【賃貸経営】失敗する人の共通点|こうなっていたら要注意、専門家に相談を考えるタイミング

利回りの数字だけを信じてしまう人

一番多いのが、「利回り〇%」という数字だけを見て物件を決めてしまうパターンです。
広告や資料に出ている利回りは、多くの場合「満室で、家賃も下がらず、ほとんど空室が出ない」前提で計算されています。
実際には、入退去があり、家賃が少しずつ下がり、修繕やリフォームのたびにお金が出ていきます。

「表面利回りは高いのに、通帳にお金が残らない」と感じているなら、この罠にはまりかけているサインです。
本来見るべきは、「実際の家賃収入から、ローンとすべての経費を引いたあとに、年間いくら残るか」です。

この段階で不安があるなら、「自分でざっくり収支表を作る→よく分からないところ(税金・修繕・空室の想定など)は専門家に埋めてもらう」という流れで一度相談した方が安全です。

修繕費・退去費用を甘く見積もる人

次に多いのが、「建物の維持費」を十分に考えていないパターンです。
アパート・マンションは、外壁や屋上防水、共用部、給湯器やエアコンなどの設備、室内の内装など、定期的な修繕や入れ替えが必要です。
それを見込まず、「家賃からローンと管理費を払って終わり」と考えてしまうと、数年後に大きな修繕費が発生したとき、一気に資金繰りが苦しくなります。

退去が出るたびに必要な原状回復も同じです。壁紙や床の張り替え、クリーニング、場合によっては設備交換など、1回数十万円の出費になることもあります。
こうした費用を「なかったこと」としてシミュレーションしていると、実際の収支はほとんど残らなくなります。

「修繕に使うお金のイメージがまったくない」「ここ数年の修繕記録や見積もりを見ていない」なら、一度、建物の状態と今後10年の修繕計画をざっくり整理してもらう価値があります。

空室対策を「家賃を下げること」だけだと思っている人

空室が増えたとき、「とりあえず家賃を下げれば決まるだろう」と考えてしまうパターンも、失敗するオーナーに共通します。
家賃を下げるのはたしかに即効性のある方法ですが、何度も繰り返していると、気づけば利回りが大きく下がり、ローンや修繕費を払うとほとんど手元に残らない状態になります。

本来は、ターゲットや周辺相場、競合物件の設備や見せ方も含めて、「なぜ空室が埋まらないのか」を一度立ち止まって分析する必要があります。
家賃を少し下げる代わりに、照明や収納、ネット環境など、コストの割に効果の出やすい設備を整える方が、トータルで得になることも多いです。

「家賃を下げても空室が続く」「何を直せばよいのか分からない」段階なら、募集データや内見者の反応を持って、賃貸仲介に強い会社や管理会社、外部のプロに一度一緒に見てもらうのが近道です。

借入を増やしすぎて、自分の生活が圧迫されている人

「銀行が貸してくれるから」と言われるままに借入を増やしてしまい、返済が家賃収入と給与を圧迫してしまうパターンもよく見られます。
フルローンやオーバーローンが悪いわけではありませんが、「返済比率(家賃収入に対する返済の割合)」が高すぎると、少し空室が増えただけで一気に資金繰りが厳しくなります。

また、「ローンの返済があるから、必要な修繕ができない」という状態が続くと、建物の劣化と入居者離れを招き、悪循環に入りやすくなります。

「自分の生活費に手をつけてローンと修繕費を払っている」「ボーナス払いがないと回らない」「金利が上がったら破綻しそう」という感覚があるなら、借入と返済計画そのものを見直すタイミングです。
銀行や住宅ローンの相談窓口だけでなく、投資用ローンに詳しい専門家や、不動産投資失敗案件を扱っている弁護士・相談窓口に早めに相談することで、任意売却や借り換え、返済条件の変更など、取れる選択肢が広がります。

すべてを「人任せ」にしすぎる人

不動産業者や管理会社、銀行に言われるがままに決めてしまい、自分ではほとんど判断していないオーナーも、失敗しやすい共通点を持っています。
プロの意見を参考にするのは大切ですが、「その数字や条件の意味を理解しないまま押印する」状態が続くと、自分の物件なのに中身が分からないまま、気づけば苦しい状況に置かれてしまいます。

成功しているオーナーは、専門用語や細かい法律をすべて覚えているわけではありませんが、「何が分かっていて、何が分かっていないか」を自覚していて、分からないところは質問し、必要なら別の専門家にも意見を求めています。

「毎年の収支表やレポートを見ていない」「契約書の内容をほとんど覚えていない」「質問するのが申し訳なくて、言われた通りにしているだけ」という状態なら、一度、第三者の立場で見てくれる人に「現状診断」を依頼してもよい頃合いです。

「出口(やめ方)」を考えずに走り続ける人

もうひとつの大きな共通点は、「いつ・どうやめるか(売る・相続するか)」を考えないまま走り続けてしまうことです。
不動産は一度買うと、「ローン完済まで」「次の世代まで」と、長く付き合うことになります。その間に、周辺環境の変化、人口動態の変化、建物の老朽化、自分や家族のライフステージの変化など、さまざまな「外部要因」が起こります。

出口を決めずに走り続けると、「売るに売れない築古物件」、いわゆる負動産を抱え込むリスクが高まります。
逆に、何となく不安だからと早過ぎるタイミングで売ってしまい、ローンや税金を払うと手残りがほとんどない、という失敗例もあります。

「この物件をあと何年持つのか」「どのタイミングで売る可能性が高いのか」「相続のことはどう考えているのか」といった出口のイメージを、ざっくりでも持っているかどうかが、リスクを抑えるポイントになります。
出口を考えるときも、自分だけで悩むのではなく、売却に強い不動産会社や、税金・相続に詳しい専門家と一緒にシミュレーションをしてもらうと、感情ではなく数字と現実に基づいた判断がしやすくなります。

ここまで読んで「少し当てはまる」と感じた人へ

ここまでの共通点の中で、「これは自分かもしれない」と感じる項目がひとつでもあれば、それは「まだ取り返しがつくうちに、立ち止まるべきタイミング」です。

大事なのは、「失敗する人の特徴があるから、もう終わりだ」と落ち込むことではなく、「どこから手をつければいいか」を整理していくことです。
自分で手を打てる部分(数字の見直し、資料の整理、管理会社への質問など)と、「一人で抱え込まずに専門家と一緒に考えた方がいい部分(資金計画、出口のシミュレーション、税金・相続など)」を分けていくと、やるべきことが見えてきます。

この記事のタイトルにある「専門家に相談を考えるタイミング」は、

  • 利回りだけで判断してきたことに不安を感じ始めたとき
  • 修繕や退去の費用が、思っていた以上に重いと気づいたとき
  • 家賃を下げ続ける以外の対策が思いつかないとき
  • 自分の生活費でローンを補っていると自覚したとき
  • 物件や契約の中身が自分で説明できないと気づいたとき
  • 出口のイメージが全く描けていないと感じたとき

このどれかひとつでも当てはまった瞬間です。

そのタイミングで、「これ以上は一人で判断しない」と決めて、信頼できる専門家と一緒に数字と現状を整理していくことが、賃貸経営を立て直すためのいちばん現実的で安全な一歩になります。