【賃貸物件】不動産ポートフォリオとは?初心者でも失敗しない作り方と具体例
2026/01/29
目次
不動産ポートフォリオとは?
不動産ポートフォリオとは、投資家が保有する複数の不動産を「どのエリアに」「どんな種類で」「どのくらいの割合で」組み合わせるかを設計した資産構成のことです。
単一の物件に集中投資するのではなく、地域や物件種別、価格帯の異なる複数の物件を組み合わせることで、リスクを分散しながら収益の安定化を目指します。
ポートフォリオ=資産の組み合わせという考え方
元々ポートフォリオは、株式や債券、投資信託などを組み合わせる「金融資産全体の配分」を意味する金融用語です。
これを不動産投資に当てはめたものが不動産ポートフォリオで、「ワンルームマンション」「ファミリー向けマンション」「一棟アパート」「戸建て」などをどのくらいの比率で保有するのか、という設計そのものを指します。
なぜ不動産ポートフォリオが重要なのか
理由1:空室や賃料下落のリスクを分散できる
1つの物件だけに依存していると、その物件が空室になった瞬間に家賃収入がゼロになるリスクがあります。
一方で、エリアやターゲットの異なる複数物件を組み合わせたポートフォリオにしておけば、どこか一部が空室になっても、他の物件が収入を支えることでトータルのキャッシュフローを安定させやすくなります。
理由2:景気・人口・金利など環境変化への耐性が上がる
人口減少が進む地方エリアだけに偏った投資や、単身者向けワンルームだけに集中した投資は、将来の需要変化によって大きな影響を受ける可能性があります。
都心・郊外、単身・ファミリー、新築・中古といった要素を分散することで、景気や人口動態の変化、金利や税制の変化に対してもポートフォリオ全体でバランスを取りやすくなります。
理由3:長期的な資産形成のスピードと選択肢が広がる
ポートフォリオを意識せずに「その場その場で良さそうな物件を買う」ことを続けると、気付いたときには融資枠を使い切ってしまい、その後の拡大余地がなくなることもあります。
あらかじめゴールや比率を決めてポートフォリオを設計しておけば、「いつ・どのエリアで・どのタイプを増やすか」を計画的に決められ、売却や組み換えの判断もしやすくなります。
不動産ポートフォリオを構成する3つの軸
初心者がまず押さえるべきは、「何をどの軸で分散するか」です。
軸1:物件の種類(種別)
- 区分マンション(ワンルーム・ファミリータイプ)
- 一棟アパート・一棟マンション
- 戸建て賃貸
- 店舗・オフィスなど事業用不動産
区分は少額から始めやすく流動性が高い一方、一棟はキャッシュフローと節税効果を大きくしやすいなど、それぞれ特徴が異なります。
ポートフォリオ全体では、「安定枠(区分・戸建て)」と「収益拡大枠(一棟)」をどう組み合わせるかがポイントになります。
軸2:エリア(立地)
- 東京など大都市圏か、地方中核都市か
- 駅徒歩○分以内か、郊外の車利用前提エリアか
- 今後人口が増える・横ばいのエリアか、減少が見込まれるエリアか
例えば、都心のワンルームで稼働率の高さを確保しつつ、地方中核都市のファミリー物件で利回りを狙うなど、エリアを分けて役割を持たせる考え方が一般的です。
軸3:築年数・建物タイプ
- 新築/築浅/中古
- 木造/鉄骨造/RC造
- エレベーター有無や設備スペックなど
新築・築浅は募集しやすい半面、利回りが低めになりがちで、中古は利回りが高い代わりに修繕や退去リスクを見込む必要があります。
築年数と構造の組み合わせもポートフォリオ全体でバランスを取ることで、将来の大規模修繕や建替リスクをコントロールしやすくなります。
初心者でもできる不動産ポートフォリオの作り方ステップ
ステップ1:投資目的とゴールを数値で決める
まず、「いつまでに、月いくらのキャッシュフロー(税引き後)を目指すのか」を決めます。
老後資金の補填なら月10万円、セミリタイアを目指すなら月30万円など、具体的な数字を置くことで必要な物件数や投資額が逆算しやすくなります。
ステップ2:自己資金と借入可能額を把握する
- 自己資金として投下できる現金・金融資産はいくらか
- 年収・勤続年数・既存ローンから見た大まかな借入余力はどの程度か
この時点で、区分中心でいくのか、一棟を視野に入れるのか、現実的な路線が見えてきます。
不動産投資ローンや金融機関のスタンスは時期によって変わるため、最新の融資環境は専門家に相談しながら整理するのがおすすめです。
ステップ3:現在の資産全体のポートフォリオを確認する
- 現金・預金
- 株式・投資信託・iDeCo/NISAなど
- すでに保有している自宅・収益不動産
この時点で既に「金融資産に偏りすぎている」「不動産の比率が高すぎる」といった偏りがないかを確認し、不動産にどの程度まで配分できるかを決めます。
ステップ4:理想の不動産ポートフォリオ比率を決める
例として、次のような比率が考えられます。
- 安定重視型
- 都心区分ワンルーム:50%
- 地方ファミリー向け区分:30%
- 現金・予備資金:20%
- 成長重視型
- 一棟アパート・マンション:60%
- 都心・準都心区分:20%
- 現金・予備資金:20%
実際には、年齢・年収・家族構成・既存資産によって最適な比率は変わるため、「モデルケースを参考にしつつ、自分のリスク許容度に合わせて微調整する」ことが重要です。
ステップ5:1件目〜3件目までの取得ロードマップを作る
初心者の場合、「最初の3件」で今後の方向性がほぼ決まります。
例えば次のようなステップです。
- 1件目:都心または人気エリアの中古ワンルームで、稼働率重視のベース作り
- 2件目:利回りを少し高めた郊外または地方中核都市のファミリー物件
- 3件目:融資余力とキャッシュフローが整った段階で、一棟へのステップアップを検討
ここまでを事前に描いておくことで、「その場の勢いで買ってしまい、後から融資枠が詰む」事態を避けやすくなります。
具体的な不動産ポートフォリオの例
例1:年収700万円・会社員の安定重視ポートフォリオ
- 目的:老後資金+教育費の補填として月10〜15万円のキャッシュフロー
- 想定ポートフォリオ
- 都心中古ワンルーム(区分):2戸
- 地方中核都市のファミリータイプ区分:1戸
- 現金・投資信託:全体資産の30%程度をキープ
このケースでは、「まず都心ワンルームで基盤を作り、その後に地方ファミリーで利回りを上乗せする」という順番が現実的です。
例2:資産1億円超のオーナーのバランス型ポートフォリオ
- 目的:相続も見据えた資産保全と緩やかな拡大
- 想定ポートフォリオ
- 一棟マンション・アパート:資産全体の30〜40%
- 都心・駅近の区分マンション:20%
- 上場株式・投資信託:20〜30%
- 現金・預金:20%前後
このように、不動産の中でも複数タイプを組み合わせつつ、他の資産クラスとのバランスも取ることで、リスク管理と節税効果の両立を狙います。
失敗しやすい不動産ポートフォリオのパターン
パターン1:利回りだけを追って地方・築古に偏る
表面利回りの高い築古・地方物件だけに偏ると、想定以上の空室や修繕でキャッシュフローが悪化し、結果的に身動きが取れなくなるケースが多く見られます。
利回りだけでなく、賃貸需要や人口動態、将来の出口(売却)可能性を踏まえてポートフォリオ全体を設計することが重要です。
パターン2:融資枠を意識せず最初から一棟フルローン
最初の一棟で融資枠を使い切ってしまうと、その後の買い増しが難しくなり、「1棟だけで終わる」リスクがあります。
将来的に複数棟を保有したいなら、1棟目の規模・価格帯・金融機関選びがポートフォリオ全体の成否を左右します。
パターン3:見直しや組み換えをまったく行わない
金利や税制、エリアの需給は時間とともに変わるため、「買ったら放置」のままだと、知らないうちに非効率なポートフォリオになっていることもあります。
定期的に収支・資産価値・将来の修繕計画をチェックし、必要に応じて売却や組み換えを検討することが長期的な成果につながります。
不動産ポートフォリオを見直すべき3つのタイミング
- 金利上昇・税制改正など、外部環境が変わったとき
- 築20年・30年など、大規模修繕や建替えを意識するタイミング
- 家族構成やライフプラン(教育費・介護・相続方針など)が変わったとき
これらの節目では、「売るべきか」「持ち続けるべきか」「他の物件に組み替えるべきか」を一度整理することをおすすめします。