃し、油分や汚れを完全に除去します。

    ひび割れや段差がある場合は、樹脂モルタルなどで平滑に補修します。

    下地が整ったら、タキロンシートの接着性を高めるためのプライマーを塗布します。

    プライマーは下地とシートの密着力を向上させる下塗り材で、この工程を丁寧に行うことで長期的な耐久性が確保されます。

  3. STEP

    長尺シートの貼り付けと圧着・溶接

    専用の接着剤を下地に塗布し、タキロンシートを貼り付けていきます。

    貼り付け後は、ローラーでしっかりと圧着し、空気やしわが入らないように注意します。

    継ぎ目部分は熱溶接棒を使って溶着し、一体化させることで、水の侵入を完全に防ぎます。

    この溶接技術が適切に行われることで、防水性能が大きく向上します。

  4. STEP

    端部処理と立ち上がり部分の施工

    壁や階段との接合部分、排水溝周辺などの端部処理は、防水性能を確保する上で特に重要です。

    シートの端部は専用の金物で押さえ、シーリング材で隙間を埋めます。

    立ち上がり部分は、水が回り込まないように十分な高さまでシートを立ち上げ、確実に固定します。

    排水ドレンやマンホール周辺も、水の侵入経路とならないよう丁寧に納めます。

    この細部の処理が甘いと、後々の雨漏りや剥がれの原因となるため、熟練した技術が求められます。

  5. STEP

    完了検査と引き渡しまでの流れ

    施工完了後は、施工業者と管理組合が立ち会いのもと、最終検査を行います。

    シートの浮きや剥がれ、継ぎ目の溶接状態、端部処理の状態などを細かく確認します。

    排水テストを行い、水たまりができないか、排水が適切に流れるかもチェックします。

    問題がなければ、養生を撤去し、清掃を行って引き渡しとなります。

一般的な施工面積(30〜50平米)で、工期は2〜3日程度です。

天候や下地の状態によって延びる場合もあるため、余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。

共用廊下のタキロン防水工事の耐用年数とメンテナンス方法

タキロン長尺シートは耐久性に優れていますが、適切なメンテナンスを行うことで、さらに長く使用することができます。

耐用年数の目安と、日常的な手入れ方法を確認しておきましょう。

一般的な耐用年数と劣化サイン

タキロン長尺シートの耐用年数は、一般的に10〜15年程度とされています。

ただし、日当たりの強い場所や通行量の多い場所では、劣化が早まる傾向があります。

定期的に点検を行い、以下のような劣化サインが見られたら、補修や張替えを検討するタイミングです。

劣化サイン
  • シートの浮きや剥がれ
  • 表面の摩耗や変色
  • ひび割れや破れ
  • 継ぎ目の開き
  • 黒ずみやカビの発生

年1回程度の定期点検を行い、軽微な不具合のうちに補修することで、大規模な張替え時期を遅らせることができます。

日常清掃と定期メンテナンス方法

日常的な清掃は、タキロンシートの美観と性能を保つために重要です。

基本的には、ほうきや掃除機でゴミやホコリを除去し、固く絞ったモップで水拭きするだけで十分です。

汚れがひどい場合は、中性洗剤を薄めた水で洗浄します。タキロンシートは水に強いため、雨天後や清掃後も安心です。

ただし、高圧洗浄機の使用は、シートの継ぎ目や端部を傷める恐れがあるため、慎重に行う必要があります。

定期メンテナンスとしては、年に1〜2回、専門業者によるポリッシャーを使った洗浄がおすすめです。

また5〜7年に一度、トップコートの再施工を行うことで、表面の保護層を強化し、耐用年数を延ばすことができます。

排水溝や側溝のゴミ詰まりも定期的に確認し、水はけを良好に保つことがタキロンシートを長持ちさせるコツです。

共用廊下のタキロン防水工事を依頼する業者の選び方

タキロン防水工事の品質は、施工業者の技術力に大きく左右されます。

信頼できる業者を見極めるためのポイントを押さえておきましょう。

確認すべき実績と資格

まず確認したいのは、マンションやアパートの共用部防水工事の実績です。

過去の施工事例を写真付きで提示してもらい、仕上がりの質を確認しましょう。

防水施工技能士などの国家資格を持つ職人が在籍しているかも重要なポイントです。

資格保有者は、専門的な知識と技術を有している証明であり、安心して任せることができます。

また、建設業許可を取得しているかも確認しましょう。許可業者は一定の基準を満たしており、信頼性が高いといえます。

見積もり内容の比較ポイント

複数の業者から見積もりを取得し、内容を詳細に比較することが大切です。

単に総額だけでなく、内訳が明確に記載されているかを確認します。

  • 材料費(シート本体、接着剤、プライマーなど)
  • 施工費(人件費、技術料)
  • 下地処理費(既存シート撤去、補修)
  • 諸経費(養生、廃材処分、運搬費)

など、項目ごとに数量と単価が明示されているかチェックしましょう。

曖昧な「一式」表記が多い見積もりは、後から追加費用が発生する可能性があります。

不明な点は遠慮なく質問し、納得できる説明が得られる業者を選びましょう。

極端に安い見積もりは、手抜き工事や低品質な材料使用のリスクがあるため注意が必要です。

保証内容とアフターサービスの重要性

施工後の保証内容も、業者選びの重要な判断材料です。

一般的には5〜10年程度の保証が付きますが、保証範囲(材料不良、施工不良、自然劣化など)を明確に確認しましょう。

保証書が発行され、保証内容が文書で明記されているかも重要です。口頭での約束だけでは、後々トラブルになる可能性があります。

また、アフターサービスの体制も確認しておきましょう。

定期点検サービスの有無、不具合発生時の対応スピード、連絡窓口の明確さなどが、長期的な安心につながります。

【施工事例】アパートの防水工事+長尺シート工事|新東亜工業

東京都世田谷区の集合住宅で、共用廊下と外部階段の長尺シート張替え工事を実施しました。

居住者様の生活動線を確保しながら、約1週間という短期間で防水性能と安全性を大幅に向上させた施工事例をご紹介します。

工事の概要|費用・期間

今回の工事は、共用廊下および外部階段の長尺シート張替えを中心とした改修工事です。

居住者様の日常生活への影響を最小限に抑えながら、確実な施工を実現しました。

項目内容
建物種別集合住宅(アパート)
工事金額58万円
工事期間約1週間
施工場所東京都世田谷区
主な工事内容・高圧洗浄工事
・廊下側溝防水工事
・長尺シート敷設工事(廊下・階段)
防水対象共用廊下の側溝部分
長尺シート施工箇所・共用廊下
・外部階段(蹴込み・段鼻含む)
特記事項居住者の生活動線を確保しながら施工

施工前には高圧洗浄工事を実施し、既存の汚れ・油分・藻類を徹底的に除去しました。

下地が不衛生または凹凸がある状態で施工すると、長尺シートの浮きや剥がれの原因となるため、洗浄は極めて重要な工程です。

長尺シート敷設工事では、共用廊下および外部階段の両方に施工を行い、滑りにくく、耐候性・耐摩耗性に優れた仕上がりとなりました。

階段の蹴込みや段鼻部分についても専用部材を用いて丁寧に仕上げ、見た目の美しさと安全性の両立を図りました。

お問い合わせ・ご依頼内容

アパートオーナー様から、共用廊下と階段の劣化と雨水浸入の懸念についてご相談をいただきました。

居住者の安全確保と建物保全のため、早期の改修が必要な状態でした。

お客様:「共用廊下と階段の床が古くなって、雨の日は特に滑りやすくて心配なんです。側溝からの水漏れも気になっていて。」

担当者:「承知いたしました。現地で詳しく状態を確認させていただきます。長尺シートの張替えと防水工事を組み合わせれば、安全性と耐久性を両方向上できます。」

お客様:「居住者の方が毎日使う場所なので、工事期間中も通行できるようにしてほしいんですが。」

ご依頼の背景には、経年劣化により共用部の床が摩耗し、特に雨天時の滑りやすさが居住者の安全面でのリスクとなっていたという課題がありました。

また、側溝部分からの雨水浸入により、床下への水の侵入が懸念されており、建物躯体の保全という観点からも早急な対策が必要でした。

オーナー様からは「居住者の生活動線を確保しながら工事を進めてほしい」とのご要望があり、短期間での完工と日常生活への配慮が求められました。

現地調査から工事開始までの流れ

現地調査では、共用廊下と外部階段の床材の劣化状況、側溝の防水状態、下地の凹凸や汚れを詳細に確認しました。

居住者様の生活動線を確保する施工計画も立案しました。

調査担当者:「廊下の床材がかなり摩耗していますね。階段も滑り止めが効かなくなっています。」

お客様:「やはりそうですか。見た目も悪くなってきていたので。」

調査担当者:「側溝部分も防水層が劣化していて、このままだと雨水が床下に侵入する可能性があります。まず高圧洗浄で下地を整え、側溝に防水処理を施してから、長尺シートを敷設する流れをご提案します。」

調査の結果、床材の摩耗が広範囲に見られ、特に階段部分は滑り止め効果が低下していることが確認されました。

側溝部分は防水層の劣化が進んでおり、雨水浸入のリスクが高い状態でした。

見積では「高圧洗浄→側溝防水→長尺シート敷設」という3段階の施工プランを提示し、工事金額は58万円とご提案しました。

お客様からは「費用も手頃で、工期も約1週間なら問題ない」とご了承いただきました。

施工前には居住者様への工事説明を行い、「片側ずつ施工して通行路を確保する」「階段は上下どちらかを常に使用可能にする」といった生活動線確保の具体策をお伝えしました。

工事中の流れ・やり取り

工事は高圧洗浄から開始し、側溝防水工事、長尺シート敷設の順で進めました。

居住者様の通行を妨げないよう、片側ずつ順番に施工する配慮を徹底しました。

現場担当者:「本日から高圧洗浄工事に入ります。汚れや油分、藻類を徹底的に除去して、長尺シートの接着性を高めます。」

お客様:「わかりました。居住者の方々には説明していますので進めてください。」

現場担当者:「洗浄が完了しました。側溝の防水工事に入ります。この部分をしっかり処理することで、雨水の床下侵入を防げます。」

お客様:「側溝からの水漏れが一番心配だったので、よろしくお願いします。」

高圧洗浄工事では、既存の汚れ・油分・藻類を徹底的に除去し、下地の接着性を最大限に高めました。この工程を丁寧に行うことで、長尺シートの浮きや剥がれを防ぐことができます。

側溝防水工事では、既存下地の状態に合わせた防水材を選定し、雨水の床下侵入を確実に防ぐ施工を行いました。

長尺シート敷設工事では、共用廊下を片側ずつ施工することで、常に通行できる動線を確保しました。

外部階段も上下どちらかを常に使用可能にする工程管理を徹底し、居住者様の日常生活への影響を最小限に抑えました。

階段の蹴込みや段鼻部分には専用部材を使用し、滑り止め効果と美観の両立を実現しました。

工事期間中は毎日進捗をご報告し、居住者様からの質問にも丁寧に対応しました。

まとめ

約1週間という短期間で、高圧洗浄・防水工事・長尺シート敷設を完了しました。

共用部の景観が一新され、安全性と防水性能が大幅に向上したことで、お客様にご満足いただきました。

お客様:「廊下も階段もすごくきれいになりましたね。滑りにくくなって安心しました。」

現場担当者:「ありがとうございます。長尺シートは耐候性・耐摩耗性に優れているので、長期間きれいな状態を保てます。」

お客様:「工事中も居住者から通行できないという苦情もなく、スムーズに進んでいただいて助かりました。」

現場担当者:「生活動線の確保を最優先に計画しましたので、そう言っていただけて何よりです。側溝の防水もしっかり施工しましたので、雨水の浸入も防げます。」

今回の工事では、共用廊下と階段の安全性向上と防水性能強化という2つの重要課題を同時に解決することができました。

工事金額58万円、工期約1週間という効率的な施工により、オーナー様の費用負担を抑えながらも高品質な仕上がりを実現しました。

居住者様の生活動線を確保するため、片側ずつの施工や階段の上下交互利用など、細やかな配慮を徹底したことで、工事期間中の苦情もなくスムーズに完工できました。

長尺シートはクッション性があり歩行感が良好で、雨天時の滑り事故防止にも効果を発揮します。

共用部の景観が一新され、居住者の安全性と建物の保全性能が大幅に向上したことで、今後の維持管理のしやすさにもつながる施工となりました。

▶参考元:【個人オーナー様】東京都世田谷区アパート 防水工事+長尺シート工事 費用公開

新東亜工業では、このような集合住宅の共用部改修工事においても、居住者様への配慮と確実な施工品質で、お客様の大切な資産をお守りしています。

共用廊下のタキロン防水工事に関するよくある質問

タキロン防水工事について、管理組合の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q

タキロン防水工事中の通行制限はどのくらいですか?

A

工事区画は基本的に通行止めとなりますが、マンション全体が使えなくなるわけではありません。

施工は区画ごとに分けて行われるため、一部の通路は常に使用可能な状態を保てます。

シート貼り付け後の養生時間は24〜48時間程度で、この間は該当区画への立ち入りができません。

居住者の生活への影響を最小限にするため、施工業者と事前に動線計画を綿密に打ち合わせることが重要です。エレベーター付近や階段など、代替ルートの確保も検討しましょう。

Q

タキロン防水工事は、雨天時でも施工できますか?

A

タキロン防水工事は、雨天時には施工できません。

下地処理やプライマー塗布、接着剤の乾燥には乾燥した環境が必要です。

雨が降ると接着力が低下し、仕上がりの品質が大きく損なわれます。

天候不良により工期が延びる可能性もあるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

梅雨時期や台風シーズンを避け、天候の安定した時期に施工することをおすすめします。

Q

タキロン防水工事をDIYで施工することは可能ですか?

A

タキロン長尺シートの施工は、専門的な技術と特殊な工具が必要なため、DIYでの施工はおすすめできません。

特に継ぎ目の熱溶接は専用の機器と熟練した技術が必要です。

素人施工では、シートの浮き、継ぎ目の開き、端部処理の不備などが発生しやすく、防水性能が確保できません。

結果的に短期間で剥がれや雨漏りが発生し、再施工が必要となる恐れがあります。安全性と耐久性を考えると、専門業者に依頼する方が確実で経済的です。

Q

タキロン防水工事に補助金や助成金は利用できますか?

A

一部の自治体では、マンションの共用部改修工事に対して補助金制度を設けています。

対象となる条件は自治体によって異なりますが、以下のような要件が一般的です。

  • 対象地域内の分譲マンションであること
  • 管理組合による申請であること
  • 一定の築年数を経過していること
  • 省エネ、バリアフリー、防災などに関連する工事であること
  • 税金の滞納がないこと

補助金を利用する際は、必ず着工前に申請が必要です。工事開始後の申請は受け付けられないため、計画段階で自治体の窓口や公式サイトで詳細を確認しましょう。

申請書類の作成をサポートしてくれる施工業者もいるため、相談してみることをおすすめします。

まとめ

共用廊下のタキロン防水工事は、マンションの安全性と快適性を向上させる重要な改修工事です。

まとめ
  • タキロン長尺シートは防滑性・防水性・耐久性に優れた床材です
  • 施工費用は1平米あたり6,000〜10,000円が相場となっています
  • 耐用年数は10〜15年で、定期メンテナンスにより延命できます
  • 施工には2〜3日程度の工期がかかり、天候に左右されます
  • 信頼できる業者選びには、実績・資格・保証内容の確認が重要です

適切な防水工事を行うことで、雨天時の転倒事故リスクを軽減し、建物の劣化を防いで資産価値を維持できます。

居住者の満足度向上にもつながり、長期的な視点で見れば大きなメリットがあります。

マンション管理組合の皆様には、定期的な点検と計画的な修繕を心がけ、安全で快適な住環境を実現していただきたいと思います。

まずは信頼できる専門業者に相談し、現地調査と見積もりを依頼することから始めてみてください。

タキロン防水工事で、共用廊下を安心して歩ける空間へと生まれ変わらせましょう。