【賃貸物件】やってはいけない不動産ポートフォリオ5選|失敗事例から学ぶ危険な組み方
2026/01/29
目次
はじめに:失敗する人は「ポートフォリオ」でつまずく
不動産投資の失敗事例を見ていくと、「物件選びが悪かった」というよりも、「ポートフォリオ全体のバランスが悪かった」ことが原因になっているケースが少なくありません。
1件1件はそれなりでも、エリア・築年数・ローン・キャッシュフローの組み合わせが悪いと、雪だるま式に苦しくなっていきます。
この記事では、典型的な「危険な不動産ポートフォリオ」のパターンを5つの失敗事例として紹介しながら、どこが問題だったのか、どうすれば回避できたのかを解説します。
これから不動産投資を始める方だけでなく、すでに複数物件をお持ちの方も、「自分のポートフォリオが当てはまっていないか」をチェックしてみてください。
失敗パターン1:高利回りだけを追った「地方・築古一点張り」型
ケース概要
- 地方都市の築古アパートや築古マンションばかりを複数棟購入
- 表面利回りは10%以上と一見魅力的
- しかし、実際には空室が続き、修繕費もかさみ、手元のキャッシュフローは常にギリギリ
このパターンは、「利回りの数字だけに引き寄せられて、需給や修繕リスクを見誤る」という典型例です。
どこが危険だったのか
- 地域の人口動態や賃貸需要の調査が不十分で、そもそも「入居者候補が少ないエリア」に集中投資していた。
- 築古物件ばかりで、屋上・外壁・配管・設備などの修繕費用が想定以上に膨らんだ。
- 退去のたびに原状回復費用がかさみ、家賃も下落していくため、利回りは数字ほど出なかった。
結果として、「表面利回り10%」のつもりが、実質的には6〜7%以下、場合によっては赤字に転落し、売ろうとしても買い手がつかず「塩漬け」化するケースもあります。
回避のためのポイント
- エリアの人口・世帯数・空室率・賃料水準など、基本的なマーケットデータを必ず確認する。
- ポートフォリオ全体の中で、築古・地方の比率を一定以下に抑え、都心・人気エリア・築浅なども組み合わせてバランスを取る。
- 高利回りに見える物件こそ、修繕費や空室リスクを「盛った」シミュレーションで検証する。
失敗パターン2:営業トークに乗せられた「新築ワンルーム頼み」型
ケース概要
- 都市部の新築ワンルームを、「節税になる」「年金代わりになる」と営業され、フルローンで複数戸購入。
- 初期はサブリースや高めの賃料設定で見かけ上の収支はトントンだが、数年で家賃下落・サブリース条件変更・管理費上昇が重なり赤字化。
- 売却しようにもローン残高が高く、手出しなしでは売れない状態に陥る。
実際の失敗事例でも、「新築ワンルーム投資で毎月持ち出しになり、退職金が消えた」「ローン残高>売却価格で身動きが取れなくなった」といった声が多く報告されています。
どこが危険だったのか
- 利回り3〜4%台の低収益な物件を、自己資金ほぼゼロ+高金利ローンで購入していた。
- 「節税」や「家賃保証」に意識が向き、本来見るべき実質利回り・賃料相場・空室リスクの検証が不十分だった。
- ポートフォリオ全体が同じような新築ワンルームで占められており、多様なニーズに対応できなかった。
回避のためのポイント
- 新築・ワンルーム自体が悪いのではなく、「利回り」「価格」「ローン条件」「エリア」を冷静に比較検討することが重要。
- すべてを新築ワンルームにするのではなく、一部を中古・ファミリー・一棟物件などに振り分け、ポートフォリオ全体の収益性を底上げする。
- 営業マンのシミュレーションだけでなく、自分で賃料相場や空室率をチェックする。
失敗パターン3:借入過多の「キャッシュフロー超薄型」ポートフォリオ
ケース概要
- 年収の何倍も借りられることを根拠に、フルローン+オーバーローンで一棟アパート・マンションを短期間に複数取得。
- 満室で回っている間はなんとか黒字だが、空室が出る・修繕が発生する・金利が上がるなどで一気に資金繰りが悪化。
- 返済が回らなくなり、最終的に「安売りして手放す」「自己破産に至る」などの悲惨なケースも報告されています。
どこが危険だったのか
- 「年収の○倍借りられる」「今が融資のチャンス」といった空気に押され、キャッシュフローの安全マージンをほとんど取っていない。
- 複数物件すべてがギリギリの返済計画で、どれか1つでも問題が起きると連鎖的に苦しくなる構造になっていた。
- 繰上げ返済や借り換え、ポートフォリオの縮小といった「守りのオプション」を検討する前に行き詰まりやすい。
回避のためのポイント
- 目指すべきは「満室ギリギリ黒字」ではなく、「空室や家賃下落があっても黒字を保てる」キャッシュフロー設計。
- 借入余力があるからといって、上限まで使い切らない。あくまで自分のリスク許容度を基準にする。
- ポートフォリオが拡大してきた段階で、一部のローン返済を前倒しして余力を作る選択肢も検討する。
失敗パターン4:エリアとターゲットの「一極集中」ポートフォリオ
ケース概要
- 「このエリアは知っているから安心」「この駅周辺しか見ない」と決め込み、同じエリア・同じターゲットばかりの物件を買い集める。
- 数年は順調だったものの、競合物件の増加・ターゲット層の減少・周辺環境の変化によって、空室と賃料下落が同時に進行。
- ポートフォリオ全体が同じようにダメージを受け、キャッシュフローが一気に悪化する。
どこが危険だったのか
- 「土地勘」と「実際の需給」を混同し、客観的なデータよりも感覚でエリアを選んでいた。
- 単身向けワンルームだけ、学生向けだけなど、ターゲットが一枚板だった。人口構成や大学移転などの変化に弱い。
- エリア分散・ターゲット分散の発想がなく、ポートフォリオ全体のリスクが一方向に偏っていた。
回避のためのポイント
- 「よく知っているエリア」を基軸にしつつも、少なくとも2〜3のエリアやターゲットに分散する。
- 学生・単身・ファミリー・法人など、複数の需要をポートフォリオ内に取り込むことで、特定セグメントの変動に強くする。
- 定期的にエリアの人口・戸数・空室率・賃料相場をチェックし、「潮目が変わったら縮小・撤退も検討する」という視点を持つ。
失敗パターン5:見直し・組み換えを一切しない「放置型」ポートフォリオ
ケース概要
- とにかく「長期保有が正義」と考え、購入後はほぼノーチェック。
- 賃料下落・修繕積立金の増額・大規模修繕・金利上昇などが重なり、気付いたときには「ほとんど儲かっていない」状態になっていた。
- 売却や組み換えのタイミングを逃し、含み益を取り損ねたり、逆に含み損が拡大して身動きが取れなくなるケースも。
どこが危険だったのか
- 家賃・経費・ローン返済の変化を定期的にチェックしておらず、「なんとなく大丈夫そう」で放置していた。
- 市況が良い時期に売却していれば資産を伸ばせたのに、「めんどう」「まだ大丈夫」と先延ばしにして機会損失を生んでいた。
- ポートフォリオ全体を俯瞰し、「どの物件に伸びしろがあるか」「どの物件が足を引っ張っているか」を整理していなかった。
回避のためのポイント
- 少なくとも年1回は、各物件の収支と賃料相場を確認し、ポートフォリオ全体の「健康診断」を行う。
- 大規模修繕・ローンの固定期間終了・エリアの大きな変化など、「見直しタイミング」をあらかじめ意識しておく。
- 長期保有を前提にしつつも、「売る・組み換える」という選択肢を常に持っておく。
危険なポートフォリオになっていないか、簡易セルフチェック
ここまでの失敗パターンを踏まえ、次のような質問に「はい」が多いほど危険度は高まります。
- 利回りの高さだけを理由に買った地方・築古物件がポートフォリオの大半を占めている。
- 新築ワンルームや同じタイプの区分マンションが多く、ファミリーや一棟などのバリエーションがない。
- 満室前提のギリギリの収支計画でローンを組んでおり、1〜2戸空くと赤字になる。
- 保有エリアがほぼ1〜2地域に集中している。
- 過去1年以上、各物件の収支や賃料相場をきちんと見直していない。
もし複数項目が当てはまるようなら、「危険なポートフォリオ」に近づいている可能性があります。
まとめ:失敗事例を「自分ごと」にして、ポートフォリオの軌道修正を
不動産投資の失敗事例は、読んでいて怖くなるものも多いですが、その多くは「事前に知っていれば避けられた」ものでもあります。
大切なのは、他人の失敗パターンを「自分ごと」として捉え、自分のポートフォリオに同じ要素が紛れ込んでいないかを定期的に確認することです。
完璧なポートフォリオを最初から組む必要はありません。
むしろ、スタート時点は多少の偏りがあっても、「危険なサイン」に早く気づき、小さな組み換えや見直しを積み重ねていくことで、時間とともに強いポートフォリオに育っていきます。
今一度、手元の物件一覧を見返し、「どの失敗パターンに近いか」「どこから直せそうか」を考えてみてください。
それが、不動産投資で取り返しのつかない失敗を避け、長期的に資産を守り育てていくための、いちばん確実な一歩になります。