ケラバとは?屋根における役割と劣化症状・メンテナンス方法を解説【2026年最新】| 株式会社新東亜工業

ケラバとは?屋根における役割と劣化症状・メンテナンス方法を解説

屋根の専門用語として「ケラバ」という言葉を耳にしたことはありますか?

日常生活ではあまり馴染みのない言葉ですが、実は建物を雨水や紫外線から守る非常に重要な部位なのです。

ケラバは切妻屋根や片流れ屋根の端部分を指し、外壁の劣化を防ぎ、室内環境を快適に保つ役割を担っています。

しかし、常に風雨にさらされているため劣化しやすく、放置すると雨漏りや構造材の腐食といった深刻なトラブルを招く可能性があります。

この記事では、ケラバの基礎知識から破風や軒先との違い、具体的な劣化症状とメンテナンス方法、さらには費用相場まで詳しく解説いたします。

マンションやビルのオーナー様、管理組合の皆様、そしてこれから建物を建てる方にとって、ケラバの正しい知識は建物の長寿命化とメンテナンスコストの削減に直結します。

最後までお読みいただければ、外壁塗装や時期、適切なメンテナンスなどについての判断ができるようになるはずです。

ケラバとは?屋根のどの部分を指すのか

ケラバは建築用語として専門的な響きがありますが、その位置と役割を理解すれば決して難しいものではありません。

まずは、ケラバがどこにあるのか、基本から確認していきましょう。

ケラバの定義と位置

ケラバとは、切妻屋根や片流れ屋根において、外壁から突き出した屋根の端部分のことを指します。

具体的には、屋根の妻側(屋根が三角形になっている側面)の端部で、雨樋が設置されていない部分です。

ケラバは部材や製品の名前ではなく、屋根の特定の場所を示す建築用語であることを理解しておくことが重要です。

つまり、「ケラバを交換する」という表現は正確ではなく、「ケラバ部分の破風板を交換する」「ケラバの板金を補修する」といった表現が適切になります。

ケラバがある屋根とない屋根の違い(切妻・片流れ・寄棟)

すべての屋根にケラバがあるわけではありません。屋根の形状によってケラバの有無が決まります。

ここでは、代表的な屋根形状とケラバの関係を整理しましょう。

下記の表は、主な屋根形状とケラバの有無をまとめたものです。

屋根形状ケラバの有無特徴
切妻屋根あり・最も一般的な屋根形状
・妻側の両端にケラバが存在する
片流れ屋根あり・一方向に傾斜した屋根
・両側面にケラバが存在する
寄棟屋根なし・四方向すべてが軒先となるためケラバは存在しない
陸屋根なし・平らな屋根のためケラバという概念がない

このように、切妻屋根と片流れ屋根にはケラバが存在しますが、寄棟屋根や陸屋根には存在しません。

建物の屋根形状を確認することで、ケラバのメンテナンスが必要かどうか判断できます。

ケラバと妻側の関係

建築用語で「妻側」とは、屋根の棟(むね)に対して直角方向の側面を指します。

切妻屋根を正面から見たときに三角形に見える面が妻側です。

ケラバはこの妻側の端部分にあたるため、「妻側のケラバ」という表現が使われることもあります。

妻側は構造上、雨水が集中しやすく風圧も受けやすい箇所であるため、ケラバ部分は特に入念なメンテナンスが求められます。

実際の現場でも、妻側からの雨漏り事例は決して少なくありません。

ケラバと破風の違いを理解しよう

ケラバと混同されやすい用語に「破風」があります。

どちらも屋根の端部に関連する言葉ですが、指している対象が異なります。

ここで正確に理解しておきましょう。

破風板とは何か

破風板(はふいた)とは、ケラバや軒先の側面に取り付けられる板状の部材のことです。

屋根の端部を保護し、雨風が屋根裏に侵入するのを防ぐ重要な役割を担っています。

破風板の主な機能
  • 風の吹き上げによる屋根材の浮き上がりを防止する
  • 雨水の横殴りから屋根裏への浸入を防ぐ
  • 屋根の構造材(垂木など)を保護する
  • 建物の外観デザインを整える

破風板は木材や窯業系サイディング、金属板などさまざまな素材で作られており、定期的な塗装や板金巻きによるメンテナンスが必要です。

常に風雨にさらされるため、建物の中でも特に劣化しやすい部材のひとつと言えます。

ケラバと破風板の位置関係

ケラバと破風板の関係を簡潔に表現すると、「ケラバという場所に破風板という部材が取り付けられている」ということになります。

つまり、ケラバは屋根の一部分を指す場所の名称であり、破風板はその場所に設置される具体的な建材の名称です。

「ケラバの破風板が劣化している」という表現が正しい使い方になります。

現場での会話では「破風が傷んでいる」という言い方もしますが、これは正確には「破風板が傷んでいる」という意味です。

専門業者とのやり取りでは、この違いを理解しておくとコミュニケーションがスムーズになります。

ケラバ包みとは

ケラバ包み(ケラバ板金)とは、ケラバ部分の屋根材の端を金属板で包み込む施工方法です。

主にガルバリウム鋼板などの金属板を使用し、雨水の侵入を防ぐ「雨仕舞い」を行います。

ケラバ包みの主な特徴
  • 屋根材の端部を完全に覆うことで防水性能を向上させる
  • スレート屋根や金属屋根で一般的に採用される工法
  • 耐久性が高く、メンテナンス頻度を抑えられる
  • 風による屋根材の浮き上がりを防止する

特にスレート屋根や金属屋根では、ケラバ包みによる適切な雨仕舞いが雨漏り防止の鍵となります。

施工不良があると、わずかな隙間から雨水が侵入し、下地の野地板や構造材を腐食させる原因になります。

軒先とケラバの違いとは?雨樋の有無で区別

屋根の端部を指す用語として、ケラバの他に「軒先」という言葉もよく使われます。

この2つは似ているようで明確な違いがあります。正確に理解しておきましょう。

軒先(のきさき)の定義

軒先とは、屋根の外壁から突き出した部分のうち、地面に対して水平方向の端部を指します。

最も分かりやすい見分け方は、雨樋が設置されている側が軒先ということです。

軒先の主な役割
  • 雨水を雨樋へ適切に導く
  • 外壁への直射日光を遮る
  • 雨天時に外壁への雨水の吹き付けを軽減する
  • 建物全体の日射量を調整する

軒先は建物の四方を取り囲むように存在することが多く、ケラバよりも長い距離にわたって設置されています。

そのため、軒先部分の雨樋や鼻隠しのメンテナンスは、建物全体のメンテナンス計画において重要な位置を占めます。

ケラバと軒先の見分け方

ケラバと軒先を見分ける最も簡単な方法は、雨樋の有無を確認することです。

下記の比較表で両者の違いを整理しましょう。

項目ケラバ軒先
位置屋根の妻側(三角形の側面)屋根の平側(水平方向)
雨樋なしあり
取り付け部材破風板鼻隠し
屋根形状切妻・片流れにのみ存在ほぼすべての屋根に存在

このように、雨樋の有無が最大の見分けポイントです。

建物を外から見回して雨樋がない側の端部を探せば、それがケラバということになります。

実際の点検やメンテナンスの際には、この違いを理解しておくと業者との打ち合わせもスムーズに進みます。

鼻隠し・唐草とは?

軒先に関連する部材として「鼻隠し」と「唐草」があります。

これらもケラバと混同されやすいため、ここで整理しておきましょう。

鼻隠し(はなかくし)とは?

軒先の先端に取り付けられる板状の部材で、垂木の先端を隠すために設置されます。

雨樋を取り付ける下地としての役割も担っており、ケラバの破風板に相当する部材です。

唐草(からくさ)とは?

ケラバや軒先の先端に取り付けられる金属製の水切り部材です。

屋根材の端部から雨水が内部に侵入するのを防ぎ、雨樋へスムーズに導く役割があります。

適切に設置されていないと、雨水が内部に回り込んで木部を腐食させる原因になります。

ケラバが建物を守る3つの重要な役割

ケラバは単なる屋根の端部ではなく、建物全体を守る重要な機能を持っています。

ここではケラバの3つの主要な役割について詳しく解説します。

役割1.雨水から外壁を保護する

ケラバの最も重要な役割のひとつが、外壁への雨水の直接的な吹き付けを防ぐことです。

ケラバが適切に突き出していることで、屋根の傘のような効果が生まれ、外壁面に直接雨が当たる量を大幅に減らすことができます。

外壁は雨水に長時間さらされると塗装の劣化が早まり、ひび割れやシーリング材の劣化を招きます。

さらに進行すると、ひび割れから雨水が内部に浸入し、構造材の腐食やカビの発生につながります。

ケラバによる雨水対策は、外壁の寿命を延ばし、メンテナンスコストを抑える効果があるのです。

実際の現場では、ケラバの出が小さい建物ほど外壁の劣化が早く進む傾向が見られます。

新築時の設計段階でケラバの出寸法を十分に確保することが、長期的な建物保全につながります。

役割2.紫外線による劣化を防ぐ

ケラバは雨水だけでなく、紫外線からも外壁を守る役割を果たしています。

直射日光に含まれる紫外線は、外壁塗装の色あせや樹脂の劣化を引き起こす主要な原因のひとつです。

ケラバが適切に突き出していることで日陰が生まれ、外壁面に当たる紫外線の量を軽減できます。

特に南面や西面など日射量の多い面では、この効果が顕著に現れます。

結果として、塗装の劣化を遅らせ、塗り替えサイクルを延ばすことが可能になります。

近年、軒やケラバの出を極力抑えたデザイン性重視の建物が増えていますが、紫外線対策の観点からは、ある程度の出寸法を確保することが建物の長寿命化に寄与します。

役割3.日射量を調整し室内環境を快適に保つ

ケラバには季節によって変化する太陽の高度を利用し、室内の日射量を自然に調整するという優れた機能があります。

これは日本の伝統建築にも見られる先人の知恵です。

具体的には、以下のような効果があります。

観点効果・内容
夏季太陽高度が高いため、ケラバが日差しを遮り、室内温度の上昇を抑える
冬季太陽高度が低く、日差しが室内に入り込みやすくなり、自然な暖房効果を高める
西日対策西面のケラバが夕方の強い西日を遮り、室内への熱の侵入を軽減する
省エネ効果冷暖房負荷を抑えることで、年間を通してエネルギーコストの削減につながる

このように、ケラバは単なる雨水対策だけでなく、居住環境の快適性向上と省エネルギー化にも貢献しています。

ケラバのない建物や出寸法の小さい建物では、夏場の室温上昇や外壁の劣化が顕著になる傾向があります。

ケラバの劣化症状と放置するリスク

ケラバは建物を守る重要な部位である一方、常に風雨にさらされているため劣化しやすい箇所でもあります。

早期発見と適切な対処が建物全体の寿命に大きく影響します。

ケラバ板金の浮き・釘抜け

ケラバ板金の劣化症状として最も多く見られるのが、釘の浮きや抜けによる板金のめくれです。

経年劣化や強風の影響で固定釘が緩み、板金が浮き上がった状態になります。

この症状を放置すると、以下のようなリスクが発生します。

放置すると発生するリスク
  • 台風や強風時に板金が完全に剥がれ飛散する危険性
  • 飛散した板金による近隣への物損事故や人身事故の可能性
  • 板金の隙間から雨水が侵入し、下地木材の腐食が進行する
  • 腐食が広がると大規模な修繕が必要になりコストが増大する

台風の後などに「屋根の端が浮いている」という指摘を受けた場合は、早急に専門業者による点検を受けることをお勧めします。

初期段階であれば釘の打ち直しや部分的な補修で済みますが、放置すると修繕範囲が広がってしまいます。

破風板の腐食・ひび割れ

破風板は木材や窯業系サイディングで作られていることが多く、経年劣化により腐食やひび割れが発生します。

特に塗装が劣化した状態で雨水を吸収し続けると、木材の腐食が急速に進みます。

破風板の劣化が進行すると、以下のような深刻な問題が発生します。

発生する問題
  • 破風板の強度低下により、部材が落下する危険性
  • 雨水が破風板の内側に回り込み、構造材を腐食させる
  • シロアリ被害を誘発し、建物全体の耐震性能が低下する
  • 雨漏りが発生し、天井や内壁にシミやカビが生じる

破風板の劣化は外から目視で確認しやすいため、定期的に双眼鏡などで遠目から確認することをお勧めします。

ひび割れや変色、塗装の剥がれなどが見られたら、早めの補修が必要です。

塗装の剥がれ・錆びの発生

破風板やケラバ板金の塗装が劣化すると、塗膜の剥がれや金属部分の錆びが発生します。

塗装は単なる美観維持だけでなく、材料を雨水や紫外線から保護する重要な役割を担っています。

塗装劣化のサインは以下の通りです。

劣化段階症状対処の緊急度
初期色あせ、チョーキング(白い粉が付く)数年以内に塗装を検討
中期塗膜の剥がれ、軽度の錆び1~2年以内に塗装が必要
後期広範囲の錆び、木材の腐食、穴あき早急に補修・交換が必要

塗装の劣化は段階的に進行するため、初期段階で対処すれば塗装だけで済みますが、後期まで放置すると部材交換が必要になります。

定期的な点検により、適切なタイミングでメンテナンスを行うことが重要です。

雨漏りの原因になる可能性

ケラバ部分の劣化が進行すると、最終的には雨漏りという深刻な問題に発展します。

ケラバは屋根と外壁の取り合い部分であり、構造上雨水が集中しやすい箇所です。

ケラバからの雨漏りは以下のような経路で発生します。

雨漏りの原因
  • 破風板のひび割れや隙間から雨水が侵入する
  • ケラバ水切りの不備により、雨水が屋根内部に回り込む
  • 板金の浮きや釘穴から雨水が侵入し、防水シートを劣化させる
  • 長期間の浸水により野地板や垂木が腐食し、天井に雨染みが発生する

雨漏りが発生した場合、原因箇所の補修だけでなく、被害を受けた内部の構造材や断熱材、天井材なども交換が必要になり、修繕費用が大幅に増加します。

ケラバの定期点検は、こうした高額な修繕費用を未然に防ぐための重要な予防策なのです。

ケラバのメンテナンス方法と費用相場

ケラバのメンテナンスには、劣化の程度に応じていくつかの方法があります。

ここでは、代表的な補修方法とそれぞれの費用相場をご紹介します。

破風板の塗装(1mあたり1,000円~3,000円)

破風板の劣化が軽度で、塗装の剥がれや色あせが主な症状の場合は、塗装によるメンテナンスが最も経済的です。

塗装は破風板を雨水や紫外線から保護し、寿命を延ばす効果があります。

破風板塗装の主な特徴は以下の通りです。

項目内容
費用相場1mあたり約1,000円~3,000円程度
工期外壁塗装と同時施工の場合、1~2日程度
耐久年数約7~10年(使用する塗料によって異なる)
適用条件破風板本体に重大な損傷がない場合に適用可能

塗装工事では、既存塗膜の除去、下地処理、下塗り、中塗り、上塗りという工程を経て仕上げます。

外壁塗装と同時に行うことで足場代を共有でき、コストを抑えられるため、大規模修繕時に合わせて実施するのが効率的です。

板金巻き(1mあたり3,000円~4,000円)

破風板の劣化がやや進行している場合や、より長期的な耐久性を求める場合は、板金巻き(板金カバー)が有効です。

既存の破風板を金属板で覆う工法で、塗装よりも高い防水性と耐久性が得られます。

板金巻きのメリットとデメリットを整理すると以下のようになります。

項目内容
費用相場1mあたり3,000円~4,000円程度
メリット・耐久性が高い
・メンテナンス頻度が少ない
・防水性能が向上する
デメリット・初期費用が塗装より高い
・施工に専門技術が必要
耐久年数約15~20年(ガルバリウム鋼板の場合)

板金巻きに使用される材料は、主にガルバリウム鋼板やステンレスなどの金属板です。

塗装に比べて初期費用は高めですが、長期的に見るとメンテナンスコストを抑えられるため、コストパフォーマンスに優れた工法と言えます。

破風板の交換(1mあたり4,000円~6,000円)

破風板の木材自体が腐食している場合や、構造的な強度が失われている場合は、破風板の交換が必要になります。

最も費用がかかる工法ですが、建物の安全性を確保するためには避けられないメンテナンスです。

交換が必要になるケース
  • 破風板を指で押すと柔らかく沈み込む(腐食が進行している)
  • 破風板に大きなひび割れや欠損がある
  • シロアリ被害により木材が食害されている
  • 雨漏りにより内部構造まで損傷している

交換費用の相場は1mあたり4,000円~6,000円程度ですが、損傷範囲が広い場合や構造材まで補修が必要な場合は、さらに費用が増加します。

こうした高額な修繕を避けるためにも、定期的な点検と早期のメンテナンスが重要なのです。

ケラバ包みの補修

スレート屋根や金属屋根のケラバ包み(ケラバ板金)が劣化している場合は、板金の交換や再施工が必要になります。

ケラバ包みの補修費用は、使用する材料や施工範囲により変動します。

ケラバ包み補修の費用目安は以下の通りです。

工事内容費用目安
部分補修
(釘の打ち直し・コーキング補修など)
約10,000円~30,000円程度
ケラバ板金の交換1mあたり約3,000円~5,000円程度
ケラバ水切りの交換1mあたり約2,000円~4,000円程度

ケラバ包みは屋根の雨仕舞いにおいて非常に重要な部分です。

施工不良があると雨漏りの直接的な原因になるため、信頼できる専門業者に依頼することが大切です。

特に屋根のカバー工法や葺き替え工事の際には、ケラバ包みの施工品質を確認することをお勧めします。

ケラバの点検時期とメンテナンスのタイミング

ケラバの適切なメンテナンスには、定期的な点検とタイミングを見極めた補修が不可欠です。

ここでは、効果的な点検時期とメンテナンスのタイミングをご紹介します。

築10年が最初の点検目安

新築から築10年前後が、ケラバを含む屋根部分の最初の本格的な点検時期として推奨されています。

この時期には塗装の劣化や初期の不具合が顕在化し始めるためです。

築年数ごとの点検ポイントは以下の通りです。

築年数点検内容想定される症状
5~7年目視点検・塗装の色あせ
・軽度のチョーキング
10~12年詳細点検・塗膜の剥がれ
・釘の浮き
・軽度の腐食
15年以上総合点検・破風板の劣化
・雨漏りリスクの上昇

築10年の点検では、破風板の塗装状態、釘の浮き、木材の腐食の有無などを詳しく確認します。

この時期に適切なメンテナンスを行うことで、築20年、30年と建物を長持ちさせることができます。

外壁塗装 時期」の記事でも解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。

台風や強風の後は必ず確認を

台風や強風の後は、ケラバ部分に異常がないか必ず確認することをお勧めします。

風によって板金が浮いたり釘が抜けたりするケースが非常に多いためです。

台風後の点検で確認すべきポイントは以下の通りです。

点検ポイント
  • 破風板や板金にめくれや浮きがないか
  • 釘が抜けたり緩んだりしていないか
  • 屋根材や板金の一部が飛散していないか
  • 軒天(軒先の裏側)に雨染みや変色がないか

台風による被害は火災保険の風災補償の対象になる場合があります。

被害を発見したら写真を撮影し、速やかに保険会社と専門業者に連絡することで、補償を受けられる可能性があります。

放置すると被害が拡大し、保険適用の判断も難しくなるため、早期対応が重要です。

大規模修繕時に合わせた効率的なメンテナンス

マンションやビルの大規模修繕工事の際は、ケラバのメンテナンスも同時に実施することが最も効率的です。

足場を共有できるため、コストを大幅に削減できます。

大規模修繕時にケラバメンテナンスを含めるメリットは以下の通りです。

同時メンテナンスのメリット
  • 足場代を共有できるため、単独工事より30~40%コスト削減
  • 外壁塗装と色を統一でき、美観性が向上する
  • 工事時期を一本化でき、居住者や利用者の負担が軽減される
  • 長期修繕計画に組み込みやすく、資金計画が立てやすい

大規模修繕は通常12~15年周期で実施されますが、この際にケラバの状態を詳しく診断し、必要に応じて塗装や板金巻き、交換を行うことで、次回の修繕までの期間を安心して過ごせる状態を維持できます。

ケラバに関するよくある質問

ここでは、お客様から実際によく寄せられるケラバに関する質問にお答えします。

疑問や不安の解消にお役立てください。

Q

軒先とケラバの違いは?

A

軒先とケラバは、どちらも屋根の端部を指す言葉ですが、雨樋の有無によって呼び名が変わります

最も簡単な見分け方は、雨樋がある側が「軒先」、ない側が「ケラバ」と覚えることです。

実際の建物で確認する際は、以下の手順で判別できます。

  • ステップ1:建物の周囲を一周して雨樋の位置を確認する
  • ステップ2:雨樋がある側が「軒先」、ない側が「ケラバ」と判断する
  • ステップ3:切妻屋根なら三角形の側面部分がケラバとなる

建物を真上から見た場合、軒先は建物の長手方向、ケラバは短手方向(妻側)に位置することが一般的です。

この違いを理解しておくと、業者との打ち合わせや見積書の確認もスムーズに進みます。

Q

片流れ屋根のケラバはどこ?

A

片流れ屋根の場合、屋根の両側面がケラバになります。

片流れ屋根は一方向にのみ傾斜しているため、雨樋が付いている下側が軒先、雨樋のない両側面がケラバという構造です。

片流れ屋根のケラバには特有の注意点があります。

屋根の最上部(棟にあたる部分)と外壁の取り合い部分は「水上」と呼ばれ、雨水が滞留しやすく雨漏りリスクが高い箇所です。

このため、片流れ屋根では特にケラバ部分の防水処理が重要になります。

Q

ケラバに使われる屋根材の寿命は?釉薬瓦は何年持つ?

A

ケラバ部分の耐久性は、使用されている屋根材によって大きく異なります。

ここでは、代表的な屋根材の寿命をご紹介します。

主な屋根材の耐用年数は以下の通りです。

屋根材の種類耐用年数メンテナンス周期
釉薬瓦(和瓦)50~100年15~20年(漆喰補修)
スレート屋根20~30年10~15年(塗装)
ガルバリウム鋼板30~40年15~20年(塗装)
トタン屋根10~20年5~10年(塗装)

釉薬瓦(ゆうやくがわら)は、粘土を成形して高温で焼成し、表面にガラス質の釉薬を施した日本瓦のことです。

釉薬による保護層があるため、耐候性・耐久性に極めて優れており、適切なメンテナンスを行えば50年以上、場合によっては100年近く使用できます。

ただし、釉薬瓦自体の寿命が長くても、ケラバ部分の破風板や漆喰は15~20年程度で劣化するため、定期的な補修が必要です。

Q

ケラバ板金とは何ですか?

A

ケラバ板金とは、ケラバ部分に設置される金属製の雨仕舞い部材の総称で、「ケラバ包み」「ケラバ水切り」とも呼ばれます。

屋根材の端部を金属板で包み込むことで、雨水の侵入を完全に防ぐ役割を果たします。

ケラバ板金の主な種類と機能は以下の通りです。

  • ケラバ包み(ケラバカバー):屋根材の端部全体を金属板で覆う部材
  • ケラバ水切り:屋根材と破風板の間に設置し、雨水を適切に排水する部材
  • 唐草板金:ケラバの先端に設置し、雨水が内部に回り込むのを防ぐ部材

使用される材料は、主に以下のものがあります。

材料特徴耐用年数
ガルバリウム鋼板・錆びにくく耐久性が高い
・最も一般的
20~30年
ステンレス・耐食性が非常に高いが高価30~40年
銅板・経年で緑青が発生し趣がある
・神社仏閣に多い
50年以上
トタン
(亜鉛メッキ鋼板)
・安価だが錆びやすい
・現在はあまり使用されない
10~15年

ケラバ板金は、特にスレート屋根や金属屋根において必須の部材です。

適切に施工されていないと、わずかな隙間から雨水が侵入し、下地の野地板や構造材を腐食させる原因になります。

ケラバ板金の施工品質は雨漏り防止の要であり、屋根工事の際には必ず確認すべきポイントです。

特に屋根のカバー工法や葺き替え工事を行う際は、ケラバ板金が適切に施工されているか、信頼できる業者に依頼することが重要です。

Q

寄棟屋根にケラバはある?

A

寄棟屋根には、ケラバは存在しません

寄棟屋根は四方向すべてが軒先になる構造のため、妻側という概念がなく、したがってケラバもありません。

寄棟屋根の場合、屋根の四辺すべてに雨樋が設置され、鼻隠しで処理されます。

ケラバがない分、雨漏りのリスクは軽減されますが、その代わり棟部分や谷部分の雨仕舞いが重要になります。

屋根形状によってメンテナンスのポイントが異なることを理解しておくことが大切です。

Q

ケラバと階段の関係は?

A

「ケラバと階段」という組み合わせで検索される方がいらっしゃいますが、これは建築用語としての直接的な関連はありません。

おそらく階段室の屋根部分のケラバについて知りたい方が多いと思われます。

階段室や玄関ポーチなど、建物本体から突き出した部分の屋根にもケラバは存在します。

こうした箇所は建物本体の外壁との取り合いが複雑になるため、雨漏りが発生しやすい部位です。

階段室の天井に雨染みがある場合は、ケラバ部分の雨仕舞いに問題がある可能性が高いため、専門業者による点検をお勧めします。

Q

ケラバ包みは自分で修理できる?

A

ケラバ包みの修理は専門業者に依頼することを強くお勧めします

屋根作業は高所での危険な作業であり、また適切な雨仕舞いには専門的な知識と技術が必要だからです。

DIYでの修理をお勧めしない理由は以下の通りです。

  • 屋根上での作業は転落事故のリスクが非常に高い
  • 不適切な施工により雨漏りを悪化させる可能性がある
  • 保険や保証が適用されなくなる場合がある
  • 専門工具や適切な材料の選定が難しい

応急処置として地上から目視で確認することや、台風前に飛散しそうな部材がないか確認することは有効ですが、実際の補修作業は必ず専門業者に依頼しましょう。

安全と確実性を考えれば、プロに任せることが最も賢明な選択です。

まとめ

ケラバは切妻屋根や片流れ屋根の妻側端部を指す建築用語で、雨水や紫外線から建物を守り、室内環境を快適に保つ重要な役割を担っています。

ケラバと破風板、軒先の違いを正しく理解し、定期的な点検とタイミングを見極めたメンテナンスを行うことで、雨漏りや構造材の腐食といった深刻なトラブルを未然に防ぐことができます。

特に以下のポイントを押さえておきましょう。

ポイント
  • 築10年を目安に専門業者による詳細点検を実施する
  • 台風や強風の後は必ずケラバ部分の異常がないか確認する
  • 破風板の塗装剥がれや板金の浮きを発見したら早期に対処する
  • 大規模修繕時にケラバのメンテナンスも同時実施してコストを削減する

私たち株式会社新東亜工業は、マンションやビルの大規模修繕から防水工事、外壁塗装まで、豊富な実績と確かな技術でお客様の大切な建物をお守りしています。

建物の長寿命化は、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことから始まります。

ケラバという小さな部位への配慮が、建物全体を守る大きな力となるのです。